fortissimo EXA Diejenigen, die den Kampf fortsetzen(戦い続ける者) 作:鴉鍵
鴉鍵とかいてクロウキーと読みます。m(_ _)m
ようやく、現実世界でのゴタゴタが終わり、またこうやって執筆を再開できることに歓喜を覚えずにいられません!
やや更新も遅れましたが、これからもよろしくお願いします。m(_ _)m
放課後、生徒会室にて……
「大丈夫かしら? 水坂さん」
生徒会長である雨宮が椅子に座っている美樹に紅茶を出す。
「あ、大丈夫です。ありがとうございます」
軽くお辞儀しながら、紅茶を受け取り、啜る。
「で、昨日なにが起こったって言うの?」
と、紅葉が壁にもたれかかり、そう質問してくる。
昼休みのメンバーで美樹の話を聞こうと、こうして集まったわけだ。ただ、なぎさは龍一と放課後デートがあるため、参加してはいない。
「実は、昨日……バイトの帰りに一人の男がずっとついてきていたんです。最初は気のせいかなって思ってたんですけど……突然話しかけられて、強引に手を掴まれたから、怖くなって逃げました。だけど、あの男はずっと、追いかけて……その後はなんとか隠れてやり過ごしたんだけど、今日もバイトがあるから……またあの人に会うんじゃないかって思うと……怖くて」
手を異常なほどまでに震わせている美樹。どうやら本当に怖い目にあったようである。零二の心の奥底に噛みきれない何かが湧き上がるのを感じた。
「そう、それは辛かったわね。その男の人と面識はあるの?」
と、雨宮がいつになく真剣な面持ちで、そう問いかける。
「いえ……」
首を横に振る美樹。どうやら心当たりが無いようだ。いや……もしかしたら、単に美樹が覚えていないだけで、これまで美樹がフってきた男たちの中にいるかもしれない……
「どんな感じの人だったの?」
「えっと……確か日本人じゃなかったような……」
「え?」
「日本人じゃなかったって……どう言うことだ?」
「えっと……肌がね明るい黒色だったの、それに黄色く光る瞳をしてたの」
「っ!」
美樹がつきまとっているストーカーの特徴を言った瞬間、紅葉は戦慄が走ったかのように口を詰まらせる。
「どうした? 里村……」
「その男……私知ってるかもしれない」
「なに?」
紅葉は一瞬だけ美樹を目にやり、しばらくした後、ため息をつく。
「その人は……多分、灼の仲間よ」
「なにっ?」
「それは……まさか、あなたが言ってた人なの?」
なにも知らない零二は驚き、少なからず事情を知っている雨宮は察した。
「仲間って事は……まさか、そいつ」
「ええ、『召喚せし者(マホウツカイ)よ」
「っ!」
盲目だった。確かに灼はここ一週間は戦わないと言っていたが、灼の仲間がそうだとは限らない……
「いや、逆に考えれば、こいつはチャンスかも知れねーな」
そう、灼の仲間が動いていることは想定外だったが、同時に灼の居場所を突き止める好機でもある。
「よし、美樹、今日もいつも通りバイトに行ってくれ」
「え、でも……」
「心配するな、ストーカーが現れたら俺が捕まえてやるよ」
「本当?」
「ああ」
「ありがと……零二っ!」
そう言って、また零二に抱きつく美樹。懐かしい感触に零二はそれを強く拒むことが出来なかった。
「美……樹……」
それでも、零二はその感情を妥協する訳にはいかない。そう戒めるようにサクラの顔と同時に罪悪感が襲いかかってきた。
「すまん、美樹……離れてくれ」
「あ……そっか、ごめんね」
美樹もまた零二が困惑していることを感じ取り、どこか寂しげながらも申し訳なさそうな笑みを浮かばせ、零二から離れる。
「………………」
「………………」
二人の間に気まずい沈黙が流れる。互いにどう声をかければいいのか分からなかった。
「あのさぁ、私達のこと忘れてない?」
「さ、里村?」
気まずい二人の間に強引とも言える入り方をして、空気をリセットする。
「ま、一応、私達も生徒会のメンバーだから私も行くわよ。もちろんばかいちょーも来るでしょ?」
「愚問ね、我が校の可愛い生徒が困ってたら助けるのが当然でしょ」
「会長……ありがとうございます」
と、美樹は会長と紅葉に向かって深々と頭を下げる。
零二を含めた三人の目的は単にストーカーを止めるだけではなく、灼の仲間である可能性が高いそのストーカーを捜し出し、灼の居場所についての情報を吐かせてもらうという考えもあった。