対魔忍になりたかったのにどうして鬼殺なんだ!?   作:Meat Toilet

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前回のラスト……何故そうなったかに関する過程の話です。
感想が変態が死んだことに「残当」だの酷いことを書かれ、私は悲しいです。変態だって存在して何が悪いというの?


第31話

 訃報が届くに至った日の回想をしよう。

 私は雲取山へ来ていた。

 善逸が師範の下で修行を始め、一人になる時間が出来たのもある。

 ここ2年間で真菰ちゃんに稽古をつけ、村田に理不尽な仕打ちをして義勇にセクハラされる日々を繰り返した。義勇と一緒にいた場合、必ずというレベルでエロイベントに遭遇するのは鉄板で、その度に赤面させられる私は大いに傷付けられた。何なら、上弦にセクハラしていた時よりも傷ついた気がする。

 そんなこんなで雲取山に来て、ちょうどよく炭を焼いてる炭治郎くんを見つけたので飛びつくように抱きしめた。

 

「た・ん・じ・ろうくーん」

「うわぁっ! り、りり凜子さん!?」

 

 歳は十三で、ちょっと子供から少年へ成長した彼は狼狽え、赤面していた。うへへ、ちょうどいい食べ頃だなー。

 

「久しぶり。凜子さんなんて他人行儀に呼ぶんじゃなくてお姉ちゃんって呼んで」

「お、俺は長男です! 次男だったら呼んでました!」

「そっか。炭治郎くんは相変わらず頑固だ」

 

 頭が物理的に硬い炭治郎くんを名残惜しいけど、降ろしてあげて作業に戻らせてあげる。

 いや、本当に大きくなったな。最後に見た時よりも大きくなっていることに感心し、性知識や色恋に鈍感で無知な彼は可愛らしくて油断していると性的な意味で食べたくなってしまう。何も知らないショタにあれこれと教えながらゆっくりじっくり教えながら、溺れさせて優しく童貞をいただきたい。おねショタの醍醐味というのは、幼気なショタが経験豊富でエッチなお姉さんに優しく手解きを受けながら女体の素晴らしさを知っていくところだ。要するに自分好みに成長してくのって素敵じゃない? 私は対魔忍なので調教される側なのが残念でならない。

 とりあえず、炭治郎くんの童貞は私で予約済みである。勝手だが。

 

「凜子さんはいつも甘い匂いをさせていますね」

 

 炭焼きが終わり、籠一杯に炭を積んだ炭治郎くんは顔を赤くさせながら、私が無意識に醸し出している匂いについて言及する。頬が黒ずんでいたから、袖で拭ってあげる。柔らかい。

 

「甘菓子を食べているからかな?」

「程々に食べてください。そうじゃなくて、なんていうか……女性的な匂いというか……甘ったるくて酔いそうになるんです」

 

 猫に例えるなら、マタタビ嗅いでるようなものか。エロいことばかり考えているから、どんな匂いしているかなと訊けば語彙力のない「スケベな匂いがする」と返してくれそうだと思っていた私を恥じるばかりだ。

 ちなみにこれで「股がムズムズしてくるんです。どうしたらいいですか?」と無知故に起きる美味しい展開は、いつでもウェルカムだ。お姉さんが優しく手解きしてあげよう。心配するな、アダルト漫画で予習済みだ。

 

「炭治郎くんは私の匂いは嫌いかな?」

「その聞き方はズルくない?」

「じゃあ、好きということでいくらでも嗅いでいいよ。さあ、おいでー」

「うぇっ? え、ええと……遠慮、します……」

 

 くっ、耐えられたか。抱きしめていけないことをしようとしていたのが見破られた訳でもないし、ここは炭治郎くんの強靭な長男力が我慢させたらしい。

 

「ところで、凜子さんは今まで何をしていたんですか? 刀も持っているし、本当に何をしているんですか?」

「説明するのは簡単だけど、信じてくれるかな」

「わかりました。信じます!」

 

 そこは即決するのか。

 

「簡単に言えば、夜に鬼が出てくるから狩ってるの」

「鬼、ですか」

「信じられないのも無理ないけどね。炭治郎くんも夜中は気をつけなよ。鬼と出会してお姉さんが間に合わなかったら食べられちゃうんだから。まあ、この辺りは出てないから安心して」

「そうなんですか」

 

 私は性的に食べたい派なので、人を本当の意味で食べる鬼はマジで許せない。

 そんなこんなで炭治郎くんが家に寄ってから街へ向かうとのことで、私も着いていく。竈門家の人たちにはお世話になっているので挨拶しないといけない。

 そんなこんなで着いた先で大騒ぎになった。

 どうやら炭治郎くんが女を連れてきた、と勘違いしたらしい。悪ノリしたのが更に事態を悪くした。

 葵枝さんが出てきて頭突きされかかって、慌てて誤解を解いて事なきを得る。猪を撃退した頭突きを喰らったら、絶対に無事じゃ済まない。

 私をきちんと認識してもらった後で、後は順番に抱きしめてあげようとした。男の子は恥ずかしがって嫌がり、花子ちゃんは喜んで胸にダイブしてくれた。

 

「わぁー、お姉ちゃんの柔らかーい」

 

 対魔忍だからな。寝取られ系や凌辱されるヒロインというのは、犯す側から見てとてつもなく魅力的に見えなければいけない。犯されるために生まれてきたような存在なので、必然的にとてつもなくエロくなければいけない。

 

「でも、急にどうしたの? 今まで手紙も寄越さないでいたから、急に来てビックリした。あらかじめ連絡でもしてくれれば、色々と準備できたのに」

「気にしなくていいですよ、葵枝さん。私の方こそ、炭十郎さんが亡くなられたのに何も出来なくてすみません」

 

 いつも窶れた顔して横になっているのが多かった炭十郎さんが亡くなられてしまったのを知って、内心では「葵枝さん、アンタ搾り取り過ぎたんじゃね?」という下世話な思考だった。鬼滅の刃における女性陣って性欲強そうだね。

 などと考えていると、炭治郎くんが町へ下りるらしい。私も着いていこうとしたが、禰豆子ちゃんが六太くんをおんぶして現れ、ショタのあどけない寝顔に心を打たれた私は竈門家のショタロリに囲まれることを選んだ。

 炭治郎くんが夜になっても帰ってこないことが少しばかり悲しかった。抱き枕にしようとしたのに。花子ちゃんと禰豆子ちゃんを抱きしめるしかなかった。

 もう語彙力が死んで「可愛い」しか言葉が出てこなかった。それを無慈悲に殺した鬼舞辻無惨はマジで殺す。

 

「むっ、誰かが来たようだ」

「姉ちゃん、私が出るよ」

「もしかしたら、私が用事ある人だと思うから禰豆子ちゃんは休んでて」

 

 そうして私は家から出る。

 

 ──―べべん

 

 琵琶の音が鳴り、どこからともなく襖が出現して洋装の男が現れる。

 私は笑顔で話しかけた。

 

「久しぶりだな、鬼辻舞」

「鬼舞辻無惨だ! この異常者め、私をあのような変態忍者と一緒にするな!」

 

 早速プンスカし始めた鬼舞辻に私は不敵な笑みを崩さず、さり気なく家から離れながら彼に燃料を投下する。

 

「変態忍者と言うな。私は大好蛸触先生の書いた鬼辻舞の大ファンなんだぞ。サインだって直接会ってもらってきたくらいだ」

 

 直筆サイン(手作り)を見せつけてやると、鬼舞辻はクトゥルフ神話に出てきそうな口だらけの形容し難いキモい姿に変態する。

 

「なんと……!」

 

 私はある一点に集中した。

 鬼舞辻の背中から生えたモノだ。

 

 それは私が一途に思い続けた「触手」だった。

 

 ィヤッッッタァァァァアアアアアアアアアアあアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 

 

 数多の対魔忍を堕としてきた必殺兵器が目の前に降臨した。

 神はここにいたのだ。

 

「貴様。何故泣いている?」

「お前は犯す側の人間だったのか」

「何を言っている?」

「くっ、お前なんかに負けない……!」

 

 霹靂一閃を使い、鬼舞辻と斬り結ぶ。

 鬼の始祖で千年も人を食べてきただけあって、今まで戦ってきたどの鬼よりも強い。だが、私は負けない。

 一撃の全てが速く、必殺だ。当たれば死ぬのは確実で、大木が噛み砕かれ、管みたいなギザ歯のついた奴を斬ってみたものの瞬きの間に再生していく。頸を斬ってみたものの、すぐに再生してるし何なら男の急所を斬り落としたものの、まるで意に介していない。精々、竈門家から私に注意を向けさせて離れるのが精一杯だ。

 しかし、今の私は絶対に鬼舞辻に負けられないんだ! 

 

「ぐっ」

 

 奮闘むなしく、私は触手に捕まった。体を動かせない。

 私はキッと鬼舞辻を睨む。

 

「おのれぇー! 私を捕まえてどうするつもりだ!」

 

 ナニされるんだろう、とワクテカしながら鬼舞辻へ問い、ヤツは冷たい目で私を見るばかりだ。まるで意に介していない。

 

「フンッ、異常者が……私に勝つつもりだったのか?」

「くっ、殺せ!」

 

 女騎士の定番のセリフを言い放つと、鬼舞辻は私の鳩尾あたりを手刀で貫く。

 

「そこは犯す、だ……ろう……」

 

 やはり、この世は私にとことん厳しい。骨の髄までエロいことさせないようになっている。

 拘束が解かれ、ドサッと無造作に投げ捨てられる。

 

「貴様には私の血を与えた。私の役に立て。さもなくば死ね」

 

 何かが侵食してくる。犯される……ではないな。私という存在が鬼舞辻無惨によって塗り替えられていく。

 例えるなら、八津紫様のように箱化されて犯されている状態……もしくはオークや触手に幾度となく犯されて快楽落ちしてしまうような状態だ。体に快楽を刻まれ、ただのメスブタだと肉便器だと自尊心を傷つけられ、心をへし折られてしまったようなものだ。数多の対魔忍……敬愛する秋山凜子様なら、体は感じてドギツイアヘ顔を晒しつつも、頭の中ではひたすら耐え抜くことばかりを考え、要するに体は許しても、心は決して渡すまいとしている。正に今の私にそっくりだ。

 

 だが、私は悲しい。涙が止まらない。

 

 どんなに妄想を膨らませてみせたところで、現実は鬼舞辻の血が無理やり私を鬼にしているだけだった。そこにエロは微塵も介在せず、ただひたすら人間の体を鬼にしている。

 やはり、神は死んだ。ガッデム! 

 

「Fu○k! Fuuuuuuuu○k!!」

「なにっ?」

 

 ふざけんじゃねぇぞ、ゴルァッ! 

 

「なんで鬼にする方法がこれなんだよ! 期待して損したわ! フザケンナこの野郎! ブッ殺す!!」

「私の支配から逃れただと!?」

「テメェの支配なんか知るか! 頭も✕✕✕も小さい男め、テメェに生きてる価値なんかない!」

「なんだと! キサマを鬼にしたのは間違いだった。今ここで殺してやる」

「これだから千年も童貞やってる奴は駄目なんだ」

「……私を侮辱するな! 殺す!」

 

 第2ラウンド開始だった。

 鬼舞辻の動きは手にとるように解る。鬼になったのが大きいのだろう。ただでさえ高かった戦闘能力が鬼化により、更にブーストがかかって赤い彗星ではないけど「見える! 私にも敵が見える!」みたいな状態と言える。

 ハッキリ言わせてもらうなら、

 

「童貞捨ててから出直してこい」

「キサマ……!」

「お前には鬼辻舞になって犯されてる方がお似合いだ。この私が鬼でいて永遠に生き続ける限り、貴様が鬼辻舞となって犯される本は永遠に増え続けるだろう」

「……は?」

 

 ブチッ! 

 

 何かがキレる音が聞こえ、鬼舞辻の額から血が噴射される。すかさず飛び散る血を回収した私は仕事人の鑑だと思う。

 

「キサマがあのイカれた本を作ったのか?」

 

 静かに激情を押し隠すかのように無表情で淡々と訊いてくる。

 酷く心を傷つけられ、小説を侮辱されたので心外だとばかりに私は答える。

 

「イカれたとは失礼だ。あれは私の最高傑作だ。触手に犯され、敵に犯され、配下に犯される鬼辻舞は完璧だと思う」

「あああああ!! キサマは!! キサマだけは絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!!」

 

 あれ、私が悪役になった気分なのはどうして? 

 

「異常者の相手はいい加減疲れたと思っていたが、キサマだけは違う。この私自らキサマだけは殺す!」

「バカの一つ覚えみたいに殺すを連呼するな。これだから、千年も童貞でいる異常者は困る。私がすることは天災に遭ったとでも思って長い鬼の生活を静かに暮らすのが正しいだろうに。何をそんなに怒っているのか解らない」

「キサマを鬼にしたのが間違いだった。キサマは絶対に生かしておけん!」

 

 知らんがな。

 怒った鬼舞辻の猛攻を凌ぐも、正直このままだとガス欠寸前だった。鬼になった禰豆子ちゃんが眠ることで体力を回復していたが、私に睡魔はなく食欲もない。何かがたりない。いや、解るんだけど……なんでそこだけエロゲー仕様なんだろう。

 触手が伸び、三次元的な瞬きの間に行われる攻撃を刀と鞘で捌きながら乾坤一擲の必殺の一撃を入れようと機会を狙う。

 その機会は唐突だった。

 

「凜子さん!?」

「馬鹿な、ヤツは死んだハズ──―!?」

 

 炭治郎くんが山を上がってきていたのだ。

 鬼舞辻がチラッと炭治郎くんを一瞥し、彼のある部分……耳飾りを見て分かりやすく動揺する。

 

「か。ひの呼吸──―」

 

 機会を狙っていたのだが、いきなり過ぎて予備動作が全然できてなくて何か言葉を発しようとしたらこの言葉が出た。

 すぐに捌の型を出す構えをしたら、鬼舞辻は真っ青な顔を更に真っ青にさせて恐怖に苛まれた顔で一心不乱に叫んだ。

 

「鳴女ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 すぐさま琵琶の音が鳴り、襖が出現するや鬼舞辻は飛び込むように逃走するのだった。

 

「逃げられちゃったか」

 

 逃げてくれるなら、それでいいや。危なかった。もう少しでガス欠で倒れるところだった。

 膝をついた私に慌てて炭治郎くんは駆け寄る。

 

「凜子さん、大丈夫ですかっ?」

「ああ、炭治郎くん。ありがとう。でも、今はちょっと近づいちゃダメ」

 

 離れるよう促すも、炭治郎くんは離れるよりむしろ近づいて私を背負おうとしてくる。

 

「怪我してるじゃないですか! 早く治療しないと!」

「お願い。今だけは聞き分けを持って。話を聞いて」

 

 理性を保て私! 今ここで炭治郎くんに手を出そうものなら、ソッコーでアダルト小説に直行だぞ。

 何も知らないのを良いことにイイコトしようとか考えるな! 今はアダルト厳禁だ! 心頭滅却すれば火もまた涼し! とにかくエロは我慢しろ! 

 

「炭治郎くん、今の私は鬼になってしまった。この意味は理解できるね?」

「鬼っ? そんなどうして──―」

「さっきの男が原因だ。あれがどんな人間でも鬼にしてしまう鬼の始祖だ。炭治郎くん、君にお願いしたいことがあるの」

「なんですか?」

「これから私と同じような格好した人が来ると思うから、その人たちには私のことは死んだと伝えて。きっとその場で悲しむ姿を見るかもしれない。でも、この嘘は何が何でも貫き通して。でないと、私が鬼にされてしまったことで死ぬ人が出てきてしまう。お願いだから、私は死んだことにしておいてほしい」

 

 あまりにも非現実的で受け入れ難いことなのに、嘘をつくのが苦手な炭治郎くんに頼むのは酷かもしれない。

 だけど、鬼殺隊において柱が鬼になるのは相当にマズいことだ。下手したら、師範や長兄、善逸に面倒事が降り掛かる。そんな事になるくらいだったら、まだ死んだ方がマシだ。自害すればいいんだろうけど、そんな勇気は無い。

 そんな思いを炭治郎くんは理解せず、私を連れて行こうとする。

 

「きっと話せば理解してくれます! 諦めたら駄目です!」

「ちょっ……そんなに密着したら──―」

 

 私より背の低い炭治郎くんがおんぶする光景はなかなかにアンバランスだが、重さを気にすることなく必死に一歩一歩踏み出す姿に私は理性を保つのに苦慮する。

 そこへ神が囁く。

 

『おねショタはイイぞぉー』

 

 世界の声が聞こえた。

 

「いけない子だね、炭治郎くん」

「え──―うわぁっ?」

 

 一瞬の内に体勢を変え、私は炭治郎くんを押し倒した。

 

「凜子さん、どうしたんですか? 今は早く医者に見せないといけないのに」

「こんな怪我は勝手に治るから見せる必要ないわ。それより、おとなしく言うこと聞かない悪い子にはお姉さんがお仕置きしなきゃね」

「何言ってるんですか? って、うわぁっ! ちょっ……ぬ、脱がさないでください!」

 

 なんだかんだと鍛えている炭治郎くんはがっしりしていて、なかなかに垂涎モノだ。

 

「鬼は人を食べることで栄養を補給するけど、私は男の精を体に入れることで栄養補給できるの。ねぇ、お姉さんとイケナイコトしましょ? 炭治郎くん。きっと気持ちよくて楽しいわ」

「そ、そういうのは好きな人としてください!」

「鬼になった時点で人としての一生は歩めないんだから、肉欲に溺れさせてくれたっていいじゃない。ふふっ、よいではないかーよいではないかー」

「よくありません!」

 

 そこまで強く拘束してなかったから、炭治郎くんは無理やり抜け出して乱れた衣服を整える。

 

「凜子さんは自分をもっと大事にしてください! 諦めないでください! 俺が必ず人間に戻しますから!」

 

 スッと熱が引いて冷水を浴びせられた気がした。

 

「……方法があるの? 宛てがあるの?」

「そんなものありません! でも、絶対に何とかしてみせます!」

 

 やめとけ、と言いたい。きっと後悔する。家族が心配する。

 鬼殺隊に入りたがる人間に対する常套句とも言える諦めるよう諭す言葉を並べたが、石頭並みに頑固な炭治郎くんの決意は固くて私が諦めた。

 

「わかったわ、炭治郎くん。でも、炭治郎くん。私が鬼になったのは絶対に秘密にしてね。本当に洒落にならないから」

「……わかりました。それで、凜子さんはどうするつもりですか?」

「私は私を鬼にした男を追う。元気でいてね」

「はい!」

 

 私は日が出てこない内に炭治郎くんを置いて立ち去る。

 雀くんにはお館様に事情を伝える文を託して飛ばしたので、これで根回しは完了。他人任せだが、お館様なら私を上手く取り計らうだろう。秘密ないし死亡扱いが妥当だが、どうなるだろうか。まあ、それは鬼殺隊の行動で判断しよう。

 それにしても、と私は思う。

 

「好きな人、ねぇ」

 

 一瞬、過ぎった口下手な男の顔を頭を振って消し去る。

 何故思い浮かばさったのか皆目見当がつかない。前世から色恋とは無縁なので、きっと一時の気の迷いに違いない。

 

「私は対魔忍だぞ」

 

 特に理由になんねーや。

 その後、鬼殺隊の墓地に私のお墓があることを確認して上手くやってくれたことに感謝した。

 

 

 

 




変態柱の体力回復方法は本編で語った通りで、エロ漫画やエロゲー仕様で男とナニしないと体力回復しません。

炭治郎くんはとんだ鬼畜です。

ちなみに変態柱が存命なのは炭治郎くんと竈門家の人たちだけ知ってます。後は知りません。きちんと秘密は守られました。


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