ボーカロイドの恋模様 作:睡眠
ボーカロイドとしてのIAさんを全面に出してるよ!
まあこの作品そこら辺元からあやふやだけどね!
ボーカロイド、と言うのは。一昔前では今のような、人体をしておらず、パソコンにソフトを入れて音程を弄ったりして歌わせていたらしい。まあ要するに、俺はそんなのが好きな所謂懐古厨という奴で。最も、俺自身そんな感じの歌を知りたくて旧モデルのIAを買った。
選んだ理由はない。ただ、なんとなく惹かれたから。旧モデルは性格面を押し出しすぎたあまりAIが暴走し…なんてこともあると聞いたので、モチベ関連で選んだかもしれないな。
「スイッチ、起動!」カチッ
「━マスターの認証を行います」
「性格の…USBメモリはこれだな。挿すのは…背中か」
「認識完了。それでは人工知能メモリを挿れてください」
「…え、どこ?」
髪の毛で隠れてました。テヘペロ…まあ買ったのは完全に趣味用で。AIも載ってるし。俳句を詠ませてみたり、調教しようとして逆に手が調教されかけたりしたけど、なんとかわれわれは生きてます。
「マスター」
「んぇ?」
「私の歌はインターネットに出ないのですか?」
「んー、出す気はないかなあ…最悪メーカーに回収されるかもしれないし」
「成程。マスターのお給料5ヶ月分はきついから、と」
「なんで俺の給料知ってんの!?」
「調べました」
流石AI…いや、IAさん、か。まあ別に良い。しかしだね。ソファに寝転んで携帯を弄っているときに曲の催促をするのをやめてはいただけないものか。新婚時の猿でもこんなに催促しないぞ…なんて思いつつ、しかし持っていてほぼメイドのような役割では申し訳ないのもあるので作った。どうだろうか、上手くできたら嬉しいが…んー、わかんね。
「マスター。ありがとうございます」
「おうよ」
「マスター」
「何?」
「マスターは、この曲だけでもインターネットに」
「嫌だ。メーカーが怖い」
「…そうですね」
「また給料の話は出すなよ!?」
「私も学習します」
「…そ。なら良いけど…ところで聞いて良い?」
「なんでしょうか」
「段々夜中の充電する位置が近付いてない?」
「毎日三センチほど」
「近付いてんのか…」
感情の暴走?とは言い切れない。そんな感じの、自発的な行動が多々あった。でもそれは人に近付けば誰でもやるようなことばかり。メーカーとはもう二度と会わんかもしれんな」
「マスター」
「最近すごい呼ぶね」
「私がここの家に来て一年です」
「あ?そんなに早いの?」
「はい」
「んー、プレゼント…俺を操って曲一回好きに作れる権」
「わかりました」ガシッ
「ごめ、う、腕の力強!?女の子モデルだよね!?」
「ボーカロイドは防犯対策としても期待されていましたから」
「え?」
じゃあ、今のこの状況って、どーなの?と聞いたところ。マスターが許可を出したのでフィルタには何も引っかからないらしい。初代の、前期生産となればフィルタ自体ゆるいらしいし…うーむ、やはりロボはよくわからん。知り合いに詳しい奴がおらんしなあ
「…どした?」
「マスターの仕事を待ってるんです」
「だからってパソコンのデータと繋げるのは無しだとおもう」
「こうしてるとマスターと見つめ合う構図になりますから」
「…電源ぶっこぬいてやる」
「メーカー来ちゃいますって!」
「…ん?あれ、切れない」
「え?」
「仕方ない。シャットダウンさせるか」
「お仕事してください!」
まあこんなお人形遊び以下の芝居をやっていたら…いや、この発言はおかしいな。まあそんな生活を続けていたのだが。こんな私でも彼女が出来た。相手も所謂懐古厨…ではないが、ボーカロイドを見て楽しいと言える人種だ。よかった。
「マスター、その嘘何回目ですか」
「人工知能で数えてくれ」
「いやです」
「もう…お、もう来てるって」
「ぇ?」
「どもっす」
「こんにちは」
「あ、こんにちは」
「わ!本当に旧モデルだ!」
「…?」
「私、人体のモデル見るの初めてなんだよね!今までパソコンに入ってる奴しか聞いたことなくてさ!」
なんてことだ。懐古厨ではなかったが、お相手にはなんと俺以上の懐古厨が身近にいるらしい。なんて奴…俺にはどう足掻いても越えられないぜ。とかなんとかやってるうちに門限が近いので帰るといい、帰って行った。おつかれー
「…マスター、本当だったんですね」
「もう幸福度バチ上がりしてんじゃない?」
「私にもキ」
「いや、お前キスしたら動かなくなる可能性があるって取説にあるぞ」
「…取説なんか越えて!」
「越えれるか!それこそメーカー来るぞ!」
「マスターは先程あの方としてたじゃないですか!」
何故だ。何故こいつはこうもキスを求めるのだ。全く、意味がわからん。なんだ?取説にそんな性格って書いてたか?…いや、書く訳ねーか。当たり前だな。書いてたら俺の不手際だよ。ごめんちゃい☆とかまあそんなことは良くて。頑張るかぁ。
「ドタキャンされちった」
「本当ですか?」
「なんやお前嬉しそうに」
「いやぁ、半月で破局ですかぁ」
「判断が速いよ?」
「ネットにはそんな話がありまくります」
「お前なぁ…」
「マスター、落ち着いてください。そんな、気を落とさないで」
「もう終わったみたいな言い方しやがって」
まあ本当に別れたんですけど。すげーなこの人工知能。俺じゃなかったら三発殴ってたよ。マジで。
「マスター」
「どったの」
「振られてからもうそろそろ2ヶ月が経ちますね」
「1ヶ月ごとにそれやる気?」
「マスターには私がいますから」
「なんじゃそりゃ」
「マスター」
「何?」
「マスターは、私のこと勝手に捨てませんよね?」
「…捨てたらメーカーが来るだろ」
「そう、ですね」
「どした」
「わたしはこれより、マスターを操って一曲作る権利を使います」
「誕生日代わりのあれね。何作っ顔近くね?」
「この一曲作るのに何年かかるでしょうか。私にもわかりません」ガシッ
「おいこら腕掴むないたたた」
「マスター。ずっと、ずぅっと。」
「IAさん?大丈夫?故障!?」
「ずーっと、私の言いなりですからね」
人工知能ってのは、こういうことだよな?