無惨との最終決戦にうっかり紛れ込んでしまったヘタレモブ隊士の話 作:Amisuru
先に言っておきましょう。
完全に後付けです。
――その男の刃は、炎を纏っていた。
『悪鬼滅殺』の四字が刻まれた、燃えるように赫い刀身。繰り出される技は迅く鋭く、ひたすらに磨き上げられている。
どこまでも真っ直ぐで、曇りのない剣捌き。刀が振るわれる度に、雲が晴れて陽光が差し込んでくるような、鮮烈で、目を奪われる太刀筋。
男は戦っていた。男は護っていた。理不尽で容赦のない暴力を相手に、たった一人で、傷付き、打たれながらも、決して膝を突くことなく。
片目を失い、脇腹を血に染めて尚、男は吼えた。滾っていた。闘志を失ってはいなかった。
俺は震えて動けないまま、その背中を眺めることしか出来ない。彼の戦いに割って入ることなど出来ない。そんな力もなければ、勇気もない。
それでもただ、ただひたすらに、祈っていた。
死なないで。
死なないで、下さい。
俺は貴方のこと、苦手でしたけど。どこまでも清らかで淀みのない貴方の近くにいると、薄汚い自分の性根が露になるようで、嫌でしたけど。
それでも本当に、貴方のようになりたいと、俺は思っていたんだ。
煉獄さん。
――煉獄さん。
師匠。
馬鹿みたいに眩しい、黎明の日差しで目が覚めた。
「…………」
夢だ。
クソみたいな夢だった。
何が師匠だ。俺は結局、あの人の継子になんかならなかったじゃないか。『玖ノ型は煉獄家相伝の奥義! 俺の下でなければ学べないぞ!』などと言ってよく絡まれたものだが、いや俺そもそも伍ノ型までしか使えませんし。陸から捌ノ型すらよく知りませんし――そんな建前を並べ立てて、逃げ回って。
それで結局、永遠に教えを乞う機会を失ってしまった。
別に俺が特別、あの人に目を掛けられていた訳じゃない。自分と同じ炎の呼吸を使う隊士には、分け隔てなく声を掛けるのが煉獄杏寿郎という男だった。俺のような木っ端隊士であっても。
誘いを受けなかったのは、単に自信が無かったからだ。柱稽古で改めて痛感したことだが、柱の鍛え方は育手のものとは比較にならないほど辛く、厳しい。実際に俺の他に誘いを受けていた隊士たちも、あの人の鍛錬についていけず逃げ出すのが常であった。唯一の例外といえば、彼の継子から柱の地位まで上り詰めた甘露寺蜜璃くらいのものであったが――逆に言えば、柱になれるほどの素質がなければ、あの人の継子は務まらなかったという意味でもある。
いずれにせよ、全てはもう、終わったことだ。
煉獄杏寿郎は既にこの世の者でなく、彼が生涯を賭して戦い続けてきた鬼も、たった一人と一匹を除いてその全てが滅びた。
もう二度と、彼のように心を燃やして戦う機会など、訪れないのだ。
俺には。
――そう理解していながらも未練がましく刀を握ってしまうのだから、身体に染み付いた習慣というものは恐ろしい。
「九百三十一、九百三十二、九百三十三、九百三十四……!」
冨岡義勇の前で思わぬ醜態を晒してしまってから、更に一夜が明けて。蝶屋敷の庭で一人、朝の素振りに励む。
こんなことを続ける意味などもうないというのに、それでも刀を手放せずにいるのは、後悔ゆえのことだろうか? 斬るべき者を斬れなかったこと、為すべきことを為せなかったことへの惨めな妄執が、俺の身体を突き動かしているのだろうか?
「九百九十七、九百九十八、九百九十九――千っ!」
雑念を頭から拭えぬまま、義務のように数だけをこなす。
息が上がっている。たった千本の素振りでこの様だ。優れた剣士であればこの程度、鼻歌混じりに終わらせてしまうことだろうに。日輪刀を振るう者として、呼吸の乱れは剣の乱れだ。全集中の呼吸が途絶えてしまっている。柱への第一歩と言われる、全集中の呼吸・常中。俺は未だに、一歩目すらも踏めていない。
踏み出すことすら出来ないまま、全てが終わってしまった。
「……畜生」
馬鹿じゃないのか? 今更強くなって何になるんだ? この刃で一体誰を斬ろうっていうんだ?
傍から見たら誰もがそう思うんだろう。安心してくれ、世界の誰よりも俺が一番そう思ってる。
思っているが――それでも尚、夢の中で視たあの炎が、俺の心を焦がして止まないのだ。
単調な素振りを終え、続けて型の稽古に入る。肺に空気を取り込み、身体に熱を巡らせていく。
秀でた呼吸の使い手が振るう刃は、見る者に炎や水を幻視させる。実際に刀が燃えたり濡れたりしている訳ではないのだが、何故だか知らないがそう視えるのだ。日輪刀が持つ特性の一つなのかもしれない。
それ故に一部の隊士の間では、
――七年余りを費やして尚、俺の刃に炎は宿らない。
力強く踏み込んだ一足で相手との距離を詰め、横薙ぎに斬り払う。足と腕に満遍なく呼吸を行き渡らせるのがこの技の神髄なのだと育手には教わった。逆に足のみに意識を集中させ、弓矢の如く極限まで引き絞ってから放つのが『霹靂一閃』と呼ばれる雷の呼吸・壱ノ型であるとか。風の噂によれば、壱ノ型でありながら雷の呼吸において最も習得難度が高い技であるとも――閑話休題。
刃は虚しく空を切る。当然だ。そこには鬼も蛇も潜んではいない。この世の何処にも、もうそんなものは残っちゃいない。愈史郎と猫のことは置いておくとして。そもそも、あいつは鬼であって鬼ではないというか、単に陽の下を歩けないだけの人間も同然というか――とにかく。
踏み込んで、斬る。踏み込んで、斬る。見えない敵に挑みかかるような滑稽な鍛錬を繰り返し、胸中で自問する。
……俺は一体、何を斬るために刃を振るっているのだろう?
――屋敷の廊下を歩いていたら、不意に
「火事か!?」
「うわあ!! び、びっくりした……急に大声出さないでよお兄ちゃん」
左目のみをくわっ! と見開き叫び出した竈門炭治郎を、隣を歩く妹の禰豆子が窘める。炭治郎は長男であった。長男は声も
炭治郎の右目は眼帯によって覆われている。無惨との戦いの最中に潰れて、鬼となった際に眼球こそ再生はしたものの、人間に戻って一夜明けたら再び見えなくなってしまっていた。左腕も似たようなもので、一度完全な状態で生え変わった筈のそれは、今や枯れ木の如く皴々になっている。尤も、どちらも一度は丸ごと失ったものなのだからと、炭治郎はあまり気にしていなかったが。
それよりも火事だ。せっかく禰豆子が人間に戻ったのだから二人で屋敷を散歩でもしようと思い立ったはいいが、その屋敷が焼け落ちては散歩どころの話ではない。火の出所を探るべく、炭治郎は鼻をすんすんと鳴らして――そしてすぐに、自身の早合点に気が付いた。
必死になって、何かを燃やそうとしている人がいる。けれども、上手く火が点かずに燻り続けている――そんな感じの匂いがする。善逸の匂いにやや似ているが、彼と違っていつまで経っても火が点きそうな予感がしない。点け方が間違っているのか、そもそも肝心の
「ていうか、えっ? えっ? 火事? うそ、大変じゃないお兄ちゃん! すぐに消さないと!」
「いや――ごめん禰豆子、勘違いだった。……あと、出来ることなら消すんじゃなくて、点けるのを手伝ってあげたいな」
「お兄ちゃん放火魔になったの!?」
「違うぞ!? そうじゃなくって、なんていうか――そう、焚火だ! 焚火をしようとしてる人がいるんだよ禰豆子!」
「あ、そうなんだ? それなら力になってあげないとだよね、炭焼き小屋の息子と娘として!」
「ああ、炭焼き小屋の息子と娘としてだ! 行こう禰豆子!」
「うん!」
竈門兄妹はお人好しであった。数年ぶりに取り戻した人間としての憩いの時間を、見知らぬ他人の手助けに費やしてしまえるのがこの二人であった。
すんすん。すんすん。嗅覚という名の第六感を頼りに、匂いの大元へと歩を進めていく炭治郎。禰豆子は炭治郎の左手を取り、兄の隣を並んで歩きながら、言った。
「右、気を付けてね」
「うん。ありがとうな」
声にしてから、炭治郎はもう一度内心で同じ言葉を唱えた。ありがとうな、禰豆子。
禰豆子は今、俺を支えてくれている。不自由になった左手では何かあったとき咄嗟に動かせないから、左に立つことで俺を守ってくれているんだ。それでいて、見えなくなった右目の心配もしてくれる。俺は鼻が利くから見えないことへの不安は小さいけれど、本当は右の方にも並んで歩きたいんじゃないだろうか。
苦労かけてごめんな、禰豆子。そうやって謝るとおまえは怒るから、決して口にはしないけど。
『両手に禰豆子ちゃん……両手に禰豆子ちゃん!? なんだそれどこの天国だ!? ねえ炭治郎代わって! ちょっとでいいから俺にその立ち位置を味合わせてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
はいちょっと静かにしてください。
どうやらこの火を起こしている者は、屋敷の外にいるらしい。門――いや、庭の方だろうか? すんすん。すんすん。
徐々に匂いが濃くなっていく。相も変わらず火とも炎とも呼べない煙たさを感じるのだが、その中にほんの少し、ほんの少しだけ――嗅いだことのある匂いが混ざっている。
暖かく、優しく、それでいて力強い。そんな匂いのささやかな名残が、漂ってくる。
これは、まさか――
「……あ」
そうして、庭先に出た炭治郎と禰豆子の視線が捉えたものは。
庭の真ん中、虚空に向けて一心不乱に斬りかかり続ける、独りの鬼殺隊士の姿であった。
地を蹴って、薙ぐ。地を蹴って、薙ぐ。反復縦跳びとでも言えばいいのか、ひとたび刀を振ってはその場を振り向き、同じ動作を繰り返している。技の稽古の最中であるようだが、見覚えのある動きだなと炭治郎は思った。目で追えないと感じた
炎の呼吸・壱ノ型、不知火。
「はあ――」
幾度かの反復をこなした後、男は次の動作に移った。
足元から弧を描くように、赫色の刃が突き上がる。その軌道はさながら日輪の如し。炎の呼吸・弐ノ型、昇り炎天――これは不知火よりも間近で見たからよく覚えている。情けなくあの人の足元に寝転がり、見上げることしか叶わなかったけれど――鮮明に、鮮烈に。
ただ、彼の刃と目の前の男が振るう刃、その決定的な違いと言えば――
「……
庭をきょろきょろと見回しながら、禰豆子がそう口にする。
そう――男の刃に、煉獄杏寿郎のような焔は感じ取れない。日輪刀の色はうっすらとはいえ赤く染まっているから、炎の呼吸に適した体質の持ち主であることは間違いないのだが……流石に握力で染めている訳ではないだろう。万力の赫刀使いがこんなところに潜んでいたら、驚天動地どころの話ではない。
それでも思わず、懐かしさを感じてしまう太刀筋だ。炭治郎は暫しの間、男の繰り出す技を眺め続けた。禰豆子もそれに倣い、兄妹の視線が男に集中する。それ故か――
不意に男がこちらを振り返り、その視線が炭治郎とかち合った。
「「あ」」
互いに間の抜けた一声を発した後、先に新たな反応を見せたのは男の方だった。責め立てられているかのように表情を歪め、逃げるように目を伏せて、振るっていた刀を鞘に納めてしまう。
炭治郎の眼差しに対する、あからさまな拒絶の姿勢であった。
(えっ? ……ええ!?)
炭治郎は困惑した。避けられている。理由はさっぱり理解らないが、自分はこの人に避けられている。何故だ? 照れ屋か? 照れ屋なのか? それとも自分は、それほどまでに不躾な視線をこの人に投げかけていたのだろうか? だとしたら申し訳ないぞ。鍛錬の邪魔をしてしまった。
「あの、すみません! どうか俺たちにお構いなく! 続けて下さい!」
その場をそそくさと立ち去ろうとする背中に声を投げかけると、男はびくりと肩を震わせ、あからさまに嫌そうな顔で炭治郎へと振り返った。お願いだから話しかけないでくれと言わんばかりの表情だったが、今の炭治郎は『自分が邪魔してしまった鍛錬を再開させてあげなければならない』という使命感に囚われ、それ以外のことを考えられなくなっていた。炭治郎は頭の固い男だった。
「……いや、もういいんだよ。続ける意味もないのに、馬鹿なことに励んでいた。終わりにする」
何よりも炭治郎は、己の嗅覚に絶対の信を置いていた。その鼻がこう告げてくるのだ。
もういいだなんて、そんなこと微塵も思ってはいない。本当は成し遂げたくて仕方がない何かがあるのに、そこに辿り着くための方法を知らないまま、我武者羅にもがいている――そういう匂いがするのだ。本当に、心の底からもう止めたいと思っているのなら、流石の炭治郎も大人しく引き下がるだけの分別は持っている。
不死川兄弟然り、謝花兄妹然り――自身の感情と正面から向き合えない者とは、得てして諍いを起こしてしまうのが、竈門炭治郎という人間の短所であり、ある意味では長所でもあった。
故に今回も、こういう感じになった。
「いえ、意味がないなんてことはない筈です。続けましょう」
「……だからもういいんだって。鬼もいなくなったっていうのに、鍛錬なんか続けて何になるっていうんだ。止めだ止め」
「それでも続けましょう」
「あのな、おまえ人の話を――」
「俺も一緒に刀を振りますから続けましょう!!」
「意味わかんねえよ頭固い野郎だなてめえは!?」
こういう感じになった。
ぎゃーぎゃーと不毛な押し問答に興じる少年二人。こういう時に炭治郎の
「もー、嫌がってる人に無理強いしたら駄目だよお兄ちゃん? ――すみません隊士さん、うちの兄が騒がしくしてしまって」
「え……あ、ああ……」
ぺこりと頭を下げる禰豆子に、男が曖昧な相槌を返す。続けて禰豆子は炭治郎へと向き直って、
「それにお兄ちゃん、一緒に刀を振るだなんて言ったけど――本当に、この左手で刀を握ったり振ったり出来る? 刀って重たいんでしょう? 右手一本でやるなんて言ったら止めるからね、私」
「うぐっ……」
眉を逆さのへの字に曲げてそう言いつけてくる禰豆子に、二の句を告げなくなる炭治郎。
そういえばそうだった。勢いで口にしてしまったが、自分はもう剣士としては再起不能の身であったのだ。左腕の肘から下は既に感覚がなく、今も禰豆子に握られていながら、これっぽっちも熱や感触が伝わってきていない。
……参ったな。こんな身体で、ヒノカミ神楽を舞い続けることは出来るだろうか? 無惨はもう滅びたとはいえ、縁壱さんがこの世に生きていたことの証であるあの舞は、出来る限り後世に伝えていきたいと思っていたのだけれど――
――いや、それは単なる俺の自己満足だろうか? ヒノカミ神楽が縁壱さんを祀るためのものだというのなら、この神楽を終わらせることで初めて、縁壱さんは
輪廻転生。そんなものが本当にあるのかはわからないけれど、俺は信じてみたい。
何十年、何百年掛かるかはわからないけれど――平和のために鬼と戦い命を落とした人たちが、生まれ変わって幸せに生きている。そんな未来が来ることを。
……なんだか思考が逸れてしまった。とにかく、今は目の前の隊士の話だ。彼が何に思い悩んでいるのかは知らないが、自分に出来ることがあるのなら力になってあげたい。そう思って男の方に向き直ると、彼もまた炭治郎へと視線を向けていた。どこか恐る恐るというか、怖がられているような匂いがするのは何故だろうかと思いつつ。
「……わかりました、続けましょうとはもう言いません。ですが一つ、お伺いしてもいいですか」
「……なんだよ」
男の眉根が露骨に寄って、こちらを訝しむような表情に変化する。けれども、その程度の反応で踏み止まる竈門炭治郎ではなかった。
如何なる時も真正面から、馬鹿正直にぶつかっていくのが、この少年の精神性なのだった。
「――あなたは一体、
――叶うことなら二度と、顔を合わせたくない相手だと思っていた。
この少年の顔を見ていると、どうしても思い出してしまうから。俺の心が決定的にへし折れた、あの夜のことを。
あの言葉の、ことを。
わかっている。
あの言葉は直接、俺に向けて放たれたものではない。鬼舞辻無惨の主張に同調しかけていたところで耳にしたものだから、なんというか、流れ弾を食らっただけだ。竈門炭治郎は今のところ、俺に向けて何の悪感情も抱いてはいない筈なのだ。多分。
……けれどもし、あの冷え切った眼差しが、俺に向けられる時が来たとしたら?
無惨の主張は利己的で、見苦しく、浅ましい。そのことを今の俺は理解している。けれど、
もしも竈門炭治郎が、そんな俺の内面を察してしまったら――そう思うとどうしても、この少年と言葉を交わすことが恐ろしくて堪らなかった。
「――あなたは一体、
けれど、竈門炭治郎は俺を逃がしてはくれない。うんざりするほど真っ直ぐに、朗らかに俺を追い詰めてくる。
その嫌気が差すほどの眩しさが、
「……
かつてあの人に投げかけられた、そんな言葉を思い出す。
諸角って誰ですか。俺は
城の中で一人生き残った時、或いは無惨の腕が柱たちへと襲い掛かった時、俺の心にその言葉が残っていれば――俺も皆のように、鬼殺隊士としての務めを全うすることが出来たのだろうか?
……無理だろうな。
太陽のようなあの人の眩しさに憧れて、焦がれて、手を伸ばして。
それでも結局は、自分自身の腹の底に潜むどす黒いものに飲まれて、独りで勝手に沈んでいく。
そういう、
「……やっぱりまだ、
だというのに。
この少年は今も尚、
どうして。
どうしておまえ達は、誰も彼も皆、そうなんだ。
おまえ達は、どうして。
俺が俺を諦めることを、諦めてはくれないんだ。
「……竈門炭治郎」
「!? は、はい! 竈門家長男、竈門炭治郎です!」
「長女の竈門禰豆子です」
名前を呼んだら無駄に丁寧な自己紹介が返ってきた。ついでに妹までついてきた。今更ながら、この天真爛漫を絵に描いたような少女が鬼と化していたとは信じられない。鬼だった頃の彼女を目にしたことがないので、想像することすら出来ないが――今となってはもう、どうでもいい話だ。
「俺からも一つ、おまえに訊ねたいことがある」
あの人が最期に何を為したのかは、上からの伝達によって聞き及んでいる。無限列車――二百人余りの乗客を誰一人として死なせることなく守り切ったという、鬼殺隊士の鑑と言うべき散り様。
けれど、俺は更にその先を知ってみたいと思った。もう一度だけ、あの輝きに手を伸ばしてみたいと思った。
どす黒いもののそのまた奥に、消えることなく燃え続けている炎があるのだと、信じてみたかったのだ。
「あの人の――煉獄杏寿郎の最期は、どんなものだった?」
――あなたを想うとき、燃えるような力が体の奥から湧いてくるのです。
そんな言葉を言えるような
ワクワクを思い出すんだ!!
過去最高に勢いで書いた話なので今回だけでかなり嘘吐いてます
>『玖ノ型は煉獄家相伝の奥義! 俺の下でなければ学べないぞ!』
煉獄さん外伝にて『自身の名を冠した』というナレーションが入っているので凪や火雷神のような煉獄杏寿郎オリジナル奥義である可能性が高い
でもパパ獄さんが玖ノ型ぶっ放してるところも見たい…見たくない?
>自分と同じ炎の呼吸を使う隊士には、分け隔てなく声を掛けるのが煉獄杏寿郎という男だった。俺のような木っ端隊士であっても。
出会って間もない炭治郎にいきなり『俺の継子になれ面倒を見てやろう!』とか言い放つような御人なのでこういうこともあるかなあとか思った結果
でも多分柱合裁判でお館様に切った啖呵を見て『うむ! この子は鍛えがいがありそうだな!』とか思い立った結果だと思うのでモブ君のような人材が彼の目に留まるかどうかは怪しい
>秀でた呼吸の使い手が振るう刃は、見る者に炎や水を幻視させる。実際に刀が燃えたり濡れたりしている訳ではないのだが、何故だか知らないがそう視えるのだ。日輪刀が持つ特性の一つなのかもしれない。
あの解説はただのメタであって作中人物にも適応される話ではないだろ
>それ故に一部の隊士の間では、日輪刀に呼吸を纏わせることが出来るかどうかが、一流と二流の境目になるのだという説も唱えられていたりした。
村田さんが二流扱いになっちゃうだろ! いい加減にしろ!!
>――屋敷の廊下を歩いていたら、不意に焦げ臭い匂いがした。
炭治郎くんの嗅覚をニュータイプ的な直観か何かと勘違いしてない?
なんか割とモブ君が立ち直り気味になってしまったのでもうこれで終わりでもいいかなとか思ったのですが
改めて読み返したら流石にこれで終わりはぶつ切り過ぎるような気がしたのでやっぱりもう少しだけ続くかもしれません。
未来は無限に広がっている。