それではどうぞご覧ください。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
プリーストの変身が解除し、砂に塗れながら地面を転がる。
デモンティアたちも必死に抵抗をして見せるが、まるで歯が立たない。歯すら立っていないだろう。
ゴエティアが少し腕を振るうだけで簡単に吹き飛ばされてしまう。
「ぐぅぅ……!!」
「お前達デモンティアが何人集まろうと、我の前では何もかもが無力。そして光の僧侶よ。お前もだ」
「まだまだぁ…!!」
そして源次はゴエティアの元へと走り、硬く握りしめた拳を振るって殴り掛かった。
が、その腕はゴエティアが少し触っただけで、バキバキという音を立てて関節が逆の方向を向いた。
あまりの痛みに源次はその場をのたうち回り、吐き気を催す。
「源次ィィィィィィィィィィ!!」
彼の元へジェルエが翼をはためかせて飛んでいくと、ゴエティアがジェルエの肩にビームを放つ。
肩に穴が空き、ショックのあまりそのまま地面へ倒れて気を失った。
「ジェルエ……っ!! くそぉっ!!」
デモンティア達も皆一斉に立ち向かうも、ある者は脚がズタズタにされ、ある者は肋骨を折られ、ある者は全身を焼かれた。
あらゆる力を使える神。それがゴエティアなのだ。彼らの持つ属性も元は彼ら神が分け与えたものに過ぎない。
当然、全ての属性をどの種族よりも強大な力で行使できる。
「デモンティアよ。これがお前達の結末だ。お前たち悪魔…… 天使も含め、我より格下のものなど、本来、我に触れることすら許されぬのだ。こうして対峙してやるのも有り難く思うがいい」
「……… これがエンジェルティアの神だと言うのか」
「……?」
ンードゥは続ける。
「我は知っている。貴様よりも遥かに慈悲深く、例えそれが悪魔であろうと境なく接する者がいる。我は初めて感情というものを知ったのだ。それは前王だけではない。今の王からも学べるものは多くあった」
「ほう…… それで、その王とやらは何をしている? 今ここにいない様だが……」
「奴は来る。我の認めた王は必ず……」
「では、その王とやらに出てきてもらおうではないか。出て来れるのであれば────」
砂を踏む音が聞こえる。
それはここにいる誰のものでもない。これはそう。
「来たか、王」
そこに立っていたのは恭也だった。
以前の彼とは違い、その瞳には炎が宿っていた。
「ごめん、みんな。ンードゥも心配かけた」
「…………」
「俺はみんなの言葉を聞こうとしなかった。王なら声を聞かなきゃならないのに……… だから、今度はしっかり聞く。俺は王として欲しいものは自分の手で…… いや、みんなの力を使って掴みに行く!!」
恭也は雄叫びを上げ、ゴエティアに向かって走り出した。
それにゴエティアはため息を吐き、手から炎を出して焼いてしまおうと考えたが、その手は全く動こうとしなかった。
「お前か…… 小娘…!!」
「エイルゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!!!!」
そして恭也の意識はゴエティアの体内に流れた─────。
*****
「ここは………?」
ここは精神世界。現実の時間とは全く別の場所。
神はその力だけではなく、身体の構造やはり人のそれとは全く違う。
「恭也…… 様…?」
「その声はエイルか?」
一際暗い場所から声だけではあるが、エイルの声が聞こえてきた。
恭也はそこに手を伸ばす。
「エイル!! 一緒に帰ろう!!」
恭也がそう言うも、エイルの返事がない。
心配になって暗闇へと近づくと、不気味な黒い手が恭也を掴もうとしてきたので、なんとか後ろに避ける。
「恭也様、早くお逃げ下さい。この闇はゴエティアの心臓部。つまり異空間です。一度入れば二度と戻ってくることはできません」
「だからと言ってお前を置いていく訳にはいかないだろ!?」
「私はこのまま奴の体内から攻撃を与え、奴と共に散ろうと考えています」
「何を言っているんだエイル!! そんな事許す訳がない!!」
「私は!!…… 私は…… あなたを殺そうとしたのですよ? これがせめてもの償いなのです」
「………… エイル。お前はずっと俺の名を呼んでいたな?」
「え?」
何故、という風な声で彼女は問う。
「私が恭也様を…?」
「あぁ、そうだよ。あれは確かに君の声だった。君はずっと俺を信じて待っていてくれた。だから助けるんだ」
「でも、私はあなたを……」
「それ以上にエイルは俺を救ってくれたし、俺に未来を見せてくれた。なんの希望もなかった俺に王という場所をくれたんだ」
「そんな…… それじゃああまりに欲張りじゃ……!!」
「欲張りでいいんだよ。悪魔ってのはそういうものだろ?」
「恭也様…… 私ッ────」
「あぁ、俺も愛してるよエイル」
「ぇ…?」
*****
「な、なんだ? ゴエティアの身体の中に恭也の拳が埋まって──── うおぉっ!!?」
恭也が腕を引っ張り出すと、その手に握られていたのは別の手。綺麗な女性の手であった。
「エイルッ!!」
「エイルぅ〜!!」
それはエイルであった。消えてしまったはずのエイルがそこにはいた。
「恭也様…… ご心配をお掛けしました」
「いやいや俺も心配ばっかかけてさ。悪かったよ。ごめんな」
「それで〜… あの時のお言葉はぁ〜?」
恭也は尻尾をブンブンと振るエイルを宥めて落ち着かせる。
世界終焉前だってのになんだかいつもの日常が戻ってきた様な気がする。
「よしっ────── 皆ッ!!」
そう恭也が大声を上げて呼ぶと、ボロボロな筈の彼らは立ち上がる事やっとなはずなのに彼の横へと並び始めた。
「お前達がいくら増えようとも神の意思が揺らぐことはない。ここで死ぬがいい」
「─── 俺ももう揺らぐ事はない。俺は王だ。デモンティアの王。仮面ライダーメレフだッ!!!」
そう叫ぶとデモンティア達の身体が属性毎に光を放ち、更にはデモンティアイズキーも全て光だして空へと舞う。
全てのキーは空中でぐるぐるとひとしきり回った後、一気に収縮して一つの大きな塊になった。
太過ぎて驚くが、これが新たなデモンティアイズキーらしい。
「そうか…… これが皆の力か」
恭也は皆の顔を見て覚悟を決めて頷いた。
最後にエイル見て互いにキーを両側から掴むとそこにデモンティア達全員が吸い込まれる。
それから恭也は新たなデモンティアイズキー「サタンメレフティアイズキー」を起動する。
《サタンメレフ!!》
それをデモンドライバーの鍵穴の部分に差し込むと、神々しく重厚感のある待機音が鳴り始める。
《今、真の力を解放する時!!》
両手をクロスさせ、拳をギュッと握りしめ、それから思いっきり腕を広げて右手で鍵を回す態勢に入る。
「変身ッ!!!」
その合図とともに鍵を捻ると、エイルがいつものアーマーを形成したかと思うと、そのアーマーの至る所に存在する鍵穴に向けて、全悪魔達が鍵を差し込んでいく。
そして全て解除すると溢れんばかり光が周りに漏れ出す。
《全開錠!!》
《全憑依!!)
これがメレフの本来の姿。これが神を超越する王の力。
全身に今までの各スタンドパーツの特徴が出ているアーマーが形成され、より神々しく、より強固に、より重厚が増したその姿。
輝くマントを靡かせて、遂にその仮面ライダー。悪魔の王が降臨する。
《72の悪魔たちよ集え!!》
《我は全てのデモンティアの王!!》
《その名もサタンメレフ!!》
《王の魂に懸けて全てを守る者!!》
「さぁ、神をも超える王の力。とくと味わうがいい」
仮面ライダーサタンメレフ。
デモンティアの王、復活───!!!
最終フォームです。ぶっちゃけばり強いです。
次回、第36話「我に集結、我の全て」
次回もよろしくお願いします!!
最終回まで残り………あと1話