ハリーポッターの従姉妹の話   作:弥白

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評価、感想有難うございます。


出会いと始まり

九月一日

 

 

よく晴れたその日は、ホグワーツの入学式の日で、ハリーは5時に目が覚めてしまった。忘れ物がないか再度確認し、ヘドウィグがちゃんと鳥籠に入っていることを確かめ、ダーズリー親子が起きるまで部屋の中を行ったり来たりしていた。二時間後、ハリーとソフィアの大きな重いトランクを車に乗せ、キングズ・クロス駅へと出発した。プラットホームの前まで来ると、バーノンは、ニターッと意地悪く笑い、9と4分の3番線がないことを嘲笑った。ペチュニアは、嫌になったら帰ってこいとか、手紙を沢山書いてなど、ソフィアの心配ばかりしていた。3人は、ソフィアに名残惜しそうな目を向けたまま車で帰っていった。

 

 

 

「あんた…行き方わかる?」

 

 

「ごめん…僕にも分からない……」

 

 

 

ホームに取り残された2人は、相手が9と4分の3番線への行き方(そもそもあるかも分からない)が分からないと知るとガックリと頭を抱え項垂れた。その後、ハリーが通り掛かった駅員を呼び止めて尋ねたが、ホグワーツを知らないし、十一時発の電車はないしで、時間の無駄遣いだとブツクサ言いながら去ってしまった。周りの人は、ただでさえ、大きなトランクを持ちっているのに、猫ならまだしもフクロウを持ち歩いてる2人をジロジロとみている。

 

 

 

「マグルで込み合っているわね……当然だけど…」

 

 

 

そんな声が聞こえると、ハリーとソフィアは、バッと急いで後ろを振り返った。()()()と言ったのが聞こえたのだ。声が聞こえた方を見ると、ふっくらとしたおばさんが、赤毛の4人の男の子に話しかけていた。みんなトランクを押しながら歩いていて、フクロウと一羽いた。ハリーとソフィアは、顔を見合せ、目配せでついて行くことを決めた。

 

 

 

小さい女の子が、9と4分の3と甲高い声を出し、1番年上らしい男の子が【9】と【10】に向かって進んで言った。ハリーは、それを見逃さないように目を凝らしていたが、ワンサカと旅行者の群れが溢れてきて、肝心の行き方はわからずじまいだった。続いて、よく似た顔のふたりが、3番線の改札口に向かって歩き出した。その辺に着いたと思ったら、一瞬にし影も形もなくなっていた。ハリーもソフィアも、他に手は無いと思いふっくらとしたご婦人に話しかけることにした。

 

 

 

「すみません」

 

 

「あら、こんにちは。坊やにお嬢ちゃん、ホグワーツは初めて?ロンもそうなのよ」

 

 

「はい、でも……僕達、分からなくって…その、どうやって」

 

 

「どうやって、プラットホームに行くかってこと?」

 

 

ロンと言われた少年は、背が高く痩せて、ひょろりとしている子で、そばかすだらけで、手足が大きかった。その後、おばさんは、9と10番線の間の柵に向かって真っ直ぐ歩くんだと優しく教えてくれた。ハリーは、怖かったら少し走るといいと言われ、カートにしがみつくように突進した。続いてソフィアは、特に何も無く歩いて柵へ向かった。2人が出たのは、紅色の蒸気機関車が、乗客でごったがえす中に停車しているプラットホームだった。ホームの上には、

 

 

 

ホグワーツ行特急 11時発

 

 

とそう書かれていて、改札口のところには、9と3/4と書いた鉄のアーチが見えた。2人は、機関車の煙が漂う、人混みを縫うように歩き、空いている席を探した。やっとの事で、空いているコンパートメントの席を見つけ、列車の戸口の階段から、重いトランクを押し上げようとしたが、2人がかりでも重く2回もハリーの足の上に落ち、その度ソフィアは、顔を歪めた。

 

 

 

「手伝おうか?」

 

 

ふと、上から声がしてそちらを向いてみると、先に改札口を通過して行った、赤毛の双子のどちらかが立っていた。二人でやってもトランクが持ち上がらないことを嫌という程思い知らされたので、お願いすることにした。

 

 

 

「おい、フレッド!こっち来て手伝えよ」

 

 

 

双子のおかげで、2人のトランクは、やっと客室の隅に納まった。お礼を言いながら、ハリーは、目にかぶさった汗びっしょりの髪をかきあげた。すると双子のひとりが、急にハリーの稲妻型の傷跡を指さし、それは何かと質問をした。

 

 

 

「驚いたな。君は………?」

 

 

「彼だ。君、違うかい?」

 

 

 

何がと不思議そうに返すハリーに向かって、双子は同時に【ハリー・ポッターさ】と言った。ハリーは二人の質問を肯定し、双子に見られ、顔を赤らめた。その時、開け放された汽車の窓から、双子を呼んでいるだろう声が聞こえ、双子は、列車から飛び降りた。ハリーとソフィアは、向かい合って窓際に座り、赤毛の一家の会話を半分隠れて、聞いていた。

 

 

 

どうやら、1番年上らしい彼が監督生とやらになったとか、末息子の面倒をよく見るようにとか、行儀良くするようにとか、他愛もない家族の会話だった。途中で、ハリーにあった話や、()()()()()の話などがでてきたが母親に一喝された後、3人の男子は汽車によじ登って乗り込んだ。

 

 

 

 

「あんた……やっぱり、有名なのね」

 

 

「やっぱりって?」

 

 

「はぁ……教科書に少しは目を通しなさいよ」

 

 

 

 

ため息の後に、ソフィアは、ハリーが色々な文献に乗っていたことや、英雄と崇められていたことを教えた。当の本人であるハリーは、本当に自分のことなのかと疑問でしか無かった。二人が、話していると、コンパートメントの戸が開いて、1番年下の赤毛の男の子が入ってきた。男の子いわく、他が空いてないので、入っても大丈夫かと言うことだった。ハリーが、ソフィアに了承を取ろうと目を向けると、ソフィアは、好きにしろただしうるさくするなと返した。赤毛の子がコンパートメントに来て少しして、さっきの双子が来た。

 

 

「自己紹介したっけ?僕達は、フレッドとジョージ・ウィーズリーだ。こいつは弟のロン。じゃ、また後でな」

 

 

 

双子が去った後、ロンが本当にハリーポッターなのかとこぼした。その質問に肯定したハリーは、前髪を掻き上げ額にある稲妻の傷跡を見せた。その後、2人はそれぞれの家庭の話に入り、とくに、ロンの家族の話をハリーは熱心に聞いていた。

 

 

 

「君はマグルと暮らしてたって聞いたよ。どんな感じなんだい?」

 

 

「酷いもんさ…皆がそうだって訳じゃないけど、おじさん、おばさん、僕のいとこはそうだった。僕にも魔法使いの兄弟がいればいいのに」

 

 

「えっと……君は?」

 

 

 

 

ロンは、隣にいるソフィアの方に話をふった。しかし、ソフィアにその声は聞こえていないみたいで、膝の上にいる黒猫を撫でながら、ぼーっと窓の外を眺めていた。聞いていないことに気がついたハリーが、ソフィアの肩を叩き、ロンの質問を教えた。

 

 

 

「マグルよ。そこにいるハリーポッターのいとこにあたる酷い奴よ。」

 

 

そう言うとソフィアは、ふんっと軽く鼻を鳴らし、また窓の外を眺め始めた。ハリーとロンは、ソフィアがさっきまでの話を聞いていたことに驚き、バツが悪そうにソワソワした。それは、ソフィアが、ハリーがそう思っても仕方が無いとさっきの話を肯定するまで続いた。 その後も、自分の兄弟や家族の話をし、ハリーは、自分がクラスでビリになるかもしれないと項垂れた。

 

 

 

 

汽車は、スピードを上げ、牛や羊のいる牧場のそばを走り抜けていった。ちょうどお腹もすく、12時頃、通路でガチャガチャと音がして、えくぼのおばさんが、ニコニコ顔でコンパートメントの戸を開けた。それは、車内販売で、ハリーは、朝食がまだだったので勢いよく立ち上がった。今までダーズリー家にいた頃、ハリーは甘いものを買ってもらう事がなく、たまにソフィアが残したお菓子を貰う程度だった。しかし、今はポケットの中で金貨や銀貨がジャラジャラとなっている。マーズ・バー・チョコレートが持ちきれないほど買える!と意気込んではいたものの、売っているのは、蛙チョコレートやかぼちゃパイ、大鍋ケーキ、杖型甘草あめ、バーティ・ボッツの百味ビーンズなど、ハリーが今まで1度も見た事がないようなものばかりだった。どれも買い損ねたくないと思い、それぞれを少しずつ買って、両腕を食べ物でいっぱいにした。

 

 

 

「お嬢さんは?」

 

 

 

「…かぼちゃジュース1つと蛙チョコレートを2つ……」

 

 

 

ハリーとソフィアは、車内販売を買い、席につき、買ったものをマジマジと見つめていた。ロンは、でこぼこの包みを取りだし、中にはサンドウィッチが4切れ入っていた。しかし、ロンはコンビーフが嫌いだったらしく、顔を顰めていた。それを見たハリーは、自分のかぼちゃパイを差し出し、2人はサンドウィッチをほったらかしたまま、ケーキやパイを夢中で食べた。ソフィアはと言うと、かぼちゃジュースに手をつけたあと、蛙チョコレートをマジマジと見つめて、本物かどうかと心配していた。

 

 

 

「これなんだい?まさか、本物のカエルじゃないよね?」

 

 

「まさか!でも、カードを見てごらん。僕、アグリッパがないんだ。」

 

 

 

ソフィアは、隣で話している声を聞いて、安心し包みを恐る恐る開けた。中には、動くカエルがいて、ソフィアが驚いている間に、空いていた上の窓から逃げてしまった。それを見たロンが、早く食べないとダメだと助言し、ソフィアは、少し嫌そうな顔をした。偽物でも、本物のように動いている蛙チョコレートを口に入れるのは少し抵抗があったのだ。

 

 

 

「この人がダンブルドアなんだ!」

 

 

 

そうハリーが声をあげると、ロンは、ハリーがダンブルドアを知らなかったことに驚いた。また、カードの中にいたダンブルドアが消えて、一日中そこにいるわけじゃないと聞いて、マグルの写真では動かないと教えると、ロンは変だと返した。横にいたソフィアは、2つ目を開け、カエルを直ぐに口に入れた、ただ足がはみ出ていたらしく、グロテスクな()()を見たハリーが、切羽詰って、早く全部食べるように促した。2枚目のカードにロンが言っていたアグリッパとやらが出たソフィアは、興味なしと無言でロンに押付けた。ロンは、まさか貰えるなんて!と大喜びしていた。

 

 

 

「気をつけた方がいいよ。百味って、ほんとになんでもありなんだよ。──そりゃ、普通のもあるよ。チョコ味、ハッカ味、マーマレード味なんか。でも、ほうれん草味とか、レバー味とか、臓物味なんてのがあるんだ。ジョージが言ってたけど、鼻くそ味に違いないってのに当たったことがあるんだって」

 

 

 

それを聞いたハリーは、少し嫌そうな顔をしたが、百味ビーンズを楽しんだ。トースト味にココナッツ、炒り豆にいちごだったりと本当になんでもありだった。ハリーに勧められ、ひとつ貰ったソフィアは、石鹸味にあたり、顔を顰めながらすぐに吐き出した。そして、2人が何を言おうと2つ目を取ろうとは決してしなかった。そんな中、車窓には荒涼とした風景が広がってきた。整然とした畑はもうなく、森や曲がりくねった川、うっそうとした暗緑色の丘が過ぎていった。ほのぼのと外を眺めたり、他愛もない会話をしていると、丸顔を男の子が泣きべそをかいて入ってきた。

 

 

「ごめんね。僕のヒキガエルを見かけなかった?」

 

 

 

3人が首を振ると、男の子はめそめそ泣き出した。男の子いわく、ペットのヒキガエルが自分から逃げてばかりいるらしく、見かけたら…と言って、コンパートメントを出ていった。その後、ロンのペットのスキャバーズの話になった。

 

 

 

 

「きのう、少し面白くしてやろうと思って、黄色に変えようとしたんだ。でも呪文が聞かなかった。やって見せようか──見てて」

 

 

 

そう言うとロンは、トランクからくたびれたような杖を取りだした。あちこちボロボロに欠けていて、端からなにか白いきらきらしたものが覗いている。それは、杖の芯で一角獣の鬣だったらしいがロンは気にせず続けた。そうして杖を振り上げた瞬間、またコンパートメントの戸が開その子は、蛙に逃げられた男の子を連れていて、なんとなく威張ったような話し方で、再度ヒキガエルのことを聞いてきた。ロンが、見なかったと答えても聞いておらず、むしろ、杖に気が取られている。

 

 

「あら、魔法をかけるの?それじゃ、見せてもらうわ」

 

 

そう言うと断りなしに、席に座った。ロンは少したじろいだが、咳払いをし、先程の続きをした。

 

 

 

お陽さま、雛菊、蕩けたバター。デブで間抜けなネズミを黄色に変えよ!

 

 

 

ロンが杖を振るが特に変化はなく、スキャバーズは相変わらずねずみ色でぐっすり眠っていた。その後は女の子の自慢話のような内容に変わっていき、最後にようやく、名を名乗った。

 

 

 

「私、ハーマイオニー・グレンジャー。あなた方は?」

 

 

「僕、ロン・ウィーズリー」

 

 

「ハリー・ポッター」

 

 

「…ソフィ「ほんとに!私、もちろんあなたのこと全部知ってるわ。参考書を二、三冊読んだの。あなたのこと【近代魔法史】【闇の魔術の興亡】【二十世紀の魔法大事件】なんかに出てるわ」

 

 

「たしか、ソフィーもそんなこと言ってた…」

 

 

 

ハリーが名前を出したことで、ハーマイオニーは、ようやく窓側で猫と黄昏ているソフィアを見た。ソフィアは、ハーマイオニーを一瞥し目も合わさずに、また、窓の外を眺めだした。ソフィアは、ハーマイオニーのことを、人の自己紹介にわざわざ被せてまで知識披露をしなければ気が済まない子なのだろう、可哀想に友達が少なそうだと結論付けたのだ。その後、ハーマイオニーは、三人にもうすぐ着くから早く着替えた方がいいと言い、コンパートメントを後にした。ロンは、ジョージがダメ呪文を教えたと杖をトランクに投げ入れながら呟いた。その後、ハリーとロンは、寮がどうとか闇の魔法使いがどうとか、クィディッチのルールなんかについても話していた。

 

 

 

 

そして、また、コンパートメントの戸が開いた。今度は、ヒキガエルを探している男の子でもなく、ハーマイオニーでもなかった。そこに居たのは、ホワイトブロンドに灰色の目をしたいかにも育ちが良さそうな男の子と、その男の子の両脇にたっているガッチリとした体型の男の子2人の3人だった。

 

 

 

 

「ほんとうかい?このコンパートメントにハリー・ポッターがいるって、汽車の中じゃその話で持ちきりなんだけど。それじゃ、君なのか?」

 

 

「そうだよ」

 

 

「ああ、こいつはクラッブで、こっちがゴイルさ。そして僕がマルフォイ。ドラコ・マルフォイだ。」

 

 

 

ドラコが自己紹介をすると、ロンがクスクス笑いをごまかすように軽く咳払いをした。ドラコは目ざとくそれを見咎め、ロンに対し名前を名乗るまでもないと言い切り、ウィーズリー家は皆赤毛で、育てきれないくらい子供がいると言い出した。

 

 

「で、奥に座っている君は?」

 

 

「ソフィア、ソフィア・ダーズリー。」

 

 

「ポッター君にダーズリー君。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのとが分かってくるんだよ。間違ったのとは付き合わないことだね。その辺は僕が教えてあげよう。」

 

 

そういった後、ハリーに握手を求め手を差し出したが、ハリーは自分で見分けれるといい応じなかった。ドラコは、引き下がらず、ハリーにもう少し気をつけないと両親と同じような道を辿ることになるといい、ウィーズリー家とハグリッドを下等な連中と言った。ロンは、もういっぺん言ってみろと叫びながら立ち上がった。クラッブもゴイルも、ハリーやロンよりずっと大きかったので、内心は言葉ほど勇敢ではなかった。

 

 

 

「出ていく気分じゃないな。君たちもそうだろう?僕達、自分の食べ物は全部食べちゃったし、ここにはまだあるようだし」

 

 

 

ドラコがそう言うと、ゴイルはロンのそばにある蛙チョコに手を伸ばした。ロンが飛びかかったが、ゴイルに触るか触らないうちに、ゴイルが恐ろしい悲鳴をあげた。ゴイルの指に、スキャバーズが噛み付いていたのだ。ゴイルは、手を振り回し、やっとの思いでスキャバーズを、ふりきった。そして三人は、足早に消え去った。そんな騒ぎを聞き付けて、ハーマイオニーが間もなく顔を出した。床にちらばっているお菓子を見て、ハーマイオニーは、何をやっていたのかと質問した。しかし、2人はハーマイオニーの声が聞こえていないのか、マルフォイについて話していた。

 

 

 

ロンいわく、『例のあの人』が消えた時に、まっさきにこちら側に戻ってきた家族のひとつで、マルフォイの父親が闇の陣営に味方するのに特別な口実はいらないだろうとロンの父親は言っていたらしい。その後2人は、ようやくハーマイオニーに気づき、何か用かと尋ねた。ハーマイオニーは、強めの口調で早くローブに着替えるように促した。その後、ロンの顔に泥がついてると言い、コンパートメントを出ていった。窓の外は暗くなっており、深い紫色の空のしたに山や森が見えた。汽車はたしかに徐々に速度を落としていた。三人は、上着を脱ぎ黒い長いローブを着た。ロンのローブは少し短かったらしく、下からスニーカーが覗いている。

 

 

 

『あと5分でホグワーツに到着します。荷物は別に学校に届けますので、車内に置いていってください』

 

 

 

車内に響き渡る声が聞こえ、ハリーは緊張で胃がびっくりえ理想になり、ロンのそばかすだらけの顔は青白く見えた。ソフィアは、猫を膝からおろしゲージの中に戻りて、通路に溢れる人の群れに加わった。汽車が停車すると、押し合いへし合いしながら列車の戸から外に出た。外は、小さなくらいプラットフォームで、夜の空気が冷たかった。

 

 

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっち!さぁ、着いてこいよ─あとイッチ年生はいないか?足元に気をつけろ。いいか!イッチ年生、着いてこいよ!!」

 

 

 

生徒の頭上にユラユラとランプが近づいてきて、ハリーの耳に懐かしい声が聞こえた。ハグリッドは、大きな声を上げながら新入生を引率していた。険しくて狭い小道を、滑ったり、躓いたりしながら、みんなハグリッドについて行った。狭い道が開け、大きな湖のほとりに出ると、向こう岸に高い山がそびえ立っていた。そのてっぺんには壮大な城があり、大小様々な塔が立ち並んでいて、キラキラと輝く窓が推しぞらに浮かび上がっていた。ハグリッドの指示通り4人ずつボートに乗った。ハリーとロンが乗り、ネビルとハーマイオニーが続いて乗った。なんという巡り合わせなのか、ソフィアは、さっきのドラコとクラッブ、ゴイルと同じ船になった。それを見たハリーは、ご愁傷さまというような顔をしていた。

 

 

 

 

「みんな乗ったか?よーし、では、進めぇ!

 

 

 

 

ハグリッドの大きな声が合図だったのか、ボートが一斉に動き出した。鏡のような湖面を滑るように進み、みんな黙ってそびえ立つ巨大な城を見上げていた。ハリーは、こんなに幻想的なものを初めて見た。城の地下にあると思われる船着き場に到着すると、全員が岩戸小石の上に降り立った。先程ヒキガエルを探していた男の子が、ハグリッドから無くしたヒキガエルを渡されとてもよろんでいた。石段をのぼり、巨大な樫の木の扉の前に集まった。

 

 

 

「みんないるか?お前さん、ちゃんとヒキガエルを持っとるな?」

 

 

 

ハグリッドは大きな握りこぶしを振り上げ、城の扉を三回叩いた。

 

 

 

 

 

──────────

 

 

 

それと同時刻……

 

 

 

どこかの暗闇で、黄色い目が浮き上がり、闇の中にひとつの鳴き声がとけて消えた。

 

 

 




読んでいただきありがとうございます。

ちまちまと書いていますが、今後は、最新頻度が下がると思います。何分、休みが終わったので……

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