仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第28解「我が嵐、我が轟く」

 今となって重要なのは絆の力。恭也はこの絆という力の源については全くぴんと来てはいなかった。

 デモンティアたちは自分にとってかけがえのないもの、家族そのものだと考えて今までこうして過ごしてきたが、結局は彼がそう思っているだけで主従関係であることに変わりなかった。

 だが、リアルを倒してからというもの、絆の大切さが今になってどれほど重要かが身に染みてわかる。

 

「おいおい、そりゃいい兆候だな」

「俺も驚いた。だが、これをモノにする事ができたら残りの使徒も倒せるだろう」

「俺はもういらねーな」

「そんな事はない。しかし今回に至っては俺たちに任せて欲しい」

「別にいいぜ。ま、陰ながら見守るって事で」

 

 恭也の自宅にて源次にこれまでの事を話した。

 絆の力が生み出す奇跡。この力が強まれば恭也の死は回避できる。皆がそう思っていた。

 

「お次はレビトって奴をやりてーな……」

「お前たちを襲った奴か」

 

 レビトは使徒の中でも随一に狂った奴で、下半身をタコの様な触手にして攻撃を行う見た目も中身も気味の悪いやつだ。

 この使徒と戦った源次だが、案の定倒す事はできても、すぐに復活されてしまうのでその場から一時離脱した。ムウテンたちですら手も足も出せない奴だ。

 

「だからよ恭也!! お前の悪魔たちとのそれで奴らをぶっ倒してくれ!!」

「わかってる。任せておけ」

「…… あの天使の奴らはよ。最初は本当クソ野郎だったんだ。今でもちゃんと許せるかって言われたら無理な話さ…… でも、更生してマジになってよ。仲間守るとか昔のあいつらにはなかった優しさだ。だからあいつらを傷つけた使徒どもはどうしても許せねぇ!! 昔は何であれ今は俺たちの仲間だ!!」

「…… ふっ、前とは違うな。今を見るか」

「今を見た方がいいだろう? その方が肩が軽くなる」

「よし、ならば早々に奴らを倒さなければならないな」

 

 そう意気込むと同時にエイルたちが使徒を感知した。

 

「行くぞお前たち。俺たちの偉大さを奴等に刻み込んでやるぞ────」

 

 

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「けけけけけっ!!! けーけっけっけけけけけけけけけっ!!!」

 

 街に出向くと、既にレビトが暴れ回っており、触手で人を掴んで今にも握り潰してしまいそうな所を目撃し、恭也はメレフへと変身して剣を振り翳す。

 レビトは瞬間、人を地面に叩きつけたかと思うと、血がべったりと付いた触手を薙ぎ払って血を飛ばし、メレフの視界を血で染めて遮った。

 

「ちっ…!!」

 

 人を救えなかったという無念に思いながら、同時にこのレビトが意外に頭を使う事に驚いた。

 そしてレビトの触手は何も見えないメレフを無慈悲に捉えて地面へと叩きつけた。

 

「ぐはっ!!」

「けけけっ!!! 気持ちいいかぁ!!?」

 

 次に無数の触手がメレフに襲い掛かろうとしたその時、デモンティアイズキーからエミーの声が聞こえた。

 

「頭を使おうが何しようが僕たちの柔軟さには敵わないさ。特に僕の素晴らしいほどのか柔らかボディには───」

「まぁ今だけはノってやろう。力を借りるぞエミー!!」

《エミオン!!》

 

 風の力を有したエミオンティアイズキーをドライバーに装着し、それを捻ってその身に新たな装甲を纏う。

 

《悪魔の名はエミー・オン!!30の数字を持ち、その突風は全てを吹き飛ばす!!》

 

 スタンドエミオンの姿へと変わったメレフは風を操り、ギリギリな所で触手を躱して空へと舞い上がる。

 レビトは使徒リアル同様に翼を有しているが、発達した触手を数本も抱えて空を自由自在に舞えるはずがない。メレフはそう思い、エミオンの専用武器の双剣へと持ち替え、レビトの頭上から風の刃を放った。

 

「けけっ!! もしかして上ならやれると思った!!? 優位に立ち回れると思ったのか!!?」

「なに?」

 

 するとレビトは人並み程しかなかった翼を、触手と大差ない程に大きくし、発達した触手で地面を叩いて空へと舞い上がった。

 メレフの放った風の刃を、その見た目から想像できないくらいヒラリと身軽に躱して見せ、彼の元へと凄まじい速度で飛んできた。

 

「速いっ……!!」

 

 メレフはその身を風に任せてレビトの突進を躱そうとした。

 だが、レビトは風を切るように翼を大きく羽ばたかせると、突風が吹き荒れ、メレフの身体はそれによってバランスを崩してしまう。

 風を操ろうとするが、想定以上の風の強さにより、エミオンの力は無力と化した。

 

「けけけけけけけっ!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」

 

 あらゆる方向から伸びてきた触手の殴打がメレフを襲う。

 レビトの凄まじい風圧による避けようのない攻撃を受け、上空から真っ逆さまに落ちる。

 

「王、この後はどうするんだい?」

「ひとまず地面への直撃を防ぐ」

 

 そしてメレフは風の力を操り、その風をクッションの様にして自身を優しく受け止め、不安定であった体勢を立て直す。

 

「さて、奴はどうしたものか…」

 

 使徒レビトは特殊な攻撃手段は持ち合わせてはいないものの、肉弾戦においては右に出る者がいない。

 あの時、プリーストが勝てたのも真正面からではなく、光の力を使った遠距離からの攻撃によるものだった。それは源次自身もわかってのことだ。

 ただ相対しているこの状況、前回戦った時よりも遥かに筋肉量が多い。当然、メレフは初戦闘となる訳だが、源次から色々と聞いている為、相手の技等は少しは把握できている。

 が、実際はこちらがテクニックを用いて戦っているのに対し、相手は力こそパワーというデタラメな物理手段でねじ伏せてくる。

 

「……… 王、お前の力はこの程度ではないだろう」

「ゼフォーか」

「……… 風と雷は相性が悪い… だが、今のお前であれば… 相性の悪いこの2つをうまく使いこなすことができるはずだ」

「その2つをどうしろという?」

「奴が物理で攻めてくるのなら…… 俺たちは魔法… 遠距離からの火力で攻めるまで…」

「なるほどそうか。雷は風に弱いのであれば……」

「そうだ… 奴が逃げられないほどの巨大な雷風に沈めてやろう…」

「そうと決まれば…… 行くぞッ!! エミー!!」

 

 そしてメレフはエミーの力を使い、誰もが視認できるほどの強烈な風を周囲に発生させる。

 その風に乗ってレビトの周りを飛行しながら、エミオンティアイズキーをゼフゼロティアイズキーと交換し、雷の力を有した形態「スタンドゼフゼロ」へと姿を変える。

 レビトはそれを見て嘲笑う。

 

「けへっ!! もう何をしようと無駄だ!! お前たちのやわな攻撃じゃ傷ひとつつかないぃぃぃぃぃ!!! 撃ち落として血の噴水を作ってやるっ!!!」

「無駄ではない。俺たちの力はお前の想像を遥かに凌ぐ」

「やってみろぉぉぉぉッッッ!!!」

 

 今にも飛びかかろうとしてきたレビト。

 だが、それよりも早くメレフはゼフゼロの専用武器の槍を作り出し、雷のエネルギーを纏ったそれをレビトに向かって投げた。

 当然、その槍は簡単に弾かれてしまう。

 

「さっきよりも弱いなぁ!!! けけけけけけけけっっ!!!」

「当たり前だ。お前に攻撃する為に投げたのではない」

「け?」

 

 弾かれた槍はエミーの作り出した風に乗り、徐々に上昇し、やがてメレフの手はと戻っていった。

 すると、竜巻の様な風はバリバリと音を立て始め、気づいた時にはレビトの周りには雷と融合した風が吹き荒れる。

 

「…… けっ!! これがどうしたぁ!!? すぐ壊してやるッ!!」

 

 そう言ってレビトが風の中に腕を突っ込むと、強烈な痺れが腕を伝って全身を駆け巡る。慌てて腕を引っこ抜き、再び竜巻の目の中へと戻った。

 竜巻は徐々に間隔を狭め、身体にピリピリとした痺れを感じさせる程に近く付いた。

 

「な、なんだこれ!!? なんでこんな力がッ…!!」

「…… 相性の悪い雷。本来であれば風によって分散され、やがて消える。だが、逆にそれを利用した。威力の低い風の力を広範囲で威力の高い雷、その力を落とさずにうまく分散させる事で本来ならばあり得ないはずの大きな力へと昇格させた」

「そんな細かく動かせる力が一体どこに……!!」

「知らないな。ただ言える事は王としての力が使う度に覚醒している事。そして俺の死も早め──── まぁいいだろう。ここで終わりだレビト」

 

 メレフはゼフゼロティアイズキーのスイッチを押して捻り、槍に強大な雷のエネルギーを集中させる。更に槍にエミオンティアイズキーを差し込んで捻ると、それに被さる様に風の力が纏わりつく。

 すると、レビトを取り囲んでいた風が、今度は急に逆回転をし始める。

 

「うぐぐっ…!!!?」

 

 風は上昇するのではなく、凄まじい勢いで下降し、レビトの身体を地面へと押さえつける。

 

「本来ならばあり得ない風の動き… しかし、それを現実的に変えてしまう。これが王の力──── 眠れ、悲しき使徒よ」

《ゼフゼロシャットアウト!!》

 

 メレフは上空から槍をレビトに向かって投げつけた。槍は下降する風に乗って速さを増し、更に周りを取り巻く雷のエネルギーによって回転数を上げ、威力と貫通力を最大限に高める。

 

「う、うがぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 そんなレビトは触手を使って、無理やり上半身だけ持ち上げた。

 だが、そうした事も束の間、レビトの胸を槍が貫き、全身に強大なエネルギーが駆け巡ると、勢いよく爆発して散ってしまった。

 

「……… うっ…!」

 

 それから恭也は強制で変身が解除されて地面へと落下しそうになるが、エミーがすかさず風を操り、彼を安全にゆっくりと地面へ下ろした。

 全身の力が抜けきっている恭也にエミーとゼフォーは近づく。

 

「はぁ…… はぁ……」

「どうだい? 僕達の力を最大限に使った感想は?」

「悪くない… お前たちよくやった」

 

 息を整えながら恭也はレビトを倒した事に安堵すると、残りの使徒たちが後何人いるのかと考え始める。

 相手の数が多いほど自分の命が持つかどうか…。

 

「悪魔たちの為に……」

 

 恭也はボソリと呟くとそのまま眠ってしまった────」

 

 

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「そうか。レビトがやられたか」

「その様だ」

「…… ゆっくりとしている暇はない」

「王の力が覚醒している。俺たちもただでは済まない」

「だからと言ってどうする事もできん。私たちの目的はただひとつ。ゴエティア様が真の力を発揮されるまで耐える事のみ」

 

 ゴエティアに仕える使徒が2人、アスモとガーズは兄弟である。アスモが兄で、弟はガーズ。

 2人はメレフの戦闘能力を把握する為、しばらく様子を見ていたが、レビトまでもがやられてしまった事で傍観している場合ではないと悟った。

 

「兄上。俺はあの悪魔狩りの方を倒す」

「ならば、私は悪魔の王を倒そう。そちらは頼むぞ」

 

 神の力を取り戻す為、最後の使徒が動き出した───。




以上です!!めっちゃ遅れました!!
多分本編初で武器にデモンティアイズキー差し込んで必殺技しました。はっきり言ってこの仕様を忘れてました。ははっ。

次回、第29解「我が堅き、我の閃光」

次回もよろしくお願いします!!
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