遊戯王U   作:yt-tan

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 大会デュエルが始まります。

 まずはミツルのデュエルです。


第10話 兎と戦士

 

「先攻はもらっちゃうっしょ、ドロ~!」

 

樫川コマチ

『LP:4000』

『手札:6』

 

「あたしは手札より、モンスターを裏守備でセット~」

 

 明かされていない謎のモンスターカードが場に出現する。

 

「さらにカードを1伏せでエンドっしょ」

 

樫川コマチ

『LP:4000』

『手札:4』

 

「僕のターン、ドロー!」

 

ミツル

『LP:4000』

『手札:6』

 

「僕は手札より、『サイバー・ドラゴン』を特殊召喚!」

 

『サイバー・ドラゴン』

「光属性・星5・機械族・効果」

ATK2100

 

 見覚えのある鉄龍だ。

 サイドラは相手の場にのみモンスターが存在する場合、生贄なしで特殊召喚できる上級モンスター。後攻ですぐにこのモンスターは良いペースと言えるだろう。

 

「更に僕は星1のチューナーモンスター、『エフェクト・ヴェーラー』を通常召喚!」

 

『エフェクト・ヴェーラー』

「光属性・星1・魔法使い族・チューナー・効果」

ATK0

 

 チューナー……という事は!

 

「僕は場の2体のモンスターでチューニング。6つの星よ、今こそ大地を駆ける騎士となれ! シンクロ召喚、『大地の騎士ガイアナイト』!!」

 

『大地の騎士ガイアナイト』

「地属性・星6・戦士族・シンクロ」

ATK2600

 

 束ねられた星の光の中より、屈強な馬と騎士の上半身が合体したようなモンスターが出現した。

 後攻1ターン目から攻撃力2600。さすがとしか言いようがない。

 

「ガイアナイトで裏守備モンスターを攻撃! アースナイト・ランス!!」

 

 ズバァァン!!

 

 槍を突き刺しただけとは到底思えない破壊音が響く。裏守備のモンスターに丸太のように太い槍が突き刺さった。

 

「くっ……セットモンスターは『大くしゃみのカバザウルス』。守備力は1500。破壊されるっしょ……」

 

 守備表示だったので、相手に与えるダメージは0だ。

 

「……通常モンスター?」

 

 ミツルが不思議そうな表情を見せる。

 通常モンスターとは何の効果を持たないモンスターのことだ。俺のデッキで言う、『ヂュミナイ・エルフ』や『ブラック・マジシャン』がそれに当たる。使ってはいけないという事はないが、デュエルに勝ちたいなら強力なコンボを決めたり、相手の場を荒らしたりすることでアドバンテージを稼ぐのが主流だ。そんな中、何の効果も持たないというのは1枚のカードとしては痛い場合が多い。よって、通常モンスターは専用サポートカードが多く存在するのにもかかわらず、採用率は極めて低い。

 俺の場合は、『強いカード』よりも『使いたいカード』を優先した結果使っているわけだが。

 ついでに言うとミツルのガイアナイトも特に効果を持たないモンスターだが、攻撃力はブラック・マジシャンより高い。それにエクストラデッキから呼ぶモンスターだから必要のない時に手札に来て手札事故を起こす心配もない。使いやすいアタッカーとしては十分活用できる。悔しいが正直に言って、ブラック・マジシャンよりずっと優秀なアタッカーと言えるだろう。

 

「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンドだよ」

 

ミツル

『LP:4000』

『手札:3』

 

「あたしのターン、ドロ~!」

 

樫川コマチ

『LP:4000』

『手札:5』

 

「キタキタキタキタキタきたっしょおおお~!!」

 

 ヤマンバは発狂気味に頭をぶんぶんと振っている。ばっさばさの髪が空中で踊っていた。

 

「あたしはモンスターを召喚するっしょお~~! くるっしょ、『レスキューラビット』~!」

 

『レスキューラビット』

「地属性・星4・獣族・効果」

ATK300

 

 ヘルメットとゴーグルを装着した小さなウサギモンスターが場に登場した。

 あまりにも情けない攻撃力。だが、ああいったモンスターこそ警戒する必要がある。ああいうモンスターは、攻撃力、守備力を犠牲に厄介な効果を持っている場合が多いからだ。

 

「あたしは場のレスキューラビットをゲームから除外、効果発動っしょ~!」

 

『大くしゃみのカバザウルス』

「水属性・星4・恐竜族・通常」

ATK1700

 

『大くしゃみのカバザウルス』

「水属性・星4・恐竜族・通常」

ATK1700

 

 突如相手の場に2体のモンスターが出現した。

 

「じゅ、準アタッカークラスのモンスターが2体!?」

「ラビットは自身の存在と引き換えに、2体の星4以下の通常モンスターを場に呼べるっしょ~~! でもこんなことで驚かないでほしいっしょ、これでおわりじゃないっしょ~!!」

 

 相手のカバザウルス2体が光の玉へと姿を変える。

 

「あたしは2体の恐竜族・星4モンスターでオバーレイ~、エクシーズ召喚!! (いにしえ)の世より現世に現れるっしょ~! あたしのアイボー、『エヴォルカイザー・ラギア』~!!」

 

 2つの光球、そして帯の様な炎を纏い、6枚羽の恐竜……いや、ドラゴンが漆黒の穴の中より現世に降臨した。

 

『エヴォルカイザー・ラギア』

「炎属性・ランク4・ドラゴン族・効果」

ATK2400

 

「ラギアか……知ってるよ。そのモンスターの最大の特徴、それはあらゆる行動を1度だけ任意で無効にする、その制圧力!!」

 

 出た、ミツルの物知りデュエル。知識によって相手の行動を先読み、分析し、優位に立てる戦略を練る。勉強熱心なミツルならではのデュエル。

 行き当たりばったり、その上その場のノリも含めて戦略を立てる俺とは絶対に相いれないデュエルスタイルだ。

 

「よく知ってるっしょ~、そう、ラギアは相手の魔法だろうが、トラップだろうが、召喚だろうが、2つのエクシーズ素材を取り除くことでカンペキに無効にできるっしょ~!!」

「だけど、僕にはガイアナイトがいる。この攻撃力はそう簡単に破れないよ!」

 

 ヤマンバは『ぶふぅ』と汚く吹き出して笑った。

 

「たった1体のモンスターで安心してるとか~、残念すぎるっしょ~! あたしは手札からこーんな魔法発動しちゃうっしょ~、『地砕き』~~!!」

 

『地砕き』

「通常魔法」

「相手フィールド上の守備力が一番高いモンスター1体を破壊する。」

 

「あんたの場はガイアナイト1体だけ~、比べる余地もなく砕かれるっしょ、はいドーン!!」

 

 大地の騎士は巨大なコブシによって大地ごとその身を粉砕され、消滅した。

 1対1互換。相手のカード1枚と引き換えに、自分のカード1枚を使用する。そういった効果を持っているカードは、使いやすい効果のものが多く存在する。例えば今の『地砕き』は相手のカード1枚(ガイアナイト)を破壊するのと引き換えに、発動したカード(地砕き)が墓地に送られた。これで互いに墓地へ送られたカードは1枚。というわけだ。

 そういったタイプのカードは使用者によっては強力なカードになるが、その逆もある。戦況をひっくり返すこともあれば、互いに墓地へ送られるカードが同枚数なわけだから、何も変わらずにただの鍔迫(つばぜ)り合いになることもあるわけだ。それだけ他のカード群よりも、使用するタイミングが重要ということ。ま、そんなこと俺が偉そうに言えた事ではないような気もするが。

 とりあえず、ヤマンバが今のタイミングでそのカードを発動したことは良い判断だ、と心の中でひっそり称賛してやる。感謝しやがれ。

 

「そんな……」

「これであんたを守るものは何もないっしょ、除去カードの警戒をおこたるなんて、初心者レベルっしょ~!」

 

 一応伏せカードが1枚あるが、無効化能力を持ったラギアの前には何であろうが無意味だ。

 ミツルは相手の(あお)りに全く動じていない。反撃の機をうかがっているようだ。

 

「ラギアの攻撃っしょ。くらうっしょ~、アルタートゥム・アオスブルフ~!!」

 

 ラギアの口から爆炎の弾丸が発射された。その炎の(かたまり)は何にも邪魔されることなく、ミツルに直撃する。

 

「うわあああ!!」

 

ミツル

『LP:4000→1600』

 

 ミツルのライフの半分以上が削られた。

 このダメージは痛すぎる。

 

「これでエンドっしょ~!」

 

樫川コマチ

『LP:4000』

『手札:3』

 

「くぅ……僕のターン、ドロー!」

 

ミツル

『LP:1600』

『手札:4』

 

 正直、今のミツルはピンチだ。

 1回しか使えない無効化能力なんて、さっさと使わせてしまえばいい。初心者はそう思うだろう。しかし、ここがデュエルの難しいところだ。

 ラギアの無効化能力の発動は任意。発動するタイミングはラギアのコントローラー、つまりヤマンバが決めること。ミツルの逆転の一手、それを無効にされてしまったらおしまいという状況だ。

 つまり、ミツルがこの状況を打開する方法は2つ。

 ラギアを何かしらの方法で除去するカードを2枚以上持っている。または、相手の裏をかくプレイングだ。

 

「……僕は手札より、『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚!!」

 

『フォトン・スラッシャー』

「光属性・星4・戦士族・効果」

ATK2100

 

 全身が蛍光ブルーな色合いの光の戦士が舞い降りた。

 

「このモンスターは自分の場にモンスターがいない場合、特殊召喚できるよ」

「……まぁ、いいっしょ。通すっしょ」

 

 相手はまだ無効化能力を使用しない。

 

「僕は更にモンスターをセット。カードを1枚伏せて、エンドだよ」

 

ミツル

『LP:1600』

『手札:1』

 

「んふふ~、大方、そのフォトスラにラギアの効果を使わせたかったってとこっしょが、そこまでバカじゃないっしょ~。ドロ~!!」

 

樫川コマチ

『LP:4000』

『手札:4』

 

「またまたきたっしょ~!! 召喚するっしょ、『レスキューラビット』~」

 

『レスキューラビット』

「地属性・星4・獣族・効果」

ATK300

 

 2体目のレスキューラビット。

 するとやはり。

 

「除外して効果発動っしょ。くるっしょ、『(しかばね)(むさぼ)る竜』~!」

 

『屍を貪る竜』

「地属性・星4・恐竜族・通常」

ATK1600

 

『屍を貪る竜』

「地属性・星4・恐竜族・通常」

ATK1600

 

2体の恐竜族、通常モンスターがデッキから姿を現す。

 

「この2体の総攻撃力は3200~、このままバトルっしょ~! まずはラギアでフォトスラを攻撃っしょ!!」

 

 ラギアの口の中で炎弾が精製されてゆく。これでフォトスラは破壊され……。

 

「……破壊されないよ!! 僕は手札から効果モンスター、『オネスト』を捨て、その効果を発動!!」

 

 白い翼を持った天使の男性が、ミツルの手札より墓地へ。

 

「!? おねすと!?」

 

 ヤマンバは文字通り素っ頓狂な声を上げた。

 

「オネストの効果を受けたフォトスラの攻撃力は、エンド時までバトルするモンスターの攻撃力、つまり2400ポイントアップする!!」

 

『フォトン・スラッシャー』

ATK2100→4500

 

「そ、そんなっしょ……」

 

「手札から捨てることで発動する、モンスター効果。これはラギアでは無効にできないよ。そしてラギアの攻撃はもう止まらない! 迎え撃つんだ、フォトン・スラッシャー!! 誠実なるフォトン・スラッシュ!!」

 

 渾身の斬撃だ。ラギアの体が両断された。

 

「うきょおおおおおお!!」

 

樫川コマチ

『LP:4000→1900』

 

 凄い! まさかラギアの無効化能力の穴をつくとは!!

 ミツルはカードの消費をたったの1枚に抑えてラギアを倒した。

 

「へへっ、こんなことなら、フォトスラにラギアの効果を使っておけばよかったんじゃない?」

「う、うううううるさいっしょ!! まだモンスターも伏せも残ってるっしょ、屍を貪る竜で裏守備モンスターを攻撃!!」

「トラップ発動、『攻撃の無力化』!!」

 

『攻撃の無力化』

「カウンター罠」

「相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了させる。」

 

「これでキミはもうこのターン攻撃できないよ」

「く……でも、あたしは2体の屍を貪る竜でオーバーレイ、エクシーズ召喚!! 2体目の『エヴォルカイザー・ラギア』っしょ!!」

 

 2体目のラギアが出現した。

 

『エヴォルカイザー・ラギア』

「炎属性・ランク4・ドラゴン族・効果」

ATK2400

 

「うわ……やっぱりか」

 

 2体目はさすがのミツルでもキツイか。

 それに相手の伏せカード。いまだに発動されていないところを見ると、攻撃宣言時に発動されるトラップだと予想できる。戦闘破壊もあの伏せを何とかしない限り、望みは薄いだろう。

 

「1体倒した程度で調子にのらないでほしいっしょ~、ターンエンド!」

 

樫川コマチ

『LP:1900』

『手札:3』

 

「僕のターン、ドロー!」

 

ミツル

『LP:1600』

『手札:1』

 

 ミツルの表情が曇った。どうやら、引いたカードは良いカードとは言えないみたいだ。

 

「僕は手札より、『カップ・オブ・エース』を発動!!」

 

『カップ・オブ・エース』

「通常魔法」

「コイントスを1回行う。表が出た場合、自分はカードを2枚ドローする。裏が出た場合、相手はカードを2枚ドローする。」

 

 ギャンブルカード。2分の1の確率で状況を好転させる可能性を秘めている。だが、その逆もあり得る。

 

「ウンゲーにするとかウケるんすけど~、ま、どっちにしてもラギアを突破することはまずムリっしょ~!!」

 

 ヤマンバはラギアの効果を使わない。よし、ミツル。後悔させてやれ!!

 コインが宙を舞う、結果は……。

 

「……表!! 僕はカードを2枚ドロー!!」

 

 よし、いいぞミツル!!

 ミツルは手札を確認し、行動に出る。

 

「僕はフォトスラを生贄にし……」

 

 場からフォトスラの姿が消える。

 1体の生贄という事は、星5か星6のモンスターなのだろう。

 

「モンスターをセット。更にカードを伏せて、ターンエンド」

 

ミツル

『LP:1600』

『手札:0』

 

 なるほど。さっきもしていたが、セットは召喚ではないからラギアでは無効にできない。それは上級でも同じ。考えたプレイングだ。

 おそらくだが、今セットしたのは『絶対防御将軍』ではないだろうか? あのモンスターの守備力は2500。ラギアではギリギリ突破できない。それにやっぱり、ミツルと言えば防御将軍だし。

 

「守りばかり固めていたらかてないっしょ~、ドロ~!!」

 

樫川コマチ

『LP:1900』

『手札:4』

 

 ヤマンバの場にはラギアと1枚の伏せが存在するのに対し、ミツルの場には裏守備モンスターが2枚、伏せも2枚。守備は堅そうだが、攻撃に回ることはできるのだろうか?

 悔しいが、ヤマンバとは同意見だ。

 

「ラギアで裏守備モンスターを攻撃っしょ~!」

 

 生贄を払ってセットした方のモンスターがリバースする。

 

「攻撃対象モンスターは『絶対防御将軍』、守備力は2500だよ!!」

 

『絶対防御将軍』

「闇属性・星6・戦士族・効果」

DEF2500

 

 やはり将軍様か。ミツルのエースだもんな。

 ヤマンバに戦闘ダメージが与えられる。

 

樫川コマチ

『LP:1900→1800』

 

「む、思ったより守備力が高かったっしょ……」

「さぁ、どうするの?」

「ターンエンドっしょ。いくら守りを固めたって、このラギアを倒せなくちゃあんたに勝ち目はないっしょ~!」

「……僕のターンだよ。ドロー!!」

 

ミツル

『LP:1600』

『手札:1』

 

ミツルの手札確認は一瞬。

どうやら、現状を変えるためのキーカードは場に出そろっているようだ。

 

「僕はセットモンスターを反転召喚、『荒野の女戦士』!!」

 

『荒野の女戦士』

「地属性・星4・戦士族・効果」

ATK1100

 

 女性の戦士モンスターが裏守備から表側攻撃表示へと変更される。

 

「更に僕は『ならず者傭兵部隊』を召喚!」

 

『ならず者傭兵部隊』

「地属性・星4・戦士族・効果」

ATK1000

 

「星4が2体……それは許せないっしょ! ラギアの効果発動っしょ、アルターテュム・ハイリヒテューム!!」

 

 ドォン!!

 

 爆発音とともにならず者達が爆散し、召喚自体が無効となる。エクシーズを警戒したか。

 だが、ミツルがその程度で戦略を崩されるとは思えない。

 

「読めているよ。僕はトラップ発動、『リビングデッドの呼び声』!!」

 

『リビングデッドの呼び声』

「永続罠」

「自分の墓地からモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。」

 

「り、リビデっしょ!?」

「そう。僕は『ならず者傭兵部隊』を蘇生!」

 

『ならず者傭兵部隊』

「地属性・星4・戦士族・効果」

ATK1000

 

 ならず者が墓穴から復活した。

 生贄にされたり蘇生させられたり、忙しいヤツだ。だが、そんな彼らだからこそ、ミツルの信頼するモンスターであるのだ。

 

「僕はならず者と女戦士でオーバーレイ!! 2体の戦士よ、今こそ聖剣に宿り、その魂を振るえ!! エクシーズ召喚、『H(ヒロイック)C(チャンピオン)エクスカリバー』!!」

 

『H-Cエクスカリバー』

「光属性・ランク4・戦士族・効果」

ATK2000

 

 刀身の長く、太い剣を携え、赤と銀の甲冑に身を包んだ戦士が舞い降りた。

 

「出やがったあああ!! ミツルの控え目デッキ最強のパワーアタッカへぶぅ……!!」

 

 ダニエルの叫びが見張り番をしていたギガ目(ギガント目ん玉)の蹴りによってかき消される。

 攻撃力2000。決して高い数値ではない。それが最強のアタッカー?

 

「僕はエクスカリバーの効果発動!!」

 

 ミツルの効果発動宣言が響く。

 

「このモンスターはエクシーズ素材を2つ取り除くことで、次の相手のエンド時までその攻撃力を2倍に上昇させる!!」

 

『H-Cエクスカリバー』

ATK2000→4000

 

 エクスカリバーの(つるぎ)が燃える炎のような黄色い光に包まれる。

 なるほど、4000は十分すぎる火力。最強のアタッカーと言われるだけはある。

 

「エクスカリバーの攻撃、ラギアを切り裂け! メサイアエナジー・スラッシュ!!」

「そうはさせないっしょ、トラップ発動!! 『炸裂装甲(リアクティブアーマー)』っしょ!!」

 

『炸裂装甲』

「通常罠」

「相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。その攻撃モンスター1体を破壊する。」

 

「これでその攻撃は通らない上、攻撃モンスターを破壊っしょ!!」

「そうはいかないよ!! 僕はライフを1000ポイント捧げてトラップカードを発動、『盗賊の七つ道具』!!」

 

ミツル

『LP:1600→600』

 

『盗賊の七つ道具』

「カウンター罠」

「1000ライフポイントを払い発動する。(トラップ)カードの発動を無効にし破壊する。」

 

 荒々しい風貌の男が投げたナイフが相手の発動したトラップカードに突き刺さり、発動を無効にした。

 

「しまったっしょ!!」

「キミが攻撃を妨害するカードを伏せていることはわかっていたよ。カウンター効果はこうやって使うんだ!! 攻撃は続行されるよ!! 切り裂け、エクスカリバー!!!」

 

 エクスカリバーの振るう剣は易々とラギアの体に食い込み、真っ二つに切り裂いた。

 ヤマンバは1600という大ダメージが与えられた上、その場のカードは全て消え去った。ミツルより勝っているのは、手札枚数と墓地モンスター数のみ。しかしその利点も、ヤマンバのターンが回ってこなければ意味は無い。

 

樫川コマチ

『LP:1800→200』

 

「のおおおおおお……くううぅ……」

 

 ヤマンバが悔しそうにゴリゴリと歯ぎしりを鳴らす。

 

「残りライフは200……でも、お前の攻撃は終了っしょ!!」

「それは違うよ」

「な、何が違うっしょ!?」

「僕の場の将軍。このモンスターは守備表示でありながら攻撃宣言することができる!!」

「!?」

 

 ヤマンバの黒い顔が真っ青になる。

 

「将軍の攻撃力は1550。これで終わりだよ! 将軍の攻撃、ディフェンス・ラッシュ!」

 

 将軍の斬撃はヤマンバに直接攻撃という形で命中した。

 

「のきょおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

樫川コマチ

『LP:200→0』

 

 盛大なオーバーキル。ミツルの勝利という形でデュエルは終了した。

 エクスカリバーと防御将軍の姿が消えてゆく。

 

「やったよユート!!」

 

 ミツルは子供の様に喜びながら俺の元へ戻ってきた。

 

「おお、よくやったミツル。後は俺に任せておけ!!」

 

 ミツルの頭をわしゃわしゃと撫でてやった俺は1歩、2歩と前に出る。

 その時、ギガ目が脇に抱えていたタブレットから音声が流れた。

 

『相手チームがチームリーダー戦を希望しました。チームリーダーがデュエルして下さい』

 

「チームリーダーっしょか?」

 

 ヤマンバが辺りを見渡し、ぬぼーっと立っていたヤツに声をかけた。

 それよりあのタブレット、凄い機能ついてるんだな。どうやってこっちがチームリーダー同士のデュエルを希望したと察知したのだろう?

 

「アンナ、アイツの相手をしてやるっしょ、ボッコボコにしてやるっしょ~!!」

 

 やっぱブスロリかよおおおおおお!!

 こんなにワクワクしないでゾクゾクするデュエル初めてだ。

 のっそのっそと俺の前に出てきたブスロリはちらりと俺を見た。

 

「……ワタシ、ガンバル……」

 

 ……俺も、ガンバルぜ。

 

「じゅ、デュエル!!」

「デュエル」

 

チーム『∞』

一勇ユート

『LP:4000』

チーム『ゆとりっこぎゃるず』

河相(かあい)アンナ

『LP:4000』

 

 噛んじまった。先行きが不安だ……。

 

 

~続く~

 




 ミラフォではなくて炸裂装甲を採用した理由は、単純に色々なカードを出したかったから。それにミラフォでも結果は同じですし。
 強欲なカップ・オブ・エースとか言わないでください。

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