今回はダニエルが活躍します!
彼の燃えるようなデュエルを見てあげて下さい!
あの結託の夜から数日後。俺は例のホビーショップに来ていた。
「おっすお前ら」
「あ、ユート!!」
「よう」
もう見慣れたショップのデュエルスペース。今日も元気に色々な奴らがデュエルしている。その中にミツルとダニエルもいた。
よしよし、揃ってるな。
「で、今日はどうすんだ?」
ダニエルが若干だるそうに問う。ダニエルに会うのはこれで2度目。一応結託した仲だ、仲間を知るのも大切なことだろう。つまり、今日やるのはコレだ。
「ダニエル、デュエルだ!」
「お、マジで?」
「アダムに勝つためには、お前ぐらいは倒せないとな」
「……ふーん、そういう考えね。ま、いいぞ」
「よし」
この数日で多少なりとも進化した俺のデュエルのお披露目だな。そんなことを思っていた矢先、
「ほら」
ダニエルから何か手渡された。
何だこの箱? 重くもなく、軽くもない。ほどよい重量だ。箱にはでかでかと『D・E』の2文字。
とりあえず開けてみる。
中には……。
「……デュエル・イクイップメントじゃねぇか!!」
それも新品だ。
「やるってよ」
「は?」
「アダムからのプレゼントだ。なんでも、あそこまでアダムにたてついたヤツは初めてだったらしい。新たなるデュエリストの誕生を祝って、乾杯とか言ってたぞ」
「おおお! マジかよアイツ……」
イクイップメントはかなり高価なはずだ。話によれば新品の軽乗用車並みに値が張るらしい。その上、今俺の手の内にあるヤツは青色のイクイップメント。
この配色は見たことがない上、デザインも普通の流通品とは少し違うようだ。まぁ、この間使ったヤツとは重さ等も含め、色々と違う。って、これはまさか……。
俺は素直に、見て推理したことを口に出してみる。
「最新型の特注品、とか?」
「そうみてぇだぜ?」
そう言ったダニエルの腕には赤のイクイップメントがはまっていた。これもまた少し変わった形をしている。
って、
「お前ももらったのかよ!?」
俺へのプレゼントじゃなかったのかよ! ってことはまさか!!
俺はミツルへ視線を傾けた。
「……えへへ」
そこにはイスに座り黄色のイクイップメントを嬉しそうに眺めるミツルの姿が。ちなみにミツルのは少し丸っこい形だ。
「……どういう事だってばよ」
えっと?
俺へのプレゼントが、めちゃくちゃ高価なもので? でも俺へのプレゼントなのにこいつらも貰っていて……。
「どうやら、俺らのを前々から発注してたみたいでさ、ついでにお前のも作ったようだぜ?」
「俺のがついでなのかよ!!」
いやそれはおかしいだろ! 更に話が解らなくなったっつーの!!
思わずこの貰ったばっかのイクイップメントを床に叩き付けそうになる。
「ほら、そこ見てみろよ」
ダニエルが新品のイクイップメントの箱を指さす。
そこには製造年月日が書かれていた。
「で、これが俺の」
ダニエルが自分のイクイップメントが入っていたであろう箱をさし出してくる。どうやら俺のイクイップメントの方が半年ほど新しいようだ。
新しいなら、一応喜んでおこうかな……? 我ながら現金なものだ。
ま、礼ぐらいなら言ったっていいか。
「アダムの野郎は?」
「ああ、さっきこのメント達を置いて帰った」
……なるほどね。
『こ、この2つはあのもやし野郎への送り物のついでだ。決して貴様らのために作ったわけではない。解ったな? 決してだぞ?』みたいなことを言うアダムが脳裏をよぎる。
アダムはずっと前からミツル達へのプレゼントを計画していた。しかし性格上素直には渡せず、口実を必要としていた。そこへ俺が現れ、都合よく使われたといったところか。よくよく考えれば、たてついただけでプレゼントというところからおかしい話だ。
ま、アダムもなかなか可愛いところがあるんだな。
「イクイップメントねぇ……」
いきなり凄いものを手に入れてしまった。
「よかったじゃねぇか。一応出場予定の大会も、メント強制使用らしいし」
「そうなのか?」
じゃ、持ってねぇヤツ出れねぇじゃん。
金持ち専用大会?
「ま、レンタルがあるらしいがな」
「ほぉ」
あ、そうなんだ。まぁそんなに所持者もいないだろうし、当然だろう。
俺は謎の優越感に浸る。
「で、アダムって金持ちなのか?」
「おう、そうらしいな。親の仕事とかは聞いたことねぇが、すげぇ家に住んでるぜ。何LEDだか知らんけどさ」
LEDじゃなくてLDKって言いたかったんだろうな。何だ? アダムの家は夜な夜な街を明るく照らし出しっちゃってんのか?
面倒だから無駄なツッコミはなしの方向で。
「やっぱりか」
にしてもさすがアダム『様』だな。おぼっちゃんめ……。
俺は襲いくるアダムへのイライラを押さえつける。そうそう、帰ったヤツの事考えたってしょうがないんだ……よし。
「ま、いいや。デュエルしようぜ。メントの起動テストもかねてさ」
「そうだな。よし、いっちょやるか!」
俺とダニエルは互いのイクイップメントに互いのデッキをセットする。
うん。このメントはやっぱ前のより軽くていいな。さすが最新型。ありがとよ、アダム。
ダニエルの準備が終わったのを確認。戦いが始まった。
「「デュエル!!!」」
ユート
『LP:4000』
ダニエル
『LP:4000』
デュエルの開始宣言と共に、オーディエンスが集まりだす。
見世物じゃないんだがな……ま、いいか。
きっと俺がカッコいいから集まるんだろうな。うん、きっとそうだ。
そういう訳で、
「先攻はもらうな。ドロー!」
ユート
『LP:4000』
『手札:6』
手札は、まぁまぁってところか。
「俺は『魔導騎士ディフェンダー』を召喚!」
『魔導騎士ディフェンダー』
「光属性・星4・魔法使い族・効果」
「このカードが召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。フィールド上に表側表示で存在する魔法使い族モンスターが破壊される場合、代わりに自分フィールド上に存在する魔力カウンターを、破壊される魔法使い族モンスター1体につき1つ取り除く事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。」
ATK1600
守り重視のモンスターだ。召喚しただけで1回の破壊をまぬがれることができる。まだ1ターン目、次につなぐことを考えるとしよう。
「更にカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」
ユート
『LP:4000』
『手札:4』
さて、実力を見せてもらおうか。
「いくぜ。俺のターンだ、ドロー!!」
ダニエル
『LP:4000』
『手札:6』
「俺は手札より、『ラヴァルのマグマ砲兵』を召喚だぜ!」
相手フィールド上に、巨大な大砲を2つ携えたモンスターが現れた。
「ラヴァルのマグマ砲兵」
「炎属性・星4・炎族・効果」
ATK1700
「俺は砲兵の効果発動、手札の炎属性モンスター1体を墓地に送り、相手に500のダメージだぜ。くらいな! 溶岩砲!!」
「なっ!」
効果ダメージか!!
ドンッ!!
砲兵から見て右側の大砲から、巨大な溶岩の球が発射される。それはディフェンダーの頭上を通過し、俺に直撃した。
「グッ……」
ユート
『LP:4000→3500』
「更に砲兵の効果は1ターンに2回使える。もう一発だ!!」
「おまっ、マジかよ!?」
ドンッ!!
今度は左の大砲から溶岩の球が発射された。
「チィ……」
ユート
『LP:3500→3000』
「更に更にぃ、俺は砲兵でディフェンダーを攻撃!!」
そういえばアイツはまだ攻撃権を残しているのだった。
あまりにもダメージ受けすぎて忘れてた。
「俺はディフェンダーの効果発動、カウンターを使って破壊を無効に。展開だ、タリスマン・シールド!」
ディフェンダーは巨大に変化した盾で自らを守った。
破壊はまぬがれる。
「だが、戦闘ダメージは受けて貰うぜ?」
「へっ、このくらい」
ユート
『LP:3000→2900』
「よし、俺はカードを1枚セット。この辺でターンエンドだぜ」
ダニエル
『LP:4000』
『手札:2』
くっ……想像以上にもらってしまった。
砲兵の効果は手札の炎属性を生贄に発動だった……つまり、ダニエルのデッキは炎属性中心か。
「へっ、考えてもしょうがねぇ、ドロー!」
ユート
『LP:2900』
『手札:5』
「俺はディフェンダーを守備表示に変更。そして手札より、モンスターを裏守備でセット。さらにカードを1枚伏せ、ターンエンド」
守備に徹したように見せかけたが、俺は速攻魔法『ディメンション・マジック』伏せた。このカードがあればダニエルがが強力なモンスターを召喚した時、手札の『ブラック・マジシャン』を特殊召喚して、更にモンスターを破壊できる。
「なんだ? 逃げ腰だな。俺のターン、ドロー!」
ダニエル
『LP:4000』
『手札:3』
「俺は砲兵の効果発動、手札の炎属性1枚を墓地に送り、500ダメ―ジだ!!」
「く……」
ユート
『LP:2900→2400』
まだだ。
きっと何か仕掛けてくる……。
「俺は砲兵を生贄に……」
どうやら上級が来るようだ。よし。来るなら来い!!
「……炎の皇帝、『炎帝テスタロス』を生贄召喚!!」
『炎帝テスタロス』
「炎属性・星6・炎族・効果」
ATK2400
炎を操る、鋼の鎧に身を包んだ紅の
一体どんな恐ろしい能力を持ってるんだ?
「テスタロスは生贄召喚で場に出たとき、相手の手札をランダムに1枚捨てさせる。更に捨てさせたカードがモンスターの場合、その星の数×100のダメージを相手に与えるぜ!!」
「……なるほどね」
強烈な効果だ。
手札に最上級の星7を誇るブラック・マジシャンがいる状態で効果を使われるのはマズい。
ここは、使うしかないだろ!!
「俺は速攻魔法、『ディメンション・マジック』を発動だ!!」
『ディメンション・マジック』
「速攻魔法」
「自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択した自分のモンスターを生贄に、手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールド上のモンスター1体を選んで破壊できる。」
この効果で場にブラック・マジシャンを出し、テスタロスを破壊する。テスタロスの効果は無効にできないが、ブラック・マジシャンを除けば今は俺の手札にそれほど重要なカードは無い。そして次のターン、場のモンスターがいなくなったダニエルに総攻撃を見舞う!
さて、まずディフェンダーを生贄に……。
「そう、うまくいくと思うか?」
「!?」
ダニエルは半ばあきれた顔をしている。
どういう事だ?
「さて、リバースカード発動っと……『
『火霊術―「紅」』
「通常罠」
「自分フィールドの炎属性モンスター1体を生贄に捧げ、生贄にしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。」
「俺が生贄に選ぶのはテスタロス。コイツの火力は2400。意味がわかるよな?」
「そ、そんな……」
「ちっと終わりが早すぎるが、なかなか楽しかったぜ?」
ダニエルの炎が、俺のライフを食い尽くした。
「ぐああああ!!」
俺の……負けだ。
ユート
『LP:2400→0』
~続く~
金持ちはきっと善人でも周りから疎まれるんでしょうね・・・。
そんなことより、感想お待ちしています。