リハビリという名の息抜きに
大学もバイトも忙しくて草が生えますわよ
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濾過異聞史現象。
剪定事象により打ち切られ、終了した筈の人類史による、地球という天体そのものへの攻撃。
多くの知られざる・知られる必要もない歴史の中からより強力な可能性を持ったものが、侵略のための兵器として用いられた。
それはかつて魔神王が成した大偉業、人理焼却に等しいとも取れる。
地球は完全に漂白された惑星と化した。
もはや彼の地に繁栄する知性体はいない。
もはや正しき歴史を知る者はいない。
この星に、かつての面影の存在はない。
何もかもが一新された無限の荒野。
自然も文明も生きる者たちも、全ては一切合切消え失せ、不要なものだと削ぎ落された。
だが───異例なる生存者はいる。
人理保証継続機関フィニス・カルデア。
その僅かな生き残りである彼等は、虚数潜航艇シャドウ・ボーダーを用い、虚数空間へと退避した。
そうして、彼等は異聞史と相対する事となる。
“何故、我らは不要とされたのか”
“何故、人類史は異聞史を殺すのか”
“何故、お前は我らを終わらせるのか”
それは、正しき歴史から見捨てられた者達より、今を生きていたはずの者達への復讐に他ならなかった。
見捨てられ、消えたはずの歴史である異聞帯は本来の歴史である“汎人類史”へ、怨嗟の声をあげることもあれば、憐れみを向けることもあった。
だが彼等はそれら全てを乗り越えて───七つある異聞帯のうち、二つをかの地球上から抹消した。
やがて彼等は辿り着く。
彷徨海バルトアンデルス、白紙化を逃れた神秘のテクスチャを貼り付けながら移動する土地。言うなれば“独立した特異点”であるそこに、汎人類史を取り戻すことを課題とする魔術師が存在していた。
彼女の協力により、新たなるカルデア、
ノウム・カルデアが設立。
ようやく彼等は汎人類史を取り戻すための拠点を得た。
───“その地”が観測されたのは、その直後である。
ソレを見た時、協力者シオン・エルトナム・ソカリスは白目を剥き、ダ・ヴィンチはきったない高音の絶叫を出し、シャーロック・ホームズは乾いた笑い声を出した。
ありえない、ありえないはずのものだった。
否、異聞帯を二つ切除したともなれば、可能性としてはあって然るべし現象でもある。
だが、その内部の活動がありえない。
これでは我々にあんな自信満々に勝利宣言をしたクリプターが、大きな誤算をしでかした事になる。
だが、観測結果は事実を叩き出す。
それは真っ白な大陸に染み出す様に存在している。
値はそれを現実と示している。
それは真っ当な経済と生存活動をしている。
値はそれを現実と示している。
それは内部に1億2581万人の人類を保有する。
値はそれを現実と示している。
その全てを見たカルデアのマスターである男、藤丸立香は頭を抱えた。
彼はその全てに見覚えしかなく、自分はそこに住んでいた体験すらあるし、そこがある意味狂気の蔓延する地だと認めてすらいた。
それは極東にありし、大凡四つの島から成る国家。
繰り返す仕事と休暇、収入と支出の現実。
祈り満ちる久遠の労働に上司の理不尽は君臨し続ける。
故に、突如として復帰した汎人類史はこう呼称された。
そこに願いと希望を込めて、この文字が焼き付く。
“第一復帰汎人類史 日本国”と。
現実強度A++++ 人理定礎値:EX
第一復帰汎人類史
永劫不変の時
A.D2018観測可能史実 永久労働地獄日本国