対魔忍になりたかったのにどうして鬼殺なんだ!?   作:大栗須

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早めの投稿となります。

前回登場した鬼は、ただのエロ鬼で転生してではありません。




第17話

 目が覚めたら、蝶屋敷にいた。

 個室だった。共用の病室にいたら、凄まじいことになるということで私専用に個室が用意されており、そこへ担ぎ込まれたようだ。

 既に感度3千倍の宿業から解放され、体は元通りだ。後はブッ倒れて何日経ったかで機能回復訓練が行われるかが焦点となる。私に関しては、他の隊士と一緒にやれないのだ。理由は刺激が強いから。

 ただでさえ男所帯の鬼殺隊において色気溢れる美女は青少年たちには猛毒で、まだ胡蝶姉妹の方が安心して接せるらしい。

 

「違いはなんだろう?」

 

 やはり、対魔忍じゃないからなのか。

 こればっかりは仕方ないだろう。ここは彼女たちに対魔忍のいろはを叩き込むしかあるまい。

 などと考えた矢先、病室の扉が開いてカナエが入ってきた。

 

「凜子さん、大丈夫ですか?」

「問題ない。村田は生きてるか?」

「村田くんなら大丈夫よ。ちょっと血がたりなくなったくらいかしら」

「ちょっとか……」

 

 それはちょっとの問題で済むのだろうか。まあ、全身に風穴を開けられても生きてるので血がたりなくなった程度はレベルが低いのだろう。

 

「どれくらい寝てた?」

「半日くらいよ」

「よかった。機能回復訓練しなくて」

「凜子さんがやったら、猛毒だからね」

「カナエは毒にしかならないからね」

「ふふふ」

「あはは」

 

 え、怖いんだけど。なんで目が笑ってないんだよ。

 毎度カナエと絡むと、決まって目が笑ってくれない。しのぶちゃんは背丈の話になると般若になるから、まだカナエの方がマイルドかもしれない。

 結論、どっちも怖い。

 蝶屋敷の美女は怖い奴ばかりだ。私がいかに優しくて怒らない良い人か身に沁みて感じる。

 さて、今日も任務に励みますか。先ずは村田に尻叩き3千回を3千倍にした刑に処しておこう。駄目ですか、はい。

 リアル対魔忍プレイできた今とあっては、私は広い心を持っているので赦してやってもいいだろう。妙案を出さなかったので髪を毟るくらいで妥協しよう。

 そんな事より、私は蝶屋敷を出て早速任務に……あっ、休みだったわ。

 

「あっ、元気になられたのですね」

 

 表玄関から大手を振って出ようとしたら、真菰ちゃんに遭遇した。頭に着けた狐のお面と膝から数センチ上のスカートにニーソックスを履くことで形成される絶対領域が、とてつもないチャーミングポイントだと思う。

 カナエとしのぶちゃんは綺麗にカテゴリーされる美人だが、真菰ちゃんは可愛いにカテゴリーできる美人だ。

 

「貴方は……」

「水柱様の継子の鱗滝真菰です。鳴柱の秋山凜子様ですよね。単独で上弦と対峙できるとてもお強い方と聞いてます!」

 

 鱗滝、ということはあの鱗滝さんの養子になったのだろう。孤児だったし。

 初手から好感度が高く、キラキラした目を向けられると性的な意味で曇らせたくなる。私と一緒……それもだが、Y豚ちゃんと同じで汚っさんに種付けプレスされてそうな印象だね。おっと寒気がしたぞ。

 

「昨日は助けてくれてありがとう、鱗滝さん。今日は非番?」

「真菰でいいですよ。冨岡さんに稽古をつけてもらう予定です」

「なるほど」

 

 誰だよ、真菰ちゃんを汚そうとしたヤツ。私だよ、クソッタレ! 

 ただ、ひたすら可愛い。それだけしか言えない。この娘は私の妹にします。異論は認めない。

 よし、真菰ちゃんを鱗滝さんからNTRしよう。ゲヘヘヘ。

 

「真菰ちゃんでいいかな。私も稽古をつけてあげてもいいか?」

「鳴柱様に稽古をつけてもらえるのですか!?」

「今日は休みだからね。色々と手取り足取り教えてあげよう」

「ありがとうございます!」

 

 ちなみに同じことをしのぶちゃんに言うと、決まって怪訝な顔をされる。何か裏があると思われてるのかもしれない。牛乳飲むと身長が伸びる、とアドバイスしてあげたら成果が出なかったのが原因かもしれない。

 真菰ちゃんと話をしながら義勇の家へ向かう。

 話題に上がるのは鱗滝さんばかりで、真菰ちゃんの鱗滝さんへの愛情はマリアナ海溝よりも深いのだろう。で、その語り口は耐性のない人間を容易に沼へ沈める。私も鱗滝さんの魅力に触れさせられ、親愛の情を抱くくらいまでに至っている。

 元々、孤児だった真菰ちゃんからしてみれば鱗滝さんは育ての親にあたるので血は繋がらないけど、本当の家族のように思ってるのだろう。そんな真菰ちゃんを鱗滝さんは溺愛するのは確実で、真菰ちゃんが男を紹介したら刀振り回しそうだなと思われる。

 というか、図らずともチャンスが巡ってきたのでは? 

 

「そういえば、私って義勇から避けられがちなんだけど心当たりありそう?」

「うーん……音柱様が「アイツは俺のだから派手に手を出したら地味に死ね」って言ってたので、もしかしたら音柱様の4人目の妻だと思って音柱様に誤解を与えないようにしているのかも」

 

 派手か地味、どっちにしたいんだよ。

 色々と言いたいことは多い。とりあえず私は義理の妹であって、4人目の嫁ではない! 

 後で長兄を八つ裂きにしておくとして、私はこの誤解を何とかしないといけない。

 

「私は義理の妹だから。今はちょっと色々あって苗字を旧姓にしているだけだから、4人目の妻とかじゃないからね」

「え、違うんですか?」

「全く違う」

 

 これ、誤解を解いていくの面倒くさいな。変なこと言った長兄が悪い。私で勃起したのが末代までの恥と言ってたし、派手好きなクセしてやることは地味だな。何はともあれ、後で長兄の邸にカチコミしよう。

 そう決意して義勇の邸に到着した。

 他の柱の屋敷もそうだが、敷地は広大で家もデカイ。こんな所でよく一人で暮らせるよな。手入れが大変だろう。皆、掃除とかどうしてるんだろうな。

 そう思いながら、門を潜った先では義勇が素振りをしていた。驚いた感じに窺えるけど、全く表情筋が仕事してないので実際のところはどうなのか解らない。

 

「お邪魔しまーす。真菰ちゃんに稽古をつけてあげに来たよー」

「……帰れ」

「そんなこと言わずに、一人で教えるより二人で教える方が効率的かもしれないぞ」

「帰って休め」

「まあまあ、そう言わずに」

 

 渋る義勇を押し切り、真菰ちゃんに稽古をつけさせることが可能となった。

 私の稽古方法は至ってシンプルで、足腰を鍛えるために機能回復訓練でやったような鬼ごっこをするものだ。全力で追いかけるから、捕まったらペナルティを科すものだ。

 

「真菰ちゃん、捕まったらこうなるって覚えておいてね」

 

 手近にあった身の丈くらいありそうな岩に手を当て、納村不道がやってた魔弾をぶっ放した。

 原理としては、腰の回転による衝撃を背骨や胴体、腕にかけて伝導させて相手に当てた掌から撃ち放つものだ。体の深部で起きている腸腰筋の正中線への衝突が起こり、「カチッ」と金属のような独特の起動音がする。下半身の姿勢など関係なく撃てるから、魔弾と命名するのも頷ける。

 これに上乗せで全集中の呼吸もして魔弾を撃ったら、岩に蜘蛛の巣状の亀裂が走り、派手な音を立てて砕かれてしまった。

 この技を開発した納村不道は人間相手に撃ってぶっ飛ばしてたけど、全集中の呼吸を修めた人間がやると岩を砕けるんだな。

 やっべ、やらかした。恐らく傍目には手を添えて全集中の呼吸しただけで岩を砕いたようにも見えるので、これは本格的に人間を辞めてるかもしれない。まあ、対魔忍だからいいや。

 義勇は驚愕し、真菰ちゃんは顔を真っ青にする。

 

「よし、真菰ちゃん。十分以内に捕まればこの砕け散った岩のようになるから、全力で逃げてくれ」

 

 私がニッコリ笑顔で伝えると、真菰ちゃんはダッシュした。

 

「助けてお爺ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

 平和だったハズの日常が地獄に変わった瞬間だった。

 

 

 

 

 




狭霧山の老人「娘の助けを求める臭いがする。ワシの娘に手を出すとはいい度胸をしておるな?」





『魔弾』は武装少女マキャヴェリズムで出た主人公の技です。

正直、岩を砕けるか微妙だと思われるかもしれませんが、主人公は色々とバグってるので深く考えてはいけません。ただの変態性癖拗らせ女です。

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