仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。新章です。中盤戦です。
それではどうぞご覧下さい。


使徒編
第24解「我ら使徒、我ら滅び」


 エンジェルティアたちが起こした騒動から1ヶ月が過ぎた頃、恭也達が暮らす街は何事もなかったかの様に、今までと同じ通りの生活が始まっていた。

 この騒動の発端であるエンジェルティア達はその後どうなったのかはわからないが、普通に天界で暮らしているのではないだろうか。

 デモンティアも全て封印され、エンジェルティアも倒され、デモンハンター達は解散するかに思えた。しかし、例のムウテンのお陰で、市民に悪魔との繋がりがあると思われてしまった為、源次達は引き続きその責任を取る様な形となり、打倒メレフに向けてデモンハンターとして残る事になった。源次達はその事情を知っている為か、何とか誤解を解く為に動いてくれているそうだ。

 一方、激しい戦いを終えた恭也はと言うと────。

 

「うぅん………」

「大丈夫ですか恭也様?」

「私たちが隣にいるから安心して眠りなさい」

 

 自分の部屋の1人用のベッドに川の字になって、左からエイル、恭也、メロクの3人で寝そべっていた。恭也はあの日、一時的にだがンードゥの力を操った事、そしてそれを行う為に王の力を最大限に発揮した事による反動で、この1ヶ月の間ずっと体調が悪い。

 なのに、彼女達は恭也を挟んでいる。心配してくれているのはわかるが、非常に息苦しいのでやめてほしい。ていうかやめて。

 

「エイル、メロク…… 偶にならまだいいが、こう毎日続けられると困るのだが……」

「えぇッ!!!!??」

「何故そんなに驚く」

「恭也様がお持ちになっていた本を少々読ませていただいたのですが、人間の男はこうすると喜ぶと………」

「ジェイクゥゥゥゥゥ!! 今すぐその本を燃やしてくれぇぇぇぇぇ!!」

 

 この様に悪魔が8人もいれば部屋はぎゅうぎゅうに詰められ、必然的に騒がしくもなる。騒がしいのだが、静かな時よりずっといい。調子が悪いと言えど、愉快な悪魔たちがこうしてくれるだけで一時的に忘れられる。

 

「…… さて、少し動くか」

「あまり無理なさらない方が… それに───」

「わかっている。動くにしても夜中だ」

 

 あの騒動により正体をバラされた恭也の生活は、以前と全く同じままとはいかず、家にテレビ関係の人達が集まったり、警察が駆けつけたりと、散々な目にあっている。両親は正しい事をしたと言ってくれてはいるが、会社の同僚や隣人、友人たちにも広まり、更には恭也達の家系が悪魔に関連していることがわかった事でより一層迷惑を掛けることとなっている。

 

「… デモンティアも一応だが全員封印して、エンジェルティアとの因縁も終わった……… なのに、どうして俺は戦っているんだろうな」

「恭也様…?」

「いや、その…… 俺の王の使命って全てのデモンティアを使役する事だよな」

「はい、その通りでございます」

「もしも俺の王の力が全て解放されて、ンードゥも配下となり、悪魔の王として君臨するなら、それはそれで全く問題はないと思う。だが、もし俺が死んでしまったとして、お前達のその後はどうなるんだ?」

「……… 万が一恭也様がお亡くなりになられたとして、その場合は我々デモンティアは封印から解き放たれ、本能のままに人間を襲う事でしょう。再びエンジェルティアとの戦いが始まり、やがて世界は滅びる事になる可能性があります」

「そうか。なら、俺は何としてでも生き延びなきゃいけない訳だ」

 

 この身体は既に限界が近づいて来ている。あと何回変身することができるのだろうか。再びンードゥの力を使ったらこの身は持つのだろうか。

 先の不安が溜まっていく一方、エイルが何かを察知する。玄関前に珍しい客人が来ているらしい。

 恭也は玄関まで行き、恐る恐るドアを開けると、そこに立っていたのはムウテンであった。

 

「ムウテンッ…!!?」

「やぁ、久しぶり王。今日は君に話があって来たんだ。源次も一緒だよ」

「……… 何があった?」

「あぁ、非常にまずいことが起きた」

「まずい事?」

「───── ()()()がお怒りだ」

 

 

 ------------------------------------------------------

 

 

 恭也達が連れて来られた場所は、かつて源次も出入りしていたエンジェルティア達の住む天界だ。不思議な光に包まれて、ここへと一瞬できた訳だが、そこには既に源次とジェルエ、それからエンジェルティア達全員が集っていた。

 以前ならばあり得ない光景だが、それほど非常事態なのだろう。ムウテンは早速本題に入り始めた。

 

「君たちに集まってもらったのは他でもない…… 先ほども言ったあの方の怒りを買ってしまった」

「あの方?」

「王。君に質問するけど、エンジェルティアの数が少ないのは何故だと思う?」

「それは1000年前にお前達が…… いや、デモンティアとは互角だった筈だ。仮にそちらの1人2人倒しているなら、こちらも72体全員無傷とはいかない筈だ」

「そうだよ。本来ならそうなるんだ。でも、これはデモンティアのせいじゃない」

「じゃあ何だって言うんだ?」

「僕たちの大半を消したのは他でもないあの方、僕たち天使より位が高く、生物の概念が通用しない絶対的存在───── 神だよ」

 

 神。悪魔と天使がいるのならあり得ない話ではないが、実際「神」と言われると、規模の大きさをわかっているので少しばかり疑ってしまう。

 

「神……」

「本題に戻ろう。あの方がお怒りになられた。理由は簡単…… デモンティアとエンジェルティアがこうしているのが気に食わないみたいだよ」

「… 互いに戦い合う関係であるにも関わらず、俺たちは争う事をやめてしまったからか?」

「そうとも言うのかな…… あの方は生物の本能を尊重する方だ。それが絶対であり、真理であるからこそ、僕ら天使と君たち悪魔は共に仲良くしちゃいけない。永遠に戦う続ける運命にあるんだ」

「その考えは間違っている。理が云々関係ない。俺たち人間、悪魔も天使も感情を与えられた生物だ。自分がしたいまま生きるのが当然じゃないのか」

「…… あぁ、今ならそれなりにはわかるよ。だけど、人間はそうだとしても僕たちは違うんだ。デモンティアも含めてね」

「なに? それはどういう─────」

「── 恭也様ッ!!」

 

 恭也がムウテンの言葉に反応したその時だった。エイルに名前を呼ばれて振り向くと、そのタイミングで顔のすぐ横を何かが通り過ぎる。少し掠ったようで頬から血が垂れる。

 そして恭也はすぐさま飛んできた方向に身体を向けて構える。

 

「誰だ!!」

 

 そう恭也が叫ぶと、攻撃してきた張本人であろう人物が、深く被ったフードの隙間からこちらを赤い目でジッと見つめて来た。

 その人物はエンジェルティア同様に翼を生やしており、宙に浮かびながら指を突き出して次の攻撃に備えてエネルギーを溜めていた。

 

「これはまずいな」

「おい恭也! 変身するぞ!」

「源次… わかっている」

 

 2人は横に並ぶとそれぞれドライバーを装着した後、エイワンティアイズキーとプリーストライズキーを起動し、それをドライバーに差してからキーを回す。

 

「「変身ッ!!!」」

 

 仮面ライダーメレフ、プリーストに変身した2人は攻撃に備えて構えた。その後ろから援護ができるよう、エンジェルティア達が並び立つ。

 それを見た謎の人物は地上へ降り立つとゆっくりとフードを外す。そして唐突に話し始める。

 

「悪魔の王よ。無駄な抵抗はよせ」

「…… お前は誰だ?」

「その質問に答える必要はない」

「神の部下か?」

「ほう…… 流石にわかるようだな」

「エンジェルティアがこの場にいるのに、他に誰がこの場に来ると言う?」

「それもそうだな。いいだろう答えてやる。私は神『ゴエティア』様の使徒。名は『リアル』。お前たち悪魔と天使を抹殺する者だ」

「抹殺だと…!?」

「ゴエティア様はお前たちが共存の道を選んだ事を、この上なく気に入らない様だ。だからだ」

「ふざけるな!! 争い続ける事に意味はないだろ!! そのゴエティアは生命をなんだと思っている!!」

「神の意志に意見するとは…… いいだろう。この場で今すぐに消してくれる」

 

 その直後、リアルの指先からレーザーが放たれる─────。

 

 

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 エンジェルティア達が住む天界は原型を留めないほどの大惨事に見舞われた。使徒の強さは圧倒的で、ムウテンを除くエンジェルティア達は既に戦闘不能状態。メレフはスタンドアドバンスエイワン。プリーストはスタンドホリージェルで対抗。

 この2つの形態は現状最強と言えるのだが、この形態で挑んでも互角であるという状態。そこにムウテンも加勢しているので、実際は3人で戦っているようなものである。

 

「マジかよ…… こんなの聞いてねぇぞ畜生…」

「源次、安心しろ。俺の力は奴に対してあまり効果的ではないが、お前の攻撃は通っている。俺とムウテンが隙を作る。その隙を突け」

「いいよ。本当は逆らいたくない所だけど、仲間がこうなっている以上、黙っている訳にはいかないからね」

 

 ムウテンも随分変わった。メレフはそれに内心嬉しく思いながら、剣を構えて使徒リアルの元へと駆け出す。その後ろから援護態勢で飛ぶムウテンがついていく。その2人の後ろから一点集中で狙いを定めるプリースト。

 3人の息が合えば互角ではなく、全体的な攻撃力が格段に上昇し、リアルも1人では太刀打ち手がないはずだ。

 メレフ、ムウテンは互いにリアルへと隙を見せない連続攻撃を食らわせる。その猛攻にリアルは対処しきれず、段々と明確に隙が見え始める。

 

「隙が見え見えの見え見えだぜ!! 使徒さんよぉッ!!!」

 

 そしてプリーストはドライバーのキーを回し、杖先に溜めた光のエネルギーをレーザーにして放つ。

 それに本能的に気づいたリアルであったが、凄まじい勢いで近づくレーザーを避ける事ができず、そのまま全身を包み込む程の光を食らってしまう。

 

「よくやった源次」

「これで終わってくれればいいんだがな……」

 

 これで終わりであってほしい。そう願う彼らの願いは、案外簡単に叶う事になった。

 リアルは全身ボロボロとなり、その場に倒れていた。暫く様子を見たが動く様子がなく、ムウテンが言うには生命反応もないらしい。完全に死んでしまっているようだ。

 

「ここまで簡単でいいのか…?」

「まぁまぁ終わったんだからいいじゃん。神の使いだかなんだか知らねーけど、俺たちの力には遠く及ばなかったって事で」

 

 そうフラグを建築したプリーストに、次の瞬間、細かく枝分かれしたレーザーがあらゆる箇所に直撃し、後方へと吹き飛ばされてしまう。

 

「うおっ…!!?」

「源次ッ!!」

 

 すぐにメレフは戦闘態勢に入り、リアルが倒れていた方を見る。リアルは生きていた。先ほどまで何もなかったかの様な出立ち。ただの再生とは全く違う。まるで生まれ変わったかの様な、それを確信させるのはやはりこの出立ちだ。ボロボロというのは原形を留められていないくらいの外傷だ。もしスタンドアドバンスエイワンだったとしても、あれほどのダメージを受ければ再生することは困難だろう。

 なのに、リアルは何もかもリセットしてその場に立っていたのだ。

 

「……… どういう事だ…!!」

「私は使徒。ゴエティア様から直接お力を頂き、どんな攻撃を喰らおうと、この身体が細切れになろうと、例え細胞の一つも無くなったとしても、何度でもこの世に生まれ変わり存在することが出来るのだ」

 

 こんなデタラメな能力は生物的にアリなのだろうか?そう思うくらい狂っている。

 いくらこちらの戦力の方が上でも、このまま戦ったら永遠にループし続け、確実に負ける事は予想できる。

 

「くそっ…!!」

「さぁ、これで終わりだ。悪魔の王よ」

 

 ─── 使徒に勝つ術はあるのか─────?




新たな敵は使徒。そして神。メレフ達は勝てるのか…!?

次回、第25解「我を笑う、我を食らう」

次回もよろしくお願いします!!
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