fortissimo EXA Diejenigen, die den Kampf fortsetzen(戦い続ける者)   作:鴉鍵

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アストレ対紅葉②

「っ……なによこれ」

 

 紅葉は己の目を疑い、一度瞳を閉じ再び開ける。

 

 だが、それでも世界は変わらず、紅葉の目に映るのはあらゆるものの動きが倍速された世界。自分だけが取り残されているような錯覚に陥る。

 

「どうだ? 妙な感覚だろ」

 

「あんた……私に何をしたの?」

 

「なーに、体感速度を遅くさせただけだよ」

 

 まるで早口言葉のように駆り出されるアストレの言葉。

 

「体感速度?」

 

「ああ、今里ちんが見えてる光景、周りの動きが速くなっているように感じられるだろ?」

 

「………………」

 

「つまり、里ちんは、のろまな感性の持ち主となったのさ」

 

 人はそれぞれ、ものの動きの速さを感じる体感速度というものを持っており、例えば野球などではピッチャーが投げるストレートの球の速度の速さは数字上はそんなに速くないのに、目で見ると数字以上早く感じられるという。

 

 他にも素早い球に慣れたら、遅い球が必要以上に遅く感じられるという。逆もしかり、遅い球に慣れると速い球が更に早く感じられるようになるなどある。

 

 紅葉の場合、体感速度が遅くなり、周りの動きが速く感じるような状態に陥っているということになる。

 

 それが『愚かしい鈍間(ガングレド)』

 

 それはアストレの『戦略破壊魔術兵器(マホウ)』であるジェノサイドストームの能力の一つであり、その効果は爆煙を浴びた者の体感速度を遅める。つまりは周りの動きが必要以上に感じさせられる状態にさせることである。

 

「私と同じ状態異常を付加する能力ってわけね」

 

「そういうこと」

 

「上等じゃないの!」

 

 だが、所詮は周りの動きが速く見えるだけ、特に危惧するような状態でもない。

 

「行くわよ!」

 

 だが、紅葉は気づいていなかった。この体感速度を遅めた事による精神的被害を……

 

 紅葉は七色の砲台を操ろうとするが……

 

「なっ!」

 

 必要以上に速く動いているように見えるため、思うように操れないでいた。ただでさえ素早い砲台に紅葉の現在の状態ではまるで一つ一つの動きが瞬間移動並みの素早さを誇っているように見える。

 

「っ、くそっ! あぁ! 違う!」

 

 自分の半身たる『戦略破壊魔術兵器』であるはずなのに、うまく扱えず、苛立ちを見せる紅葉。

 

「やらせてもらうぜ」

 

 そんな好機をアストレが大人しく指を加えて見ているはずがない。宙に浮かばせてある無数の手榴弾を紅葉目掛けて放つ。

 

 かつて軌道を目視出来ていたそれは素早く、流星のように紅葉へ迫る。

 

「っ!」

 

 避けきれずに次々と迫り来る爆風をモロに受ける。

 

「こ……のっ」

 

 幸いどうやら手榴弾そのものの殺傷能力は低いらしく、瀕死には至らなかった。

 

 だが、黒焦げた肌にところどころ破れた服から流れ出る赤い液体は今の状況が決して軽いものではないと語っている。

 

「っ……くっ……」

 

「あーあ、せっかくの可愛い顔が台無しだよ」

 

 と、アストレは軽い足取りで紅葉の近くまで寄り、拳銃を紅葉の頭に突きつける。

 

「死にたくなかったら……そうだなぁ、俺の慰み者になってもらおうか? くくっ」

 

 と、拳銃を持っていない方の手で紅葉の体をペタペタと触り始める。

 

 そして、その手は紅葉の鎖骨を撫で、ゆっくりと服の中に滑らす。




大変申し訳ないのですが、このまま一日ずつ投稿のスペースでいくと、また詰まってしまう或いは内容が薄くなってしまう恐れがありますので、しばらくは一週間に三回のスペースで投稿したいと思います。曜日は火曜日、木曜日、土曜日となります。

毎日読んでいただいてくれている読者方に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいですm(_ _)m

これからも、読んでいただければ幸いですm(_ _)m
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