「チュンチュン」
炭治郎が駆け出そうとした所で一羽の雀が目の前に現れ、前のめりになりながらもなんとか止まった。
「チュン❗チュン❗」
「そうかわかった。何とかするから」
どうやら雀は炭治郎に助けを求めていたようだ。炭治郎は雀を手のひらに乗せ、未だ女性にすがりついている少年の下へゆき、少年の羽織の襟を掴み持ち上げると
「何してるんだ道の真ん中で❗その子は嫌がっているだろう❗❗そして雀を困らせるな❗❗」
説教を始めた。少年は炭治郎の顔を見ると
「お前は最終選別の時の…」
少年は炭治郎のことを覚えているようだが、炭治郎は一切覚えておらず『知らん』と言うと、少年が"記憶力の問題"と言い張った。炭治郎は少年の言っていることを無視し、女性を帰らせようとしていたが、少年が再び騒ぎだし、女性の堪忍袋の緒が切れたのか、少年に往復ビンタを喰らわした。
それを見た炭治郎は慌てて女性を止めるために女性から引き剥がすと
「いつ私があなたを好きだと言いましたか❗❗具合が悪そうに道ばたで蹲っていたから声をかけただけでしょう❗❗」
と叫びだした。そして
「俺のこと好きだから心配して声かけてくれたんじゃないの❗❓」
「私には結婚を約束した人がいますので絶対ありえません❗それだけ元気なら大丈夫ですねさようなら❗❗」
少年の疑問に否定の回答をし、女性は少年の制止を振り切り怒りながら帰っていった。
少年は炭治郎に当たり散らそうとするが、当の炭治郎は嫌そうなしかめっ面をしていた。更には"次の仕事で死ぬ"だの"弱い"だのなぜか自分で自分を責めていた。
「俺が結婚できるまでお前が俺を守れよな」
と無茶振りを言ってくるが、
「俺の名は竈門炭治郎だ、お前じゃ無い❗」
と胸を叩きながら自己紹介をした。
「そうかいごめんなさいね❗❗俺は
炭治郎はなぜ助けを求めるのか聞いてみると、どうやら女に騙されて借金を背負ってしまったようだ。それを肩代わりしてくれたのが"育手"の人だったらしく、肩代わりの見返りに毎日地獄の鍛練を強いたようだった。なぜかブリッジをしながら。
仕方なく炭治郎は持っていた"最後の"おにぎりを渡し、目的地へと"善逸と共に"歩いていた。
「善逸の気持ちもわかるが雀を困らせたらダメだ」
炭治郎は移動しながら善逸の鎹"鴉❓雀❓"を困らせないように言ってると
「えっ❓困ってた雀❓なんでわかるんだ❓」
「いや善逸がずっとそんなふうで仕事に行きたがらないし女の子にすぐちょっかい出す上にイビキもうるさくて困ってるって……」
「言ってるぞ」
炭治郎は手のひらに乗せている善逸の雀を指差しながら雀の言ってることを翻訳した。善逸は炭治郎が言っていることが信じられず
「言ってんの❗❓鳥の言葉がわかるのかよ❗❓」
「うん」
炭治郎に質問するが、直ぐ様肯定の返事がきた。そして炭治郎の鴉が急かすように喋ると善逸は驚いて腰を抜かした。
やっとの思いで目的地に着くとそこは一軒の屋敷だった。
「血の匂いがするな…。でもこの匂いはちょっと今まで嗅いだことがない」
「えっ❓何か匂いする❓それより何か音しないか❓」
炭治郎が匂いに敏感に対して善逸は音に敏感なのだ。炭治郎は善逸の言ってることに疑問を感じながらも、視線の先にいる
炭治郎は名案を思いついたのか、その場にしゃがみ
「じゃじゃーん。手乗り雀だ❗」
右手に乗せた善逸の雀を見せた。雀も事情を察してか、その場で鳴きながら跳び跳ねていた。兄妹はそれを見た瞬間、その場にへなへなと座りこんだ。炭治郎はあの屋敷は君たちの家かと訪ねるが、兄の方が首を振りながら
「ちがう…ちがう…、ばっ…化け物の家だ…」
と震える声で答えた。どうやら兄妹にはもう一人兄がいて、夜道を歩いていたらその"兄だけ"連れて行かれたようだった。残された兄妹は、連れ去られる際怪我をした兄の血の跡を追ってここまで来たようだった。
「大丈夫だ。俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助ける」
怪我を負っていることを知った炭治郎は悪者を倒すことを約束した。その時善逸が
少年は血まみれで地面に突き落とされ、炭治郎は即座に少女の視線を羽織で隠し落とされた少年の下へと駆け寄った。少年は今にも事切れそうな状態だったため、炭治郎は血で汚れる事も厭わず彼を抱き締め、心の中で助けられなかったことを悔やんだ。
「に、兄ちゃんじゃない……。兄ちゃんは柿色の着物着ている……」
妹を抱き締めていた兄がぼそりと呟くと、炭治郎は何人も捕まっていることを察し善逸に屋敷に入ることを伝えるが、善逸は首を横にふり、拒絶した。すると炭治郎は般若みたいな顔をすると
「そうか、わかった」
と一人で行こうとした。善逸は怯えながらも同行することを決意した。本音はこんな怖い所に一人でいたくなかったからだが。
炭治郎は兄妹の前に行き背負っていた箱を目の前に下ろすと
「もしもの時のためにこの箱を置いていく。何かあっても二人を守ってくれるから」
そう言って炭治郎は善逸を連れて屋敷の中に足を踏み入れた。善逸は炭治郎に守ってもらおうとするが、炭治郎は前(矢琶羽)の戦いで肋骨と足を骨折しており、まだ完治していないことを伝えるとまたしても善逸は叫びだした。
炭治郎は善逸は強いことを伝えようとするが、視線の先に外にいた兄妹が屋敷内に入ってきたことを知った。
「お、お兄ちゃん、あの箱カリカリ音がして…」
どうやら禰豆子が立てた音にびっくりして炭治郎たちを呼びにきたようだった。
「だっ…だからって置いてこられたら切ないぞ。あれは俺の命より大切なものなのに…」
実際ひとりぼっちになってしまった禰豆子は箱の中でしょんぼりしていた。
そして屋敷内から何かが軋む音がすると善逸が驚き炭治郎と少女を尻で襖が開いていた部屋に押し出してしまった。その瞬間、鼓の音が三回鳴ると同時に炭治郎たちは部屋を"三回移動した"。
兄とはぐれてしまった少女は余りにもの不安で涙を流し、炭治郎はそれをあやす。炭治郎は少女の名を聞き、少女は『てる子』と名乗った。炭治郎はてる子の名を褒めようとした瞬間、鬼の匂いを嗅ぎとった。そして廊下から両肩と両腿、そして腹から鼓を生やした鬼が現れた。炭治郎は匂いからこの屋敷の主と分かった。
一方善逸は残された兄と一緒におり、兄は妹のてる子を探そうとするが、善逸に止められ外に出ようとするが、
「何で外に❓自分だけ助かろうとしてるんですか❓死ぬとかずっと言っていて恥ずかしくないですかあなたの腰の刀は一体何のためにあるんですか❓」
と早口で正論を毒のように吐き、善逸を吐血させた。しかし善逸は"大人を呼ぶため"と少年を再び引きずり、手前の戸を開けるとその先は屋敷の外ではなく、屋敷内の一室だった。
善逸は混乱しその部屋の襖を開けると、そこにいたのは"猪の頭を被った上半身裸の同年代の男"だった。
「化ケモノだァーッ❗❗❗」
善逸が叫ぶと猪男が突っ込み、善逸はしゃがむ。だが猪男は善逸には目も暮れず、壁を蹴り、襖を壊し、そのまま走り去った。残された少年は善逸を冷たい目で見ていた。
その頃炭治郎はてる子の口を手で塞ぎ、叫ばないようにしていた。そして後ろにある棚の後ろに隠れるように言うと、立ち上がり刀を構えた。
「なぜだ。どいつもこいつも余所様の家にづかづかと入り込み。腹立たしい…、小生の獲物だぞ。小生の縄張りで見つけた小生の獲物だ……」
鬼は何やらぶつぶつ言っているが、炭治郎は気にせず
「俺は鬼殺隊階級・癸❗❗竈門炭治郎だ❗今からお前を斬る❗」(この子は不意打ちができないんですby作者)
炭治郎が飛び掛かったその時、鬼は右肩の鼓を叩いた。そうしたら"部屋が90度右に回った"。炭治郎は部屋が回った力が目の前の鬼の血鬼術であること、そして屋敷全てが鬼の縄張りであることを見抜き、どう戦うか考えていると他の匂いが近づいていることに気づき、その匂いがする障子を見ると
「
先ほどの猪男が障子を破って現れた。