仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第16解「我の脅威、我と対峙」

 フウテンはティッツのように自由で応用のきく、水属性の攻撃を得意とし、メレフを着実に追い詰めていた。

 一方のメレフも何とか剣で捌いていくものの、変幻自在な水に動きを全て防ぐことはできず苦戦している。

 

「光以外の属性を身につけているとはな!!」

「お前たち悪魔とは格が違う!!」

 

 そう言うフウテンの言葉に嘘はない。この水の動きは熟練されていなければできない動きだ。この攻撃を避ければ次はこう行くだろう、という予測が彼にはできている。

 それを今のメレフはできない。動かせても本当の意味で自由自在とまではいかない。

 

「なら、その差は相性で埋めるのみ!!」

 

 メレフはドライバーのキーをゼフゼロと入れ替える。スタンドゼフゼロへと姿を変え、雷を纏った槍を薙ぐと、それは水を伝わってフウテンに電撃を浴びせる。

 

「ぬぐぅ…!!」

 

 続いて槍にキーを差し込み、それを捻るとメレフの武器に内蔵されたコアから、その対応する属性エネルギーを増大させ、専用武器を属性エネルギーの塊に変化させる。

 

《解器!!》

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

《雷の一撃!!》

 

 それからメレフはその雷エネルギーが増幅された槍を、フウテンへと全力で投げつける。

 フウテンは凄まじい速度で飛んでくる槍を難なく躱す事はできたが、まだ攻撃が終わっていないことには気づいていなかった。

 メレフは手を彼に向けてから、槍を引っ張るようにすると、槍はメレフの方へと戻ってきてフウテンを貫いた。

 その様に見えたが、常人離れした反応速度によりギリギリ躱してしまう。

 

「何とか避けっ…!!?」

「甘い!!」

 

 そこで完璧に避けていればよかったものの、少し掠ってしまった事により、電撃はその少しから一気にフウテンの身体に伝導する。

 全身に相性最悪の雷のエネルギーを喰らってしまい、思わず地面に膝をつける。が、すぐに立ち上がってみせた。

 

「ぐぐぐっ……!!」

 

 もしもまともに喰らっていたら立つことはできなかっただろう。

 まだ痺れて動けないようなので、メレフは質問する。

 

「終わりだ。今のお前では俺の攻撃を避ける事はできない。答えるがいい。先代を復活させたのは貴様らなのか?」

「………」

「どうなんだ?」

「────…… 違う」

「なに?」

「奴を復活させて私たちに何の利益がある」

「内部崩壊させる事でお前たちが有利になるだろう?」

「そう考えることもできただろう。昔の怒りや恨みが消えたわけではない。だが、態々お前たちの王を復活させてまで戦う理由はない」

「…… なら、一体誰が先代を…」

「話はここまでだ」

 

 そう言うとフウテンは水を身体に纏って地面へと消えていく。

 

「待てッ!!」

「恭也様」

「… どうした? エイル?」

「奴の他に反応があります」

「次から次へと…… 場所は?」

「はい。ご案内します」

 

 メレフはエイルの案内により、その場所へと急ぐ────。

 

 

 ---------------------------------

 

 

 そこは神々しい光が常に差している場所であった。地面は雲のようになっており、辺りには6本の柱が並び、背の高い椅子が中心を囲うようにして7個置かれている。

 その一つに座った天使がフウテンに向けて言う。

 

「君も苦戦したようだね」

「すまない。油断をした」

「まぁ生きて帰ってきただけでも良しとしよう…… さて」

 

 その天使は1番高い椅子に座っていた。その椅子からそこに座る天使たちに向けて言う。

 

「僕たち天使も随分と消えてしまった事は言うまでもないね。残り僕を含めた7人。力も数も僕らの方が上。人間にさえ心を許してなければ、デモンティアも強いままでいられたのに」

「ねぇ『ムウテン』。さっさと話してよ。私たちはあんたの演説を聞きにきたんじゃないわよ」

「おっとごめんね『ナナテン』。では、本題に移るとするよ」

 

 ムウテンと呼ばれる天使が指を弾くと、中央に光の球が現れ、そこから人間が1人出てきた。

 それを見た天使たちは怒りの声を上げてムウテンに言い放つ。

 

「ふざけるなムウテン!! 人間をこの神聖な場所に踏み込ませるとはどういう事だ!!? ()()()に許可は取ったのか!? 無礼にも程があるぞ!!」

「落ち着いて『ヨオテン』。()()()も理解してくれるはずだよ」

 

 すると、ヨオテンの隣に座っていた天使が片言でムウテンに聞く。

 

「ムウテン、お前の事、理由、ある。なんだ?」

「『イツテン』ありがとう。この人間を呼んだのにはちゃんと理由がある。ミイテンに頼んで連れてきてもらったんだ」

 

 人間の隣にいる少年は彼らを見て身体を震わせる。人間はそんな少年の頭を撫でて落ち着かせる。

 

「んで、俺をどうしたいって?」

「おおっと、ごめん。ミイテンから言われた通りさ。承諾したんだろう? だからここに来た」

「あぁ」

「なら、話は早いね。まずお礼を言わせてくれ。ありがとう」

「そんな事はいい。さっさと例の奴だ」

 

 全く怯む事ない人間、源次は聞く。

 

「ふふっ、急がなくても逃げないよ。()()()()()()()────」

 

 

 *****

 

 

「─── 力を?」

「そうだ。お前が協力した暁には我々の力を貸してやる」

 

 数時間前、ミイテンに理由を聞いた源次は驚きを隠せなかった。協力を要請してきた彼女から理由を聞くと、源次にとってこれ以上にないチャンスが舞い込んできたからだ。

 

「力って事は… そのー…… デモンティアの奴らみたいな事だよな?」

「デモンティアの王同様に我々の力をお前が使えるというものだ」

「裏がある事は確実だな」

「断るか?」

「断ったら殺すだろう?」

「その通りだ」

 

 源次は考えた。ここで力を貸してもらうことができればメレフを倒すことができる可能性が出てくる。だが、それをすれば彼を裏切る事となり、ジェルエもどうなってしまうかわからない。

 沈黙は続いた。

 

「どうする?」

 

 やがて、源次は重い口を開いた。それは覚悟した目つきである。

 

「お前たちに協力しよう」

「ほう、意外だな」

「ただし俺からも約束しろ。この子には手を出すな」

「…… ふむ、勘違いしている様だな」

「あ?」

「確かに本来であればジェルエは始末されていることだろう。だが、この状況においては別だ。それがいなければ我々もこの案を出す事はできない」

「それって……」

「あぁ、ジェルエは────」

 

 

 *****

 

 

「─── ジェルエは要だよ。僕たちの力を使う為のコア」

 

 ジェルエはエイルと同様にエンジェルティアの力を使う為の存在だった。そんな重要な役目を担っているジェルエを何故始末しようとしたのか。

 その理由をムウテンは語る。

 

「ジェルエは造られた存在なんだよ」

「なんだって…?」

「まぁ僕たちもそうなんだけど、ジェルエは特別さ。いくらでも代替が利くし、量産できるのに誰よりも優れた力を持っている。びっくりするだろう?」

「だから壊しても平気だと…?」

「怒らないでくれよ。これが僕たちのやり方さ。人間と同じ様に見てもらっては困るよ。種族によって価値観があるのは当然だろう? 僕たちは食事をしなくてもいいけど、人間は食事をしなければ生きていけない。君たちの当たり前は僕たちのとっての非常識。そういうものさ」

「…… わかった。その件については一旦置いておく。それで俺は何をすればいい?」

「そのドライバーを貸してもらえるかい? 大丈夫、ここまでして騙す様な事はしない」

 

 そして源次は言われた通りに渋々とプレイドライバーを取り出すと、ドライバーだけ光に包まれてムウテンの手元へと運ばれる。

 

「デモンドライバーを真似ただけでよくこんな物を造れたね。だけど形だけだ。中身は人間の限界と言ったところさ」

「何をする気だ?」

「中身を弄るだけだよ。中身をより優れたものにするだけ……」

 

 ムウテンが手をかざすと、プレイドライバーに光が宿る────。

 

 

 --------------------------------------------

 

 

 メレフはエイルに案内された場所へと辿り着いた。森の中にある今は使われていないだろう古い館があった。

 

「…… ここか?」

「はい、ですがこの力─── っ!? 周りに注意してください!!」

 

 その館へと足を踏み入れようとしたその時、周りに見た事があるゾンビたちが現れた。

 

「ゾンビル… だったか?」

「はい…… え?」

「どうした?」

「何故奴らがここに?」

「エイルどうしたっ…!!」

 

 話す暇もなくゾンビル達はメレフに襲いかかってきた。かなりの数がいる様で、1人倒しても次から次へとどこからともなく湧いて出てくる。

 

「キリがないぞ!!」

「なら、わしを使うといい」

「ワナイズか」

「日が落ちて来たという事は、わしの力が増す時間帯じゃよ。この群れを闇に引き摺り込んでやるとしよう」

 

 どうやら気付かないうちに日が落ちて来ていた様で、辺りはすっかり闇に包まれかけていた。

 それからメレフはワナイマンティアイズキーを取り出して差し込み、スタンドワナイマンへと姿を変える。

 

「闇に呑まれろッ!!!」

 

 地面に手をつけると暗闇から次々に手が出現してゾンビル達を掴む。身動きが取れないその隙に、メレフはドライバーのキーを捻って鎌に闇のエネルギーを溜める。

 

「ハァッ!!!」

《ワナイマンシャットアウト!!》

 

 全体に行き渡る様に一回転して鎌を振るうと、闇のエネルギーでできた刃が、ゾンビル達の首を空へと飛ばす。

 周りのゾンビル達が爆発し、辺りは再び静寂に包まれた。

 

「…… これで終わりだな。それでエイル。お前は何を言おうとしたんだ?」

「恭也様。このゾンビルを造るには我々の力を使わなければできません」

「……っ! つまりこの館にいるのは……」

「デモンティア以外ありえません」

「そうなれば、奴しかいないという事になるだろう」

 

 恭也は変身を解くと、館の扉を開き、中へと進んでいく───。

 

 

 ---------------------------------------

 

 

 ワナイズは道中何も言わなかった。これから会うデモンティアの正体がわかっているとしても、何をしてくるのか、何が目的なのかも言おうとはしない。

 ただ一言だけ恭也に告げる。

 

「退くな」

 

 この言葉がどれほど重いのかわかる。逃げようものなら命はないだろう。それぐらい今から会う悪魔は常識が利かないという事。

 

「ここだな…」

 

 長い廊下を渡り奥へ進むと、行き止まりがあり、そこに扉があった。

 エイルはその奥から異様な気配を感じているようで、他の悪魔達も全員息を呑む。

 

「開けるぞ」

「はい」

 

 その扉を深呼吸をしてから意を決し、勢いよく開けると中は画用紙を黒のペンで殴り書きしたかの様に真っ暗だった。

 ここに来る道中も暗かったが、外の月明かりで多少は足元も見れていたし、メロクの力で暗い場所も難なく動けた。

 が、その光を持ってしてもその空間においては全くの無意味だった。メロクが光を呼び出しても辺りは明るさを取り戻さない。まるで白い点だ。そこだけ消しゴムで消した様なあまりに不自然な光景。

 

「─── よく来たな、現王よ」

「…っ!!?」

 

 次の瞬間、後ろの扉が閉まり、本当に何も見えなくなってしまった。

 エイルの声が聞こえる。だが、どこにいるかまるでわからない。

 

「お前は…… いや、わかっている。会いたかったぞ──── ンードゥ」

 

 デモンティアNo.72、ここに来たる───。




今更で実はで初なんですが、メレフの武器もちゃんと鍵を差せます。いつか出すつもりでしたが、設定すっかり忘れてました。(焦り
天使の数が少ない…?源次は…?最後は最後のやつ…!?(語彙力

次回、第17解「我に迫る、我の時間」

次回もよろしくお願いします!!
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