それと大変申し訳ないご報告があります。
今まで前回のあらすじを並べていたと思うのですが、今回から無くそうと思っております。
理由としては面倒くさいとか時間がないとかではなく、単に前書き自体短いもので収めたいと思ってしまったのです。ちゃっちゃっと本編書きたい!という欲求もあります故、長々とやってきたあらすじですが、申し訳ありませんが今回から無くそうと思います。何卒よろしくお願いします。
それではどうぞご覧ください。
「エイル、デモンティアが出たというのはどこだ?」
「こちらです」
恭也はエイルに案内されてとある場所へとやってきた。
そこは主にゲームのイベント会場として使われる大きなドーム状の建物である。
今、世間では電子機器を使ったゲームの競技が盛んであり、中でもこの世界では格闘ゲームが人気だ。どんなギリギリの状況だろうと巻き返す事が可能で、そのコンボを行えるプロ達の技量は圧巻の一言。並々ならぬ努力では難しいだろう。
そんな会場には多くの人が集まるのも必然的である。前回のデモンティアといい、最近は人目につくような場所に現れる。
「… ここにデモンティアがいるんだな?」
「はい、間違いありません」
「これほど人がいてそのデモンティアは何を考えているんだ? 今ここで襲った所で大きな騒ぎになるはず。奴らも俺の存在に気付いているだろう?」
「─── 主人を離れたデモンティアは本能で動く!! さっきもそう言っただろう現代の王よ!!」
声を上げたのはジェイクだ。彼は恭也に近づき再び声を張る。
「奴らも俺たちも本来の力を失い、人の魂を多く必要とする状態だ!! 時間が経てば経つほどにその欲求は強くなる!! 人間も同じだろう? 欲のままに動けばデカい事をやるもんだ!!」
「ここなら敷地内で捕まえやすい。魂をより多く摂取できるというわけか。大胆な事をしてくれる…… この中にいるのか」
ドーム内に入ると既に場は多くの人が集まり盛り上がっていた。
この中にいるのはわかっている。誰が契約者なのか大体の候補が簡単に絞られるが、そこら辺は考えずともこちらにはエイルとジェイクがいる。簡単に探す事ができる。
「─── いました」
「どこだ?」
エイルは「あちらです」と指を差した場所を見ると、そこには会場内で1番大きなモニターの前に座る2人の男が向かい合って格闘ゲームをやっている所が見えた。大きなモニターにはその2人のプレイする画面が見える。
どちらも互いに引けを取らないどちらが勝つかわからない状態。この1本どちらかが勝てば終わりといった所か。
「凄いな… いや、そうじゃないな。右か? 左か?」
「右の耳当てを付けた方です」
耳当て…? 多分彼女が言うのはヘッドフォンを付けている方を言ってるのだろう。
彼は確かに上手いが今は押されている。あと1.2撃くらってしまえばKOだ。
「これは無理か─── っ!?」
だが、その男は驚いた事に相手の技をガードしたと同時に一気に体力を削り始めたではないか。
恭也は思わず見入ってしまうと、いつの間にか決着がついた。あの男の勝ちである。
会場は大きな歓声が上がり、司会者は彼に近づき彼を称える。
「── あのコンボは凄かったですねー! やはり相当な練習を積んだ事でしょう!」
「えぇまぁ、コンボ以外にもあぁいう場面での立ち回り方もかなり練習しました」
「前大会優勝者がまさかの不参加となってしまったのは、やはり心残りというか悔しいですかね?」
「そうですね。彼に勝ってこそだと思ってましたので───」
─── 表彰式等が終わり、会場から人が居なくなり、男が帰路に着こうとした所を恭也は彼に声を掛けて止める。
「ちょっといいか?」
「はい…? 何か用ですか?」
「優勝おめでとうございます」
「え、はいどうも…」
「何故、悪魔と契約した?」
「…っ!? な、何を急に… 悪魔? なんですかそれ…」
「悪魔の力を使って優勝した所でお前は試合には勝ったがその時点で勝負に負けている。前回の優勝者もお前がやったんだろう?」
「何をバカな!! 急になんなんだよお前!! 悪魔だなんだってそんなもんいるわ────っ!!!」
その男は急に人としての姿を失い、男に憑依したデモンティアが表へと飛び出してきたかと思うと、鋭い尻尾を恭也に向かって伸ばしてきた。
「くおっ…!!?」
ギリギリの所でそれを躱してデモンドライバーを腰に装着する。
そのデモンティアはケタケタと笑い、後方へ飛び距離を離す。
「よく避けられたな王」
「あの状況で表に出なかったのはこの為か?」
「あ? あぁ… さすがは王だ。この身体でもし表なんかに出てみろ、これからもこの先もこいつは疑われちまうだろう? だから1人ずつ食らって行くんだよ。最初の犠牲は前回の優勝候補者だったぜ!! はははっ!!」
「こいつ…!!」
恭也はデモンドライバーにエイワンティアイズキーを起動してからセットし「変身!!」という掛け声と共にキーを回して変身する。
《開錠!!》《憑依!!》
《悪魔の名はエイル・ワン!!1の数字を持ち、その力の全てを王に捧げる者!!》
メレフへと変身した恭也はメレフキーブレードを持ってデモンティアに近づいて縦に斬り込む。
「おぉっと!!」
その攻撃を避けたデモンティアに追撃をしようと試みたが、突然目の前が光り輝くと同時にメレフは爆発に巻き込まれる。
メレフは爆発の威力で吹き飛び地面を転がった。何が起こったのか分からず、剣を杖代わりにして立ち上がる。
「一体何がっ…!!」
「どうやらアレは俺の下っ端らしいな!!」
メレフの後ろからジェイクはそう言い放つ。どうやらこいつはエイルの部下ではなく彼の部下のようだ。
「奴は『ケーチィ』。俺と同じ火の力を持っている。主に爆破系主体の野郎だ」
「なんだって…!!?」
「来るぞ王ッ!!」
ジェイクに言われて振り向いた時には遅かった。
咄嗟に剣でガードをしようとしたが、ケーチィはそれを縫うように避けて尻尾の先端をメレフの胸部へとピタリと付ける。
そして先端が光を放ったかと思うと、防御のしようもない爆破攻撃をくらってしまう。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
「恭也様ッ…!!」
その一撃を受けて恭也は変身が解けてしまい、胸を押さえながら倒れ込んでしまった。
「やっぱり王は力を取り戻してなかったか… まぁここで邪魔者を消しておくか」
「く、くそっ…!!」
エイルは彼の前に立ちはだかり睨みを効かせる。
無意味。今の彼女には何もできない。力を取り戻していない以上、彼女の力はジェイクにも劣る所か、本来なら格下のケーチィにすらも勝てない。
そんな彼女を見てもジェイクは動かない。
「ジェイク何をしているの?」
「……」
「ジェイク!!」
「エイル。俺は今の王に熱さを感じない」
「熱さ? そんな事今はどうでもいいでしょう!?」
「王よ。俺はお前が力がないのは知っている。取り戻していないこともな。だが、それとこれとは別の問題がある」
恭也はジェイクの言っている事がわかなかった。「今は助けてやろう!!」と、ジェイクはケーチィに向けて爆炎を浴びせる。
「くっ…!! ジェイクさんよ。これで終わりじゃないぜ」
「本当は消し炭の筈だったんだがなぁ!!」
「あばよ───」
それからケーチィは地面に尻尾を突き刺して爆発を引き起こすと目の前から消えてしまっていた。
恭也はふらふらと立ち上がり、ジェイクに視線を送る。
「ジェイク…」
「許せ王!! 俺の力を使うには熱さが必要だ!! それがなければ意味がない!!」
「熱さ……」
全く何を言っているのかわからないまま、恭也はエイルに肩を貸してもらい、その場を後にする────。
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「どうしてこんな事をしたんだ悪魔ッ!!」
先程優勝した男は激昂した。自分はこういう勝ち方をしたかったんかではないとケーチィに言い放った。
「だけどお前それは違うだろう?」
「え?」
「お前はゲームに勝ちたい。上手くなりたい。そうしてやったのは誰だ?」
「そうだけど… だったら上手くするだけでいいんじゃないのか!!? 周りにも被害が出てるって…!!」
「あ? だからそうしてやっただろう?」
「だからそうじゃなくて───!!」
「─── 悪魔と契約してタダで力をもらえる訳ねーだろバカが」
「…っ!!?」
「お前が払った代償はお前自身。つまりお前をどう使おうと俺の勝手。だが、俺も力を与えるには魂が必要だ。だからこそお前ではなく他人の魂取ってやってるんだ。お前はゲームが上手くなるが、お前の魂には何の代償もない。凄くバランス取れてるとは思わねーか?」
「ふ、ふざけるな!! 俺は確かにゲームが上手くなりたかったけど、こんな勝ち方をしたかった訳じゃない!! この悪魔が!! 契約なんてくそくらえだ!!」
「お? それは
「そうだ!!」
「そうかそうか… なら、これからは勝手に使わせてもらう」
「な、何をするんだ…? やめろ…っ!! うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!───────」
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ジェイクの言う熱さが恭也にはわからなかった。いや本当にわからない。急に親しげな感じから厳しくなったっていうか、とにかく彼が力を貸してくれる何かのきっかけが欲しいという事なのだろうか。
家に帰宅してからずっとそれを考えていた。その意図を聞こうにも言った本人はどこかへ行ってしまったし。
「はぁ…」
「恭也様。奴の言葉は気にせず……」
「いや、いいんだエイル。これはジェイクなりの試練という奴なのだろう」
「試練…?」
「俺はお前の力を充分に扱えていない。だからそれを見ていたジェイクも理解している筈だ。奴の言う
どんな理不尽な事だろうとやるしかない。何もできない自分が唯一出来る事。
ジェイクの言うこれが試練だというのならば、それを乗り越えて見せようではないか。それが王という称号を与えられた者の使命。
「恭也様───…っ!!」
「どうしたエイル?」
「ケーチィが動き始めたようです───」
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街は爆発音が鳴り響く度に悲鳴がこだまする。
その燃え盛る炎の中に犯人がいる。それはケーチィだ。契約破棄と言われたらもう自分で動くしかないと思ったのだろう。大胆にも街を破壊している。
「怯えれば怯えるほど魂ってのは吸いやすい!! 人間ども!! 喚け!! 苦しめ!!」
そんな彼を止めようと恭也は現場に辿り着き、デモンドライバーを装着し彼の前に姿を表す。
「… 来たか王様」
「貴様を封印する」
「やれるのか? さっきあんなにやられたのにか?」
「安心するがいい。俺に2度の敗北はない」
《エイワン!!》
エイワンティアイズキーを起動しキーをドライバーにセットする。
「変身ッ!!!」
《悪魔の名はエイル・ワン!!1の数字を持ち、その力の全てを王に捧げる者!!》
そしてキーを回してメレフへと変身すると先程同様にメレフキーブレードを構えて飛びかかる。
ケーチィは剣を尻尾で受け止め、先端から爆発する液を飛ばしてメレフを吹き飛ばす。
「ぐっ…!! やはりこれが厄介だな!」
今度は尾を地面に突き刺し、地面を爆発させて瓦礫を飛ばす。粉塵でメレフが見えなくなっている所にすかさず背後から尾の先端を当てて爆破させる。
「うっ!!」
だが、メレフは脚を踏み込んで体勢を維持し、そのまま勢いで剣をケーチィに振るうと、流石の奴もこれには対応できずに斬られてしまう。
「な、なにぃ!!?」
「よし…… くっ!」
やはりケーチィの爆破攻撃はまだまだ受けきれないのだろう。たった2発くらっただけでかなりのダメージだ。
「恭也様… このままでは」
「わかっている。だからこそ……… ジェイクッ!!!」
メレフはその場で大声を上げてジェイクの名を叫ぶ。
「お前の言う熱さがどういう意味なのかはわからない。そもそもわかる訳がない。だがな、これ以上誰かが犠牲になるのは見たくない!! 王としてお前たちを全員使役していつか必ず平和を築いてやる!! それまで俺に力を貸せ!! 俺の覚悟を見ていてくれ!! 」
「………」
「…… まだ認められないか。しかし、ここで引く理由はない。貴様を倒すぞケーチィ!!」
メレフがケーチィに飛びかかろうとしたその瞬間、大きな笑い声と共に目の前にジェイクがどこからともなく現れた。
そしてジェイクはメレフの肩をバンバンと叩いて親指を上に向けて頷く。
「まだまだ王としては程遠いが、お前の言葉には嘘偽りがないのはわかる!! いいだろう!! お前が王として相応しいのか見ていてやろうじゃないか!! はっはっはっはっ!!」
するとジェイクは手の平からデモンティアイズキーを生み出し、メレフの手にそれを置く。
「ジェイク…」
「お前の力にして見せろ!! 王、恭也!!」
「…っ!! いいだろう!!」
それからメレフはドライバーの開いた部分を閉じてから、エイワンティアイズキーを引き抜く。
そしてジェイクから貰った「ジェイテンティアイズキー」を起動しキーを差し込んで回す。
《ジェイテン!!》
《開錠!!》《憑依!!》
メレフの右腕を中心に炎が燃え上がり、彼の身体に真っ赤な装甲が形成される。右手に装備していたメレフキーブレードは炎に包み込まれ、それを振り払うと一回り大きく分厚い大剣へと形を変える。
《悪魔の名はジェイク・テンプ!!10の数字を持ち、その獄炎は全てを焼き尽くす!!》
《スタンドジェイテン!!》
「── ひれ伏せケーチィ。炎の力で貴様を焼き焦がしてやろう」
「なっ…!! やってみろ!!」
ケーチィは尾の先端から液を飛ばして爆発させるがスタンドジェイテンへとフォームチェンジしたメレフには全く通用しない。
メレフは大剣を振り回しながら炎の力を溜め、それを思いっきりケーチィに向かって振り下ろすと、溜まった炎が吹き荒れてケーチィを吹き飛ばした。
「これはジェイクさんの火力ぅ…!!?」
「先程受けた攻撃の倍だ。その身を持って味わうがいい」
炎を纏った大剣を丸で手足のように扱い、振るう度に重い斬撃がケーチィを襲う。
そしてメレフはケーチィの尾を左手で掴んで振り回し上に飛ばして、落ちてきた所をまるで野球のバットのように大剣を振るって吹き飛ばす。
「ゲハッ…!!」
「トドメと行こう。ジェイクッ!!!」
「行け!! 恭也ッ!!」
メレフは大剣を地面に突き刺し、ドライバーのキーを捻って力を解放し、右腕に炎のエネルギーを集中させる。
それからその炎を凝縮した拳でケーチィの顔面を殴りつける。
「はぁぁぁっっ…───はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
《ジェイテン!! シャットアウト!!》
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
「─── 眠れ、悲しき悪魔よ」
その後、爆発と同時に契約者の男が抜けた所でメレフはジェイテンティアイズキーをケーチィに差し込んで封印する。
「はっはっはっ!! 一時はどうなる事かと思ったが流石は王だな!! 1発でモノにしてしまうとは!!」
「あなたがさっさと力を渡していれば恭也様が傷つくことはなかったのに… 許さない…!! 後で首をへし折ってくれる!!」
ようやく戦いが終わって一息つきたいところだったが、エイルはジェイクに溜まっていた怒りをぶつけている。
これ以上はエイルが暴走してしまう為、変身を解除し気を失った契約者の男を一緒に運ぶよう命令した。
「……? この気配は…」
「どうしたエイル?」
「いえ… 気のせいのようです。申し訳ございません」
「そうか…? それより彼を起こさないように、そして落とさないように注意して運ぶぞ」
エイルが気づいた気配は遠くから見据えていた。
間違いなくデモンティアの1人であり、彼女たちに続く隊長格であるがそれはまた別の話────。
まずは大変長らくお待たせ致しました。
これより復活し完結まで頑張っていきます。そして宣言します。計10作やります。なので私のオリライダーストーリーは続きます!!!!!
めっちゃ頑張りますよ!!!!!
では次回、第5解「我は水、我は清らか」
次回もよろしくお願いします!!