今回は鈴音さんのお話なので短いです。ごめんね、一夏と一緒になるところを想像できなかったんだ(ゲス顔)
本当にもう少し長くしてもよかったと思うけど、まだ書いてない部分で増やすかなぁ。
第十三話
一夏は野獣、はっきりわかんだね! お前、ノンケかよぉ!(絶望) 鈴のアネキはもうアニキでいいんじゃないかな(錯乱)
やっぱり、■■■には敵わなかったよ……
【挿絵表示】
気がつけば、また白い世界に戻ってきた。幾つもある世界線の境界。俺が生まれた場所でもあるのか、そう考えると懐かしいと思うところもある。そう意識するだけで幾つかの記憶が流れ込んでくる。
「……本当に、出来るのか?」
どの世界線を巡っても、結果は同じではないのか。その時また、不様に殺されて、次もまた繰り返すのではないか。それなら、違う世界にいってしまえばいいのではないか。
白いベッドの上で目が覚める。ここはホテルの一室。ISの大会が行われているので、近くに仮住まいとして使っているが、居心地は悪くない。
「お、やってるな」
つけっぱなしにしていたテレビには、大会の中継がされている。丁度、今日のメイン、シャルルと鈴音が闘っているところだ。
「……今考えるとISの大会って、本当に実戦とかけ離れてるんだな」
燃料の補給面などもそうだが、限られたフィールド内で闘うなど、ISの機動力を殺している様なものだ。自己進化を促すならば、こういった限定的状況にしてしまうと偏った結果が生まれてしまうと思うんだが。
「俺が心配しても仕方がないか」
そもそも、進化する先を見たいと思っているのは一部の研究者だけだろう。俺にとっては、自分と闘う相手がどの段階にいるのかだけで充分だ。
「……あ、終わったか。1時間もすれば戻ってくるかな」
それまでに軽くシャワーを浴びて、食事の準備でもしておこう。がっつり食べることは無くても、軽く口にしたいだろうし。
「温め直せるものにしておくか」
乱暴に扉が開かれる。
「おう、おかえり」
ドスドスと聞こえてきそうな足取りで、ソファに荷物を投げ座る。
「……ただいまっ!」
「なんだ、負けた事気にしてんのか」
丁度作った、野菜たっぷりの炒飯を皿に盛ってテーブルに置く。
「むかつくのよ! 試合時間ギリギリまで消耗戦して、これまで防御に重点的な闘いしてたのも、裏をかくための作戦だったのよ!」
「いや、それは相手を褒めるべきだと思うけど」
ツインテールをパタパタと動かしながら、炒飯を口に運ぶ。
「でも、不利な条件でもよくやってたじゃないか、鈴」
一瞬炒飯を食べるレンゲの動きが止まる。その後、何も言わずに食事を続けて、あっという間に食べ終わってしまう。
「お粗末さまでし……んむっ」
「ん、んんぅ……ぷはっ」
乱暴な口づけ、炒飯の味しかしないので雰囲気も何もない。
「文句ある?」
「せめてベッドで……」
「問答無用っ!」
カポエイラの様に足で組みついてくる。いや、ソファですると後で色々大変なんだが、この状態になると止める気もしない。
「あららぁ……なんだかんだ言って、嫌じゃないんじゃない」
上に乗られて、スカートの下のつるつるとした生地が腹部に当たる。もう少し立体的であれば、魅惑的な体勢なのだろうが、どちらかというと罪悪感が、いや口にしないようにしよう。
「鈴となら、嫌じゃないよ」
「ん……知ってる」
俺達はもう一度、深い口づけを交わす。
「水で良いか?」
返事をするのも億劫といった様子で、鈴が手を振る。
「1時間弱も戦闘してきて帰っていきなりするから、そうなるんだよ」
「……うっさい」
「はいはい、続きはまた休憩してからな」
それより水と手招きされる。テーブルに置くと一口で飲みきって、グラスを空にする。
「膝枕っ」
男の膝枕の何が嬉しいのか。とはいえ、女性からすれば何か魅力があるのかもしれないな。
「……硬い」
「文句言うなよ」
そうは言いつつも頭を動かそうとしない。寝心地が悪いわけではないのかもしれない。硬い枕を好む人もいるし、まぁ、男の太腿の硬さを求める人は少ないんだろうが。
「で、何を悩んでるの?」
「そんなに顔に出てるか?」
「出てるわよ。唐変木のあんたは自分の顔色もわかんなかったのね」
そう言われると立つ瀬がなくなるんだが、前例もあることだし、隠すよりも吐きだしてしまった方が楽だと喋ってしまう。
「へぇ……それは大変な状況ね」
「俺はどうしようもないと思うんだが、何か思いつくか?」
「相手と同じISもってきたらいいんじゃない?」
即答かよ。しかも、結構無茶苦茶な返答だぞ、それ。
「私から言わせると、だけどね。他の連中だったらどういうかはわかんないけど、わざわざ相手より不利な土俵で戦ってやる理由がないなら、そうするべきでしょ」
言ってる事はそうだが、それを用意する方法なんてあるんだろうか。
「あるでしょ、相手が用意できてるんだから。一夏が出来る環境かどうかまでは話してる内容からは推測出来ないけど」
「確かに……」
他の世界の束さんでも、同じようなものを作れるかもしれない。或いはこの世界線でも、時間をかければいずれは辿り着く結果なのかもしれない。
「分かったでしょ、一夏。深く考え過ぎてるの。別に考えるのは悪くないけど、根本的なところを外しちゃうと意味がないどころか悪い方向になることもあるんだから」
そう考えると、鈴は考えるより直感で行動することが多い気はする。
「直感っていうのは、基本的に経験から来るものだからね。論理的にしなければいけないこともあるのは分かるけど、直感を信じるのは大事よ。特に全体を俯瞰して感じたことは、ほぼ間違いないといってもいいわ」
「意外と考えてるんだなぁ」
「言ってしまえば、こんなの後付けだけどね。私はそのやり方で今のところ成功してきたから。勿論、失敗を重ねてきた上でのことではあるけど」
ISの世界大会でも上位ランカーへと登りつつある人間の言葉は、やはり違うと思う。俺や箒なんかは、サポートや生まれ持った才能の方が大きいと感じる時もあるほど、シャルルや鈴の努力は良く見える。
「それが理解できてるなら、一夏も努力しているってことよ。比べるにも土台が必要だからね」
鼻を人差し指で突かれる。妙に勝ち誇った顔もちょっと可愛いな。
「今日は負けてきた癖に」
「……一夏の癖に生意気ね。次は負けないもん」
拗ねてしまった。ごろんと寝返るを打ってそっぽを向いてしまう。
「ありがとな、鈴」
寝がえりで少し乱れた前髪を整える。嫌がる訳ではなく、受け入れてくれる。
長々と読了ありがとうございました。
原作知識がないことは前々から露呈しているとは思いますが、今回は酷い気がする。だが、私は謝らない。おさなじみキャラだし、もっといちゃいちゃすればいいと思うんだけど。
ここから同じような話が続きますが、暇だからという心お優しき方がおらっしゃられればよろしくお願いします。
続けて読んでくださっている方がもしおられましたら、最大の感謝を。