fortissimo EXA Diejenigen, die den Kampf fortsetzen(戦い続ける者) 作:鴉鍵
『復元する拳狼の蒼槍(フェンリスヴォルフ・ダ・カーポ)』をまともに食らい、深傷を負う灼。
「零二……零二ィィィィ」
怨念の叫び声を上げる灼。そこには余裕綽々に『召喚せし者(マホウツカイ)』を見下していた灼の姿はどこにもなかった。
「よくも……よくも[俺]の『堕ちた煉獄の業火(イフリート)』を!」
灼の絶対的な自信の元となったあらゆる『召喚せし者』の魔術を無効化にする『堕ちた煉獄の業火』を打ち破られ、怒りを露わにする。
「『不滅なる宴(セーフリームニル)』」
深傷を負っていたはずの灼がみるみる損傷を回復して行く。
「またそれかよ」
そんな様子に零二は歯噛みする。
そう、『堕ちた煉獄の業火』を打ち破る事が出来ても、灼のどれだけ深い損傷を負おうと一瞬にして元通りになるその謎の能力を攻略しなければ勝ちはない。
「ったく、俺の決心の一撃を何事もなく回復しやがって、不死身かよ」
「黙れ! 『召喚せし者』がその穢らわしい口を開くな!」
「む、マスターは穢らわしくないんだよ!」
灼の罵声に反論するサクラ。気づけば殺意の嵐による拘束も解かれていた。
「もう、これ以上はよそうぜ」
「黙れ……黙れぇぇぇぇ!」
再度、灼の周りに青き煉獄の業火が現れ、取り囲む。
「『堕ちた煉獄の業火』ォォォォ! 裁きを……裁きを下せぇぇぇぇぇ」
半ば狂乱気味に『堕ちた煉獄の業火』に命令する灼。
だが……
「もう、よせってんだろうが!」
対する零二もまた唯一『堕ちた煉獄の業火』を打ち破る奇跡の魔術『復元する拳狼の蒼槍』を発動する。
「『堕ちた煉獄の業火』!」
「『復元する拳狼の蒼槍』!」
先ほどの再現と言わんばかりに青き炎と蒼い奇跡の魔術がぶつかり合う。
だが、やはり、『復元する拳狼の蒼槍』の絶大な魔力と"戻す"能力の前では『堕ちた煉獄の業火』は通用しない……
再び押し戻される青い煉獄の業火……決して『堕ちた煉獄の業火』が弱いわけではない。むしろ『召喚せし者』の魔術を無効化にするというズルとも言える最高クラスなのだが、零二の『復元する拳狼の蒼槍』はその上を行く。
「ふざけるな……ふざけるなァァ! 俺たちが考えた魔術を打ち破るなど……あってたまるか!」
「俺……達?」
そう、灼の必殺技ともいえる『堕ちた煉獄の業火』は灼自身が考えた物ではなく、ある人と共に創り出した幻想の魔術。
それを実現した灼にとって、その魔術は何者にも打ち破れることの無い必殺技となっていた……
「なのに……なのにっ! 何故貴様のそれは俺の『堕ちた煉獄の業火』を上回るかァァァ」
その言葉と同時に『堕ちた煉獄の業火』は完膚なきまでに戻され、無へと帰す。
「決まってんだろうが! てめぇがどれだけ強かろうと関係ねぇ! 護りてぇもんを護る信念がある限り、俺たちは誰にも負けねぇ!」
「マスターの言うとおりだよ!」
零二の力の源である信念……サクラもそれに頷き、二人の信念は灼の『召喚せし者』を殲滅するという野望を遥かに上回る。
「……はは」
二人肩を並べ、どこから見ても完璧なパートナーたる二人……その姿を見て、灼は自然に笑みが零れる。
「だがな……それでも[私]は負けるわけにはいかない! お前達の言う信念とやら、私にもあるのだからな!」
落ち着きを取り戻したのか、当初のような燃えるようでいてどこか冷たい表情へ戻る。
「来い……だが、私は死なん! 『召喚せし者』を殲滅するまでは死ぬわけにはいかない!」
だが、灼はその言葉とは反対に、迫り来る蒼い奇跡の魔術から逃げようともせず、両手を広げて当たるのを待っている。
「はっ、上等だぜ! 俺たちの……」
「私たちの……」
「信念をぶつけてやるぜ!」
「信念をぶつけてやるんだよ!」
ほぼ、同時に発せられた零二とサクラの掛け声……
まるで、その言葉に呼応するかのように唸る蒼き奇跡の魔術。
だが……
「『瞬間魔力換装(フリューゲル・ブリッツ)』」
そんな中、一人の少女の透き通る声が響く。
次回予告……
気になる零二&サクラVS灼ですが、次回はオーディン、苺編をお送りしようと思います
ちなみに新キャラも登場予定ですm(_ _)m