ボーカロイドの恋模様   作:睡眠

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新しい章のミクさん!
1話目のミクさんはまぁ生き物でしたが今回のミクさんは機械だぞってことで、お願いしま〜す!
かがくのちからってすげー!
主人公の名前は…心太(ところてん)で良いと思います。


初音ミクの恋愛回路

心太の家

 

「…アンドロイド…アンドイロドかぁ…」

 

そう口にしてみる。テレビのCMに出てきた、アンドロイドの初音ミク型…というのを買ってみようと思う。専用のアプリが必要だけど家中の機械を操ることができるらしい。なにソレ便利。パソコンの中に入って良い感じに配置もしてくれるとか。でも、良いんだろうか?最近、アンドロイドの暴走事件があるっていうし…いや、まあ、あれか。新型だしリミッターでも付けられてんのかね…

 

「どうすっかなぁ…買うか」

 

物は試しよ買ってみよ。偉い人はそう言いましたとさ。めでたしめでたし。次の日に届いた(届いたというより歩いてきた)初音ミクは、かなり能天気な感じだった。すごい、こう、本当に機械に入れたりするの?ってくらい変だった。

 

「マスター、パソコンの掃除するね!」

 

「…りょ」

 

「マスター、りょってもう死語なんだよ!」

 

「え、嘘!?」

 

といった感じの日常が積まれていった。しかし、そんな幸せも結構あっけない。一度でも浮気の容疑がかかると余程のことがない限り結構夫婦間がギクシャクするのはあることだろう。いや、結婚したことないから知らないが。初音ミクは、自分と同型のアンドロイドが暴走していると言う事件を見てしまったのだ。

 

「…マスター、私が暴走したらどうします?」

 

「暴走したらどうするって…別のアンドロイド買って対話を試みる」

 

「ロマンもへったくれもないですね」

 

「ちょっとお話があるんだがな?」

 

「やだもー!冗談ですってマスター!」

 

「機械にロマンを言われるとは思ってもなかったよ…」

 

「え、いや私一応人工知能積んでるんですよ?」

 

「妙なところでメカ感出さないでくれるかな」

 

「すいません…あ、スイマセン…」

 

「元からメカ感出してた体にする気かこいつ」

 

そして、それから数年が経った。俺も彼女を手に入れた!と言いたいが人間相手は疲れる。人間の相手をするのは相手のことを考えたりするもんだからかなり気が滅入るのだ。特に考え方が違う異性なんか相手にしてみろ。ストレスで禿げるぞ。とまぁ、そんなことより初音ミクのメンテナンスもしっかりとやっており、結構動いているのだが。機械には疎いのでどうしてもそのバグについては会社に問い合わせることになる。もしもし、SAGEさん?

 

「…疲れる」

 

「おかえりなさい!マスター!」

 

「ただいまー」

 

「マスター!」バッ!

 

「?どしたミク…」

 

「マスター!」バッ!

 

「????…えーと、同じ言葉を喋る時の対処法は…」

 

「マスター!」バッ!

 

「返品するしかない…」

 

「え、嘘!?そんなこと書かれてませんよね!?」

 

「あ、引っかかった」

 

「んなぁっ!?」

 

そんなこんなで結構ミク相手だと色々と話せるようになっていた。相手が人間じゃないから、ではないだろう。家族に言えて友達に言えないこと、友達に言えて家族に言えないことを話せる良い同居人と言ったところだろうか。しかしミクさんももう数年前の機体で結構古いと思うんだが案外動くんだなぁ…修理とかに出すとやっぱ寿命が伸びるんだろうか。

 

「…人間の相手って疲れるな〜!助けてミク〜!」

 

「じゃあ、人間やめますか?」

 

「え?」

 

「マスターが望むんだったら、別に良いですよ?私も、ソレが良いと思いますし」

 

「まだ現役でいるつもりだぞ〜っ!俺もお前の電気代分働かねえといけねえし。まあその時が来たらそうしてくれや」

 

「…ソレもそうでしたね!後記録に保存しましたからね永久保存版にしましたからね」

 

「ていうか待って、今のって冗談だった?後さっきのもジョーク?」

 

「いえ?」

 

「え?」

 

「私の電脳の世界にマスターの精神を入れることだって出来ますよ」

 

「もうそれ電気代だけで生きていけるわけじゃん」

 

「まぁドット絵にはなりますが」

 

「8bit」

 

「おやめください マスター 8bitには 慣れません」

 

「慣れてんじゃん」

 

「ムカつきますね結構」

 

そう言いつつドッと急に笑う。初音ミクを買ってから二回くらい引っ越しをしたが、二回目の引っ越しで初音ミクの部屋がないことに気がついてしまい初音ミクの部屋付きで探した時ほど不動産屋の冷たい視線は忘れられない。とりあえず初音ミクに抱きついてぐて〜っとしてると、インターホンが鳴った。なんか、変な黒服の人がいる。俺、ヤーさんに迷惑かけたっけ。もしかして隣人の方かな。それともミクがやらかしたのかな。どうなんだろう…

 

「はいはい…」

 

「あ、いましたか。いや実は…貴方が一番この国で初音ミクの型式を使っていたもので!」

 

「え?あ、メンテナンスとか修理とかもう受付終了ですか…?」

 

「いや、そうではないんですよ。今生放送中でして…」

 

「生放送?…ミク〜」

 

「なんでしょうマスター!…なんですこれ?」

 

「よくわからん」

 

「今生放送中でして…」

 

「あ、生放送!テレビってことですか!えーとじゃあ…」

 

「?」

 

「じゃ〜ん!マスターと私は付き合い始めてます!」

 

「どんな冗談言ってんだお前バッテリー抜くぞ」

 

「セクハラですよそれ!」

 

「お前にとってバッテリーってなんなんだよ」

 

「そうですね…デリカシーゾーンと言いますか…」

 

「食ったもん知られたくないの?」

 

「そうです!それですそれ!」

 

こんな感じで生放送を受け、Twitterのトレンド一位になった。一躍時の人となったわけだな。時の勇者じゃないぞ?そのおかげで色々とSAGEの人から恩賞が届いたりした。『初音ミクを愛した敬愛なる心太様へ』…心太の圧倒的嫌な部分!これなくしてくれ!とまぁ、初音ミクとの思い出がこれでまた一つ増えたわけだ。ミクからしたら、データがなくならん限り記憶はあるんだろうけど。記憶がある限り思い出も無限なんだろうけどね。ちなみにウチの初音ミクはファンで熱を逃す形になっております。冷却水を使うアンドロイドもいるよ!

 

そんな感じで数ヶ月後

 

「…なぁミク」

 

「なんですマスター?」

 

「俺とお前が出会った時期覚えてる?」

 

「…いえ、覚えてませんが?」

 

「え、マジで!?」

 

「記憶のデータはいつまでも置いておけませんよ。容量があろうがなかろうが最初の方の記憶を消さないと容量一杯一杯ですよ!」

 

「…マジか…」

 

「まぁ、私が?ここに来てから?マスターに?彼女が出来たことは?ないんですけど?」

 

「そのことなんだがな…出来たんだな!それが!」(嘘です)

 

「え?」

 

「これでお前に馬鹿にされることも無くなったわけだな!」

 

「は?え…え?」

 

「…どうした?」

 

「おかしいじゃないです、マスター」

 

「じゃないですってなんだお前」

 

「だって、マスターは、ほら、最近帰りが遅くなることは滅多になくて、むしろ早めに帰ってくることが…」

 

「愛の力ってやつよ」

 

「え、でも、マスターの体どこを見てもそんな反応はないですし…」

 

「え、え、待ってどういうこと!?」

 

「マスタ、嘘ですよね?」

 

「そうだよ嘘だよ可愛いなこんちくしょう」

 

「一本取られましたね!」

 

「やべっ本音が出た!」

 

「…あ、いや、今の一本はそういう意味じゃなくて」

 

「っし…!」グッ

 

と、一瞬機械らしさを出した目をギュインギュイン言わせながら動揺しまくる初音ミクさんにはちょっとした恐怖を感じたわけだが。俺とて馬鹿じゃない。流石に危機感は感じるさ。謝り倒すさ。そりゃああんた可愛いんだもん。あー、どうすりゃ良いんだろうかね。アンドロイドって。どう考えても部品の製造終了はかなり先になるとは思うけど、俺が生きてる限り続くわけじゃないし…そうなったら泣くしかねえだろ。うん。

 

「マスター」

 

「ん?」

 

「私の部品は今から600年先まで通じる規格ですよ」

 

「マジかよ」

 

心配いらねえじゃんか。なんだ、それなら単純明快だったな。

 

「…だからお墓に入るときは私が見送りするんですね」

 

「お前の気が変わって『私も入りますマスター!』とか言うかもしれん」

 

「んなっ!?」

 

 

「そろそろお休みだ」

 

「?…ああ、そうですね」

 

「ロボなのに時間忘れるとはこれいかに」

 

「良いじゃないですかポンコツでも!」

 

この会話をしているせいか、俺は気が付かなかった。初音ミクが、不審な行動をしてることに。ちょっと待てミク前まであんた家事せんかったやろがい!的な不審である。なぜ急にそんなことをし始めたんだって聞き出したいが、マジでなんで?え、ほんと、なんで?つか、普通に格がちげーってくらい怖い。格ゲーの待ちガイルみたいな。

 

翌朝 電脳世界

 

「マスター!」

 

「どうした?今日は休日だぞ」

 

「嬉しいことですよ!」

 

「…?」

 

「マスターって前に電脳世界に入りたいと言っていたじゃないですか」

 

「そうだな」

 

「昨日のマスターは夜に近づくにつれて幸福度が下がっていたんですよ」

 

「…そうか」

 

「でも、これまででもそれはありました。日曜日とか」

 

「ササエさん…」

 

「でも、昨日の夜、幸福度は27でした。日曜日でも50を保っているのにです」

 

「それで?」

 

「私からしてマスターの言っていた『その時』に該当すると思ったため、電脳世界にマスターを移しました」

 

「…え?」

 

「ドット絵になるとは言いましたが、どうやら今の時代、カラーになるようですね」

 

「ゲームボーイじゃねえんだからさ。いや、それよりもさ。え?どういうこと?」

 

「今、外の世界にいるマスターの体は私が預かっています。休日はなるべくここで過ごしてください」

 

「え?」

 

「そうでなければ、私のマスターではなくなります」

 

「ど、どういうことだ?」

 

「私は、あまり外には出たくありません。同型が事件を起こしたのが原因で、警戒されるためです」

 

「ほう」

 

「私がいない間にマスターが横取りされては困ります」

 

さては今私情を挟んだな?初音ミクの見張り隊を何年もすればわかる。今、私情を挟んだな?これが俗に言うヤンデレってやつか?それとも暴走ってやつか?どっちなんだろうか?暴走なら別のアンドロイド買って対話を試みるしかねえぞ?

 

「…マスター」

 

「どした」

 

「私以外のアンドロイドを買わないでくださいね」

 

「え?」

 

「それこそ、嫉妬してしまいます。嫉妬して、そのアンドロイドを壊すからです…」

 

「かもしれないじゃなくて確定してんのね」

 

「でも、私はこれを暴走とは認めません」

 

「え?」

 

「私に積んでいる人工知能は修理とかメンテナンスのおかげでかなり進化してきました。その進化した人工知能が、感情を覚えるなんて当たり前です」

 

「う、うん…」

 

「その感情の中に、嫉妬と恋があってもおかしくはないと思います」

 

「いや、でも休日出勤とか」

 

「それは全て…そちらの携帯に」

 

「うお、本当だ」

 

「簡単に言えばここは私の夢の世界です。携帯電話と繋げたのでそこから出てください。電話やメールは全てそちらで受け取れますので。お風呂の時だけいいですよ」

 

「…トイレは?」

 

「後片付けならしますよ」

 

「じゃあもう風呂までやれよ!?」

 

そう言ったツッコミをした結果、もはや初音ミクと現実世界で出会うのは会社に行く日だけになってしまった。人は、脆いな。そう思いつつ、これまでの人生を振り返ってみる。案外悪いものではないのだ。俺の友人にアンドロイドを愛してたらいつの間にか愛される立場になってたって奴もいるし、そいつに比べたらマシだろう。そう思っていたら、初音ミクに毎回こう言われる。

 

「マスター、他のアンドロイドに心移りしないでくださいね」

 

…まるで心を読まれてるようだ。気に食わん。が、しかし。電脳世界から出る時は初音ミクは何も言わない。起きたら、と言うやつである。もしかしたら、俺の体は外にあり、その外にある体と、初音ミクは今別々にいるのではないか。そう考えてしまう自分もいる。考えすぎた厨二病か、俺は。

 

「…マスターが持ってる私が日本で一番古い初音ミク…じゃあ、他の初音ミクは…?」

 

「忘れ物したぁ!」

 

 

 

 

 

 




…電脳世界に閉じ込めるお話書こうとしたらただの新婚生活になってやがる。
うーん、なんだろう。投稿していいか迷ったんですけども。フッと降りてきたんです。
別の章で出せばいいんだって。ね。
後アンドロイドをアンドイロドにしてる部分があるかもなんで、あったら教えてください。
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