仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第20解「我の友、我は自由」

 エンジェルティアは街に赴いた。それを率いるムウテンはビル上のから全体を見下ろし、何かを決めた様に後ろを振り向いて彼らに指示する。

 

「じゃあ暴れてもらってもいいかな?」

「……」

「おおっと、ごめんよ。言葉が足りなかったね。人間に危害は加えずに所々破壊するだけでいい。そうすれば王は簡単に釣れる。君たちはその手に入れた力でそのまま戦っても良し。僕も源次を見つけ次第すぐに行くから耐えても良し」

「…… わかった」

 

 デモンハンターたちはリーダーの指示でキーを取り出し、そのキーを自らの身体に差し込む。

 すると、その身体は異形なものへと変わり、まるで堕落した天使の様な中途半端な見た目へと姿となる。

 

「デモンティアがゾンビルというのを生み出したから…… そうだなー…… よし。君たちの名前は『ダテン』だ。応援してるよダテン」

「…ウゥ……」

「ははっ─── もう聞こえてないか」

 

 ダテンたちはビルの上から飛び降り、地面に着地すると、人間の時よりも遥かに強化された腕で次々に街を破壊し始めた。天使である為、翼があり、空を飛んで上空から人々を襲おうとする者もいた。

 

「…… さて、源次はどこに行ったのかな───」

 

 ムウテンは源次の気配を頼りに、その場所へと翼を広げて飛び立った。

 他の天使たちはメレフが来るのを今か今かと待っていた。すると────。

 

 

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「ワナイズ!!」

「ふぉふぉ、これまたやってくれたのぉ…」

 

 スタンドワナイマンへと変身したメレフは闇の手を辺りから出現させ、ダテンに襲われそうな人たちを次々に助けていく。

 

「奴ら… 遂には人間にも手を出し始めたのか!!」

 

 メレフは怒った。今まではデモンティアを、仲間を傷つけられそうになったとか、幼い子供に手を出したとかで怒りを露わにしていたが、今回のこれは違う。関係のない人たちまで巻き込んだという事が何より許せない。

 

「出てくるがいい、エンジェルティア!! いるのはわかっている!!」

 

 そうメレフが叫ぶと、エンジェルティアはすぐにビルの上から舞い降りてきた。人数は6人。1人足りない様だ。

 

「もう1人はどうした?」

「ムウテンならプリーストを連れ戻しに行ったわよ。まぁその前にあんたを殺せば意味ないんだけど」

 

 闇の天使ナナテンはそう言う。

 ナナテンが手を翳して攻撃しようとすると、火の天使ヒイテンがそれを止める。彼女はそれを気に入らない。ヒイテンを睨みつけた。

 

「なによヒイテン」

「私がやろう。調子に乗ったこの愚か者どもをここで葬る」

 

 そしてヒイテンが前に出てくる。 前にも戦った相手だ。恐れる事はない。

 

「前は属性の力を使わなかったが、今は全力で使って相手してやろう。かかってくるがいい」

「…… ティッツ。久しぶりに行くぞ」

《ティニーマ!!》

「はいは〜い、任せてよ王様〜」

 

 ワナイマンティアイズキーと入れ替え、ティニーマティアイズキーを差し込み、鍵を捻って形態を変える。

 

《悪魔の名はティッツ・ニーマル!!20の数字を持ち、その荒波は全てを包み込む!!》

《スタンドティニーマ!!》

「行くぞッ!!」

 

 メレフは周りに水を生成すると、それを凍らせて槍状にし、ヒイテンに向けて飛ばす。

 それをヒイテンは炎の壁を目の前に作って溶かし、すぐさま反撃に出るが、いつの間にかメレフは彼の周りに水の壁を作り出していた。

 

「いつの間に…!?」

「水は効くが氷は効かない。あれはただの囮だ。既に地面に這わせていた」

 

 水の壁は上側だけ空いていた。ヒイテンはすぐに翼を広げて脱出しようとするが、そこにはメレフが杖を構えて待ち構えていた。

 当然、杖の先端からまるでレーザーの様に水が勢いよく噴射し、ヒイテンは壁に阻まれ避ける事はできず、そのまま地面へと押し戻される。

 

「ぬおぉぉぉぉぉぉっ…!!」

「お前は確か分裂する能力があったな… だが、この状況でどうする事もできまい」

 

 それから水で濡れたヒイテンの身体を身動きができない様に凍らせる。

 ただ、この行動をチャンスと思ったヒイテンは身体を熱くし、氷を溶かそうと試みる。相性的には有利な筈と勝手な勘違いをしていた。

 氷は全く解けなかった。

 

「な、何故だ!?」

「無様だなヒイテン」

「これはどういう事だ!!」

「属性の理解をしていないのか? お前が先程溶かす事ができたのは、俺が本気で撃っていなかっただけ。本来はお前に有利な水属性。それは氷と言えど元は水。水の力を利用して作ったものだ。お前は俺が解くまで一生そのまましかない」

「くっ…!!!」

 

 ヒイテンは下に見られたことが何より気に食わなかったのか、腹の底から声を出して叫んだ。相当悔しかったのだろう。

 メレフはそんな彼を放置し、ダテンたちを止めようとするが、他の天使たちの存在を忘れていた。

 

「あーまずいまずい!! 恭也避けてー!!」

「どうしたティッツ─── ぐはっ…!!?」

 

 これは雷属性の攻撃だ。直撃を受けけしまった。

 ヒイテンの他に天使がいることをすっかり忘れていた。手を出さないから放っておこうと思っていたのが間違いだった。

 

「うっ… くぅ……っ!!」

「どうだぁこらぁ!!? 身体が痺れて動けねーよなぁ?? 属性を理解してないのはお前なんじゃねーかぁ!!?」

 

 王の力、アドバンスを解放した事で他の形態のスペックもそれ相応に伸びたのだが、ここでは通常形態で戦った方が好ましかった。

 ティニーマの水で逃げ遅れた人を助けようという考えだったが、それはヒイテンのみの時にやるべきだった。こうしてピンチになっている。

 ヨオテンはバリバリと雷の力を腕に溜める。

 

「このままドきつい一撃をぉ、てめぇのその脳天にくらわせてやる事で死ぬ!! ザマァねぇなぁ!!?」

「…… 甘いな。お前は」

「あぁっ!!?」

「さっさと攻撃していればいいものを……」

「なんだとテメェッ!!!」

 

 そしてヨオテンが雷を纏った拳で殴りかかってこようとしたが、次の瞬間、ヨオテンの身体は宙へと浮き、他の天使たちも後方へと吹き飛ばされた。

 

「な、何…!!?」

「あまり使いたくはないが… 仕方ない」

 

 スタンドアドバンスエイワン。雷で属性不利だったとは言えど、力の解放は進んでいた。多少動けなくなったくらいで、あの様にベラベラと喋って数秒の隙が有れば、すぐにでも立てるくらいには回復してしまう。

 ヨオテンはすぐさま立ち上がり攻撃を再開する。

 

「このクソ雑魚がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「自己紹介なら最初にやっておくのだな」

 

 メレフはメレフキーブレードを取り出し、ヨオテンの拳を受け流し、そのまま懐へ一気に攻め込む。

 懐に入られたヨオテンは両拳でメレフの頭を両側から潰そうとするが、それも一歩遅く、彼の身体に刃が入る。

 

「かはぁっ…!!」

「はぁぁぁぁっ!!!」

 

 ヨオテンを切り飛ばす。彼は無様に地面へと転がる。

 他の天使たちはそれを気にも留めず、4人は前に出てきた。ナナテンという女の天使がメレフに言う。

 

「あんた… これで勝ったつもりになってる訳?」

「力の差は歴然だ。大人しくしろ」

「…… あっそ。じゃあこれでも?」

 

 ナナテンが指を差す方向を見ると、そこには逃げ遅れた人々がダテンによって人質に取られていた。

 

「… お前らッ!!」

「はーい、これで私たちの勝ち」

「デモンティアを倒す為だけに他の人を犠牲するなッ!! お前たちの目的は俺たちだけだろう!!」

「私たちも良くはないってのはわかってるんだけど、仕方ないのよ。これ以上時間かけちゃうと()()()に怒られるから」

「あの方…?」

「はい、話は終わり。そしてあんたもここで終わり。大人しく始末されるなら解放してあげてもいいけどー?」

「くっ…!」

 

 メレフは選択を迫られる────。

 

 

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 源次とジェルエは携帯の情報を頼りに急いで街へと向かっていた。

 

「街の方で派手に暴れてるみたいだな!」

「そうだね…」

「気にするなジェルエ。お前の力であぁなってる訳じゃない。あいつらが全部わりーよ」

「うん」

「急ぐぞ。俺の予想が正しけりゃ、あのクソ天使共に1発ぶち込んでやらねーといけない気がする!!」

 

 その道中、目の前に天使が舞い降りた。ムウテンだ。

 

「やぁ、お2人さん」

「ムウテン…!」

「おやぁ? 何やらとても焦っているようだけど、何か急ぎの用事でもあるのかい?」

「お前には関係ねーよ。さっさとどっか行けよ」

「それはできない。君たちの力を使う時が来た」

「ほう?」

「街の方で暴れているダテンという奴がいてね。そいつらを使ってメレフを倒してほしい。安心して僕たちも手を貸す」

「…… 1つ聞いてもいいか?」

「なんだい?」

「そのダテンって奴らが暴れてるのお前らのせいだよな? それあいつらだよな?」

「デモンハンター達だけど、彼らが暴れているのは彼らの意志さ。僕は何も指示していないよ」

「嘘も大概しろよな… 全くこのクソ天使」

「酷いなぁ。とにかく早くしてよ」

 

 すると、源次はプレイドライバーを腰に装着する。

 それを見たムウテンはニコッと笑って何をするつもりか問う。

 

「その行為は一体何を意味するんだい? もしかして今から変身してすぐにでも現場へ駆けつけるとか?」

「馬鹿、ちげーよ。目の前にいる敵を倒す為に準備してんだ」

「………」

 

 ムウテンから笑顔が消えた。彼のこんな顔は初めて見た。妙な不気味さを醸し出しているが、源次に恐怖はなかった。

 

「行けるなジェルエ」

「うん」

「まぁ応援しててくれや。こんな奴は秒で倒しちまうからよ!」

「頑張ってね… 源次ッ!!」

 

 ジェルエがドライバーの中へと入ると、源次はプリーストライズキーをドライバーにセットし、回して変身する。

 

「変身ッ!!」

《祈る!!願う!!導きのままに!!プリースト!!》

 

 この状況でムウテンは構えようとはしない。目には光を感じられない。

 プリーストはムウテンがどのような感情を抱いているかわかる。あれは殺意だ。殺すつもりだ。

 

「いいかい? 僕に逆らうという事は、君にとって最悪な結末になるとおもうけど…… それでも君は僕と戦う?」

「戦って勝つ。そして仲間を救う。お前みたいなクズな奴らに縛られて、俺の自由を妨げられてたまるかよ!!」

「…… 手加減はなしだよ」

「上等だ… 懺悔しろ。お前が今までやってきた行いをなッ!!────」

 

 

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「どうすれば…」

 

 ダテンにより人質が取られている今、メレフに残された選択は1つ。エンジェルティアにこの命を渡すという事のみ。

 更にナナテンは煽る。

 

「ほら、さっさと決めないと1人殺すけど?」

 

 ナナテンが手を挙げると、ダテンは1人の首を掴み、そのまま捻って首を折ろうとし始めた。

 

「やめろ!!」

「やめてほしいなら、あなたの命を貰うけど」

「わ、わかった…」

「きゃはは!! そうよね。それしかないものね…… 安心して。簡単には殺さないから。何度も何度も何度も痛めつけて、地獄の苦しみを与えてからお陀仏だからよろしく」

「…………」

 

 そしてメレフは立ち上がり、ドライバーの鍵を引き抜く。が、変身は解除しない。それどころかもう一本別の鍵を取り出す。他の鍵とは違い、それはひと回り大きいものだった。

 その行為にナナテンは顔を歪め、ダテンに人を襲わせようとする。

 

「何をする気か知らないけど、それ以上変な事をするとただじゃおかないわよ?」

「どうしようもない時ってこういう時だよな……」

「は?」

「頼むぞ───…… ンードゥ」

《ドゥラスト!!》

 

「ドゥラストティアイズキー」を起動した瞬間、辺りは一瞬で濃い闇へと包まれる。全ては闇へと飲み込まれ、やがてそこには静寂だけが訪れる。

 

「─── え?」

 

 恭也が気づいた時には変身が解除され倒れていた。

 辺りを見渡すと、そこには誰1人としていなくなっていた。

 

「…… まさか… そんな事がっ…!!」

 

 今少しだけ覚えている光景は全てが闇に呑まれた所。気づけば辺り一面殺風景になっているという事だけだ。瓦礫やビル、人も天使も全てが無くなっていた。

 

「俺は取り返しのつかない事を───」

「───する前でよかったな」

 

 恭也はいきなり声をかけられ、驚いて後方へと反射的に下がる。

 声の主はンードゥであった。

 

「ンードゥ…」

「これが我の力だ。その身で思い知った事だろう」

「……っ!! そうだ! エイル達は!?」

「我の闇でこの場から避難させた。今はお前の根城で寝ている」

「そうか…… いや、他にも……」

「人間共も同様にこことは別の場所へ移動させた。天使共は早々にゾンビルに似た奴らを連れ、どこかへと逃げ出したようだがな」

「…… よかった」

「もし、その鍵を使い姿を変えようものなら、どうする事もできなかっただろう。起動段階で済んで運が良かったな」

「ありがとう… ンードゥ」

「今回だけだ。次に何かあろうと我は手助けはしない」

「あぁ… 気をつける。いらない世話をさせた」

 

 ンードゥは言わなかった。助けないのではなく、助けられないという事を。今の王の力は前王よりも強力になっていると、既に感じ取っていた。

 最後の数字を持つ彼を使いこなせる日が来るのだろうか。そういう不安を抱える最中、エンジェルティアの暴走は更に加速する───。




今更ですが、前王が使っていたデモンティアイズキーについては番外編にて回収させて頂きますので、すいやせ〜ん…ま〜だ時間かかりそうですかね〜って言う方々!もう少しお待ちください!
そしてエンジェルティア編も終わりに近づいております。(ついで

次回、第21解「我と絆、我と共闘」
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