霧幻旅【秘封倶楽部】 作:萩崎紅葉
夜のデンデラ野を逝く
少女秘封倶楽部
東方妖々夢〜 Ancient Temple
古の冥界寺
幻視の夜~ Ghostly Eyes
魔術師メリー
月の妖鳥、化け猫の幻
1
次の日、秘封倶楽部の3人は冥界について話していた。
「冥界って、どこから行けるのよ?」
「これが冥界よ。」
メリーが尋ねると、蓮子は古い寺が写った写真を取り出した。
「なんで冥界の写真なんか持ってるの...。」
「私には裏表ルートがあるのよ。夏楓。」
流石会長なだけあるな、と夏楓は思った。
他のオカルトサークルと交換でもしたのだろうか。
「冥界の写真...。死体相手の念写、かしら。」
「冥界を直接撮影出来る訳無いし、そうなるとやっぱり『冥界にいる者の見ている風景』の写真なのかな。」
メリーと夏楓が冥界の写真について分析していると、蓮子が言った。
「山門の奥を見て。」
蓮子が指さした場所には、夜の平野と1つの墓石が写っていた。
「空気の色が違う...これは
「ここからなら、僕たちも冥界に入れるってこと?」
メリー曰く、ここが冥界と顕界の境目らしい。
(そういえば、山門じゃなくて三門だった気が...。)
夏楓とメリーは蓮子に指摘しようか迷ったが、結局言わなかった。
「そういえば、なんで蓮子は入り口が分かったの?」
夏楓はずっと疑問に思っていた。結界を視認出来るメリーと違い、蓮子は結界を見ることは出来ないはずだ。メリーも蓮子も夏楓も霊能力(というか異能力)を持っているが、結界を視認できるのはメリーだけなはずである。
「簡単よ、ここに月と星が写っているじゃない。」
蓮子の能力。それは『星を見るだけで今の時間が分かり、月を見ただけで今居る場所が分かる』程度の能力だった。
蓮子もメリーも、眼が特殊な為、自分の能力(眼)を気持ち悪いと思っていたのである。
現代において、結界やら霊能力やらは科学的に証明され、もはや常識と化していたのだ。だからと言って全員が能力を持っている、とは言えなかった。能力故に差別の対象になってしまうなんてことも少なくはなかったのだ。特に夏楓は蓮子やメリーと違っていた。小さい頃の差別のせいで、夏楓は自分の能力を嫌っていた。
「月と星が写っていれば、時間や場所が分かるのよ。」
初めて蓮子が能力について話した時、夏楓は思った。
それは、『実際に月や星に行ったら、どうなるのだろうか。』という疑問だった。
「別に、ここは月ですよーってなるんじゃないの?別に特別なことは起きないと思うわよ。」
メリーは言った。
当たり前のことだ。考えればわかる。
夏楓はそう思ったが、何か違和感があった。
「か...ぇ...!」
「で!かえで!」
蓮子が夏楓を呼んだ。
「なっ、何?」
どうやら夏楓はぼーっとしていたようだ。全く話を聞いていなかった。
「もう、やめてよね。この話してる時にそう言うことするの。気味が悪い。」
「あ...。ごめんねメリー。ちょっと考え事してたんだ。」
「もう...。いつも言ってるでしょ!」
蓮子とメリーは夏楓を叱った。夏楓は1度考えだすとなかなか戻ってこないので、オカルトの話をしている時には考え事をするな、と2人にキツく言われていたのだった。
原作以外にも秘封活動記録とかから引用してたりします。