なんでだろう?
今、僕は爆豪君と向かい合っている。
何だか怒ってるみたいだけど、理由が分からない。
むしろ怒るなら僕の方だとおもうだけど...胸触られたし。
でも、同性だし、きにしないだけど。
案外、爆豪君って、恥ずかしがり屋なのかな?
「オラ、とっと構えろ。一発で終わらせてやるからよ」
爆豪君はそう言って、両手を広げる。
特に構えらしい構えはしてないけど、いつでも動けるようにこちらを警戒しているみたいだ。
「うん、分かったよ。
僕も父さんと鍛えてて、どれくらい強くなった気になるし。あっ、これだけは言っとくね。」
「あァ?なんだよ?」
僕は足を軽く開いて、ボクサーのように構える。
「個性は使わないよ。」
「はァ?舐めてんのか、このクソおん」
バシッ!
「駄目かぁ...反応早いね。」
「やってくれるじゃねェか?コラァ!」
爆豪君の実力が分からないし、不意打ち気味に蹴りを放つも両手をクロスして防がれたので、後ろに飛んで距離を取る。
「喰らいやがれ!」
爆豪君が片腕で個性を使って、加速しつつもう一方の手を振り上げながら突っ込んで来る。
普通ならガードすれば良いけど、個性の爆発があるからなぁ...でも、見た感じ個性は手からしか出せなそうだし、そこに気を付ければ...
「せいやっ!」
僕は軸をずらして、回避しながら爆豪くんの手に触れないように腕を掴むとそのままの勢いで地面に投げる。
「チッ!させるか!」
が、爆豪君は手から爆発を起こすと衝撃を利用して吹き飛んで回避する。追撃しようとするも爆風で体勢を崩しまい、そうもいかなかった。
「かわすんじゃねェよ、クソが!」
「嫌だよ、絶対痛いし...あーあ、ジャージが泥だらけだよ。今更だけど、爆豪君の個性って近付いて戦うの不利だよね、ただ近くで爆発させるだけでも怪我しそうだし。」
僕はジャージを叩きながら、不機嫌そうに呟いた。
「俺は天才だからな、そこらのナードとは違うんだよ。比べるまでも無いだ、ろ!」
そう言う爆豪くんは褒められたと思ったのか、自慢げにそういって、突っ込んで来る。
最初にやられた不意打ちの仕返しかなと考えながら、僕は避けなかった。むしろ前に踏み込んだ。
爆豪君が掌をこちらに向ける。
「俺の勝ち...」
勝利を確信した爆豪君、彼との距離はもう無い。爆破を発動するが。
「ぐ、ぁ...」
出来なかった。
爆轟君の鳩尾に肘鉄が入っていた。
崩れるように倒れる爆豪君を尻目に僕は息を吐いた。
「ま、だ…!」
「ひゃあ!?」
確実に意識を刈り取った筈の彼が僕の右足を掴んでいた。冷や汗が流れる。
「爆豪君...?」
身構えてた僕だったが、いつまでたっても、爆発は無い。
恐る恐る顔を覗き込むと気絶していた。
「あ、危なかったぁ。」
僕はまたため息を吐いた。
○
「くっ、いってぇ。」
「あっ、起きた。」
「テメェは...って何してやがる!」
しばらくすると爆豪くんも目を覚ました。
けど、僕の顔を見るなり僕の膝から頭を離して、構える。その反応はどことなく猫みたいでかわいい。
「もう一度だ!」
「ごめんね、朝食に遅れるからまた今度ね。」
「何、おい待て!?」
僕はそう言って、公園を出た。
後ろから爆豪君が追いかけてくるけど、流石に僕の全力には追い付けず、個性も疲れからすぐには使えず見えなくなった。