Kenshi -20years later-   作:さわやふみ

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◆都市連合
 チャド、ガルベス、ジュード


98.5将

「ストートは何年ぶりだろ。兵士はもう結構集まっているようだね」

 

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青髪を束ねた容姿端麗な顔をした女性が鎧を着込み、似合わない口調で感嘆の声を上げた。それに黒髪の青年が反応する。

 

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「もうチャド将軍はいらしているようですよ。到着が遅れると間に合わなくなってしまいます」

 

「拳聖って崇められてるお爺さんだっけ?どうせ噂が一人歩きしただけでしょ」

 

「さすがに民間から将軍に抜擢されたのですから腕前は折り紙付きだと思います。なんせ民間は国の機関に属していないですからね」

 

「どうせ腕があっても大部隊を指揮できないでしょ。というか、シンジロウ君、あなた独特な構文使うのね。もっともらしい事言って実は同じ事繰り返しているみたいな……」

 

「え、そうですか?そんなことないと思いますけど……」

 

「自覚はないんだ。やっぱ科学の天才はどこか違うのかしら。さて、他の人はもう着いてるかな?」

 

「えっと、僕たち含む5人の将が本日チャド将軍直下に配属となりますね」

 

「各都市の強者を集めたようだし、今回、都市連合は本気よねー」

 

「他の3人の中にカナエさんが知っている人います?」

 

「まー知り合いっていうか先輩が1人いてさ。あ、話をすれば。ほら、あそこにいる大きい人」

 

そう言ってカナエと呼ばれた女は指を指した。その方向には鎧を着込んだ大きな侍が立っている。

 

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「でかいですね。背負ってるのもあれ大太刀ですか」

 

「うん。皇帝の御前試合で優勝したすごい人なのよ!」

 

「ええー。それって侍の中で一番強いってことじゃないですか。そんな人を投入しているとは」

 

「まぁ、貴族の護衛や特憲は御前試合に出場してないんだけどね」

 

「確かにそうですけど優勝したのは事実じゃないですか。それは彼が他のどの侍からも勝利を奪ったということなんです。それってセクシーじゃないですか」

 

「……うん、そ、そうね(違和感は語彙にあるのかしら)」

 

「なんです?」

 

「いえ、取り合えす彼と合流しましょ」

 

大きな侍は2人が近づいてくるのに気づいたようで腕組みしながら喋りかけてくる。

 

「おう、カナエ、来たか。おそかったな」

 

「すみません、ジト先輩!お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

急にカナエは甘えた口調で喋りだした。対するジトと呼ばれた大きな侍は変わらない口調で対応する。

 

「ああ。ついてこい、このまま5人で将軍に挨拶する」

 

「え、もう他の2人も着いているんですか!」

 

合流した3人は慌ただしくチャドのいる建物へ赴くと

そこには既に2人の侍が待機していた。

その内の白髪の老人が嫌味ったらしく話しかけてくる。

 

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「5分遅刻じゃのぉ。最近の若い者どもは礼儀がなっとらん。こんな者共とワシは5将として並列に扱われるのか」

 

どうやらチャド直下に配属される5将の1人のようだ。歳を重ねているが体格は整っており、体に残っている古傷の跡は歴戦を生き抜いてきた力強さを感じさせた。しかし、カナエはそんなことなど気にする様子もなく言い返す。

 

「たったの5分じゃないですか。それよりお爺ちゃんが部将やれるんですか?」

 

「なんじゃと……」

 

白髪の老将はズイズイとカナエの前に立ちはだかり、身長差を利用して見下すが、カナエも一歩も引かずに見上げている。そこに呑気な口調が割って入ってくる。

 

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「まぁまぁ将軍の前やん。話し進めません?」

 

白髪の老将の横にいた侍兜で顔が見えない男がなだめに入ったのだ。この男も5将の1人なのだろう。そして5人集まった様子を無表情で見ていたチャドが坦々と喋り始める。

 

「随分個性豊かな面子が揃ったようだな。私がチャドだ。宜しく頼む。取り合えずそれぞれ軽く自己紹介してくれないか。早く着いた順でちょうど君からだ」

 

そう言ってチャドは侍兜の男に話を振った。

 

「あ、俺からですか。俺はタニガゼと言いますー。長柄武器を専門に扱っとります。宜しくたのんますー」

 

侍兜の男は訛の効いた口調で簡単に素性を語った。

 

「今までどんな任務をしてきた?」

 

「主に要人の警護やね」

 

これに対して白髪の老将が反応する。

 

「なんじゃ、お主は護衛任務しかやっとらんのか」

 

「すんまへんのぉ。ぺぇぺぇなもんで」

 

「よくそれで将として選ばれたな。兜なんぞ被っとらんで顔を見せんか」

 

「いやぁ、恥ずかしがり屋な者でして勘弁してください」

 

「ふん。全く近頃の若者は……」

 

ぶつぶつ文句を言う老将に対してチャドは構わず声をかける。

 

「では次はあなただ」

 

「うむ、ワシじゃな。ワシはヘイハチと申す。過去にバストを守っていた。じゃから今回ホーリーネーションのクズどもに鉄槌を下せると思うと胸が踊るわい」

 

白髪の老将は意気込んで自己紹介するが、先ほどのやり取りにやり返すようにタニガゼが口を挟む。

 

「なんだ、バストの落ち武者ですやん」

 

「……なにぃ?戦っておらんお主が何を言うか!」

 

「いやいや若者若者言うから自分は御大層な事やってきたのかと勘違いしてもーたんや。堪忍したってや」

 

タニガゼは引き下がることなく火に油を注ぐ言動をするがチャドは無関心なようで止める気配もない。

 

「次はそこの背が高い者」

 

「は!私はジトと申します。大太刀を扱います。首都ヘフトの総警護責任者を任されており御前試合優勝経験もあります」

 

「そうか。では次……はそこの女性剣士」

 

「……」

 

御前試合優勝は都市連合の侍にとっては大変名誉な事であり実力者としての証明でもあった。それに対して少しも触れることなく進めようとするチャドに5人は違和感を持つ。

 

「私はカナエ。長巻っていうひと昔まえに流行った武器を愛用している。ショーバタイで勤務していた。以上」

 

タニガゼはカナエをなめるよう見ると媚びた口調で問いかける。

 

「気になってんねんけど、あんたみたいなベッピンさんが何でまた侍なんかになってん?」

 

「別に私が美しいことが侍になることとは関係ないでしょう」

 

「おお、否定もしないんやね。どうせなら鎧脱いでもっと体のラインだしたらどうなん」

 

「あんたキモい奴だったのね。早めに教えてくれて助かるわ」

 

「心外やな。俺は君の魅力にいち早く気づいただけやで」

 

この2人のやり取りを遮るようにチャドがカナエの横にいるシンジロウに話しかける。

 

「最後は君だ」

 

「あ、はい。シンジロウと言います。スケルトン工学を専攻してます。刀の腕もそれなりに磨いてきました」

 

「そうか。宜しく頼む。具体的な指示を出すまで皆、各自準備して待機していてくれ。今日は以上だ、解散」

 

チャドはそれぞれを全く深堀りする様子もなく顔合わせを閉めようとしたが、さすがに思うところがあったのか、カナエが食らいつく。

 

「ちょっと待ってください。将軍は自己紹介してくれないのですか?我々が今後どのような人の下で働くのか知っておきたいのですが」

 

「そうや〜いいこと言うね。姉ちゃん。俺も知りたいわ〜」

 

タニガゼが便乗した。他の者も同調するように頷いている。しかしチャドからは意外な返答がかえってくる。

 

「……君たちが命令を遂行する上で私の情報は重要ではない。ホーリーネーションとの戦いで必要性が出た場合に共有しよう」

 

すかさずカナエも反論する。

 

「いやいや、そういうことじゃなくて!民間出身なんですよね?MAX何人ぐらいまで指揮したことあるとか、何人斬ったとか。今後従っていく上で力量を知りたいですよ」

 

「私のやり方に納得出来ないならば去ってくれてよい」

 

チャドはそう言ってその場を去っていってしまった。

残された5人の顔つきは渋いままだ。

 

「はぁー!?何あいつ。やる気ないんじゃないの?」

 

「流石に心配になりますね……」

 

「まぁええやん。俺も馴れ合いは好きじゃないし」

 

「ぬぬぅ。これではバスト奪還は失敗に終わるぞぃ」

 

「最悪、我々がフォローするしかないだろうな」

 

5将の会話を横で聞いていたジュードですらチャドの言動に驚きを隠せないでいたが、同時に確信する。

 

(やはりチャド師範は戦争をする気がない)

 

ルイを見つけ出しさえすれば将軍職を辞任するつもりなのも本当のようだ。ここで部下と交流しても意味がないと考えているのだろう。むしろ戦友として情がうつらないようにしているのかもしれない。

 

チャドが戦争の担い手になるのではないかという不安が杞憂であることが分かりジュードホッと胸を撫で下ろしていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

ホーリーネーション西方 軍事施設

 

 

 

書籍や資料がそこかしこに積まれている薄暗い部屋から1人の女がでてくる。そして静かに辺りを見渡すと音もなく静かに移動する。まるで忍者のような動きだ。

 

女はそのまま何事もなかったように大きな施設に入ると、薄着に着替え始める。そこに低く渇れた男の声が聞こえてくる。

 

「いたいた。あんたアマネって名前だよな?」

 

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男は青い目で旅人の姿をしていた。

 

「ええ……そうですが何か?」

 

「マッサージ師だろ?やってくれよ。あんた上手いって聞いてさ」

 

「そうですか。ではこちらに横になってください」

 

「あー、こっちの個室にしてよ。フルコースにしたい」

 

「……かしこまりました。では着替えてお待ち下さい」

 

「早くしろよ」

 

男は女に対して高圧的に接するが女は気にする素振りは見せずに従順にマッサージの支度をする。その様子を見ながら男が尋ねる。

 

「ここで働いてどれくらいになる?」

 

「かれこれ2年ほどです」

 

「ふーん。準備なんていいからこっちに来てしゃぶれ」

 

男は強引に女の腕を引っ張り跪かせる。女は軽くため息をつくと男のズボンのベルトをカチャカチャとほどき、出てきた物を丁寧に舐め始めた。

 

「よし、いいぞ。手慣れたものだな。そのまま咥えろ」

 

女は命令通りに男を上目遣いに見ながらイチモツを咥え込む。

 

「ん……あむ……じゅる……」

 

目にかかったセミロングの黒髪を片手で耳までかき上げながら女は口を尖らせて行為を続け、ジュボジュジョと卑猥な音が狭い部屋に響き渡る。

 

「いいねぇ、美人のひょっとこ口は興奮するぜ。よし、もういい。そのまま台の上で四つん這いになってケツを上げてろ」

 

「…………」

 

女はゆっくりと言われた通りの格好をした。それに男はがっちり両手で支えると、タイミングを伝えることなく一気に押し込み始める。クールを保っていた女もこれに堪らず声を上げる。

 

「……んっ!」

 

少し痛みを伴った声であったが男は構わず暴力的なピストン運動を続けた。

 

「お前さぁ、資料室で何していた?」

 

「……!」

 

行為を続けながら男が問いかけると女は初めて動揺を見せる。

 

「なんっ……のっ……事かしら?」

 

「しらばっくれるなよ。お前……都市連合の密偵だろ?」

 

「!!」

 

これと同時に男は女の細い首筋に手を回し、ゆっくりと握り始める。

 

「おほー!絞まる絞まる!お腹に力いれてくれてるね!」

 

「……かっ……はっ……!」

 

女は男の手を外そうと必死に抵抗するが、ツメで引っ掻くのが精一杯のようで、太い男の腕から抜け出せる様子はなかった。そして徐々に手から力が抜けていき、終いには男の運動に合わせて上下するだけの人形のようになった。

 

「ふぅうう〜〜〜!!あんた良かったぜぇええ?最後はナルコとしての勤めを果たせたな!!」

 

男は身震いした後、人形のように動かなくなった女を投げ飛ばした。そして何事もなかったように着替え始める。

 

すると部屋をコンコンとノックする音が聞こえ外から声が聞こえてくる。

 

「……ベルゼブブ様……。上級審問官からの指令があります」

 

「おーう。聞いてるよ。バストに向かえってね。何年ぶりかねぇ。今から発つって伝えておいてくれ」

 

「承知しました」

 

「さーて、殺しまくるとしますかねぇ」

 

そう言って男は闇夜に姿を消した。

 




さらに新キャラを投下('∀')
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