仮面ライダーメレフ   作:辰ノ命

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皆さんご無沙汰しております。いや、ご無沙汰し過ぎました。本当に申し訳ない!!

前回、王としての義務を果たすべく無理矢理性格を作って振る舞う恭也。エイルそんな恭也にキャーキャー喚いていると、デモンティア3番シィスリが出現する。変身し追い詰めるメレフだったが、シィスリの小賢しい手に苦戦する。しかし、メレフは封印したビーツの力を使い見事に封印した…

それではどうぞご覧ください


第3解「我と戦い、我の力となれ」

 この日、恭也はふらふらと外へ出て散歩していた。

 デモンティア達の標的にされている人たちの事を自分なりによくよく考えてみて、その被害者2人はどちらも社会人だと言う事に気づいた。

 どちらの理由もそれぞれ違うだろうけれど、結局は誰もが何かの為に仕事をしている。何かを欲しているからやっている。

 だから何をしようと人間から欲が消えることはない。戦い続けるしかない。

 

 

「…………」

 

「恭也様?」

 

「うぉっ!?… と、エイルか。どうした? 家で待っていろと言った筈だ。もしデモンティアが現れたとしてもすぐに駆けつける事は可能であると言ったのはお前だろう?」

 

「はい。ですが、恭也様のお側に居たくて…」

 

「そうか… いや、ダメだ。今日は1人でいたい。帰路に着け」

 

「何故ですか!? 貴方様のお側にてこの身を呈してお守りするのが私共の務めでございます!!」

 

「… お前はこの俺がデモンティア如きに遅れを取ると?」(そもそも1人じゃ何もできないんだけどね…)

 

「いえ、そんな滅相もございません! ただ…」

 

「ただ?」

 

「恭也様の隣で恭也様のお顔を見ながら恭也様と共に歩ければいいなと… ふふふふっ、ふふっ」

 

「すんごい怖いよ…」

 

 

 そんな事を話していると人混みの中から悲鳴声が聞こえてきた。

 2人は急いでその声のする方へ言ってみると、そこにはデモンティアがおり人々を襲っていた。目立った動きをしないデモンティアだったが、ここに来て中々攻めてきたものだ。

 

 

「エイル、あの2体は?」

 

「デモンティアナンバー4と5。『デイフォウ』に『イーファイバ』です恭也様。ですが、どちらも貴方様には及びません」

 

「いいだろう。早急に対処する」

 

 

 恭也は腰にデモンドライバーを巻き付け、エイワンティアイズキーを起動させてドライバーの鍵穴に差し込み、放ってドライバーの本が展開される。

 

《開錠!!》《憑依!!》

《エイワン!!》

 

「変身ッ!!!」

 

《悪魔の名はエイル・ワン!!1の数字を持ち、その力の全てを王に捧げる者!!》

 

 

 メレフへと変身した恭也はメレフキーブレードを呼び出し、デイフォウとイーファイバに向けて剣を振るう。

 彼らはその身に斬撃を喰らうものの、すぐさま体勢を立て直し、デイフォウがメレフの剣を掴み、イーファイバが隙をついて背中に蹴りを食らわせる。

 

 

「くっ…!?」

 

「ケケケッ!!」

 

 

 やはり2体同時に相手にするのは得策ではない。

 そしてメレフは一度後退し、2人の動きに注意しながら剣を構えてカウンターを狙う姿勢に入る。

 まずは敵を1体に絞り、そこでカウンターを喰らわせて一撃で仕留められれば1対1に持ち込めるはずだ。自分の腕を信じる必要はあるが、やるだけやってみるのもいいだろう。

 

 

「エイル。奴ら2人の能力差は?」

 

「はい。デイフォウは力が強く、イーファイバは機動性に優れます。恭也様のメレフとしてのお姿ならデイフォウとは互角であり、イーファイバには速度で劣ってしまいます」

 

「イーファイバの動きを封じる事はできるか?」

 

「あなた様の為ならば必ず成し遂げて見せましょう」

 

「頼んだぞエイル」

 

「お任せください」

 

 

《開錠!!》《憑依!!》

《エイワン!! ビーツ!! シィスリ!!》

 

 

 鍵を2回捻ると、エイルに加わり2体の悪魔たちの力がその身に宿り、メレフの力を今まで以上に高める。

 ビーツ1人だけの力とは違い、シィスリが加わった事で属性の力がもう1段階解放された。

 

 

「…っ… 凄まじい力だ。1人加わってこの重さ」

 

 

 メレフとしてこの力を完全に制御したという訳ではない。

 まだまだその力は未知数ではあるが、3人の悪魔が憑依しただけで全身を巡る熱さ。重さ。強さ。

 これら全てを支配してこその王としての器。これくらいなんて事はない。支配して見せようじゃないか。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ…!!!」

《エイワン!! シャットアウト!!》

 

 

 そしてメレフは悪魔たちのエネルギーを剣に集中させ、デイフォウとイーファイバに向かって剣を水平に振るい溜めたエネルギーを弾き飛ばす。

 その凄まじいエネルギーの刃に2人は切り裂かれ、まともにダメージを受けてしまった事でようやく地面に膝をつく。

 

 

「これで終わりだ。お前達も今すぐに封印してやろう」

 

「ケケッ…」

 

「ん? 何がおかしい?」

 

「… 足元がお留守だぜぇ」

 

「──っ!? しまった…!!」

 

 

 どうやらイーファイバは相当なタフネスの様だ。膝をついたからかなりのダメージを期待し油断をしてしまった。

 しかし、実際は構えているだけ。すぐにでもメレフにタックルを食らわせられる様に構えていただけだ。

 だからこうして懐に入られ地面に叩きつけられてしまう。

 

 

「くそっ…!!」

 

「恭也様!!!」

 

 

 イーファイバが両手を組み拳というハンマーを作り出すと、メレフの顔面に向けてその拳を振り下ろした。

 この状態ではどうする事もできない。ダメなとわかってはいるが、手で顔を遮り防御をしようとした時だった。

 

 

「──っ!!?」

 

 

 次の瞬間、とてつもない熱気を感じたかと思うと目の前の悪魔たちが一瞬にして炎に包み込まれる。

 今までの悪魔とは比にならない程の力を感じたメレフは、その炎のする方へと目を向けた。

 すると、そこには燃えるような髪と赤い鎧を身につけたデモンティアが立っていた。

 

 

「久しぶりだな!! 王ッ!!」

 

「あ、あぁ… 久しぶりも何も俺はお前を知らないが…」

 

「だろう!!… なら、このバカ共をさっさと封印して俺の話を聞いてもらわねぇとな!!」

 

「何はともあれ助かった。礼を言う」

 

 

 そしてメレフはプスプスとこんがり焼かれたデモンティアを鍵に封じ込め、よくわからない熱くて赤い奴の話を聞く為に自宅へと戻る────。

 

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>>>>>

 

「── 改めて名乗らせてもらおう!! 俺は『ジェイク・テンプ』!! 名前の通り10番目の悪魔だ!!」

 

「いや、名前を聞いただけではよくわからんのだが…」

 

「ん? エイルから聞いてねーのか? 特定の数字を持つデモンティアは二つ名を持つ事と一部のデモンティアを指揮する権利が与えられることをよ」

 

「そうなのか? それは知らなかった」

 

「… 本当に何も知らなんだなぁ!? これが王の器とは笑わせてくれるぜ!!」

 

「………」

 

 

 とにかく見た目もそうだが、この喋り方と熱気で非常に部屋の気温が高い気がする。冷房を効かせたい。

 そんな暑苦しいし熱苦しいジェイクに対して、王の器じゃないという一言にイラッとしたのか、エイルの目が血走り額に血の通りがよくわかるほど血管が浮き出ている。

 

 

「しかし、お前があの時、俺を助けてはくれなかったらどうなっていたか。礼を言う」

 

 

 恭也はジェイクに頭を下げると、ジェイクは膝を叩いて笑い始めた。

 

 

「どうした…?」

 

「はっはっはっ!! いや、先代の王の事を少し思い出しただけだ」

 

「先代か… 先代はあの力をうまくコントロールできていたんだろうな…」

 

「あの力だと? デモンティアのか?」

 

「あぁ、エイルに他2人の悪魔の力を加えただけで今まで以上に剣が重くなるのを感じた」

 

「王、それは至極当たり前だ」

 

「当たり前?」

 

「無属性3匹が束になったんじゃ、今のお前には負担が大きいだろう」

 

「属性だと? ゲームで言う所の火は水に弱いとか…」

 

「それに関してはよくわからねーが、デモンティアには1人1人属性を持っている。まぁ順当に言えば『無・火・水・風・雷・土・光・闇』と、お前が言った通り火は水の奴らに弱い。が、そんなもの気合いでなんとかなる!!」

 

「そうか… つまりエイルは無属性なのか」

 

 

 エイルを見てそう言うと、彼女は優しく微笑んで頷く。

 

 

「無は唯一弱点がありません。それどころか各属性を支配してしまうほどの力を有しております」

 

「お前の本当の力がそれか」

 

「左様でございます」

 

「…… ふっ、まだまだ俺にはやらなければいけない課題があるようだな」

 

「課題?」

 

「王としての使命を全うする為には、お前たちの力を全部引き出さなければならない。そしてその力を存分に振るってこそ王たる証拠だ。まずはメレフ… 俺自身が強くならねばならない」

 

「好き」

 

「唐突だな」

 

「大好き」

 

「大きくなったな」

 

「愛してます」

 

「限界突破か」

 

 

 恭也とエイルがいつも通りの会話を挟んでいると、ジェイクが何かを察知したようで急に立ち上がる。

 

 

「どうした?」

 

「どうやら自分を抑えられなくなった骨のねぇ奴らが動き出したようだぜ」

 

「…… はい、そのようです」

 

 

 そして限界突破していたエイルも冷静になってからデモンティアを捉えられたらしい。

 大事になる前に急いで向かわなければならないと、恭也は立ち上がって2人を着いてくるよう命じる────。

 

 

 

 

 >>>>>>>>>>>>>>>>>>

 

「あーなんでだよクソッ!!」

 

 

 その男はコントローラーを壊れないように柔らかい布団の方へとぶん投げる。

 どうやら格闘ゲームをやっており、オンライン上で何度も負けているようだった。

 男は所謂、ゲームで生計を立てているプロのゲーマーである。が、最近そのゲームにおいて良い成績を振るうことができなくなっていた。

 

 

「なんでだよ…… なんで勝てないんだ……」

 

 

 プロとして負けるわけにはいかない。生活する為にも勝たねばならない。

 だが、そんな誇りや硬い意思が男を徐々に蝕んでいた。日が経つにつれ、もっと上へ上へと目指したい男からは純粋に楽しむという根本的な欲が消え、誰よりも上に立ちたいという欲求が強くなっていた。

 

 

「── おいおいどうした?」

 

「え…? う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

 

 男は椅子から転げ落ちる。当たり前だ。目の前にはこの世の物ではない悪魔がいるのだから。

 

 

「ば、化け物…!!」

 

「化け物? 俺はデモンティアだ」

 

「デモンティア…?」

 

「いや、そんな事はどうでもいいんだ。お前… 勝ちたいだろ?」

 

「勝ちたいって…… ゲームにか?」

 

「そうだ。そのゲームとやらだ。随分気が立ってたからよ? どうだい。俺と組んだら強ーくなれるぜ?」

 

「…… 代償はなんだ」

 

「代償?…… あぁ、疑ってるのか。そりゃそうだな。代償は─── お前自身だ」

 

「俺自身?」

 

「深く考えるな。別に寿命が縮まるとかそういう命に関わるような事じゃねー。ただちょっとだけお前を貰うだけだ」

 

「断ったら殺されるのか…?」

 

「だからそういうんじゃねーよ。その身体を借りるだけ。俺が憑依すればお前は誰よりも強くなれる。単純な話だ。この力をどう使おうがお前の勝手。どうだ?」

 

「───……… わかった。使うよ。お前の力を使う」

 

「くっ…… はっはっはっ!!! いいねぇ。契約完了だ。よし、俺を使いな。俺の力はお前のもんだ!!」

 

「う、うわっ…!!」

 

 

 そして男の身体にデモンティアが憑依する。憑依した途端に男の身体からゲームをやりたいという欲求が生まれた。

 今なら誰にも負けない気がする。

 

 

「ははっ… はははっ…!! はははははははははっ!!!」

 

 

 その日、最強のゲーマーが頂点に君臨したという───。




はいどうもお久しぶりです。すみません。
クッソ遅い投稿ペースですが着いてきてくださると嬉しく思います。

次回、第4解「我は火、我が燃ゆる」

次回もよろしくお願いします!!
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