対魔忍になりたかったのにどうして鬼殺なんだ!?   作:大栗須

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今回は前回の教訓を活かし、キツめのテイストで送らせていただきます。


第20話

 鬼舞辻無惨と出会したんだし、追手を放つのは目に見えていた。まさか猗窩座とは夢にも思わなんだ。

 例えるなら、対魔忍として任務地に行った次の瞬間に凄惨な凌辱をされているような気分だ。

 そして、今の猗窩座は初期のエンカウントがワンリキーなら今の猗窩座はゴーリキーだ。

 

「お前を殺すため、俺は鍛錬してあのお方から血を分け与えてもらって強くなった」

「そうか。搾り取ったんだね」

「貴様……!」

 

 猗窩座が憤怒の形相となる。言い訳させてほしい。だって血を与えてもらうって事は……要するに、こういう事なんだろう? 

 

『一番搾りだ。受け取れ、猗窩座ァ』ドピュッ! 

『ハイ、無惨様ァ♡』

 

 なんて汚い妄想だ。

 腐りかけの脳みそがそう解釈してしまう。男の精液って要するに血液みたいなもんだろう。まさか上の口から飲む訳じゃあるまいし、尻穴から飲むに決まっているだろうが。

 

「貴様は殺したいが、改めて聞こう。鬼にならないか?」

「なんでこの私が鬼舞辻無惨の上で腰振らなきゃいけないんだ? 第一、鬼舞辻無惨には十二体も締まりのイイ鬼がいるんだから、誰か一体でも至高の領域に至ってる名器がいるんじゃない? まあ、私は男をシコらせるという意味では至高の領域に至ってるけどね。アッハッハ!」

「キサマァー! 至高の領域をそんな汚いものでケガすなァァー! コロス!! キサマだけは絶対にコロしてやるぞォー!!!」

 

 前よりも格段に速くなった猗窩座が拳や蹴りを繰り出してきたが、のらりくらりと躱す。

 ゴーリキーになっただけと思っていたが、これはガチでヤバいかもしれない。しかし、だからこそ相手を怒らせて冷静さを失わせないといけない。

 

「汚いって言うな。お前だってその粗末なモノと同じモノを親が使った末に産まれたんだぞ。むしろ神聖な行いだ。これこそ、至高の領域だろう。そんなんだから、女を寝取られて武道にしか生きられないんだ」

「■■■■■──―!!!」

 

 やっべー、超怒ってる。バーサーカーになってるよ。

 鬼に体力の限界は無いから、早い段階でバーサーカーにさせたのはマズかったかもしれない。

 煽りとセクハラをしている余裕が無い。ビュンビュン風を切って空振ってくる拳や蹴りが凄まじく、掠めただけで傷が出来てしまう。しかし、精彩を欠いてるのは解る。でも、猛攻に晒されるのは嫌なので距離を取って一旦小休止だ。

 

「待て、ちょっと落ち着け。怒らせたのは悪いと思ってるから、飲み込んでくれないかな。そう鬼舞辻無惨の精液を飲み込むように」

「キサマァー! どこまで侮辱すれば気が済む! 恥を知れ!」

「現在進行形で親に顔向け出来ないくらい恥を晒してるロクデナシに言われたくないな。そんなに尻の堅い漢になると、鬼舞辻無惨の粗末な×××が入んなくて最悪ねじ切ってしまうんじゃないか?」

「あのお方のモノは粗末ではない! 素晴らしいモノに決まっているだろう!」

「大きかったの? 貴方よりも?」

「……当然だ!」

 

 間があったね。どういう意味での間なんだろうね。しかし、自分からネタを提供してくれるなんて素晴らしいな。

 

「じゃあ、貴方のナニも他の奴らのナニも鬼舞辻無惨よりも粗末で女一人まともに満足させられない粗末なんだな。これは言いふらさないといけないな」

「お前に恥じらいはないのか!?」

「恥じらいなら、生まれた時に母親の子宮の中に忘れてきたわ! 猗窩座はまだ恥じらいを持っているのか? でも、そんな上半身裸みたいな格好してれば恥じらいなんて捨て去っているか」

「この変態め!」

「野郎に尻穴掘られて悦んでいるお前に言われたくない」

「殺す! 殺してやる!!」

「殺れるものなら殺ってみろ、この童貞非処女」

 

 猗窩座は構えて術式を展開させる。

 私も刀を構えた。

 そして、

 

「さらば」

 

 逃げた。

 

「キサマァー! 逃げるとは剣士としての誇りはないのか!」

「そんなものゴミ箱に捨てたよ! ホコリだけにな!」

「どこまでも愚弄しやがって! 死ね! この恥知らず!」

「もっとマトモな髪の色になってから出直してこい。あの世で親が泣いてるぞ」

「オノレェー! キサマだけは絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 

 逃げに徹した私に追いつける訳ないだろう。でも、気を抜くとすぐに追いつかれるんだけど。

 その時不思議な事が起こった。

 帝都を駆け巡り、屋根から屋根へ跳んで逃走していた私はバナナの皮があることに気づかずに踏んづけてしまったのだ。

 

「嘘だろ!?」

 

 ツルンと滑ってフワリと浮遊して一回点し、背後には猗窩座が鬼の形相で猛追しているのが見えた。もう追いついてる。

 なんでこんなギャグみたいな事が起きて殺されなきゃならんのだ。

 そう思ったのも束の間、ちょうど墜落地点に満面の笑みの童磨が両腕を広げているではないか。

 おい、ふざけんな。これ捕まったら食われて物語は終了じゃないか。いや、丸呑みプレイがあるから楽しむのも一興か? 

 だが、童貞を磨いた奴に抱きしめられるとか嫌だ。

 

「さあ、おいでー。俺が君を救ってあげようじゃないか」

「お前、俺の邪魔をするんじゃねー!」

 

 前門の虎に肛門……後門の龍。どっちに転んでもアウトで、どうせどんなに足掻いたところで前門の童貞に突っ込むしかない。

 しかし、抱きしめられるのは勘弁願いたい。

 なんとか型を出すんだ。そうだ、この時こそあの技を出す時だ。

 

「てえええええええい!!」

「ムグッ!?」

 

 全力で体を弓形に反りあげ、童磨の顔面に胸をぶつけた。

 名付けるなら、さしずめ『巨乳アタック』だろう。貧乳回避という技があるが、その逆バージョンで巨乳を相手の顔面に当てて弾き飛ばすしょうもない技だ。私以外なら甘露寺蜜璃と嫁三人衆が可能な奥義だ。

 相手の虚をついた形となり、童磨は弾力に押し負けて吹っ飛ばされた。反動で姿勢を立て直した私は、刀を抜いて猗窩座の突き出した拳とかち合う。

 

「なんなんだ、キサマは! ふざけているのか真面目にやってるのかハッキリしろ!」

「私はいつだって真面目だ」

「ふざけやがって! 殺す!」

 

 酷くね? 

 そのまま猗窩座の猛攻を凌いでいく。常中のままでは猗窩座の体のどこかしらを傷つけることは出来るが、切断するには骨が折れる。めちゃくちゃ硬い。

 ここで童磨も参戦してこられたら厄介だが、奴は鼻血を出して幸せそうに突っ伏している。何しに出て来たんだよ。

 なんにしても、猗窩座のみに集中できるから助かる。

 でも、こんな都会のド真ん中で戦うなんて気概は持ち合わせてないのだが、猗窩座はお構いなし。

 そうして何度かの打ち合い中、私は猗窩座の拳を受け流すと体勢を崩して前につんのめる。

 すぐさま向きを変えてくる猗窩座の腰あたりに、私は手を触れさせる。

 

「自棄糞か?」

「両手を上げろ。私は銃を突きつけてる」

「はぁっ?」

 

 ついにボケたか? なんて目を向けられるのは心外だが、仕方あるまい。

 何かに反応して距離をとろうとする猗窩座より先に私が撃つ方が早い。

 

 ──―カチッ。

 

「なにっ!?」

 

 流石に鬼の体を破壊するのは不可能だが、猗窩座を吹っ飛ばす事は出来た。

 よし、今の内に逃げよう。その前に童貞磨きから血を採取しておこうか。

 そうして飛び去ろうとした時だ。

 

 ──―べべん

 

 突如、琵琶の音が鳴り響き襖が目の前に出現した。

 

「あ、嫌な予感」

 

 襖が開かれ、出てきた鬼は六つの目を持つ顔に淫紋みたいな痣のある男だった。

 瞳に刻まれた『上弦 壱』という数字から、野郎が十二鬼月の中でも至高(シコ)れる位置に存在するのだろう。

 

『月の呼吸──―』

 

 無数の斬撃が問答無用で襲ってきた。

 

 

 

 

 




童磨「勝ち目がないから必死に逃げ惑う女の子を救ってあげようとしたら、目の前で質量のある巨大な乳房が大きく揺れて目を奪われた次の瞬間、顔面いっぱいに乳房を押しつけられて弾き飛ばされてた。これが至福のひとときというものなのかな?」


次回、満を持して登場した黒死牟に頭対魔忍の後先考えない容赦ないセクハラが襲う。
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