Monster Maker ResurrectionRPG FAN SS- Monster Makers' Conflict-   作:Tale=Reaper

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エピローグ入ります


第1章第10話:<エピローグ1>大氷壁へ向かって1

「これは、一体・・・・・・?」

サンセールは立ち尽くしていた

オークの拠点からの屈辱的な敗走も、後の報復で埋められるだろうという

ほぼ逆恨みな感情で自分を奮い立たせて

やっと辿り着いたヒューマンの砦は、跡形も無くなっていた

焦げた大地と溶けて地面にへばりついた金属、散乱する瓦礫

それだけが、ここに砦があった事を示す証拠だった

用事でケフルからここに来て、そこでアルバラードに依頼を受けてオークの拠点へ

そして今に至るまで24時間と経っていないはずだ

オークの襲撃を疑ったものの、すぐにそれを打ち消す

原始的な人類の生活に戻り国も無い連中に、こんな事はできないし

砦という拠点が欲しいのは向こうも同じだ

跡形もなく破壊するなんてマネはヒューマンへの憎悪がいくら深いとしてもしないだろう

サンセールは痛む体に鞭打って屈みこんだ

地面は所々が一度溶けて冷えて固まった形跡がある

それに、人骨らしいものもあった

圧倒的な熱量と暴力で一気に焼き払われ破壊された

それしか考えられないし、それができる存在は文明崩壊後の今は限られる

「ドラゴン・・・・・か」

「動くな」

サンセールは呟くと同時に背後から声をかけられ固まった

まったく気配を感じなかった

まさか、尾行されていたとは・・・・・・

「我々は『トリカゴ』第1096私掠艦隊『パトロン・ミネット』

貴様がサンセールで間違いないな?」

若い男の声だ

サンセールは首筋に冷たいものを感じながら頷いた

「ね~、これ誰がどうやったのかな~?

すっご~い!」

場違いに明るい女の声がした

「ちょ、姉さん、遊びに来たんじゃないんだから・・・!」

別の男の声

数は3人

普段なら、並の相手ならば相手できない人数じゃない

ただ、今のサンセールは満身創痍で気を抜けばすぐ倒れそうな状態だ

戦闘など不可能、それが分かっていたからオークの追手や魔物を気にして

ここまで隠れるように移動してきたのだが・・・

『こいつら、一人一人が相当な手練れだ!』

そんな自分を全く追尾の気配すら感じさせず尾行を続け

つい先ほど声をかけるまで完全に気付かせなかった

並の相手にこんな事ができるはずもない

サンセールはそう結論付けた

「なんだ、お前ら来ていたのか」

「これは、ジシュカ将軍」

サンセールは逃走を諦めた

男の声だけではない

別の、巨大な何かが降り立つ音を聞いたのだ

「ん、なんだそいつは?」

「はっ、我々の提督が宿泊していたオーク族の拠点を襲った奴でして・・・

雇い主はすでに提督自らが確保しましたが、

念には念を、と拠点の破壊を我々に命令されました」

「破壊って、お前・・・・・・

そういや、『ヒクイドリ』や『タカ』が言ってたな

『ガマグチは見た目に反して過激な奴だから下手に焚き付けるな』って」

二人が会話している間に

「ねーねー、ここまだ壊せるよ~」

凄まじい破壊音とともに砂とかした何かが飛んでくる

そっちを見る勇気はサンセールには無い

「姉さん、こんなところで元の姿になったら目立つよ!」

「大丈夫~、他に誰もいないし

それにお父さんは『更地にして来い』って言ってたし~!」

先ほどの会話と今の会話を組み合わせて、サンセールは暴れている女?と

それを窘めている男は『提督』とやらの子供だと理解した

「で、こいつどうするんだ?

要らねーなら貰っていいか?」

「・・・どうぞ、お好きなように

用が済んだら始末するつもりでしたので」

サンセールはゆっくりと、敵意を示さないように両手を挙げながら立ち上がる

楽しそうな女の声と大破壊の音がする方向を目に入れないようにしながら

なんとなくだが「視界に入れちゃいけないものが暴れている」という感覚を

サンセールは感じていた

「立場、分かってるじゃねーか

来な」

そう言ってサンセールに『ジシュカ将軍』が示した先にはドラゴンが居た

ここの大破壊と目の前のドラゴンで何が起きたかをサンセールは理解した

「ジシュカ・・・将軍殿、何故ここを破壊されたのですか?」

言葉遣いに気を付けてサンセールは聞いた

一蹴されることも覚悟していたが、

ジシュカは上機嫌に答えた

「『復讐』、それに『転ばぬ先の杖』、だ

どっちが上か思い知れば”昔みてーな事”は絶対しねぇだろうからな」

その凄みのある笑みを前に、満身創痍のサンセールは黙る事しかできなかった

*

*

*

私はリュミール、オークの砦をこっそり後にする吟遊詩人だ

一時的とはいえ、私を迎え入れてくれたオークたちと

別れの挨拶も言えずに別れるのは心が引っかかるけど

一応、置手紙を残してきた

「じゃ、頼んだよシャット」

「え」

港のノーラさんの船の上で情報交換した後で、ノーラさんはシャットさんへそう告げた

「あ、あの、姉御、『頼んだ』ってのは・・・?」

「察しが悪いねぇ、

そのお嬢ちゃんの護衛に決まってるだろ?」

シャットさん、ノーラさん相手だとめっちゃ歯切れ悪い!

「そ、それは一度ブルガンディに戻って・・・」

「お前が、お嬢ちゃんのメッセージを

見落としたから今こうなってるって分かってないのかい?」

ノーラさんからの『圧』のかかった反論封じに

シャットさんは見たことがないくらい委縮した

身長が手のひらサイズくらいになっているように見えるのは気のせいだろうか?

「は、はい!

その通りですノーラの姉御!」

「よ~し、あんたも男ならどう責任を取ればいいのか

理解してるね?」

「はい!」

こうして・・・・・・ノミくらいの大きさになったシャットさんは

私たちのパーティーに加入した

アルルさんはというと、お兄さんとは再会したものの

彼女のお兄さんは記憶を抜かれていて

肝心な情報を思い出せないでいた

ただ、『大氷壁』に関する情報だということだけは分かっている

アルルさん兄妹は、報告のためにエルフの森に帰るそうだ

「『大氷壁』、危ない

危険な花、咲いてる」

グリンさんは以前にリンクさんと一緒に調査に赴いた時に

『クリムゾンローズ』という恐ろしい人食い花と遭遇した事があるらしい

それは、『大氷壁』を中心にウルフレンドのあちこちに増えつつあるという

モンドールは、私に『大氷壁』へ行くようにと言っていた

どうして私なのか、彼が何を伝えたいのか

私に何をさせたいのかは分からない

でも、進まなくちゃもっと分からないだろう

私、ベステラ、ドミニク、ルフィールちゃんにグリンさん

それにシャットさんを加えたメンバーで

私たちは北の『大氷壁』を目指す旅に出る

「お~い、ノルデンまで送っていくよ!」

勇み足で船を降りようとした私にノーラさんが声をかけた

「(=ω=;)

さすがに、ブルグナを突っ切っていくのは危険だよ

ボクもお勧めしない」

シャットさんも呆れ顔で言う

なんか申し訳ない(汗)

 

(つづく)

 




<解説>
解説:『クリムゾンローズ』

このお話はモンスターメーカーリザレクションの資料集ともいうべき書籍
「リザレクションRPG」に掲載されていたお話です
彼ら二人で「人食い花」の調査に向かった結果
クリムゾンローズと戦闘になり、その恐ろしさを身をもって経験することになりました


次回で第1章は終わりです

ではまた
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