仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第14解「我は闇、我は漆黒」

 今にも打ち出しそうな天使たち。それを少しでも抑えようと構える悪魔たち。全員無事では済まないだろうこの状況、遠くの方から聞き慣れた声が聞こえる。

 

「あれは…!!」

「おーーーい!! 大丈夫か!!?」

 

 恭也はすぐさま悪魔たちを盾にしてしゃがむ。変身を解いている状態で正体を知られるのはまずいと思ったからだ。

 天使たちもその声に反応し攻撃を一時中断する。ただそれは声を聞いたから止めた訳ではないようだ。

 源次の隣に天使たちと同じ姿をした少年が立っていた。

 

「ジェルエ。お前は今までどこに行ってたんだ?」

「えっと… 捕まってた……」

「捕まっていた? 誰だ? デモンティアにか?」

 

 すると、天使たちは血相を変え、再び恭也たちに光弾を放とうとしてきた。

 

「いや、デモンティアじゃないんだ!! 人間に捕まったんだよ!!」

「人間だって…?」

「う、うん……」

「それはただの人間か?」

「うん………」

「……… そうか。よくわかった」

「あっ……」

「この恥晒しめッッ!!!」

「がっ…!!」

 

 ジェルエは蹴り飛ばされる。それを源次はすぐに抱き止めると、眉を吊り上げ天使たちに怒鳴る。

 

「お前ら子供に何てことしてやがる!!」

「黙れ人間。お前たちのように我々の住む世界は甘くはない。人間にやられているようでは、これからの戦いに邪魔になるというだけ。それならいっそ死んでしまった方がいい」

 

 その言葉に恭也も源次も怒りが最高点へと達した。

 彼らの子供かどうかはわからない。だが、まだ幼い子供に向かって死ねと平然と言えるのだけはどうしても許せない。

 

「お前たち…… 戦うことになるが構わないな?」

「えぇ、準備はできております。恭也様」

「行くぞ… この腐れた連中を叩き潰すッ!!」

《エイワン!!》

 

 それに続いて源次もドライバーを腰に巻き、プリーストライズキーを起動させる。

 

《プリースト!!》

「下がってなジェルエ。ここはデモンハンターの仕事だ…… おい、そこにいるんだろ王様!! だったら協力しろ!! どちらにせよ戦うことになるんだろ!!?」

「いいだろう。だが、邪魔はするな」

「する訳ねーだろ… こいつらには懺悔させてやるよぉッ!!」

「「変身ッッ!!!」」

《悪魔の名はエイル・ワン!!1の数字を持ち、その力の全てを王に捧げる者!!》

《祈る!!願う!!導きのままに!!プリースト!!》

 

 変身した2人は天使たちの元へと走り出す。怒りのままに動いている為か、2人は圧倒的な力で天使たちを次々に倒していく。

 しかし、天使たちの動きが妙である。先程は見るという余裕がなかった為に余り気にもしなかったが、よくよく見ると天使たちの動きはどこか人形的である。まるで誰かに操られているかのようなそんな動きだ。

 

「…… 待て、プリースト」

「あ? なんだよ」

「奴らもしかしたら1人かもしれん」

「1人だって? お前何言ってるんだ?」

「本体は多分あそこにいる奴だ。俺がそれに一撃を与える間、周りの偽物をどうにかしろ」

「いやいや待て!? 命令すんなの前にどういうことだ!?」

「とにかく攻撃し続けろという事だッ!!」

「あ、おいっ…… あーくそっ!!」

 

 そう言うとメレフは剣を巧みに扱い、次々に天使を切り伏せていきながら前進する。プリーストは不服に思いながらも、メレフに近づく敵を杖から飛ばした光弾で援護した。

 この2人がいきなり組んだことにより勢いがつき、遂にメレフは本体であろう天使の元へと辿り着く。

 

「貴様が本体だな!!」

「なにっ…!?」

「ハァッ!!」

《エイワンシャットアウト!!》

 

 それからメレフはドライバーの鍵のボタンを押してから捻り、刃へ無のエネルギーを送って巨大な剣に変化させ、本体の天使へそれを振り下ろした。

 天使の身体に斬撃の跡がつき、たまらず大きく後退する。先ほどまでの涼しい顔は何処へやら、メレフの力を前に驚いた表情と同時に怒りも露わにした。

 本体にダメージを与えると、他の天使たちが消え、元の1人へと戻る。

 

「よく私だと気づいたな」

「お前がリーダーであるという事は最初から予想はできていた。他の天使たちは一切喋ろうとはしてなかったからな。だが、それでお前が1人だと確信した」

「それは?」

「命令してなかっただろう? それどころか周りに合図すら送ってなかった。他にも天使たちの様子からして俺は確信したわけだ。お前が本体だと」

「見事だ。デモンティアの王よ…… だが、お前は1つ勘違いをしているぞ」

「勘違いだと?」

「何故、私が1人で来たと思う?」

「それはお前の能力が───」

「分裂だからか? それもある。ただそれだけではない。あれは私の力の一部だ。力を分裂させてしまえば、私の本来の力をも弱まるという事。これがどういう意味かわかるだろう?」

「まさか───っ!!!」

 

 次の瞬間、メレフの身体は吹き飛んでいた。胸に激しい痛みを感じる。それに気づいたのは吹き飛ばされた後だった。

 それを間近で見ていたプリーストは、天使の強さが想像以上であることに気づく。

 

「ぐっ…がはっ……!! いつ攻撃を…!!」

「おい、王様よ…」

「… なんだ?」

「こいつ力を分裂させてたっつったよな?」

「あぁ、そういう事だろう…」

「これが本気ってことかよ!! あいつの!!」

 

 天使の本当の力。大勢で来ていたと思われたが、それは彼自身の力を分裂させて作り出した謂わばもう1人の自分。分裂させればさせるほど、本体の力は徐々に失われてしまうので、格下の相手にしか使えない。それが彼の失敗であった。メレフを格下だと思っていた傲慢さから来る油断。これにより痛手を負ってしまった。あんな悪魔なんぞに。

 天使はプライドを傷つけてしまった自分とメレフに怒りを覚えた。だから、こいつらを倒すという意思を持ち、メレフたちに名乗る。

 

「私は『ホウリー・ヒイテン』。貴様らを倒すものだ」

「ホウリーって事はこいつの……」

 

 プリーストがジェルエの方を見ると彼は酷く怯えていた。やはりこのヒイテンとかいう天使が原因らしい。

 

「子供は… どうするつもりだ」

「先ほどは死んでしまえばいいと言ったな? 安心しろはっきりと言ってやろう。お前も殺してくれよう」

「……っ!! させるかよぉ!!」

 

 その答えにプリーストは大声を出しながらヒイテンへと光弾を無数に発射する。が、まったくと言っていいほど効いておらず、いつの間にかプリーストの背後へと回り込んでいた。

 

「いつの間にっ…!?」

「ただの人間風情が」

 

 ヒイテンは腕だけ分裂させると、後は凄まじい勢いでプリーストを殴りつける。

 これにより力は分散するがその代わりに全体へとダメージを与えることができる。何度も殴れば分散もしない。寧ろ威力は跳ね上がる。

 

「グハァッ…!!!」

「プリースト!!」

 

 凄まじい威力の攻撃を喰らったプリーストは、その衝撃により変身が解けて地面に転がってしまう。

 このあまりの力の差にメレフはエイワンプラスで対抗しようかと考えるが、負けはせずとも勝ちもしない戦いになる事が予想できた。

 同じ力の持つもの同士が戦えば、どちらも無事では済まず回復までに時間を有するだろう。だが、このヒイテン以外にも天使がいると考えると下手な戦いをしてはいけない。

 

「どうすれば……」

 

 その時、ワナイズがメレフに話しかけてきた。

 

「わしのデモンティアイズキーを使うといい」

「お前の?」

「ふぉふぉふぉ、天使もわしらと同じように属性を持っておる。相性ではわしの闇が効くんじゃよ」

「闇か……」

「安心せい。今のお前さんならわしの闇くらいなら使える筈じゃ」

「…… わかった。使わせてもらうぞ。お前の闇の力ッ!!」

《ワナイマン!!》

 

 メレフはワナイマンティアイズキーを起動し、ドライバーに差し込む。

 それから鍵を捻ると、闇のエネルギーが溢れ出し身体のあらゆる箇所にアーマーを形成していく。形成し終わると今までのどの形態よりも全身に力が漲るのを実感する。

 

《悪魔の名はワナイズ・マン!!70の数字を持ち、その暗闇は全てを葬り去る!!》

《スタンドワナイマン!!》

「なんだこの力は…!」

「わしの力は闇。こんな老いぼれではあるが、単純な身体能力はどの形態と比べても負けてはおらんはずじゃ」

「そうか。なら、勝てるという事でいいな?」

「それはお前さん次第じゃよ。最もわしの力が使いこなせなければ、あの方の力を使うなど諦めた方が良い───」

「行くぞッ!!」

 

 そしてメレフはスタンドワナイマンの専用武器である鎌を手に取ると、それをヒイテンに向かって振り下ろした。

 当たり前だが、そんな大ぶりな攻撃が当たるはずもなく、ヒイテンは軽々と避けて、先ほどプリーストにやった攻撃方法で殴りかかってきた。

 

「姿を変えた所で私との差は埋まらない!!」

 

 そう言って分裂した右の拳がメレフの顔面を捉えようとしていた。

 しかし、ヒイテンの攻撃はメレフに当たる事はなく、ギリギリな所でピタリと止まってしまう。全力で殴ったはずなのに、その手前で止まってしまうとはどういう事なのか。それは本人が1番理解できないだろう。

 

「こ、これは…!?」

 

 ヒイテンは気づく。腕に無数の手の様な影が地面から現れ、無数に張り付き、その攻撃を止めていたのだ。

 あの大ぶりな攻撃はメレフに注意を引かせる為の敢えて行ったもの。ヒイテンはまんまと罠にハマってしまった。またしても油断だ。

 影は腕に限らずヒイテンの全身に張り付き、その動きを完全に封じ込めてしまった。

 

「よし、このまま奴を───!!」

「ここは引くことを薦めるぞ、王よ」

 

 この大きなチャンスを前に、ワナイズはメレフに引く様に告げる。

 こらに対してメレフは当然ながら疑問をぶつける。

 

「何故だワナイズ。このままやれば奴を……」

「ふぉふぉ、確かにこのままやれば確実に奴を仕留めることができるのぉ。しかし、天使1人に集中し過ぎて、周りが見えていないのは頂けない事じゃ」

「なに…?」

 

 メレフが周りを見渡すと、次々に天使たちが空から舞い降りているのが目に入る。合計6人くらいはいるだろうか。このままやれば不利になる事は間違いない。

 

「わしの力を使ってお前さんは闇と共に消えるといい。そうすれば助かる」

「わかっている。あの男と少年も含めてな」

「…… 子供の方は離れ過ぎている。今すぐにでも逃げんと取り返しがつかないことになるぞ」

「それでも見捨てるわけにはいかない」

「わしらが死んでもかの?」

「違うな。王は誰も見捨てない。そして誰も死なせはしない」

「ほう… なら、見せてみぃ。お前さんの力を」

 

 それからメレフはドライバーの鍵をボタンを押してから捻り、鎌をジェルエの方へと投げる。鎌の投げた方に影が続き、ジェルエを闇に包み込むと、彼よりも近くにいた源次を片手から闇を溢れさせて捕まえる。

 それと同時に、天使たちから光弾が飛んできたが、辺りが黒く染まってすんでの所で全員闇へと溶け込むことができた。

 ヒイテンの拘束も解かれ自由になると、降ってきた一体の天使が彼に向かって言う。

 

「無様を晒したな。あのまま攻撃されていたら終わっていたぞ」

「…… いや、それは奴らも同じことだ。私が拘束を解いていたら奴らは……」

「言い訳は無用」

「くっ…」

「我々は奴らを全滅させなければならない。それがあの方の意思である────」

 

 

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 源次が目を覚ますとそこはどこかの部屋だった。部屋の中は比較的綺麗に整頓されており、本棚には就活の本がズラリと並べられていた。

 そんな学生の様な部屋に人が入ってきた。見たこともない青年だ。

 

「あっ…」

 

 その青年に声を掛けようとした時、後ろから見たことある人物がずらずらと後から入ってきた。人物というよりも…。

 

「デモンティアだと!!? つーことはまさかお前……」

「この姿は初めましてだな。プリースト」

「お、おおおおお前、あのメレフだよな!? えっ!? 普通のだよな…? 普通の人間じゃねーかよ!!?」

「そうだ。ただの普通の人間だ。18歳の本当にただの一般人」

「仮の姿とかではなく?」

「悪魔の力を借りなきゃ戦えない人間。就職もできずに彷徨ってたダメな奴に、悪魔がやってきて人生が変わってしまった男さ」

「………」

 

 源次はメレフの本当の姿を見て言葉を失った。自分より10も違う年齢の男が今までずっと悪魔と戦っていたのだ。それに自分とも戦った。殺すつもりで。

 

「お、おい…… お前そのー… 人類の敵とかには…」

「なるのだったら断っている。俺はこの世界を守りたい。そう思って悪魔たちと戦ってきたが…… 今度は俺に力を貸してくれた悪魔が危機に晒されている。あの天使… 邪魔をするなら人間でさえも容赦しないらしい」

「エンジェルティアか…… あっ、そういえばジェルエは!!?」

「ジェルエ…? あぁ、あの子供なら両親の部屋で寝ている」

「良かった…… さてと、まぁそれでお前が俺に正体を打ち明けたって事はそういう事だよな?」

「急に本題に入るか」

「当たり前だろ。こんな状況で喧嘩腰でやってられるかよ。それにお前から色々聞き出すのも後でもいいしな。とにかく今はあいつらの事を聞かせてもらおうか?」

「恩に着る…… エイル頼む」

「承知しました───」

 

 そしてエイルの口から、エンジェルティアとデモンティアの因縁について語られる───。




あのクソ天使がよぉん!?(暴言)

次回、第15解「我に語る、我ら因縁」

次回もよろしくお願いします!!
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