Kenshi -20years later- 作:さわやふみ
【遠征組】
ルイ、チャド、ガルベス
【拠点組】
トゥーラ、ナパーロ/ラックル/694番、シルバーシェイド、シャリー、
ヘッドショット、レイ、ジュード
小部屋から出たルイの顔はまだ惚けていた。肌は紅潮し、服ははだけて乱れたままだ。そこにカスケードが待ち構えており問いかけてくる。
「如何でしたか?疲れは取れましたかな」
「……え?ああ、何かすごかったです。あんなマッサージ初めて体験しました」
ルイは視線を気にして、柄にもなく服を整える。
「ふふ。そうでしたか。お望みであればもっと気持ちの良いコースがありますよ」
「そうなんですか……。あ、でも今日はもう遅いし、モールのことも明日どうなっているか気になるのでそろそろ寝ておきます」
「……確かにそうですね。では今夜はこれぐらいにしておきましょう。明日の結果はまた部屋に使いの者を送りますのでその時にでも」
カスケードはその場を去っていった。ルイはこの施設の奥には何があるのか気になったが、そのまま着替えて用意された自分の部屋に戻るのであった。そして寝室のベッドに入り、天井のヒビを見ながら先ほどまで起こっていたことを思い返す。
(あれは何だったんだろ……)
アマネという女の手が自分の秘部に触れた時、電気が流れたような柄も言えぬ快感の波が襲って来たのだ。
自然と自分の手で触れてみるが、今は何も感じない。ジェルにそのような成分が含まれていたのか、アマネの腕が良かったのか。
答えは分からないが……
(もう一度やってみたい)
チャドと別れて1人でいる不安はいつの間にか消え失せ、ルイの興味はカスケードが招待した怪しげな館に向いてしまっていた。
翌日
「ルイさん!モール処刑は取り消されましたよ!」
カスケードは満面の笑みを浮かべて報告しにきた。
「ま、マジっすか!ありがとうございます!」
「いやいやルイさんの助命嘆願の効果ですよ!」
「あんな拙い手紙で聞いてもらえるなんて……」
「とりあえず処刑は当分白紙になり、今後の協力次第では恩赦で解放もありえるそうです」
「おお〜!」
「早速ですが今日、ルイさんはモールに会って頂きます。そして無想剣舞の伝授をお願いしてみましょう!」
「はい!」
このときルイはカスケードの清楚で明るい雰囲気に合わせてノリノリだった。モールも処刑を免れたと知ったら友好的に接してくれると思っていた。
とある施設の地下に続く長い階段を降り、奥へと続く薄暗い廊下をひたすら歩く。途中には衛兵も数人おりモールがいる牢獄までの工程はやたら長くて厳重だった。
それほどモールという人物はホーリーネーションにとって重要な存在であることがルイにも分かったが、そもそもなぜモール率いる浮浪忍者とホーリーネーションがこれまで争い続けて来ているのかあまりよく把握していなかった。モールについて知っているのも無想剣舞を編み出したとされる開祖であり、アウロラの師であることだけだ。基本はアウロラのような人格者をイメージしており話せばわかりあえると思っていた。
途中にも格子に覆われた牢獄があり、薄暗い奥にうごめく人影が見える。ルイが目を凝らして見るとボロボロの服がはだけて乳房があらわになっている女性が両手を繋がれているのが分かり、思わず飛び退いた。よく見ると鞭や火傷痕もある。
「こ……これは……?」
「ああ、ビックリしましたか。その女性は重大な罪を犯した囚人です。仕打ちは妥当ですよ」
「そ……そうなんですか……」
目も合わせず虚ろな表情をしているその女性を見ながらルイは案内されるままついていく。そして幾重の扉を通りやっと最後の格子扉のようなとこに行き当たる。するとそこにはグリフィンの護衛である高位パラディンのフラーケが仁王立ちして待ち構えていた。
「ご苦労さまです。フラーケ」
ルイはフラーケがここに来ている事は知らされていなかった。ましてやモールの牢獄を守っているなんて思わなかった。
「フラーケさん!?」
「お久しぶりです、ルイさん。危険なのであなたがモールとやり取りする間は念のため私が側にいることになりました」
「危険?」
「ええ、モールはホーリーネーションにとって大罪人ですし、相当な手練です。★両足がないとはいえ何をするか分かりません」
「両足が……ない……?」
「まぁまずは話してみましょう。どんな人なのかはそれで分かると思います」
カスケードが割って入り話を進めた。
彼が首で指示すると衛兵が大きな鍵を挿し、ガチャリと重そうな扉から音が聞こえる。
ギギギギギィィー……
まるで何日も開けていないような錆びついた鉄の軋む音が狭い空間に響き渡った。
「さぁどうぞ。扉を潜ったら1メートル以上進まないでくださいね」
「…………うん」
中の方は暗くてよく見えないがベッドらしきものが置いてあり、誰かが寝ているのが分かる。
「あのー……モールさん……でしょうか?」
ルイは暗がりに向かって声をかけてみた。
ジャラリ……
呼びかけに応じて鎖が石の上を引きずられる音が聞こえてくる。
「……誰だ?」
低くて弱々しい女性の声にルイは驚いて少し後ずさりした。そう言えば勝手にモールは男だと思っていたが、性別も知らなかった。
「一応テックハンターをやっているルイと言います」
「ルイ……どこかで聞いた名だな。何のようだ?どうやってここに来た?」
暗闇から聞こえる質問にルイは恐る恐る応える。
「モールさんは無想剣舞の開祖だと伺いました。俺もアウロラさんに基礎を習って修行してたんです。よければ教えて頂けないでしょうか?ホーリーネーションに協力すればモールさんもここから出られるみたいなんです」
一瞬、静寂が走ると、モールは笑い出した。
「くっくっくっ……」
「……え、何かおかしいことを言いましたか?」
「アウロラの弟子がホーリーネーションとつるむわけがないだろう。もっと良い役者を連れてくるんだな。カスケード!そこにいるんだろ?お前は無想剣舞も盗りたいのか?」
大きな声はルイの後ろにいるカスケードにも届く。
「いますよ。盗るなんて人聞きの悪い。ルイさんはあなたの処刑を回避させてくれた方です。言わばあなたの恩人ですよ。教えてあげてもいいでしょうに」
「女ならば私が気を許すと思ったか?馬鹿が。ホーリーネーションに加担する者は全員敵だ」
「やれやれ……。これじゃあ建設的な会話も出来ませんね。ルイさんに無想剣舞を教えれば恩赦で解放もあり得たかもしれにのに」
「ハハハ!その甘い誘惑でルイも騙したのか?くだらん小細工をして足元をすくわれないようにするんだな」
「ふーむ、だめですか。これ以上は無駄のようですね。ルイさん、今日のところはここまでにしましょう」
「あ……は、はい」
ルイはモールとカスケードのやり取りに唖然としていた。カスケードに合わせたアプローチでは絶対に相容れないと断言できる。予想以上にモールはホーリーネーションを敵対視していたのだ。こんな状況で無想剣舞など伝授してくれるはずはない。一体、浮浪忍者とはどのような存在なのか。ホーリーネーションが何をしてきたのか知る必要があると思った。
そしてカスケードだ。この男は普通の人間ではないかもしれない。甘いマスクの下に何か闇を抱えているような気がする。これほどモールがこちらに敵意をむき出しにしているのに対して、何も思わないのか。と言うより、本気で交渉が通ると思っていたのだろうか。
ここに来てルイは初めてホーリーネーションへの違和感を持ち始めたのであった。
そんな中、この日の夜も思いがけない訪問を受ける。
トントン
ルイが滞在している部屋のドアがノックされたのだ。丸1日経ってチャドがまだ来ないことに不安を覚えていたルイはやっとチャドが到着したのかと思ってしまった。
「チャドさん遅かったですよぉ!」
しかし、ドアを開けた先にはフラーケが立っていた。
「こんばんわ」
「あ……こんばんわ……」
パラディンであるフラーケも男であるにも関わらずカスケードに劣らず美貌の持ち主だ。そんな男が夜遅くに訪ねてきたのだ。チャドと間違えたこともあってルイは恥ずかしさのあまり一瞬固まってしまった。
「いや、申し訳ない。今日はモールの件で傷ついていると思いまして、非番なので例の癒やしの場所にご一緒にどうかなと思い伺いました」
「一緒に……って、もしかして昨日のとこですか?」
「ええ。疲れを取りに行きましょう」
ドキドキドキ
昨日の出来事を思い出す。思い返すとあれは絶対にただのマッサージではなかった。ただ、不快でもなく、むしろこれまで感じたことのない柄も言えぬ快感だった。当然、再度出来るのならばやってみたい気もする。
「あ、じゃあちょっとだけ……」
「では行きましょう」
フラーケはニコリと笑うと施設への先導してくれた。
道ながら気まずくなったルイは無理矢理フラーケに話しかけてみる。
「フラーケさんはグリフィンさんの護衛もやってるし、忙しいんですね」
「はは、カスケード審問官にこき使われてますよ」
「てことはカスケードさんが上司なんですか?」
「ええ、審問官には私が小さい頃に拾って頂いたのです。人生の恩人なので頭が上がりません」
「そうだったのですか〜」
そうこうするうちに2人は施設に到着する。
そこでルイは相変わらず恥ずかしい服に着替えさせられた。
「この服は着なきゃいけないんですかね……」
「まぁ濡れますからね」
別部屋から出てきたフラーケも同様の服を着ているが、男はさらに露出が多く、基本的には下の部分しか隠していない。ルイはもっこりと膨らんだ下着とむき出しになっている強靭な胸もとを見て思わず目をそむけた。
「ふふ……どうしました?男の体を見るのは初めてですか?慣れておきたいですか?」
「な……慣れて!?」
「あなたの担当はアマネという女性だと聞いていますが、男性の施術士もこの施設にはいます。チェンジしたいですか?」
「や!いやいや!いいっす!昨日の人で!」
「そうですか。では私も向こうでやってきますのでアマネが来るまで待っていてください」
フラーケはたくましい背筋を堂々と揺らしながら奥の暗闇へ消えていった。
そしてルイは待っている間、頭がボーッとしてくるのを感じていた。
(これは……焚かれているお香のせい?)
リラックス効果を狙っているのか分からないが、ツンとするエキゾチックな匂いだ。
「おまたせしました。ルイ様」
そこにマッサージ施術をしてくれたアマネが到着した。
昨日はよく顔を見なかったが、セミロングの黒髪で目が少しつり上がっておりミステリアスな雰囲気を漂わせている。
「昨日と同じ奴やるんですか?」
「他にも種類はございます。ルイ様がお望みでしたらお試ししますか?」
「あ、いや……聞いてみただけです。昨日のでいいっす」
「慣れてきたら他にもっと気持ちの良いコースを体験して頂ければと思います」
アマネはそのぶ厚い官能的な唇で妖艶な笑みを浮かべると、ルイの後ろに回り込む。
そしてスタンダードに肩を揉み始めた。
「大分こっておられますね……」
相変わらず全てを包み込んでくれるような優しい手つきで、シンプルに肩を揉んでくれるものだからルイもつい身を任せてしまったいた。
その油断した瞬間に羽織っていたレースの服を肩からスルリと剥ぎ取られてしまう。
今日は胸に下着やサラシをつけていなかった。
「ちょっと待っ……」
抵抗する間もなく、ツンとした胸もとが重力に反した動きで零れでてしまう。
少し小ぶりだが十代らしく張りがあり艶やかで、ピンク色の先端部分は少し隆起していた。
肩を揉まれる度にシルクの生地が擦れて刺激していたせいであろう。
ピンと勃った様子があらわになってしまいルイは思わず頬を染めた。
「ここには私しかいませんので恥ずかしがることはないですよ」
アマネはそう言ってそのまま肩から手を撫でおろすと、脇の下を通って後ろから乳房の下側を丁寧に愛撫する。
意図的なのか分からないが、時折、人差し指が先端の突起をはじくように擦り、ルイはその度にピクリと反応しつつも声を押し殺した。
「……」
ブラックスクラッチにあった如何わしい本で見た内容と同じことを今、自分はされている。
これは明らかにマッサージとは主旨が異なり、性的な行為であることは未経験のルイにも判断できた。
しかし、じわりと押し寄せる快感が理性に勝ってしまい、意思とは無関係に反応する体を抑えられない。
相手が女であることに安心し、つい最近あったばかりであるはずの他人に身を委ねてこのような行為をされることをルイは受け入れてしまっていたのだ。
官能系はつい頑張ってしまっている気がする!('∀')