IS-オルタネイティブ-   作:3148

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ストーリーとしてはマヴラヴ・オルタネイティブの後のお話、キャラ設定が微妙におかしいのは世界線が違うということにしておいてくださいorz
オリジナルを考える脳みそがないので、8割ほどマヴラヴの話をリスペクトしてますが、なぜかマヴラヴのキャラが出てこない不具合。
あと、結構長いのですが、完結までもうちょっとまで書いてます。

第一話  

目を覚ました一夏は見慣れたはずなのに、どこか違う世界にたどりつく。IS学園さえも見当たらないその世界でとある人物と出会うが……


第一話

 目を覚ますと、自分の家にいた。何一つ変化のない自分の部屋、見慣れた景色、白いカーテン、今ではあまり使わなくなった型落ちの携帯ゲーム、家具や様々な全ての物が見慣れたものだった。

「……なんでこんなところに、IS学園は?」

そうだ俺は確か……いつも通りに講義を受けた後、就寝時間になったから眠って、IS学園の寮にいたはずなのに。

「ぼけてるのかなぁ……」

寝惚けた頭を覚ます為に1階に下りて洗面所に向かおうとする。階段を降りて、玄関を覗くと、外が見えた。

「……なんじゃこりゃ」

余りにも馬鹿げた光景に、間抜けな声が出た。崩れた扉、破壊された玄関、おおよそ扉一つ分だけ覗く景色は、地平線まで伸びるかのような荒野になっていた。少なくとも自分が知っている故郷の景色ではない。

「……どういうことだ?」

制服を着たまま寝ていたらしく、そのまま外に出る。扉の外は中から覗いたままだった。家の半分は巨大なロボットの上半身のようなもので潰されていた。周りの家もほとんどが壊滅、かろうじて柱が残っているか、土台のコンクリートが見えているか、あるいは砂地になってしまっている。

「どうなってるんだよ?」

困惑のまま、見知ったはずの故郷を走る。もはや機能していない商店街、電車どころか線路すらまともに機能していない身寄りの駅。

「……IS学園ならっ!」

IS学園なら、爆撃されたって平気な場所だ。何が起こったのか分からないが、きっと人が全くいない此処とは違って誰かいるだろう。単なる希望でもあるが、足を止めるよりかは幾分マシだ。そんな気持ちは人と会う事が出来たと言う意味では願望通り、見知った景色を見たかったという意味では……残念な結果に終わった。外観だけで言うと少々の変化があるものの、大凡はそのままだが。

「あっ、警備の人!」

寮に住んではいるが、警備の人とは顔を合わせた事がある。数えるほどだが知っている人間との遭遇は安堵をもたらす。

「……なんだお前、外出するなんて物好きもいたんだな」

二人一組で警備する成人男性が迎える。妙な慣れ慣れしい言葉づかいとは裏腹に、自分の事を誰とは分かっていなさそうだ。

「まぁ、あんまり顔を合わす機会もないし、仕方ないか」

知っている人間と会えたのは嬉しいが、中途半端な知りあいだと反応に戸惑う。これが千冬姉だったら飛びついてハグして大喜び……それはそれで出来ないか。

「悪いがIDを見せてくれるか? 面倒だけどな」

喜びのあまり忘れてしまっていた。ポケットにしまっていたIDカードを見せる。

「……ん?」

いぶかしむ様にこちらを見る。こちらの顔とIDを何度も見比べ、となりの同僚と顔を見合わせる。

「どう思う?」

「どう思うっつったって……」

いつもなら何も言わずに通してもらっていたのだが、今回は違うみたいだ。もしかすると自分の記憶にはないが、出る時に不備でもあったのかもしれない。

「何かあったの?」

敷地内から出てきたのは更識楯無だ。IS学園の制服ではなく、スーツに白衣という馴染みのない格好である。

「……楯無さん、背、伸びました?」

自分よりか背は低かったと思うのだが、同じ程度になっている。顔立ちもなんだか……大人びた、という表現が丁度合いそうだ。

「更識博士、知り合いですか?」

博士、良く分からない称号を付けられている。博士と言われる様な事をしていたのだろうか。まぁ、この人ならそういう事をしていたとしてもおかしくはない、気もする。

「……いいえ、初対面よ」

「え?」

冗談は勘弁してほしい。この状態でそんなこと言われると不審者として扱われても仕方ない。

「な、なに言ってるんですか!? 俺ですよ! 織斑一夏ですよ!」

更に怪訝な目で見られてしまった。明らかに不審者を見る目だ。二人組は警棒を構えている。

「な、何の冗談ですか?」

「まさか、偽造じゃないだろうな。所属を言ってみろ」

「俺はIS学園の1年B組、織斑一夏だ」

「ふざけるなっ!」

こらえきれなくなった警備員は警棒を振り下ろす。反射的に白式の腕を出す。

「!?」

楯無さんが目を見開く、これまでの半ばあきれた様な印象から一転する。

「……お、お前?」

ISを見せた瞬間態度が変わった。ある意味身分証明の代わりにもなるのかもしれない。確かにこれを使用できる人間は限られているからだ。

「あなた、なんて言った?」

「……織斑一夏、ですよ」

硬直している警備員と悩む楯無、少しの静寂。

「そう、そんな名前だったね」

「……え!?」

「新しく配備された新兵よ、名前は……ちょっとド忘れしてたの」

流石に苦しいと感じたのか、警備員がいぶかしむが、有無を言わさない。

「さっきの見れば分かるでしょ、お客さんなんだからさっさと私の部屋まで通してちょうだい」

渋々と言った様子で道を開ける。

「……何してるの、さっさと付いてきなさい」

「あっ、ちょっと待って下さいよ」

突然の手のひら返しについていけなかった。

 

「……で、あんたは何しに来た訳?」

デスクワークに必要なものが一通りそろった簡素な部屋に案内され、突然疑問をぶつけられる。

「何って……」

「ここは対BETAの最前線、横浜国際連合支部よ? スパイに来ましたとか言ったら」

カチャリと乾いた音ともに銃口を向けられる。サイズとしてはグロック程度だが、当たり所が悪ければ勿論死んでしまう。

「……ここはIS学園でしょう?」

ドッキリ、だと思いたい。だが、これまで悪質なものをされる覚えもなければ、悪意のあるようなことをする人でもないと思う。何より、日常らしきものが全く見えないのは不安で仕方ない。冗談に付き合える余裕もない。

「……分かったわ。まずはあなたの話を聞きましょう」

 

 知っている事を全て話した。私事の多くは省いたが、ISのことや白式のこと、今日始まってからの違和感など、ところどころの質問への返答で随分と時間を使った気がする。

「なるほどねぇ……」

「信用してもらえましたか?」

「全然? あんたみたいな事を言う、薬をキメたラリパッパと相手する事もあるしね」

麻薬中毒者と同じ目で見られているのか、反応からして想像してはいたが、言葉にされると辛いものがある。

「じゃあなんで、ここに案内してくれたんですか?」

「一つはそうね、あなたのみせたそれ、私達にとっては利用価値がある、そう感じたから」

腕のブレスレットを指して答える。ISのことを知っているようだし、やはりこれが目的だろう。

「二つ目は……直感に近いものがあるわね。良し悪しは分からずとも、あなたの現れたタイミングには興味を惹かれるものがある」

「タイミング?」

「こっちの話よ、気にしないで」

自分から言い出しておいて気にするなとはどういうことなのか。

「三つめ、これで最後だけど……あなたみたいな前例がないわけではないの」

「!?」

前例が……ある?

「多世界解釈? とか言ったかしら。そういった論文を発表してる博士もいてね。実際観測した結果、そういう事象だった。なんて眉つばな論文を読んだ事があってね」

「多世界解釈?」

「そ、色々な世界が並行して存在するっていう理論。基本的には安定している世界間のやりとりはないんだけど、絶対的ではなく、特異点のようなものが観測されたって話」

「それじゃあ!」

「百歩譲っても可能性よ、あなたの言う事を鵜呑みにはしないし、貴方自身の信用はないの」

それじゃあ玄関口となにも状況が変わらないじゃないか。

「とはいえ、最初に言った通り利用価値はある。あなたの言う通りだとすれば行く宛もないんでしょう?」

利用価値があると言われていい気はしない。それでも、ここから出て行けと言われてはいわかりましたとは言えない。何もない故郷にもどったところで、何をすればいいのかの見当もつかない。

「寝る場所と働く場所、給与はともかく三食確保してあげる。その代わりあなたのISを見せてもらうわ。それと可能な限り情報提供もお願いね」

「……渡せませんよ?」

「ちっ」

今舌打ちしたなこの人。明らかにこちらが不利だし、IS奪う気満々だったな。

「協力する程度ならいいですよ。メンテナンスも一人で出来る訳じゃないから、その時に取るデータなんかは拒めませんし」

なにより楯無さんが悪用するとは……考えたくない。

「あらそう? それなら有難いわ。ついてきて」

部屋を出て、長い廊下を渡り始める。地下室なので外が見える事はないが、エレベーターに乗った時間から、随分深くまで降りてきていると感じる。

「それで、この世界はどれくらい知ってるの? 流石にBETAは知ってて欲しいんだけど」

初耳だ。何かの略称だろうか、アルファベット、という訳でもないだろう。

「はぁ……この調子だと先が思いやられるわね。あとで詳細は教えるけど、とりあえずはざっくり言っておくわ。この世界は異星人に侵略されてるの」

「……はぁ」

異星人なんて、それこそ異世界人や未来人と変わらない、SFの世界の話だ。

「腹立つわね、その反応。言っとくけどここじゃ一般常識なんだから、知らないじゃすまないわ」

「それで、そのベータと闘えばいいんですか?」

「大筋はあってるわ、そのための戦力は未だに足りてない。オリジナルハイブを攻略したと言っても、ハイブの建設が無くなった訳じゃないし、物量戦の脅威は健在」

「そんなに数が多いんですか?」

「ココから一番近くて最近出来たハイブ……BETAの基地みたいなものね。そこには単純な数だけで数十万のBETAがいると考えていいわ」

数十万、もはや考え付かない。もしかして、ものすごく小さくて、蜂みたいな存在なんだろうか。

「サイズは人型サイズから数十メートルの大型まで。数百メートルある超大型の種は今のところオリジナルハイブでしか確認されていないから出会わないとは思うけどね」

途方もない存在だということは分かった。そんな化け物相手じゃあ戦力なんて幾つあっても足りないだろう。

「そして、月や火星にもハイブは存在する。厄介な事に地球よりももっと巨大で、活動しているオリジナルハイブもね。そして、この宇宙のどこかにそのBETAを生みだした創造主と呼ばれる存在もいるみたいよ」

スケールがでか過ぎる。流石にそこまで付いていけるとは思えないが。半ば思考を放棄しかけていたとき、エレベーターが止まって前方の扉が開く。

「そして、それに対抗するべく航空権の奪取とともに星間航行、宇宙空間での戦闘を目標を掲げる計画が急ピッチで進められることになった。そして、その一つ宇宙空間でも活動が可能であり、超小型サイズのラザフォード場をコントロールすることで制空権と防御能力を兼ね備えたパワードスーツ、それがインフィニットストラトス、通称ISよ」

「これも、ISなんですね」

目の前には無骨なデザインだが、どこか暮桜を思わせるような真っ白い機体が座っている。

「少なくともISについての研究はここが最先端、と思っていたんだけど、あなたのを見るとそういう訳にもいかないかもね」

「これ一つだけなんですか?」

「これは試作型、とはいえ量産機がある訳じゃないから実戦配備されてるのも数えるほどね。テストパイロットとテスト機も預かっているけど、そっちを見せる訳にもいかないわ」

「もしかして、楯無さんの機体だったりします?」

「私がパイロットって言った? あぁ、向こうの私も似たようなものだったわけね」

やり辛いなぁと呟く。まぁ、それはお互い様だ。

「さて、ここまで企業秘密見せてあげたんだから、ただで帰るなんて言わないでよ? あなたのISも見せて頂戴」

ここまで連れて来たのは単に自慢がしたかった訳ではないだろう。俺の装備に対して対応が出来る様に、時間稼ぎとその対策が目の前にある。

「構いませんよ、白式!」

掛け声とともにブレスレットが光る。量子分解されていたISが自身を中心に再形成され、形を成していく。

「……あれ?」

いつも通り白式を身にまとっている。特にこちらに異常は見当たらないが、自信満々だった楯無さんがあろうことか、腰を抜かして座り込んでいる。

「……なに、それ?」

 

 楯無さんを落ち着かせて、一通り会話を聞くと、どうやらISの技術レベルに大きな隔たりがあったらしい。

「量子分解、ラザフォード場の操作レベル、出力、荷電粒子砲の小型化、どれか一つでも論文で発表してみたら? その場で博士号を貰えてもおかしくないわよ」

論文を書く気も博士号を欲しいとも思わないのでその提案は却下したが、こっちの世界でそれがISの前提である、と話すと愕然としていた。

「その篠ノ乃博士? は化け物ね。文化レベルとしては……大差ないと思いたいんだけど、あなたが特別馬鹿な訳?」

「俺の世界でも誰でもISが乗れるってわけじゃないですよ。適正がないと乗れませんし……このISもブラックボックスって言われるほどの技術です」

しかし、PICをラザフォード場と言う辺り、世界が違うんだと思わされる。絶対防御とPICと同様のラザフォード場の効果に近い様だが、同様の技術なのか、効果だけが近いのかは自分には判断が付かない。楯無さんが元の部屋に戻る途中に連絡を入れる。

「急だけど新しい隊員が入る事になったわ。部屋一つと手続きの準備をお願い。そ、細かい事務は私の方で通すから……可愛い男の子だけど、食べちゃだめだからね」

なにやらからかう発言とそれに対する焦った返答が聞こえてきた。どうやら部下に対してもかなりフランクなのは元の世界と変わらないらしい。

「それと基本常識から教えてあげて、BETAの生態とか、日本の歴史とかから。そう全部。アジア系で日本語も話せるけど……そうね、記憶喪失みたいなもの。忘れてても叩きこんで使えるようにしなさい、簪」

ん、今聴きなれた名前だったような。それを最後に通信を切ってしまった。

「今、簪って言いましたか? 楯無さんの妹ですよね?」

「あら? 良く分かったわね」

 

 流石に言葉に詰まる。丁度簪を3~4年放っておけばこうなりそうな感じだ。面影はそのままに、なんというか、大人びたというのもあるが、穏和な雰囲気をそのままに美人になっている。スタイルのよさから健康的なエロスを感じる。

「あなたが織斑一夏君ね、よろしく」

「よ、よろしくお願いします」

別の意味で予想外だった。別人という訳じゃないが、向こう側と同じような対応が出来ない。楯無さんはそういう意味じゃ変わってないのでやりやすかったが、こっちはそうはいかなかった。

「楯無姉さんから聞いていますよ。それなりの事情があるみたいですね。幸いと言っていいのか、一夏さんが配属される部隊も近い境遇の人が集まっていますので、構えなくても良いかもしれませんね」

なんとなく、心当たりがある。

「もしかして、日本人以外の部隊だったりします?」

少し驚いた様な反応をする。

「楯無姉さんから聞いてましたか? そうです、外国のISのテストパイロットを集めた特別部隊なので、普通の部隊ほど共通した常識がないと思います。それはそれで注意するべきかもしれませんが」

そう言って教室を一つ借りて座学が始まる。説明こそ丁寧だが、IS学園の講義と負けず劣らずハードなものだった。勿論情け容赦ない教師でもある。慣れているのか説明自体に不十分なところはなく、分かりやすかったことが幸いし、なんとか初日のスケジュールをこなす事は出来た。

「……はい、今日はこれでお終いです」

すぐさま椅子から立ち上がり、敬礼する。講義の内容自体で遅れをとることは少なかったが、上官に対する作法については痛いほど教えられた。

「覚えが早いので、数日もすれば部隊に合流させてもよさそうですね。明日の実技訓練の方で結果が出れば、試験へと移りましょう」

銃の扱いやらも覚えなければいけないのに、かなりハードの生活になりそうだ。

 

 実技訓練では普段扱わない銃火器の使用、サバイバル訓練などなど、本当に使うかどうか怪しいものまで様々だった。

「……経験は皆無といっていいのですが、基礎知識の高さは侮れませんね。基礎教養がなくとも、勉学を疎かにしていた訳ではなく、特別扱いも妥当ですね」

簪さんのお言葉。褒められているのかそうでないのか、判断が付き辛い。

「それで、評価はどうなんですか?」

訓練は決して楽なものではなかったが基礎体力はある。自分なりに上手くこなした自信はある。

「B評価、といったところですね」

「……微妙ですね」

元の世界でも、ISの適性以外では秀でた成果を残した事はなかった。違う世界に来てもそういった面では同じというのは少し残念だ。

「微妙、ですか。まぁ、能力としては十分なので部隊への合流を申請します」

「そっか、ようやく合流かぁ」

煩わしい訓練にも少し慣れ始めた頃合いだ。続けたいと思う気持ちはないにしろ、今日で終わりとなると思うところもある。

「早くとも合流は5日後。それに基礎訓練は合流後も続けますし、それまでも足りない部分は徹底的に鍛えますから安心してください」

「……なるほど」

簪ってこんな冷たい表情も出来たんだなぁ、と初めて思った。元の世界よりも柔らかくなったのかと思っていたのは間違いのようだ。

 

 陸上基礎訓練場、つまりはグラウンドで戯れている女子が4人。良く見知っている様で、見知らぬ4人、ということになる。

「ラウラ、丁度良かった」

「敬礼っ!」

簪が声をかけると一様に皆が敬礼をする。元の世界からそうだったが、敬礼が上手い奴だな。敬礼に上手い下手があるかは分からないが、真似は出来ないと思う。聞いた話によるとラウラが隊長の役を与えられているらしい。とはいえ、雑多な寄せ集めの部隊に信頼関係は然程なく、扱い辛いエリート部隊という意見だった。

「簪教官殿、もしかしてそちらの方が件の?」

「はい。新しく配属された織斑一夏さんです」

「……」

これまでは毎日顔を合わせていた面子なだけに、随分長い間顔を合わせていなかった気がする。時間で言うと1週間程だというのに。

「一夏さん、自己紹介を」

簪さんに促されるまでじろじろと眺めてしまっていたらしい。どこか変質者を見る様な目で見られている気がするのは気のせいだと思いたい。慣れない敬礼と共に彼女らに2度目の自己紹介をする。

「今日から部隊に配属となる、織斑一夏であります」

全員からの値踏みされるような視線を受け、挨拶がかわされる。

「ラウラ・ボーデビッヒだ。部隊長を務めている、女子ばかり思って現を抜かすとどうなるか、分かるな?」

本気で睨んでくる。初めてあった時もこんな感じに睨まれた気がする。いや違う、あの時はもっとこう、陰鬱な雰囲気だったが、今はそれもない。ただ新人が男で少し怪しい挙動をしたことに気分を悪くしただけだろう。

「私はセシリア・オルコットですわ。同じ部隊に就いたことを光栄に思いなさいな」

高飛車っぷりは変わらず、セシリアも出会う前に戻った、と言った感じがする。

「私は鳳鈴音。折角女子ばっかりなのに、新人が男ってのはどうなのかなぁ」

少し意地の悪いの言い草も相変わらず、やはり幼馴染ではなくなっているみたいだ。自分の事を知っている節はない。

「僕はシャルル・デュノア。一夏君、よろしくね」

男装の麗人、というわけではなく普通に女子用の制服を着ている、のだがズボン姿だとなんとなく男装時を思い出す。

「自己紹介も終わりましたね。一夏君、何か聞いておきたい事とかありますか?」

疑問に思っていた事はある。というより、4人と聞いた時からずっと思っていた事だが。

「篠ノ乃箒、って知ってる?」

 




お付き合いいただいてありがとうございました。
まだまだ先は長いのですが、暇を持て余して仕方ないという方はお付き合いくださいorz
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