IS-オルタネイティブ-   作:3148

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ISの中で一番好きかもしれないセシリアさんです!
いやぁ、やっぱりちょろいんは素敵ですわぁ(´・ω・‘)
勿論ここからもキャラ崩壊を多分に含んでると思われますので、気にする方はブラウザバックをお願いしますorz

第二話 

よくわからない世界に来て、初めてのISでの模擬戦闘。やったね一夏君、チート性能で成績が上がるよ!


【挿絵表示】



第二話 セシリア?編

 丁度お昼時ということもあり、食堂へと案内された。実は初めてだったので分からぬ事ばかり、恥かしい思いをしながらなんとかメザシ定食を頼む事が出来た。

「そういえば、一夏君はISに乗った事あるの?」

シャルルが鯵のフライ定食にソースをかけながら尋ねる。

「そもそも、一夏さんのような軟弱者がどうしてIS操縦者に選ばれたのか尋ねたいところですわね」

初めてあった時はこんなだっけ? と思うほど妙に鬱陶しいセシリアは無視するとして。

「そりゃまぁ、一応専属機持ちだからな」

「専属機……?」

しまった、こっちの世界は専属機どころか量産型すらなかったのを忘れて、いつもの感覚で喋ってしまった。

「そ、そういうこと聞くってことは、お前達も乗った事あるんだよな?」

自信たっぷりなセシリアの表情が凍りつき、途端に目が合わなくなった、気がする。

「僕は20時間程度かな。日本に来てからは整備やメンテナンスで一度も乗れてないけど」

「私もそれくらいかな。戦闘訓練に入る前にこっちに来たから不完全燃焼気味なのよねぇ……セシリアはどうだった?」

分かりやすいくらいにニヤニヤとしながら鈴音が話を振る。

「……まぁ、見ての通りセシリアは搭乗経験はない。第2世代に縁がなかった、ということもあってな。ちなみに私は10時間程だ」

「意外だな、一番経験値が高そうだったけど」

シャルルが苦笑いしながら付け足す。

「ラウラは戦術機での戦闘経験があるからね。この隊で唯一BETAと戦った事があるんだ」

なるほど、道理で隊長を任される訳だ。確かに、この面子で見れば適役な気はするけど。

「それで、一夏さんはどの程度ですの!?」

俺はどのくらいだったかな。流石に1年も経ってはいないけど、半年は過ぎてただろうか。毎日乗ってたって訳じゃないから、時間にすると3、4ヶ月……もっと短いか。

「2ヶ月弱ってところかな」

カラン、とセシリアのスプーンが乾いた音を立てる。もしかして冗談ととられたのだろうか。

「おやおや、どうしたんだい?」

恰幅の良いおばちゃんが現れた。定食のトレイを渡してもらった時にちらりと見えた、料理を作ってくれている人らしい。

「あんたが例の新人かい!? なんだい、そうだって知ってりゃ大盛にしたげたのにさ! 男だったらたんと食いな!」

背中をばしばしと叩かれる。流石にちょっときつすぎじゃないですか。箸を落とし掛けたよ。

 

 簪さんが言った通り、数日間基礎訓練が続いた。彼女たちの能力は元の世界とさして変わらず、セシリアの射撃能力、シャルルの俯瞰的な観測能力、鈴音の反射神経、ラウラの基礎技術の高さは健在だった。ISに乗らずともこれだけこなすのだから、十分凄いと思う。感心しながら休憩時間を過ごしていると、セシリアが話しかけてきた。

「あの時の言葉、明日事実かどうか分かりますわね!」

「……あの時?」

明日と言えばISの起動訓練だ。俺としてはいつでも起動できるから関係ないが、四人にとっては待ちに待った、というところらしい。

「……っふん! あなたのその大口がいつまでもつか、楽しみですわ!」

どうやらこっちの世界のセシリアには嫌われてしまったらしい。前の世界だと、確かクラス代表戦のあたりに仲良くなれた気はするけど、どうだろう。

「まぁ、常識知らずじゃ仕方ないか」

「そんな事無いと思うけどなぁ」

「シャルル!?」

シャルルがいつの間にか後ろに立っていた。

「一夏君ここに来て日が浅いんだって聞いたよ、凄いね」

「そんなことないさ。基礎訓練だと皆の方がずっと凄いじゃないか」

座学はおろか、格闘訓練ですらシャルルといい勝負、ラウラと鈴音に関しては全く歯が立たなかったという、男として悲しい結果に終わったと言うのに。

「流石にあの二人は別格だからね。それに、僕も結構自信はあったんだよ?」

一般人レベルで、だけどねとつけたす。シャルルの凄さで言うなら不得意の無さだろう。ラウラと同様にオールラウンダ―であり、欠点の無さからパートナーの能力を最大限に活かす能力には元の世界でも随分と助けてもらった。実を言うとこっちの世界でも何度もピンチを救ってもらった覚えがある、まだ合流して1週間程だと言うのに、だ。

「それにしても、セシリアのナイフの扱いはどうにかならないかなって思うんだけど、一夏君はどう思う?」

ああ、基本の型は出来ている。物覚えが悪いと言う訳でもないが、いざ対人戦となるとからっきしだ。

「確か……型は道なり。寄る辺となれど、答えとならず。だったかな」

「ことわざ?」

「いや、剣道をやってた人にそう教えてもらった事があったな、と思ってね。型を覚えるのはいいけど、それは道を通る様なものなんだ。それを支えにして大事にするべきだけど、目的ではなくて手段なんだ、ってさ」

なるほどね、とシャルルが頷く。

「まさにセシリアのことだね」

――斯く言う私も、それを理解出来ずに剣道をしてたんだがな――

「どうしたの?」

思い出した言葉は、確かに箒の言葉だ。そのはずなのに、聞いた覚えがあるのに、どこか現実味がない、そんな気がした。

「……いや、言葉にするのは簡単だ、とも言ってたなってさ」

他愛ない話はそこで終わり、シャルルとも別れる。

「長い間会ってないからか」

こんなことで思い悩まされていると思うと、また部隊の皆に女々しいと笑われてしまう。そう考えを割りきって、明日に備えて眠りにつく。

 

「一夏さん、覚悟はよろしくて?」

模擬訓練が始まる。ラザフォード場、つまりは絶対防御が効いているから従来の銃火器、武装までなら使用可能としている。ISの試験として一対一の訓練だ。

『君が使っていいのは指定されたものだけだ。特に荷電粒子砲と零落白夜という武装は使うな。もしも使ってみろ、BETAの群れの中に単騎でつっこませてやるからな。分かったか、織斑少尉?』

楯無さんからそう脅されているため、支給された銃火器と刀剣の装備のみだ。もとより、零落白夜で直接切るつもりはなかったが。

「ああ、お手柔らかに頼むよ」

簪さんの合図で訓練が始まる。最初の距離を保つように空中でも付かず離れず、お互いに牽制を続ける。

「……ねぇ、ちょっと変だと思わない?」

鈴音がラウラに話しかける。

「そうだな、一夏はどちらかというと接近戦、とりわけ長刀の扱いに長けていると思っていたが」

まるでセシリアに合わせるかのように銃撃戦を繰り広げている。基本に忠実な型で。

「うん、まぁ、悪くはないけど、言うほどじゃないわよね」

それでも、セシリアと互角、それ以上の闘いを見せている。

「機体性能に助けられている部分も大きいですね、実力がないというわけではないですけど」

「型は道なり、か」

シャルルが呟く。簪は少し考え込んでいる。

「教官殿、どうかしましたか?」

「いや、何処かで見た事が……ああ」

そこで、神出鬼没のように楯無が現れる。

「演舞だねぇ。やる気がないとは思わないけど、どうなのかな」

「いつからいたんですか、姉さん」

背後をとられたからか、溜め息をつく簪。慣れてしまっているのか驚いた様子はない。

「ISの開発者が此処にいない訳にいかないでしょ」

「正直に言うと、機体性能差からすぐに決着が付くと思っていましたが、姉さんが何かしたんですか?」

「あら、酷い言い様ね、簪ちゃんは。残念ながら今回は私は何もしてないわよ……ただ、面白いものが見れそうよ?」

 

 ながい、これまで三戦行われた模擬戦は長くて2~3分、早ければ数十秒だった。それでもすでに5分は優に過ぎている。

「……当たらないっ!」

行動が読まれている様な、次の行動を見透かされている様な感覚。実際に読まれているのだろう、それならいい、実力が一夏さんの方が高く、敗北するだけだ。だが、一向に決着が付かない。最初は手を抜かれているのかと思った、それにしては相手の攻撃は鋭い。自分が避けられる限界まで見抜いているとでも言うのだろうか、傍から見ても、闘っている自分も『良い勝負』をしているように感じる。

(手を抜いている、というよりかは、何かしら制限をしている)

手を抜いて器用に闘える印象はなかった。普段では反応出来ない様な攻撃にも私は反応出来ている。次の行動が予測できる。

「そこのビルを右ッ!」

タイミングはピッタリだった、なのに避ける。それも分かっていたので、反撃も避ける。まるで最初から組みたてられていたかのような、打ち合せていたような動き。

(それでも、負けたくない!)

仮に技量で劣っていても、ISの搭乗経験が少なかったとしても、勝負である以上、負けたくない。

「随分と、頑張りますわねっ!」

弾薬の随分減ってきた、エネルギー残量も動けないと言うほどではないが、模擬訓練一回分にしては随分と消費している。

「セシリアも、やるじゃないか!」

勝つためには意外性のある行動をとるべきだろうか。錬度の低い行動で今まで以上の成果を出せるかどうか。地力で言ってしまえば、機体性能でも一夏さんの方が上だ。ならば、私が得意な部分で、射撃で上回るしかない。

(大型化しすぎたビーム兵器、スターライト。光線級BETAの構造を解析し、応用した“出来過ぎた武器”故にBT兵器。エネルギー充填に5秒、実用レベルまでこぎつけたはいいものの、軌道が直線では今までのものとは変わらない)

「予測できない軌道……を」

次に相対するまで10秒、エネルギーの充填は始まっている、十分に間に合う。

(これを使って『外す』なんてのは論外)

当てる方法を模索していく。頭の中で基礎を組み立て、シミュレートを繰り返す。

(必要なものは、当たるイメージ)

二人の動きが予想通りになるということは、自分のイメージを現実にすることができるはずだ。

(届く、必ず、一夏さんに)

一夏さんの動きは予想以上だった。シミュレーション通りに動かせているとはいえ、ISの経験差が出れば負けが見える。

(勝ちたい!)

スターライトを構える。白式の姿が見える、肩に担ぐ形で構えたスターライトの砲口が光を放つ。

「いっけぇ!!」

白式が飛び上がる。軌道上から外れてしまった。

(予想通りですわ)

構えてから振り回したとしても、ビームの軌道は変わらない。そもそも、砲台を固定しなければ撃つ事もままならない。

(ならば、撃った後の軌道を変えてしまえばいい)

出力をある程度抑え、わざと曲げる。ビームは大気中の塵や重力によって曲がる。他の光源を引きつけるような物体にも引かれて曲がる。それを利用する。

「はっ!」

文字通り光の速度で迫り、追跡する様に曲がる光線を織斑一夏の零落白夜が切り裂いた。

「……なっ!?」

「そこまで!」

茫然とする観客と模擬訓練の終了を告げる楯無さんの声。終わった事も全てが遥か遠くの出来ごとに思えた。

(……負けた)

 

 機体をハンガーに収容し、それぞれが休憩に入った。久しぶりのISの操縦はそれなりの疲労をもたらした。

「……凄かったね」

シャルルが呟く、当人はここにはいない。一夏は専用のハンガーでのメンテナンスになるため別行動、こっちに機体を預け次第にそれを追いかけたのはセシリア。ラウラ、シャルル、鈴音は追いかける気分にはなれなかった。

「どっちが?」

「ビームを曲げたセシリア、それをぶった切る一夏、どちらも普通じゃないな」

ラウラが額を抑える。ビームを曲げる、という機能はある程度開発されていたらしく、ラザフォード場の力場制御により、任意の方向への誘導が可能である……らしい。

「あれだけの出力を計算して曲げるって、そりゃあ不可能じゃないんだろうけど」

「僕だったら明後日の方向に飛んでくだろうね」

最早笑うしかない、と言わんばかりのシャルルの反応。

「ここにいる中であれを扱えるのはセシリアだけだろうな。それよりも、だ」

ラウラが疑問を二人に投げかける。

「どうしてビームが曲がる事を一夏が予測できたか、だ」

 

 執務室にて、俺は楯無さんといる。

「さて、言い訳があれば聞こうか?」

こめかみに血管を浮かせて報告書を見ている。

「……いや、ああしないと直撃していたので」

最後の最後で、使ってはいけない零落白夜を使ってしまった。既存の兵器でスターライトに耐えられるとは思えない、というのは本当に言い訳だ。絶対防御がある以上、一撃ではそう大きなダメージにはならなかっただろう。

「あんなことしてくれたおかげで、報告書の現実味がなくなっちゃったじゃない」

「……は?」

現実味?

「ビームが曲がって、それを剣で切りました。事実を単純にしたらこうなる訳ね。誰が信じると思う?」

まぁ、映像も残っているからそれがあればなんとか……とはいえ、模擬訓練とは見られず、八百長にしか見えないか。

「どうしてあんな闘い方したの? あんたは長刀を使うと思ってたのに」

それも八百長疑惑に拍車をかける事になったのか。

「えっとですね、セシリアがあんまり型にはまった動きばかりしててですね」

「それでなんであんたが動きを合わせてるのよ」

口を挟む様な感じなのは、苛立っているからだろうか。

「人のふり見てわがふり直せ、とでも言いますか……」

きっかけになればいい、とも思ったし、基礎に忠実な動きは悪くはない。ただ対人戦については有利に働かないというだけだ。余りに元の世界での闘いに慣れ過ぎた所為か、集団戦に合わないと思ったというのもある。俺がこの世界で戦うのはISではなくBETAなのだから、それを想定した動きに慣れておくべきだろう。

「なるほど、まぁ、考えはあっての行動なのね」

「不味かったですか?」

「この件を上に報告するのは無しになっただけね。その代わりブルーティアーズとあんたの有用性は証明されたから、不問にしてあげる」

これで考えなしだったらどうなっていたんだろうか。まぁ、その時は容赦なくセシリアを倒していただけなんだろうけど。

「思ったより部隊の事考えてるのね。理由は聞いてもいいの?」

突然の質問にすぐに答える事が出来なかった。考えても、単純な理由しか思いつかなかった。

「まぁ、元の世界では教えてもらう方だったから、だと思いますよ」

「……そう、行っていいわよ」

 

「一夏さん!」

「セシリアか、お疲れ様」

そう言えば、楯無さんの執務室はセシリア達には立ち入り禁止だった。終わってから探し回っていたのかもしれない。

「どうして!」

「……お、おう?」

セシリアの糾弾に驚く。

「どうして、あんなことが出来たんですの!?」

あんなこと、となるとビームを切ったことだろう。

「ああ、俺にも分かんない」

沈黙、セシリアもきょとんとした顔をしている。

「……はあぁぁあ!?」

「……おぉう」

「理解できませんわ! 何を言ってますの!?」

確かに、言ってる事だけだと訳分かんないよな。俺もよくは分かってないんだけど。

「なんて言うかな……なんとなく、ああなるんじゃないかって、思ったんだ」

「……え?」

ちょっと待って、言いたい事を整理しよう。確か、セシリアの闘い方の真似をすれば良くなると思って、基礎的な戦術を真似したんだ。それで闘いが長引いちゃって、元の世界のセシリアだったらそろそろ勝負に出るころだと思って、つい元の世界と同じ対応しちゃったんだよな。

「そうだ、あの場面がパッと頭に浮かんだから、零落白夜を振ったんだよ」

「……い、一夏さんも?」

「ん?」

両手を振って否定するセシリア。

「ななな、なんでもありませんわ」

少し、雰囲気が変わったかな。怒りは収まってるように見える。

「でもすごいなセシリア。今日初めてISに乗ったんだろ?」

「わ、私なら当然ですわ」

スタイルがいいから胸を張るポーズが似合う。背筋を伸ばすとモデルの様だ。しかし、皆乗っているISが違うものだから、いつもの感覚で反応していると機体の性能を持て余す動きになってしまう。基礎的な動きの模倣といい、闘いやすさといい、今日はセシリアに随分と助けられてる気がする。

「セシリアがいてくれて、嬉しいよ」

「……え?」

「それじゃ、俺はもう行くよ」

久しぶりのIS操縦は疲れた。特にセシリアとの戦闘は長かったから、早く部屋に戻ってシャワーを浴びて寝たい。セシリアをおいて部屋に戻る事にした。

 

 一夏さんと別れた後、ベッドへと飛び込んだ。妙に火照った体が、今日に限って五月蠅い心臓の音が眠らせてくれない。

「……私がいて、嬉しい?」

どういう意味だろうか。今日の模擬訓練での成績は一夏さんが断トツだった。唯一良い勝負になったのは私だったが、それも手加減されてのことだった。

「……同じ場面を、予測していた?」

あの時、あの場所で、言葉も碌にかわしていないのに、同じものを見ていた。言葉にするよりも、なによりビームが曲がるなんてものを躊躇いもなく、信じた。

「私の事……なのに」

自分でも自信はなかった。失敗してもおかしくはなかった。今もう一度やれと言われれば、多分出来ないだろう。あの状況だから、あの高まったコンディションだからこそ出来たのだ。

「なんで、信じられるの?」

出会ってまだ、数日しか経っていない。それなのに、馴れ馴れしいというか、妙に信頼されている気がする。

「……私がいて、嬉しい?」

なんでそんなことを言われるんだろうか。最初にあった時は、いない女を探す女々しい男だと思ったのに。今では、逞しい人だとすら感じる。

「……うぅ」

いざISに乗るとなると、成績の振るわない私を。4人の中でも、一番弱い私を、信頼して、同じ事を感じて、挙句の果てには嬉しいだなんて……。

「なんなんですの……」

頬が熱い。考えれば考える程、頭が、心が熱くなっていくのを感じる。時間が過ぎても、ベッドに潜りこんでいても、熱が収まらない。

 

 昨日は眠れなかった。一日中悩みに悩んだ末、結局は一夏さんと話さなければ何も分からないという結論に達した。会う事を決めると、今度は何を話すか、どんな顔をすればいいのか分からなくなった。

「と、とりあえず、身だしなみは整えないといけませんわね!」

そうだ、こちらから出向くなら、身だしなみが酷いとまずい。支給品ではまともなものは揃わないが、数少ない化粧用品を使わない訳にはいかなくなった。

「うぅ、落ち着きませんわ」

廊下を歩いている時も、緊張で早歩きになってしまう。部屋の前に辿り着く、なんて言う? とりあえず、ノックしないと。

(ま、まだ、寝てらっしゃるのかしら。それだと、起こすのは迷惑ですわね。で、でも、もうすぐ起床時間ですし、もし起きられなかったら、皆に迷惑にもなりますし。だったら、ちょっとぐらいはやく起こしても……)

「……おはよう」

「……あっ」

気付いたらドアが開いて、着替えの終えた一夏さんがいる。どうやら寝起きはあまり強くないらしく、ところどころ衣装は乱れている。

「おっ、おはようございますですわっ」

えっと、何を話すんでしたっけ。何のためにここにいるんですの。

「セシリアは朝早いな。何か用事?」

そうだ、お話、話したい事があるんですわ。

「そ、その……ちょっと、お話したい事がありましてですの」

不思議そうに首をかしげる一夏さん。ISに乗っている時は凛々しいのに、普段は少し抜けているというか、なんというか。

「どうして、私の事……信用してますの?」

「ああ、セシリアの事知ってる……気がするからかな」

「知ってる、気がする、ですの?」

「……変だよな?」

困ったような、くすぐったい様な顔。表情豊かな人だとは思っていたけど、こんなに色々な表情を見せるなんて、今までいなかった。

「そ、そうでもありませんわ!」

でも、なんとなくそんな顔をされるのは嫌だった。何の根拠もないけど。一夏さんの驚いた顔、少しして、笑った。

「そう言ってくれると、嬉しいよ。セシリアはいい奴だな」

「!?」

頭を撫でられる。ポンと、手を置かれる。子供扱いされている気もするけど。

(どうして、今まで見せた事のないような笑顔なんですの)

文句の一つも言いたいのに、言えない。結局、起床の合図が鳴るまでそのままだった。

 




ながながとありがとうございました。
文章を推敲せずに投稿してますので誤字脱字はあると思いますorz
まだまだ先は長いですので、まだまだ暇を持て余しているなら、お付き合いいただければ幸いです。
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