対魔忍になりたかったのにどうして鬼殺なんだ!?   作:大栗須

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第27話

 私は激怒した。

 必ず、あの青白いゴブリンはこの手で殺すと決めた。

 いや、もう有り得ねー。なんで退化してんだよ。ナニがデカくなったかと思いきや、小さくなってやんの。普通に考えてあり得ない。しかも、私が最も嫌悪するゴブリンに戻りやがって。ふざけんな、この淫乱ピンク! 

 ゴブリンは嫌いだ。奴らはナニが小さいからな。ナニの小さい輩は駄目だ。鬼舞辻無惨よ、何故ナニを小さくした? まさか、自分が小さいから他の奴らも小さくしたんじゃないだろうな? 

 とりあえず、猗窩座は殺すことを決めた。ゴブリンは死すべし、慈悲はない。

 

『雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃・神速』

 

 カナエに頑張ってもらうつもりだったが、そんな事はもうどうでもいい。

 怒り狂って地を蹴った音速を超えた一撃は、猗窩座の腕を斬り飛ばした。

 

「り、凜子さん!?」

「下がれ、カナエ。これは私が殺る。真菰ちゃん、カナエを無理矢理にでも連れて帰りなさい」

「はい!」

 

 段取りがめちゃくちゃになってしまったが、当初の段取り通りに回収要員の真菰ちゃんはカナエと共に離脱した。なんか喋っていたが、一緒に戦っても私のデメリットスキルが発動して弱体化するので下がっていてほしい。出来れば、会話の聞こえないところまで逃げてほしい。

 猗窩座と私だけが残る。頸を再生してきた奴は、憤怒の形相で睨みつけてくる。

 

「この卑怯者め! 不意討ちなどと下らぬことをする!」

「知らん。私は今お前に対して物凄く怒っている!」

 

 ビシッと指を差して私は怒っている理由を語る。

 

「何故、貴様は退化した! 何故ナニが小さくなったぁ!!」

「小さくなってねぇよ!?」

「黙れ! ゴブリンみたいになりやがって、何故オークにならない? オークの方がナニがデカくて見るからに強そうなのに! お前のナニは飾りかぁー!!」

「意味がわからん!」

 

 やはり、鬼なので人語を解することは無いらしい。

 そもそも、人類の歴史を辿ってみれば話し合いで物事が解決する事例なんて極稀だ。最後は拳で語り合い、ナニの大きさと器のデカさが勝敗を決める。

 ここは少年誌の世界だ。ナニのデカさより腕っぷしが物を言う世界において、ナニのデカさは邪魔でしかない。そういうのはエロゲー世界での話だ。少年誌でナニが活躍した話なんて……無いな。

 ……コホン。

 とりあえず、これだけは言っておこう。

 

「弱い者を斬る趣味はない」

 

 ──―ブチッ! 

 

「オレが弱いだと? キサマ、ふざけるのも大概にしておけよ?」

「ふざけてるのはお前の髪の毛じゃないか。あと服装もだな。ちゃんと服を着ないと風邪引くよ? あと、ナニが縮み上がってただでさえ弱くて小さいのに更に萎んじゃうぞ。あっ、使う機会が永遠に無いから仕方ないか。永遠に生きてるから」

「あああああ! キサマは! キサマだけは絶対に殺してやる!! 殺してやるゥー!!!」

 

 怒髪天をつく勢いで息をつく間もなく拳や蹴りの乱打が行われ、それら全てが一撃必殺にして並みの柱では反応することも出来ずに殺されてしまうだろう。柱になる前の頃の私だったら死んでたかもしれない。

 

「そんな攻撃が当たると思ってたら大間違いだな。いいかな、一撃の強さはナニで一突きするのと一緒だ。がむしゃらに乱打したって自爆するだけ。要するにそんな早漏する童貞みたいな攻撃されても、何も当たらないぞ。ナニだけに。弱っちい」

「人をおちょくるのもいい加減にしろ! 俺は弱くない!」

 

『破壊殺 乱式』

『雷の呼吸 弐の型 稲魂』

 

 乱打の一撃二撃を刀で繰り出される腕と足を斬り飛ばし、最後に奴の股間を正確に斬り落とした。

 

「また粗末なものを斬ってしまった」

「────!!」

 

 いや、もうめちゃくちゃ怒ってる。頭に血が上り過ぎて血が吹き出しており、ピンク髪を赤く染めていた。

 

「ゆ゛る゛さ゛ん゛!! キサマはこの俺が殺してやる!!」

「殺す殺す言うのは自由だけど、私に勝てるのかな? ナニをデカくして至高の領域に足を踏み入れてからやり直してこいゴブリン鬼」

「ガァアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」 

 

『破壊殺 終式 青銀乱残光』

『雷の呼吸 零の型二番 避雷針』

 

 全方向にほぼ同時に乱れ打ちが放たれるのと同時、羽織を犠牲にして間合いから離れた。

 

「怒ったからって奥義は酷いなー。大事な一張羅が塵になっちゃったよ。でも、もう見切ったから今からどんな攻撃されても捌けるね。ナニの小さい奴が私に勝てるわけないだろうが、このクソザコナメクジの極小寝取られ男!」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 

 血の涙を流して凄まじいラッシュが始まる。

 精彩を欠いてるものの、それでも神速の一撃は容易く人間の体を砕くだけの力がある。

 腕と足を斬り飛ばしてから、私は意地の悪い笑顔を浮かべる。

「ほらほら、一突きくらい入れなよ。そんなんだといつまでもナニが小さいままだぞ? そもそも、ナニか付いてたっけ? いつも掘られる側の人間だもんな。誰だっけ……そうだ。鬼辻舞だ。触手に責められてヨガる時代が求めた愛らしい美女にも男のナニがついてたんだなー」

 フタナリも案外乙なものである。

 

「鬼舞辻無惨様だぁー!! そんなゲテモノ好きの女と一緒にするな!! 絶対に許さんぞ!!!」

「ゲテモノは酷い言い草だ。あれほど、触手が似合い白く濁った液体が似合うメス豚はいないぞ」

「絶対に殺してや──―ガハッ」

 

 猗窩座が死んだ。

 鬼舞辻無惨の血の呪いが発動し、ちょっと目を逸らしたくなるようなグロいことになってた。エロ系のグロは大丈夫なんだけど、ガチのグロいヤツはアカン。私、ちょっと耐性なくて困る。

 グチャグチャになった猗窩座を見やり、私は罪悪感に苛まれる。本当に申し訳ないことをした。

 でも、これだけは言っておこう。

 

「本当に殺したい敵ってのは敵に殺させる。いい教訓になったね、猗窩座殿。この程度の事で怒るとは嘆かわしい。最後に何か言うことはあるか?」

「おれは、よわく……ない……」

「そうか」

 

 実際に殺したのは鬼舞辻無惨なので私は直接手を下していない。なので、猗窩座は別に私より弱いということはないと思う。

 改めて思うが、鬼舞辻無惨は強いなと思う。願わくば、おとなしく引きこもって出てこないでほしい。

 

 翌日、お館様に正座させられて怒られる私がいた。

 

 

 

 

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