Monster Maker ResurrectionRPG FAN SS- Monster Makers' Conflict-   作:Tale=Reaper

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 いきなり「とあるライダー世界」とクロスしています
 まだネームドではない、一般の詩人娘の物語が始まります
(2026.02.28修正)


第0部第1章:再起の旅立ち
プロローグ1-滅亡の後日譚-(修正済)


 私は、リュミール。勇士ツチラトのパーティーに所属している、吟遊詩人だ。薄い青色の髪に白い鳥の羽の飾りのついた帽子を被せ、

戦場では鼓舞する歌を、

戦いが終わったら鎮魂歌を、夜は子守唄を朝は目覚めの歌を歌うのが、私の役目。

 

 第四次モンスターメーカー戦争も、あの『カオニュの乱』と名付けられた戦いも終わった。一人の優しい魔女が放った炎に、世界は浄化の炎に

焼かれて。

 その代償として彼女は虚空に吸い込まれ、封印された。『大罪人』の烙印とともに。

 そして『滅亡戦争』の後の世界は光も闇も失い、『冬の時代』が来た。まるでそれは、優しい魔女を犠牲にした世界とその人々に対する、

『罰』であるかのようだった。

 

 それでも戦いは、終わらなかった。

 

 あの浄化の炎でも、すべてを浄化するには至らなかった。

 浄化の炎を逃れたのは、不浄な者たちだけではない。別世界-空の上-から来た勢力、『侵略者』と呼ばれる異邦人たちは、侵略戦争で連携していた悪魔たちが撤退した後も、

戦闘を継続していた。

 どういう理屈か、『鳥類の名前のコードネーム』を冠する幹部を持つ彼らは、滅亡戦争においても強敵だった。それでも、光のネームドや、

彼らを快く思わない闇の実力者との共闘もあって、抑え込んでいた。

 『滅亡戦争』の後の今では、悪魔との協定が崩れたおかげで、ある程度は弱体化してくれていた。代わりに、こちらも頼りのネームドの

ほとんどを失っていたおかげで、苦戦は免れなかった。

 

 そんな状況が今に至るまで続いていた。それでも、どうにか奴らを押し返せてはいた。しかし、今私たちの目の前にいる艦隊は

これまで相手した彼らとは桁が違った。そして今度ばかりは、非はこちら、滅びた世界に秩序をもたらすために

結成された国家『フェニキス』にあった。

 

 今、私たちが目の前にしているのは、知的なケンタウロス種族『フウイヌム』の国『セントーラ』だ。しかし、そこは今や滅びつつあった。

私たちの味方の一部の暴走によって。そもそも、中立を名乗っているあの国に戦争を仕掛けたこと自体、私は大間違いだと思う。ツチラトたちも

同じ意見だった。しかしそれでも、フェニキス上層部は侵攻を決定してしまった。

 そしてその暴走は私たちをも殺しつつある。

 『侵略者』にも『非武装民間人』はいた。彼ら彼女らは、『セントーラ』の学問機関へ留学していたらしい。だから、フェニキスの侵攻に

『侵略者』は慌てた。艦隊が両社の間に割って入り、旗艦が直接出向いてまで、彼らは『非武装民間人』を回収しようとしていた。

が、停戦に納得しない一部のフェニキスの部隊が、勝手に攻撃を行った。その攻撃は『セントーラ』だけでなく、『非武装民間人』の避難船も撃墜した。

 『侵略者』は激怒した。『総司令』と呼ばれる『侵略者』の頂点に位置する存在が、一番激怒した。

 つまり『フェニキス』は、『侵略者』の本隊と、直接やり合うことになったのだ。

 即座に彼女は防戦から攻撃に転換した。それは、今までの戦争が、『あくまでルールに則って行われていたゲーム』だったと知るのに、

十分すぎた出来事だった。それは、一方的な殲滅戦だった。

 見せしめとばかりに、私たちのホームだった別大陸の『フェニキス』本国は、総司令座乗の旗艦が空中に投影して映す映像の中で文字通り

跡形もなく破壊された。それを見せつけた後で、彼女らはこちらへ牙を剥いた。

 戦闘に参加するのは、旗艦一隻。セントーラへの救援に残りをすべて投入。しかし、そのたった一隻に私たちの敗北は、決定させられた。

反撃どころか抵抗すらできない、容赦のない攻撃。離脱する船は脱出艇すらも容赦なく相手の艦載機や対空砲は落としていく。

 空の戦力が壊滅した後は、地上戦力を片付ける番だ。その飽和攻撃の雨霰の中に、いつしか私たちはいた。私たちが乗って来た船は、

とっくに沈み、空中で四散している。逃げる場所も逃げる術も無かった。

「抵抗は無駄だ、降伏も認めぬし捕虜も取るつもりはない!

 死ね!

 滅べ!

 貴様らが殺した我らの子らのように!」

 勝利が確定した時に『侵略者』の『総司令』が発したのは、無慈悲な処刑宣言だった。

 ついに、旗艦の砲台の一つがこちらへと向けられた。私は咄嗟に隣にいたツチラトを突き飛ばした。

「リュミール!!」

 私の名前を叫ぶツチラトへ、笑顔で私は手を振った。熱いと思う暇すらなく私の意識は蒸発して消えた。

 私の「戦争」は、ここで終った

ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ

 

 目覚まし時計のアラームで、すべては消えた。目を開けると、見知った天井と照明が目に入る。

「ん・・・・・・。」

 アラームを手探りで消して私は伸びをする。こんな夢を最近よく見るようになった、そう思いながら。

 私は『リュミール』じゃない、『留備 瑠美琉(るび るみる)』だ。両親を「長野の発掘現場近くの事故」で亡くした、

平成の日本の女子高生。ここ最近は「未確認生命体」というバケモノが、私の住む東京で人を殺す事件が相次いでいた。

 でも、私はそれに巻き込まれたことはない。割と近隣で事件は起きていたこともあったけど、日常は揺るがない。それに学校は

いつも通り始まる。

「行ってきます。」

 一人暮らしのアパートの部屋で、朝食を食べて皿を片付けて、テーブルの上の両親の写真に挨拶をして、私は部屋を出た。

その日もいつも通りの日常が始まるはずだった。

「きゃあああ!」

 いつもの通学路をゆったり歩いていると、その途中で悲鳴を聞いた。私は思わず、そっちへ走って向かった。

 赤い水たまりの中にジャージ姿の女の子がうつぶせに倒れていた。私はそれをなぜか冷静に見つめ分析していた。年恰好は私と変わらないだろう、

長い金髪が地面に広がり、血で赤く染まっている。そして、ピクリとも動かない。

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!!」

 その傍には、倒れている少女に手を伸ばしながら叫ぶ幼い女の子と、その子を抱きしめて腰を抜かしている母親らしい女性がいた。

 「お姉ちゃん」というのはジャージの子のことだろうけど、身体的特徴から二人は血縁ではない。ジャージの少女と女の子の関係は分からないけど、

少なくとも、『咄嗟に母子を突き飛ばして代わりに何かを受けた』事は理解した。

 じゃあ、いったい『何』に襲われたのか?

 少女の背中には、タイヤの跡がある。そこには土の他に赤黒い何かが付着していた。『乾いた血』だ。

 私の中で、警鐘が鳴る。これは異常だ、逃げろと。ひき逃げであっても、これはまずあり得ない。『すでに何人も轢いた車』でなければ、

これは起きない。

 母親に聞こうと思ってそちらを見る。母親は、少女を見ていないことに気づいた。道路の進行方向を見ている。

 私もそちらを見た。

 トラックが走ってくる。ただし、それは道路交通法の進行方向でいえば『逆走』の状態だ。私は運転席を見た。

 異様な服装の男がいた。形容しがたいが、『腕に直接、腕章を縫い付けている』ことだけははっきり言える。

「あ、あいつです、あの車が・・・。」

 母親が私に声をかけるのと同時、私たちの傍を通過したトラックはすぐ近くで停車した。

「バックします。」

 電子的な声がした。目を向けると、トラックがバックで突っ込んでくるのが見えた。余所見とかじゃない、わざとやっていると

何故か分かった。

「ちょっ・・・」

 私はとっさに横に転がった。倒れている少女の上を通過し、さらに轢いてトラックは急停車する。

「ジョベダバ」

 聞いたこともない言葉でこちらに話しかけながら、運転席から奇抜な格好の男が顔を出す。

 そいつと目が合った。そいつは笑みを浮かべた。そいつが普通じゃないと、はっきり分かった。

 そいつは目の前で「変身」した。私はこれまで「未確認生命体」に出会ったことがない。その存在も事件も、テレビの向こうのニュースでしかない

出来事だった。「異形の怪物」という情報しか知らない。でも、私は目の前のトラックの運転席にいるバケモノが『ソレ』だと確信した。

「逃げて!!」

 思い出したのは母親と女の子のことだ。二人はまだ呆然とそこに座り込んでいた。二人に叫びながら私は運転席にカバンを投げつけた。

「ギャ!?」

 うまいこと未確認の顔面にカバンが当たった。

「リントレジョブ、ロ・・・!」

 言っている言葉は分からないし、甲殻類みたいな顔から表情は伺えないけど、声色で怒ったことは理解できた。

「こっちだバケモノ!!」

 言葉が通じるかどうか分からないけど、挑発していることは伝わったのだろう。

「ボソギデジャス!!」

 言葉の意味は分からないけど怒っていることは私にも分かる程度の怒声を出し、運転席に未確認は引っ込んだ。

「お姉ちゃん!」

 私は女の子の声を背中で受けつつ、振り向かずに全力で駆け出した。音で分かる。そいつは私にトラックごと迫ってきている。

 あいつが戻ってきたのは、あの母子をてにかけるためだろう。でも、あいつの標的は今はあの母子から私に移っている。だったら、

あの母子からできる限り引き離すのが、私にできる精いっぱいの抵抗だ。

「バックします」

 あと少しでトラックの入れない狭い路地に入れる。勝利を確信した瞬間、すさまじい衝撃が背中から襲い掛かって私の意識は途切れた。

 

------

 

 槍を持った男が申し訳なさそうに言った

あの人の最期を

 

 黒い剣士は項垂れていた

すべては自分の招いた災いだと

ひたすら自分を責めていた

 息子の恋人の私に

なんでもしてやると約束した

 

 その時の私は目に光を失っていたけど

なぜか彼らの姿は認識できた

 だから、信頼できる彼らに託した

「ツチラトの詩」を

 

------

 

 顔に朝日を浴びて、私は夢から覚めた。最悪の悪夢による最悪の目覚めだ。

 今の私は『留備 瑠美琉(るび るみる)』とかいう名前じゃない。『日本』なんて国にもいないし『女子高生』でもない。

 ボレソラン団長の率いる旅芸人一座『エリミネッタ』の歌姫にして詩人『リュミール』、それが今の私だ

 

(つづく)

 




解説:「ルミール」
チェコの伝説「乙女戦争」に登場する吟遊詩人
・・・なのですけど
大体クローズアップされるのはメインを張っている
「ツチラト」「シャールカ」のため

解説に名前すら出ないことがほとんど
(乙女軍のリーダー「ヴラスタ」すら
ちょくちょく出る事あるのに、この有様)

この人は一応「男軍(プシェミスル王軍)」側の男性なのですが
この後で絡んでいくキャラクターたちや展開の都合上により
名前と下地だけを参考に女性キャラを作成することにしました
ではまた

参考書籍(敬称略)
ヤナーチェク歌劇「シャールカ」「物語の始まり」対訳と解説
(日本ヤナーチェク友の会 編)


解説:今回の未確認生命体
<メ・ギャリド・ギ>、ヤドカリ種怪人。『車でバックしてリントを狩る』という特殊なゲゲルをしていました。
最終的に『クウガ』に討たれたものの、ゲゲルを仕切る審判者の『ラ』への中間報告を怠ったため自動的に失格、
どのみち爆死していた模様です。

ではまた
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