愛称:ソフィー、フィフィ等
生き残った男の子と不思議な手紙
その日の魔法界は祭り騒ぎだった。長きに渡る闇の支配から解放され、新たな英雄が生まれたからである。
ハリー・ポッター
『例のあの人』を打ち破り、魔法界に平穏をもたらした英雄である。しかし、これは当の本人は知らぬ事である。無理もない、一体どこの誰が自分が1歳の時に闇の帝王と名を馳せたものを打ち破ったと思うのか。
ダンブルドアにより叔母の家の玄関に置かれた、何も知らずスヤスヤと寝ているこの赤ん坊を、ミルクの空き瓶を捨てに来た叔母がみつけ悲鳴を挙げるまで、
あと数時間
そんな中、国中の人があちこちでこっそり集まり、杯を上げ、こういうのだ。
『生き残った男の子、ハリー・ポッターに乾杯。』
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あの夜から十年がたったが、プリベット通りは何も変わってはいなかった。変わったところといえば、ダーズリー夫妻の家の暖炉の上の写真。歳を増すごとに、はっきりとわかる成長をしている双子の写真が増えていた。ただそれだけの変化である。
「さあ、起きて!早く!」
ペチュニアの騒音によって目が覚めたハリーを、急かす声が響く。キッチンでは、フライパンをコンロにかける音がし、ペチュニアがせかせかと動いている。
「さあ、支度をおし。ベーコンの具合を見ておくれ。焦がしたら承知しないよ!今日は、ダドリーちゃんにフィフィちゃんの誕生日なんだから、間違いの無いようにしなくちゃ」
ハリーは呻いた。双子の誕生日、なんで忘れられようか。靴下に引っ付いた蜘蛛を剥がしながら、ハリーは身支度をした。
食卓は、双子の誕生日プレゼントに埋もれていた。新しいコンピュータや二台目のテレビ、レース用自転車までもある。ダドリーが、レース用自転車を欲しがる理由がハリーにはさっぱり理解できなかった。人を殴る運動ならともかく、太って運動嫌いなのに…お気に入りのサンドバック としてハリーを良く殴ろうとするが、見た目によらず、すばしっこいハリーにいつもよけられている。
反対に妹のソフィアは、本当に妹なのかと疑うほどに真面目でしっかりしていた。ダドリーと違い、総合格闘技を嗜んでおり、細身ではあるがしっかりと筋肉がついている。叔父とも叔母とも違う赤毛にすみれ色の目をしている。いつも気だるそうで、嫌味を言いつつも、なんだかんだ言ってハリーを助けてくれるのである。
「36個だ!去年より2個も少ないや!!」
去年より、プレゼントが少ないことへ癇癪を起こし始めたダドリーを見て、ペチュニアとバーノンは顔色を悪くさせていた。マージおばさんのものを足してもまだ少ないと喚き、癇癪を起こしテーブルがひっくり返される前にハリーは急いで朝食に食らいついた。
『おはよう、ママ、パパ。おめでとうダドリー。これは私から』
何やら大きい袋を抱えてリビングに入ってきたのは、ソフィアだった。袋の中身は、ダドリーが好きなお菓子(と言ってもダドリーは甘いお菓子ならなんでも好きだが…)の詰め合わせ。ペチュニアとバーノンは、安心しているようでほっと息を吐いた。
「お出掛けしたら、もうふたつ買ってあげましょう。それでいいでしょ、坊や」
「そしたら…えーっと、30、30……」
『39よダドリー。去年より多いじゃない』
「それならいいや!」
ダドリーは去年よりも多いことが分かり、満足したのかドカッと座り込みプレゼントの包みをあけだした。
「やんちゃ君はパパと同じで、絶対に損したくないわけだ。なんてすごい子だ!ダドリーや」
兎にも角にもこの親達は、親バカと言われるもので双子たちを天使だとか天才だとか言うのである。一方、ソフィアはと言うと、プレゼントとして送られてきた本を読みならがら、食後のティータイムを楽しんでいる。一昨年、ダドリーと同じようにコンピュータやテレビが送られてきたソフィアが物の仕舞い場所がない、こんなに要らないと贅沢な癇癪を起こした。それからというもの、本人が欲しいと言った本や参考書、雑誌などが10冊程度プレゼントとして送られてくるだけであり、プレゼントの内容を知っているものも多いから特に感情の起伏もなく適当に開けている。
「バーノン、大変だわ!フィッグさんが脚折っちゃって、この子を預かれないって!」
ダドリーがビリビリと包みを開けているところに、怒ったような困ったような顔をしながらペチュニアが入ってきた。
双子の誕生日は、映画館やアドベンチャーパークなどに出かけることになっているが、ハリーは二筋離れて住んでいる変わり者のおばあさんの家に預けられていた。家中キャベツの匂いがし、今まで飼っていた猫の写真を永遠と見せられるので、ハリーはそこが大嫌いである。
他に宛はないかと話しているペチュニアとバーノンの話を聞いて、一緒に連れていくしかないと結論出そうなところで、ダドリーがメソメソと泣き出した。
「ぼく、いやだ。…あいつが……く、来るなんて…いつもあいつが…めちゃくちゃにするんだ!」
泣き出したと言っても嘘泣きである。顔をゆがませてメソメソすれば、欲しいものはなんでも貰えるのである。今回も、ハリーを連れていかないようにする心持ちだろう。
「ソフィーは、そいつが来てもいいの?」
『別にどうでもいいわ。居てもいなくても変わらないじゃない。』
ソフィアは、自分に関わってこなければなんでもいい。というより、ハリーを空気扱いするのだ。興味なしと言ったと様子で、泣いているダドリーを恨めしそうに見ているハリーを一瞥して、手元の本へと視線を戻した。
まだ、ハリーをどうするか決まっていないが、ちょうどそのとき玄関のベルが鳴り、ペチュニアは大慌てだった。
やがて、ダドリーの一の子分、ピアーズ・ポルキスが母親に連れられて部屋に入ってきた。ネズミ顔でガリガリに痩せていて、ダドリーが誰かを殴る時に腕を後ろでねじる役をやっている。ダドリーは嘘泣きをやめ、ソフィアは本を閉じ身支度をし始めた。
「言っておくがな、小僧。変なことをしてみろ、ちょっとでもだ、そしたらクリスマスまでずっと物置に閉じ込めてやる。」
「僕何もしないよ…ホントだよ…」
大きな赤ら顔をハリーの目の前に突きつけながら、バーノンはそう言った。ハリーの周りでは不思議なことがよく起こり、その原因が自分ではないとハリーが主張したところで誰も信じたりはしなかった。刈り上げた髪が1日も経たずに伸びたり、ダドリーのお古のセーターをペチュニアが着せようとすると指人形サイズまで縮んだりと、ハリー自身でも理解し難いことが度々起こるのである。
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天気も良く、土曜日で、動物園は家族連れで混み合っていた。入口で、ダドリーとピアーズはチョコレート、ソフィアはバニラの大きなアイスクリームを買ってもらっていた。バーノンは、アイス・スタンドからハリーを遠ざけるのに遅れ、仕方なく安いレモンアイスをハリーに買い与えた。
『貰うわね』
横から声が聞こえた瞬間レモンアイスが半分くらい消えていた。声がするほうを見ると、ソフィアがなかなかいけると言った表情で、ハリーから貰った(奪ったとも言うが…)レモンアイスを食べていた。
『あんたにいいもの食べさすわけないじゃない。あんたは私の残りでも食べてなさいよ』
そういうと、バニラアイスをハリーに押付け、ペチュニアの横に並んだ。
「……ありがとう……」
自分の残りと言ったが、ソフィアはバニラアイスに1口2口しか手をつけておらず、ハリーのレモンアイスよりも格段に大きかった。なんだかんだ言って、ソフィアはハリーに甘いのである。
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ハリーにとって今日はいいことばかりが続いているが、いいことばかりが続くはずがないのである。
爬虫類館の中は、ヒヤッとして薄暗く壁に反ってガラスゲームが並び、中に照明が着いていた。ガラスの向こうでは、ベビやトカゲが材木や石の間を移動している。ダドリーとピアーズは、大きなニシキヘビや毒蛇を見たがり、館内でいちばん大きい蛇を見つけたが、寝ていて動かないので興が削がれたようだ。
蛇は目をゆっくりとあけハリーに向かってウィンクをした。ハリーは慌てて周りを確認したが、幸いなことに誰もその様子を見ていなかった。
「本当にイライラするだろうね」
ハリーがそう言うと、蛇は激しく頷いた。
【ブラジル産ボア・コンストリクター 大ニシキヘビ】
ブラジル産だが、この館で生まれたことを知った。そんなこんなで、ハリーと蛇は話していた。しかし、その平穏な会話も終わりを告げる。
「ダドリー!ダーズリーおじさん!早く来て蛇を見て!信じられないようなことやってる!」
ダドリーが、ハリーの肋骨にパンチをくらわせ、不意をくらったハリーはコンクリートの床にひっくり返った。
ダドリーとピアーズは、動いている蛇を見ようとガラスによりかかった。その瞬間に、2人は恐怖の叫びを上げて飛び退いた。
大ニシキヘビのケースのガラスがなくなり、ダドリーとピアーズはケースの中に落ちたのだ。蛇はとぐろを解き、ずるずるとケース外へ這い出したのだ。館内にいた客たちは叫び声を上げながら、出口へと走っていった。
「ブラジルへ、俺は行く──シュシュシュ、ありがとよ。アミーゴ」
館内が騒がしい中、ハリーは確かにこの声を聞いたのだ。
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そんな騒ぎが置き、爬虫類館の飼育員は混乱状態だった。あるはずのガラスが無くなったのだ。割れたわけでも、取り外された訳でもなく、きれいさっぱり消えてしまった。園長は自ら甘い紅茶を入れ、ペチュニアにペコペコと謝っていた。
帰りの車の中でダドリーとピアーズは、訳の分からないことを口走るばかりだったが、落ち着きを取り戻してきた。
「ハリーは蛇と話してた。ハリー、そうだろう?」
バーノンはピアーズを送り届けるまで怒鳴るのを我慢するようで、顔を真っ赤にしながら運転していた。
『ピアーズ、あなたまだ混乱しているの?オートバイが空を飛ばないように、人は蛇とは話せないのよ?』
常識的に一般的に考えて人が蛇と話すなど不可能である。まるでバカバカしいとでも言うように、ソフィアはピアーズの言葉を鼻で笑った。
「でも、ソフィーは、ハリーが蛇と話しているところを見てなかっただろ」
『ええ、見てないわ。でも、人と蛇は話せないのよ?あなたの見間違いじゃなくて?』
あたまりまえと言われても食い下がらないピアーズがソフィアに反論を述べるが、ソフィアは、まだピアーズが混乱状態であると結論付け、一方的に会話を終わらせた。
ピアーズを無事に家に届け、自宅へ戻ってきたバーノンは、怒りのあまり声が出ないようで、
「行け──物置──出るな──食事抜き」
と言うと、椅子に倒れ込んでしまった。ペチュニアは、バーノンに飲ませるブランデーの大瓶を取りに行った。
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ハリーが物置から出れるようになり、休みが始まった。ダドリーは9月から七年制の私立スメルティングズ男子校に通うことになっている。バーノンの母校でもあり、ピアーズもそこに入学することになっている。ソフィアは、セント・マーガレット女子校に通うことになっている。7月に入り、ペチュニアがダドリーとソフィアを連れて各学校の制服を買いに行った。
ダドリーは茶色のモーニングにオレンジ色のニッカーボッカーをはき、平ったい麦わらのカンカン帽をかぶり、こぶ状の握りのある杖を持って誇らしそうに居間を行進していた。ソフィアは、白のワイシャツに赤いジャケット、黒と赤のネクタイを締め、黒タイツに深緑のチェック柄のスカートをはき、憂鬱そうに立ち尽くしていた。バーノンもペチュニアも人生でいちばん誇らしい瞬間やら、こんなハンサムで可愛いふたりが、私のちっちゃな子達だなんて信じられないと嬉し泣きしていた。それを見ていたハリーは、笑いをこらえるのに必死で、あばら骨が二本折れたかと思うほどだった。
翌朝、朝食を食べ、ゆっくりとしている時に、郵便受けが開き、郵便がマットの上に落ちる音がした。
「ダドリーや。郵便をとっておいで」
「ハリー、に取らせろよ」
「小僧、取ってこい」
「ダドリーに、取らせてよ」
「ダドリー、スメルティングズの杖でつついてやれ」
3人で不毛な言い争いをしているが、結局ハリーがダドリーの杖をかわし、郵便を取りに行った。マットの上には、4枚の手紙が落ちてあり、それぞれ、バーノンの妹であるマージからの絵葉書、請求書らしい茶封筒、ソフィア宛の手紙……そして
ハリー宛の手紙
サレー州 リトル・ウィンジングル
プリベット通り4番地 階段下の物置内
ハリー・ポッター様
分厚く黄色味がかった羊皮紙の封筒で、宛名はエメラルド色のインクで書かれており、切手が貼っていない。紋章入りの紫色の蝋で封がしており、"H"と書かれた周りを、ライオン、鷲、穴熊、ヘビが取り囲んでいる。ソフィアのそれと同じだった。
「小僧、早くせんか!」
キッチンからバーノンが怒鳴り声をあげる。ハリーはキッチンに戻り、茶封筒と絵葉書をバーノンに、羊皮紙の封筒をソフィアにわたし、自分宛の手紙を開き始めた。
「マージが病気だよ。腐りかけた貝を食ったらしい……」
「パパ!ねぇ!ハリーが何か持ってるよ!」
ハリーが、封筒と同じ厚手の羊皮紙に書かれた手紙を広げ様どしたところで、ダドリーが突然叫んだ。バーノンがそれをひったくり取り返そうとするハリーに向かって、せせら笑いながら、お前に手紙を書くやつはいないと言った。しかし、手紙をパラリと開き、チラリと目をやった瞬間に、バーノンの顔が素早く赤から青に変わった。
「ペ、ペ、ペチュニア!」
「バーノン、どうしましょう……あなた!」
ペチュニアは、喉に手をやり窒息しそうな声を上げ、バーノンと顔を見合せた。ハリーは、自分宛の手紙を自分が読めないことに怒り、ダドリーは、自分の言い分が通らないことに怒っていた。ギャァギャアと3人が喚き散らし、ペチュニアが今にも失神しそうになっているカオスな状態になり、ソフィアは、ようやく本から顔を上げた。
『座って休んでね、ママ』
といい、本と一緒に
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サレー州 リトル・ウィンジング
プリベット通り4番地 二階角部屋
ソフィア・ダーズリー様
ハリーのそれと同じく、"H"の周りを、4種類の動物たちが取り囲み、紫色のロウで封がしてあった。
『切手なし…受け取り印なし…なにこれ、気味が悪い』
封をあけ、中の手紙を出してみると
「
親愛なるダーズリー殿
このたびホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと、こころよりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストを同封致します。
新学期は九月一日に始まります。七月三十日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。
『イタズラ?にしては手が込んでるけど、ふくろう便とかいつの時代よ』
魔法などという非科学的なものをすんなりと受け入れる人など、数え切れるほどだろう。
その日から、いつも通りの日常が無くなったのだ。
まず、ハリーが物置から引越しをし、1番小さい寝室を使うようになった。そこは元々ダドリーのガラクタばかり置いてある部屋だった。ハリーは、寝室に住むよりも物置であの手紙を貰えた方がどんなに良かったかと考えた。反対にダドリーは、自分の部屋がハリーに使われるのが嫌で嫌で堪らなく喚き散らしてみても、部屋が取り戻せず癇癪を起こし続けていた。
しかし、手紙は一向に止まらなかった。というより、日が経つうちに枚数が増えていき、ダドリーでさえ、一体誰がこんなにハリーに話したがっているのかと不思議に思っていた。バーノンやペチュニアは、増えていく手紙をミキサーで粉々にしたり、ビリビリに破いたりと、一生懸命ハリーに見せないように捨てていた。ソフィアはというと、自分に来た手紙はイタズラと結論漬け、平穏から程遠くなった家の状況に嫌気がさし、朝食や昼食時以外は部屋から出なくなっていた。
土曜日になると、玄関と裏口のドアの隙間という隙間は、板で打ちつけられていて、配達された2ダースの卵一つ一つに丸めた手紙が隠してあったのだ。
そして日曜日の朝
日曜日は郵便が休みで、手紙が届かないことを嬉嬉として話しているバーノンは、新聞にママレードを塗りたくっていた。
「今日は忌々しい手紙なんぞ──」
バーノンがそう言い終わらないうちに、何かがキッチンの煙突を伝ってヒューと落ちてきて、バーノンの後頭部にぶつかった。次の瞬間に、何十枚もの手紙が暖炉から飛び出し部屋中に巻き散らかった。ハリーは1枚でもと手紙を捕まえようとしていたが、バーノンに捕まえられ廊下に放り出された。
「これで決まりだ!みんな、出発の準備をして五分後にここに集合だ!家を離れる!問答無用だ!」
「パパ、おかしくなっちゃった」
板が打ち付けられたドアを乱暴にあけ、一行は車に乗り込んだ。バーノンの形相が凄まじく、誰も問答することが出来なかった。ダドリーは、テレビやビデオ、コンピュータを持っていこうとして遅れ、バーノンに頭を1発殴られたので、後ろの席で泣いていた。
ダドリーは、宿を変えても変えても、届く手紙にバーノンの気が狂ったのではないかと言い出した。ペチュニアの提案も耳に入らないほど、思考回路をフル回転させているのかもしれない。
海の上に浮かぶ小屋で夜を開けることになったが、外は酷い嵐で、食料もポテトチップス一人ひと袋、バナナ5本だった。部屋はふたつで、火の気の無い暖炉は湿っていて、バーノンがポテトチップスの袋に火をつけようとしても、ちりちりと縮むだけだった。
「今ならあの手紙が役に立つかもしれんな。え?」
この嵐の中、海の上に浮かんでいるこの小屋に、手紙を届ける人などいまいと、バーノンは上機嫌だった。
バーノンとペチュニアは、奥の部屋の凸凹したベッドに、ダドリーはボロボロのソファーに、ソフィアは小さいソファーにおさまり、眠りについていた。ハリーはと言うと、一番薄いいちばんボロボロの毛布にくるまり床のやわらかそうな所で体を丸くした。
嵐はどんどん酷くなり、雷まで鳴り始めた頃、ハリーは、ダドリーの手首にある蛍光文字盤付きの腕時計で、自分の誕生日が少しづつちかずくのを眺めていた。
あと、三十秒……
二十……
十………
五………
三……二………一
小屋中が震えた。
誰かが外にいて、ノックしたのである。
評価、感想等をしていただければ、作者喜びます。
アドバイス等があれば、何卒よろしくお願いいたします。
_○/|_ 土下座