仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰してます。
それではどうぞご覧ください。


第36解「我に集結、我の全て」

 仮面ライダーサタンメレフ。王としての本来の姿。

 だが、この形態は前王ですら辿り着けなかった境地でもあるのだ。

 真の姿ということに加え、この形態はあくまで彼自身が手に入れた、恭也だけの王としての形だ。

 

「何が王の力だ? 神を越えるだと? 神の前で冗談を言うとは命知らずな奴よ」

「お前は俺に勝つ事はできない。何故ならお前とは違い、俺は1人で戦っている訳ではないのだからな」

「……… くふふっ、笑わせてくれる。たかが王の力を取り戻しただけの姿に過ぎない。ならば、スレイマンと同じ道を辿らせてやろう。死ぬがいいッ!!」

 

 ゴエティアは土属性のエネルギーを活性化させ、サタンメレフの周りを取り囲むように巨大な土壁を作り出す。

 そしてサタンメレフを、その土壁で思いっきり挟み込む。彼の悲鳴が聞こえるまで、凄まじい圧力を掛け続けるゴエティア。

 

「──── こんなものか、ゴエティア?」

「むっ…!?」

 

 次の瞬間、土壁の隙間から炎が溢れ出したかと思うと、爆発を引き起こし、壁はいとも容易く呆気なく破壊された。

 

「王様よ!! この熱さだッ!! これを待ってたぞぉ!!」

「あぁ、待たせたなジェイク。力を借りる!!」

 

 そう言うとサタンメレフは、ドライバーに装填しているサタンティアイズキーを2回だけ回す。

 すると、10〜19までの炎の悪魔たちの力が解放され、その力を全身に纏わせ、炎の力を最大限に発現させる。

 

《10番!! 整列!! 開錠!!》

「はぁっ!!」

 

 サタンメレフは右手をゴエティアに翳すと、その手から爆炎が発生し、灰に変えんばかりの火力を放出する。

 それに対しゴエティアは、川や海、空気中の水分から水をかき集め、それを使って炎をなんとか掻き消す。

 

「小癪な…!!」

 

 そしてその水を砲弾のように放ち、サタンメレフを吹き飛ばさんとする。

 が、サタンメレフは再びキーを5回回し、雷の力を発現させる。

 

《40番!! 整列!! 開錠!!》

「行くぞ、ゼフォー!!」

「…… あぁ…!!」

 

 ゼフォーの専用武器の槍を召喚し、槍投げの様に力を込めて、水の砲弾に向けて放った。

 砲弾は容易く槍によって破裂し、その槍の勢いは止まる事なく、ゴエティアの脇腹を貫通した。

 

「ガハッ…!! あ、悪魔ごときがぁ…!!!」

「悪いが、俺は悪魔の様に容赦はしない」

「神を越える事など不可能だっ!!」

 

 ゴエティアは突風を発生させ、サタンメレフの足場を崩す。

 そして足場が崩れた事でバランスを失った彼に対し、竜巻を発生させて取り囲む。

 

「このまま呑まれてしまえ!!」

「無駄だ…… ネゴール!!」

 

 キーを6回、土の力が増幅される。

 

《50番!! 整列!! 開錠!!》

「ガハハハハハハハッ!! 王よ、任せい!!」

 

 周りにある砂や土、地面に該当するもの全てがサタンメレフに集まり、ゴエティアの放った風を全て消し去った。

 そのまま地面は拳の形を作り、ゴエティアに隙を与えぬほどの打撃を何発も喰らわせる。

 

「ごっ………!! こ、こんな…… 神がここまで……!!」

「俺は1人ではない。デモンティアたち全員分の力が俺を強くしてくれるッ!!」

 

 サタンメレフの力は全てのデモンティア達の力を使えることに加え、その力を意のままに、そして今まで以上に、100%の力を遥かに越える。

 その力に限界はない。

 

「貴様ァァァァァァッッ!!!」

 

 そしてゴエティアは炎と雷を掛け合わせ、巨大な雷火球を作り出し、それをサタンメレフに向かって投げつける。その巨大さは山すらも呑み込むほどである。

 だが、サタンメレフに対しては無力。

 キーを3回、間を取って4回回す。

 

《20番!! 整列!! 開錠!!》

《30番!! 整列!! 開錠!!》

「ティッツ!! エミー!!」

「任せて〜、ほい!!」

「神なんか僕が吹き飛ばしてあげるよ」

 

 水と風の力が雷火球を蒸発、そして吹き飛ばし、そのままゴエティアを包んで大爆発を引き起こす。

 ゴエティアは最後の抵抗とばかりに、怒りに我を任せ、光と闇のエネルギーを纏ったレーザーを放ってきた。

 

「この神の我を…… 我をォォォォォォォォッ!!!」

「終わりが近いな…… 哀れな神、ゴエティアよ」

《60番!! 整列!! 開錠!!》

《70番!! 整列!! 開錠!!》

「ふふふっ、醜い光ね」

「わしの力とンードゥ様の力。とくと味わえい」

「王よ、決めるがいい」

 

 言わずもがなゴエティアのレーザーは最も容易く消し去った。

 全ての属性の力が効かないとわかったゴエティアは、無の力を増幅させ、体内にある全てのエネルギーを使用し、世界すらも無に帰そうとする。

 そんな事はサタンメレフ、王が許すはずもない。

 

「エイル」

《1番!! 整列!! 開錠!!》

「恭也様」

「「はぁッ!!!」」

 

 無の力はまさしくそのままの意味。ゴエティアの無のエネルギーは、エイルと恭也の無の力によって跡形もなく消し飛んだ。

 神は無さえも無くした。無がなければ何がある?無の次はあるのか?

 もうゴエティアには次の一手すら考える余裕がなくなっていた。

 頂点から突如として引き摺り降ろされた感覚。初めてであり、こんなにも屈辱的な事は今までになかった。あるはずもなかった。

 

「……… デモンティア…… 王…… 我がッ…!!!」

「これで終焉だ、ゴエティア」

 

 サタンメレフはサタンメレフティアイズキーの手持ちの部分である場所のボタンを押し、計8回回すと、右足に全属性エネルギーを集約させ、背中に悪魔の様な翼を発現させて上空へと飛び立つ。

 

「王の名の下にッ!! 食らうがいいゴエティアッ!!」

《サタンメレフ!! リベレイション!!》

「はぁぁぁぁぁ────── はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 全ての属性エネルギーを纏った右足が、ゴエティアの胸部を捉えた。

 そのままゴエティアを壁の方まで蹴り飛ばし、サタンメレフは空中でくるりと回転して着地する。

 

「我が…… たかが人間なんぞにぃぃ…!!」

「眠れ、哀れな神よ─────」

「ぐわァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ────────!!!!!!」

 

 そして世界は光を取り戻す─────。

 

 

 *****

 

 

 あれから数ヶ月が経った。

 恭也たちは神による被害やエンジェルティア、それからデモンティア達のこれから処遇など色々と国からあれやこれやと言われていた。

 そして、デモンハンター達は後始末に追われながらも無事に解散し、源次は今、元デモンハンター達とジェルエで自警団として働いている。

 一方の恭也はというと────。

 

「さて、皆」

「……………」

「既に滝ような涙を流しているが…… とにかく今日でお別れだな」

「いやですゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!」

 

 そう恭也が言うと、エイルは恭也の部屋で他のデモンティア達がいるにも関わらず大泣きし始めた。

 結局、恭也は王としての座、デモンティア達の始末を国から言い渡された。悩んだ末に再び彼女らを封印する事で無かったことにするとの話になった。

 誤解も解け、神も倒したのにこの処遇は一体どういうことだと不満タラタラではあったが、平和に暮らしていくのならこの選択は間違いではないのだろうと思う。

 そう、今日がその封印の日──── 別れの日だ。

 

「はぁ…… 別に居なくなるわけじゃないだろう?」

「でも、封印が解かれた後に恭也様が生きてる保証なんてありません…!!」

「お前もの凄く失礼なことを言っている気がするが……… まぁ、確かにそうだな」

「こうなったら王の力で国を変えましょう!! 私たちを突き離す世界などいりません!!!!!!」

「エイルお前なぁ…… わかった。約束する。いずれこの国を俺が変えてやる。そしたらお前達の封印を解き、また一緒に暮らそう」

 

 この言葉にエイル以外のデモンティア達は大いに驚き、そして大いに笑った。

 バカにする意味ではなく、この王ならばできるだろうという信頼から起きる笑いだ。

 

「恭也様、私…… エイルはずっと待っております。大切なあなた様をずっと」

「あぁ、待っていてくれ。必ず迎えにいく」

「はい!!」

 

 そして恭也は1人1人と顔を見合わせる。

 全員、別れの時だが悲しい顔などしていない。またいずれ、いつかの明日に希望を持っている。

 そして恭也はデモンドライバーとデモンティアイズキーを各種取り出し、それらをエイルに渡す。

 それからサタンメレフティアイズキーを持ち、封印の準備を開始する。

 

「………… ジェイク!! ティッツ!! エミー!! ゼフォー!! ネゴール!! メロク!! ワナイズ!! ンードゥ!! そして、エイル!! 今までよく俺と共に戦ってくれた!! またいずれ…… いつか会おう!! 俺はお前達の王となれた事を誇りに思うッ!!!」

 

 最後は皆が笑顔の別れ。

 サタンティアイズキーを突き出すと、デモンドライバーを中心に大きな鍵穴が出現し、徐々にエイル達の身体を吸い込み始める。

 

「恭也様」

「なんだエイル」

「私もあなた様と共に戦えた事を誇りに思います。今までありがとうございました」

「あぁ、俺も感謝する」

「またいずれお会い致しましょう。私の愛する──── 王様」

 

 デモンドライバーに全てのデモンティア達が吸い込まれ、そしてドライバーはパタリと静かに床に落ちる。

 それを手に取る恭也の目に涙が少し浮かんだが、すぐにそれは引っ込んだ。

 

「いつか会える…… その日を楽しみにしてる。ありがとう、デモンティア。俺を変えてくれて」

 

 悪魔と天使、そして神。

 数々の種が争い、犠牲を払い、世界に平和をもたらした。

 人と悪魔の物語。絆の物語。

 

「眠れ、愛すべき悪魔達よ─────」

 

 そして恭也は新たな世界へ踏み出す。

 王ではなく、人として─────。

 

 

 仮面ライダーメレフ The end。




最終回前ですが、実質的な最終回はこちらです。
反省点としては私が時間を取れなかったことと、体調不良諸々原因で書きたいことが書けなくなった事で、あまり煮詰めて書けなかったのが本当に悔しくて堪りません。
次回はいつも私のところだとやっております外伝作品(映画的なやつ)+最終回という形でお出し致します。
凄く詰め込んでしまって本当に申し訳ないのと、自分の不甲斐なさでいっぱいです。

最終回の中に新ライダーも登場致しますので、また次回作、及び仮面ライダーメレフの最終回をどうぞご期待ください。

次回、最終解「我は悪魔の王、我々の誓い」+仮面ライダーメレフ Your ALE

次回もよろしくお願いします!!
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