仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。
それではどうぞご覧ください。


第30解「我の意志、我の怒り」

(何故光の速さについて来る…!!)

 

 仮面ライダーメレフ スタンドメローラ。

 この形態は光の力を操る事ができ、数秒間だけではあるが、自らのスピードを光速にまで上げられる。

 だが、ガーズは光の速度についてきた。

 そしてメレフの維持できる光速は数秒で終わったが、ガーズは光速を保ったまま移動を続ける。

 

「しまった…!!」

 

 ガーズは光速の蹴りを放つ。

 その閃光の蹴上げはメレフの腹部を捉え、彼の身体を「つ」の字に変えるほど曲げてしまう。

 そうしてメレフは更に上空高く吹き飛ばされた。

 光速で移動するガーズは瞬時に回り込み、地面に向けてメレフを踵落としで落下させる。

 

「ぐはぁっ……!!!」

 

 一瞬で地面に激突するメレフ。

 それを追撃しようと光の速さで向かおうとするガーズはその動きをピタリと止める。

 

「ほう… 流石は悪魔の王の後継者であると言えよう。受け身を取ったか」

 

 仮面ライダーメレフ スタンドネゴレイ。

 ネゴールの属性は土。それは土だけに止まらず、岩や石、コンクリートでさえも土という地面に該当するものであるならば何でも操ることができる。

 現代社会においてこれほど強い能力はとても頼もしい。

 今もガーズに吹き飛ばされた瞬間、その一瞬の間にフォームチェンジを行い、ネゴレイによる地面の操作で受け身を取ってみせた。

 

「だが…… 砂は砂か。なるべく散らそうと思ったが、あの一瞬でそこまで操作はできないか… ごほっ!」

「おい、王! 大丈夫か!?」

「あぁ、なんとかな……」

「わしの力でどうにかなる相手ではない…… が、メロクでも追いついてくるとなるとなぁ…」

「スピードもパワーも桁違いか」

 

 メレフは砂をかき集め、クッションの様にしようとはしたものの、砂を1箇所に固めては最早それは地面に等しい。衝撃を吸収しきれない。

 こうして敢えて散らばらせては見たが、多少どころか結構な衝撃をくらってしまった。

 

「あいつの能力はそれか?」

 

 メレフがそう思っていると、上空から凄まじいスピードでガーズが向かってきた。

 それに慌てて目の前に岩壁を作ったが、ガーズの前では最早無意味。

 ガーズは岩壁を拳による一撃で破壊すると、そのままメレフの顔面に強烈なパンチをくらわせる。

 その一撃にメレフの顔の装甲にヒビが入る。

 

「ぐはぁっ…!!」

「まだ次があるぞ」

 

 そうしてガーズの右腕がみるみるうちに膨れ上がる。

 それを見たメレフはガーズの能力に察しがついた。

 

「肉体強化か!!」

「だからどうしたというのだ」

 

 なんだこの重さは。

 右腕が肥大化したガーズのパンチは先ほどのものと比べようがないほど強烈だった。

 メレフは後方に大きく吹き飛ばされ、その勢いのまま変身が解除される。

 

「うぐぅ……っ…!!」

「王よ。最早この程度だったか」

「ガーズゥ……!!!」

「冥土の土産にお前達に教えておいてやろう」

「なにをだ」

「エンジェルティア達は全滅した」

「………… なんだと……?」

 

 その言葉に嘘偽りがない事はわかった。

 エンジェルティア達が全滅しただと?こいつは何を言っているんだ?

 

「俺の兄、アスモの手により、奴らは粛清された」

「ふざけるな……」

「これは神に背いた罰だ。そしてお前達も神に背き、我々の計画を阻止しようとしている」

「お前達の計画だと?」

「これは本来言うはずもない事。だが、冥土の土産にエンジェルティアが全滅しただけでは、あの世へ行ったところで手持ち無沙汰ではあるだろう。特別に教えてやろう」

「……?」

「我々の計画それは──── 全人類の滅亡である」

「なっ……!!!」

 

 人類滅亡。

 こいつらの神は人間を消し去るつもりなのか?

 

「なぜだ… 何故そんなことをするッ!!!」

「不要だからだ。ゴエティア様にとって人類とは価値のない異物。存在そのものが罪なのだ」

「ふざけるな貴様ッ…!!」

「これが神の意志だ。俺がどうこうする訳ではない。神の意志は絶対なのだ」

「そんなものが神の意志だと…? この世界に住まう者たちにお前達は理解しようとしたのか? 何でもかんでも自分の思い通りにしようとしているだけの我儘ではないのか!!?」

「黙れッ!!」

 

 恭也はガーズに腹部を力強く踏みつけられ、身動きが取れず、呼吸するにも息をうまく吸えない。

 

「お前達の様な人間では理解できない。神はそれほど絶対だ」

「…… であるならば、やはり神の方が不要だ」

「なんだと…?」

 

 そして恭也は倒れているエイル、ネゴール、メロクに向けて叫んだ。

 

「エイル!! ネゴール!! メロクッ!!」

「うぅ……」

「お前達は俺に従うのだろう!!? ならば今、俺にもう一度力を貸せッ!! 俺の命がどうなろうと構わない!! 俺はガーズを倒したい!! その為にはお前達の力が必要だッ!!」

「恭也様……っ…!!」

「こいつらの様な身勝手で…… 人類を…… エンジェルティア達を…… デモンティア達を…… 命だと思わないこいつらを俺は許せんッッッ!!!」

 

 ガーズは更に脚に力を込める。

 

「ぐわぁぁぁぁあ………!!!」

「やはり悪魔の王よ。お前の思想は危険だ。ここで排除しておく方がいい」

「エイルッ!!! ネゴール、メロクッ!!! こいつを…… 倒すぞッ!!!」

 

 恭也の言葉に彼らは立ち上がった。

 そしてガーズがトドメと脚を持ち上げた所で、彼らの力が有するデモンティアイズキーが光りだす。

 怒り、憎しみから生まれた力。

 だが、その力は固く結ばれる絆となって、彼らの力を引き上げる。

 

「変身ッ!!!」

 

 恭也はデモンドライバーにネゴレイティアイズキーを差し込んで捻り、スタンドネゴレイへと変身する。

 それからメレフはサッと立ち上がって踏みつけをかわし、スタンドネゴレイの専用武器である岩の拳をガーズに喰らわせる。

 

「うぐぉっ…!!?」

 

 自らの拳と同じ様に凄まじく重い一撃に、ガーズは受け身を取らないまま吹き飛ばされた。

 デモンティアイズキーの光は今も尚、強く光る。

 

「こ、この力は……!!? まさかリアルとレビトがやられた例の……」

「そうだガーズ。お前達では到底理解できない悪魔と人の結ばれた力だ」

「そんなものは存在しない…… ただの人間が調子に乗るでない」

「お前達の力がどれほど醜く、その考えがどれほど浅はかか。その身を持って知れッ!!!」

 

 

 *****

 

 

 その後の展開は圧倒的と言えるほど、メレフとガーズには差が生まれ、メレフが優位に立ち、自身の能力を最大限に発揮した凄まじい猛攻を続けていた。

 

「はぁッ!!」

「ぬぐぅうッ……!!」

 

 スタンドネゴレイによる雨の様に降り注ぐ砂。

 まるで八岐大蛇の如く、砂の首が何本も唸り、ガーズに攻撃するチャンスを与えない。

 先ほどの力とは比べるまでもなく、全く別物と言える変貌を遂げていた。

 

「絆の力だと? たかが人間の言う妄想がここまでの脅威となり得るのか?」

 

 ガーズは信じたくはなかった。

 神ゴエティアの様な最も高貴な存在が人間を愚弄したのだから、それが真実なのだと何一つ疑うこともなかった。

 この世に神を超える力はないと、人間は下等な生物だと。神への信頼が誰よりも厚く、神の手により造られ、神の力を与えられた存在の自分が敗北する筈もない。

 ましてや絆などという絵空事を信じるデモンティアの王が許せない。

 

「兄上…… 俺は信じない。神の命により、この下劣な存在を滅ぼす」

「やれるものならやってみるがいい、ガーズ。今のお前では俺たちの真の力の前に圧倒されるのみだ」

「その口をまずは引きちぎってくれようッ…!!」

 

 ガーズの腕が膨れ上がって血管が浮き出る。血管から赤い血が吹き出す。

 使徒であっても生物なのだ。

 と、戦いの最中でも実感できた。

 

「ネゴール!!」

「おうッ!!」

 

 そしてメレフは拳が当たる瞬間、ガーズの足元の地面を操り、その地面のみを突出させて上空へと吹っ飛ばした。

 手を振り回し、周りの砂をまるで嵐の様に激しい渦へと変貌させる。

 その砂が身体にまとわりつくガーズは、完全に身動きを封じられてしまった。

 

「はぁぁぁぁぁぁ──────」

 

 メレフは粘土を捏ねる様に周りにある地面に該当する全てを集め、目の前に巨大な土の球を作り出した。

 土属性のエネルギーが最大限に高まったそれを、身動きの取れないガーズへと発射する。

 

「お、大きいッ……!!」

 

 その大きさはガーズの身長を遥かに超え、包み込めるというよりも飲み込まれると言った方がいい程、巨大で高密度の塊が彼を襲った。

 更に天へと舞い上がったガーズ。雲よりも高く上がっただろうか。

 ガーズは態勢を立て直し、忌まわしきメレフの方を見るが、既にその場には誰1人として生物はいなかった。

 

「─── こっちだ。ガーズ」

「はっ……!!!」

 

 メレフはスタンドメローラにフォームチェンジし、光速でガーズの後ろへと回り込んでいた。

 背後を取り、剣をガーズに突き立てる。

 だが、ガーズは尚も諦めてはいない。

 

「俺はまだ終わってなどいないッ!!」

 

 メレフと同様に光速で移動し、距離を取ると、両腕を巨大化させ、拳を固めてから前方へと突き出した。

 すると、空気を揺らす衝撃が発生し、その衝撃波はメレフを襲った。

 

「くおっ…!!」

「神の為にッ!!」

 

 ガーズは光速でメレフの元へと行き、最大まで固めた拳でメレフの胸を殴った。

 ─── が、その拳がメレフに当たることはなかった。

 

「なんだとッ……!!?」

「その拳では最早、俺を捉えることはできん」

「悪魔の王ッ!!!」

「終わりだ」

 

 そしてメレフは光速に移動しながら、逆手に持った剣でガーズを縦横無尽に斬りつける。

 本来ならば光速化できる時間は僅かなのだが、今のメレフは数十秒と動ける様になっている。

 それでもたったの数十秒。少ないかもしれないが、光速の世界でその秒数があればお釣りが来るだろう。

 この止まることのない猛攻に、ガーズは内心で想像してしまった。

 自分が敗北する姿を。

 

「─── 眠れ、悲しき使徒よ」

《メローラシャットアウト!!》

 

 デモンドライバーに差し込まれているメローラティアイズキーのボタンを数回押し、光のエネルギーを最大まで剣に溜め込み、キーを捻り、光を纏った剣で一閃する。

 ガーズは左肩から右脇腹に掛けて切り裂かれ、そこから光が吹き出した。

 

「神よ……… 申し訳ございませ─────」

 

 そしてガーズは光と共に爆発し、この世界から跡形もなく消え去った。

 

「…… うぅ………」

 

 その時、勝利したメレフだったが、ガーズから受けたダメージにより、変身解除され、空から真っ逆さまに地面へと落ちてしまう────。

 

 

 *****

 

 

「───…… ここは……?」

「よう、起きたか」

「源次か…?」

「聞いたぜ恭也。やったんだな」

「あぁ」

 

 恭也は自室で寝ていた。

 どうやらエイル達が助けてくれた様で、その後も何かあった訳ではなく、無事自室で回復を図ることができたらしい。

 互いに使徒に勝った事を喜び、それから互いの情報を交換した。

 やはりエンジェルティアが滅んだのは確からしい。

 

「エンジェルティア達と和解できた…… これからだったはずだッ…!!!」

「あぁ、ふざけやがってッ!!! 見つけたら必ずぶっ倒してやるッ!!!」

 

 2人は怒りについ声を荒らげてしまうが、エイルやジェルエが彼らを宥める。

 

「…… アスモか。ガーズの兄らしいが、エンジェルティアをたった1人で倒すとは相当な実力者だ」

「そのガーズ以上って可能性あるな。ここまで強いと…… 最後って感じするぜ」

「最後の使徒か……」

「使徒に最後もあんのか知らねーけど、とにかくあいつだけは絶対に許せねぇ!!」

「そうだな。必ず奴を倒すぞ」

 

 アスモを倒す為、健闘を祈る2人の元に闇からンードゥが姿を現した。

 ンードゥは2人が驚いている事には触れず、恭也を見て一言。

 

「我に着いて来い」

 

 そう言うと再び闇の中へと消えていった。

 闇はその場に留まり、恭也が来るまで開いている様だった。

 

「話ってのはなんなんだ? 恭也、大丈夫かよ……?」

「いや…… ただ行くしかない。とても重要な事であるのは確かだ」

 

 恭也は重い身体を引き摺りながら、闇の中へと入っていく────。




皆さん大変お久さしぶりでございます。ごめんなさい。
現在、ポケモンエレメントというのをやっておりますが、あれは時間が空き、それの息抜き、又は気分転換に書いた作品となってます。
そしてこれにより私のオリ仮面ライダーシリーズようやく復活となりました。
更新間隔が空かない様に努めていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

では次回、第31解「我の明日、我と血」

次回もよろしくお願いします!!
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