今日、チームアレッサとマホは保須市へ出張に来ている。数多くのヒーローを死傷させる敵・ヒーロー殺しが保須市に現れたのだ。
「マホさんどうしたのですか?」
「ん」
「そうね。具合でも悪いの?」
「ん」
「我特製ドリンクでも飲むか?」
「飲まない」
「即答か!!」
「本当にどうしたんだよマホ嬢ちゃん」
「保須市になんかあるのか」
マホは説明することにした。
「体育祭で上位になった眼鏡男子いたでしょ?」
「ああ!いたな!」
「なかなかの機動力であった!!」
「騎馬戦一緒に組んでいた子よね?」
アマンダが確認する。
「ん。その子インゲニウムの弟なの」
『え!?』
実は体育祭の最中、ヒーロー殺しは飯田の兄・インゲニウムを再起不能、引退に追い込んだのだ。なので最近の飯田の様子がおかしい。どう見ても強がっているとしか思えない。
「しかも選んだ職場体験先が保須市で」
「あーなるほど」
「それは心配するな」
職場体験先が保須市なのだからインゲニウムが兄だと知っている者達は心配なのだ。チームアレッサも納得する。
***
保須市のヒーローたちと連携してパトロールをしたが昼間は異常はなかった。
「やっぱり夜に現れる?」
「可能性が高い。マホ、気を抜くな」
「ん」
しっかりと答えるマホ。その時だ。
ドガアアアアァァァン!!
『!?』
大爆発に驚く一同。遠くから爆発音が聞こえた方角を見ると煙が燃え上がっていた。
「お前達行くぞ!!」
『おう!!』
すぐにそこへ行こうとした一同。すると
♪~
「?」
マホの携帯にメールが届いた。確認すると思わず目を見開く。
「おじさん達待った!」
ガシ!
「ぐえ!?マ、マホなんだ。今それどころじゃ」
マントを引っ張られ、苦しい思いしながらマホに聞くフェンリル。しかしマホの行動で苦しいのは吹き飛んだ。
「これ見て。」
そう言ってメール内容を見せるマホ。メールは出久からで内容は『江向通り4-2-10の細道』とあった。
「これって保須市の住所だよね?」
マホの言う通り、これは保須市の住所だ。今の状況で、保須市の住所だけが届く。チームアレッサはすぐにわかった
「SOS!」
「細道ってことはヒーロー殺しか!!」
なぜか保須市にいる出久はヒーロー殺しに遭遇。SOSとしてメールをA組全員一斉送信をしたようだ。
「よし!俺は細道の方へ行く!ジャン!サポート頼めるか!?」
「任せたまえ!!」
「マホはその子の救助、大急ぎで安全な場所へ退避だ!!」
「ん!!」
「アマンダ、ドナドロンド、クリムトは当然」
「爆発が起こった場所へ急行だろ!?」
「任せてください」
「マホちゃん気をつけるのよ!!何かあったら必ず呼ぶのよ!!」
「ん」
チームアレッサはすぐに行動を開始した。マホはフェンリルとジャンと共にメールの住所へ走る。少しして到着すると例の細道から人影。インディアン風のヒーローに背負われた出久。飯田。轟だった。全員ボロボロのケガだらけ。しかも轟は恐らくヒーロー殺しだろう。そいつを縛り、引っ張っている。
「出久くん!天哉くん!焦凍くん!」
「札野さん?」
「札野か」
「札野さんも来てくれたんだ……フェンリルとジャン・ドゥービーだ――――!!いたたた」
「ああ!重傷なのに大声出しちゃ駄目だよ!!」
「な、なぜフェンリルとジャン・ドゥービーがここに」
驚くインディアン風のヒーローにフェンリルが説明する。
「緑髪の子のメールがフランのとこにも届いたんだ」
「だから我らは全速疾走で来たのだ!!」
「それじゃあ4人とも応急処置しようね。一番ひどいのは誰?」
「緑谷と飯田だ」
「それでは我も手伝おう!!その前にこれを飲め!!我特製ドリンクだ!!」
「ジャントドメを刺す気か!!(汗)」
ジャン特製ドリンクは体にいいのだが味は悪い。どれだけマズイのかと言うと元祖青汁を更にまずくしたものである。なのでケガ人に飲ませるという事はフェンリルの言う通りトドメを刺すようなものだ。
「4人とも飲まないでね。体には良いんだけど味だけは駄目だから」
「わ、わかった」
「なぜおまえがここに!!!」
「グラントリノ!!!」
現れたのはヒーローコスチュームを来たお爺さん。どうやら出久の職場体験先のヒーローのようだ。彼は「座ってろっつったろ!!!」と見事な飛び蹴りをする。様子からして出久は指示を無視したみたいだ。そうしている内に他のヒーローたちが現れ、縛られているヒーロー殺しを見て驚いている。フェンリルたちが説明していると飯田は頭を下げる。自分のせいで大怪我を負わせたことを謝罪した。でも兄がヒーロー殺しのせいで再起不能に落ちたのだから何も見えなくなってしまったのは無理もない。そう話していた時だった。
「伏せろ!!」
「え?」
グラントリノの大声に驚く出久。その瞬間だった。
バサ
翼が生えた脳無に出久が攫われたのだ。このままではマズイ。
「アンディ召喚!!少年を助けよアンディよ!!」
ジャンがドラゴン型のスケルトンを召喚する。ジャンの指示に飛んだアンディだが
バサ
「え?」
「止まった?」
脳無が止まったのだ。落ちる脳無と出久。しかし出久は無事だった。アンディが助ける前にヒーロー殺しが「助けた」からだ。なぜ敵であるヒーロー殺しが出久を助けたのかはわからない。ただしその直後、奴は気絶していた。相手に立ち向かった状態で。しかしヒーローたちは動けなかった。奴の気迫が恐ろしかったのだ。
ー病院ー
マホはお見舞いに来ている。付き添いとしてフェンリルとドナドロンドも一緒だ。
「「ハンドクラッシャ―――――!!」」
「ハンド?」「クラッシャー?」「何だそりゃ」
出久と飯田の爆笑に3人は疑問符を浮かべる。とりあえず病室に入ることにした。
「3人とも来たよ。具合はどう?」
「札野」
「フェンリル」
「それに…ドナドロンドだ!!さすが物凄い威圧感!!」
様子からして大丈夫そうだ。
「にしてもどうして大笑いしてたの?」
マホの問いに轟が真剣な表情で言う。
「実は……俺に関わったら緑谷と飯田の手がダメになってしまった。………呪いか?」
「「ブハ!!」」
フェンリルとドナドロンドは噴き出す。
「ギャハハハハハハハハハハハハ!!!」
「面白いこと言うな!!!気に入ったぜ坊主!!」
もう大爆笑だ。
「? 札野も気をつけてくれ。お母さんを楽しませてくれたお前が怪我するのは嫌だ」
「……ん!わかった」
轟とマホが約束しているとだ。
「とりあえず坊主共。あの状況で単独行動を起こすとはいい度胸。「ヒーローの心得百か条」を教え込む必要があるな」
「「「え」」」
「ま、待ったドナドロンド!!3人は酷い怪我してんだよ!!!」
「せめて退院してから!!今やったら精神的にマズイ!マズイから!!」
マホとフェンリルはドナドロンドを説得する。しかし「駄目だ!!」と言う!!
「ひとおぉつ!人より努力を惜しまず!!」
「「「!!」」」
「ふたあぁつ!不埒な悪に染まらず!!」
「「「………!(汗)」」」
「みいぃっつ!みんなに迷惑かけない!!」
「「「………!(汗)」」」
「よおぉっつ!良い子なヒーロー!!」
「「「………!(汗)」」」
「いつぅつ!いつでも笑顔でパトロール!!」
「「「………!(汗)」」」
ドナドロンド名物「ヒーローの心得百か条」は単独行動を起こした者へのお説教である。看護師が「病院で騒いではいけません!!」と来るまで絞られたのだった