本日、ガリガリのオールマイトと物凄く珍しく髪を綺麗にし、無精ひげを剃り、スーツを着た相澤は生徒たちの家庭訪問をしていた。生徒たちの安全を考え、全寮制になることを詳しく説明するために。当然、被害にあった生徒の家庭は本当に大変だったが生徒本人の説得によりなんとかクリアした。
「次は札野少女だね」
「札野の両親は一般人だが親戚にフェンリルがいる。チームアレッサとも仲が良いから送り迎えを頼んでいる可能性も高いですね」
こうしてオールマイトと相澤はマホの家へ向かった。
***
両親とマホはオールマイトと相澤の前に座る。すると父が言った。
「………本当にガイコツの様になってしまったんですね」
「ええ…まあ」
父は悲しそうに言う。実は父もオールマイトのファン。なのでガリガリの姿のオールマイトにショックを受けていたのだ。
「ちゃんと療養してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
母にも心配されてしまうオールマイトであった。
「それでは全寮制についてなのですが」
「はい。私達三人で話し合いました」
「寮に入ることに同意します」
両親の言葉に相澤とオールマイトは驚く。
「いいんですか?」
「や、やけにあっさりだね」
「知っての通り、親戚にフェンリルが居ます。私は昔から雄英は厳しくも生徒たちのことをちゃんと考えていると聞かされました」
「娘たちの安全を考えての全寮制なら文句は言いません」
「なので…」
「「「よろしくお願いします」」」
マホの場合、意外とあっさり許可された。
「それじゃあ寮に入るということで……それと札野。質問したいこととかあるか?」
相澤の問いにマホは「はい」と答える。
「ヴァイオリンと…ウルシ!おいで!」
「「?」」
「ワンワン!」
現れたのは生後8ヶ月のため、すっかり大きくなったウルシだった。
「私の愛犬、ミニチュアシベリアンハスキーのウルシです!小型犬なのでこれ以上は成長しません!」
「ワン」
「わあ。かわいい子だねー」
オールマイトは「よしよしー」とウルシを撫でる。ウルシも気持ちよさそうに撫でられている
「つまり札野はヴァイオリンとその子を連れていきたいんだな?」
「はい!大丈夫ですか?」
マホは心配そうに聞く
「耳郎も楽器を持ってくるし、口田も兎を連れてくる。大型犬は流石に無理だがその子は小型犬なので大丈夫だ。躾はちゃんとできてるな?」
「はい!人懐っこいので皆と仲良くできると思います!」
相澤の問いにマホはしっかりと答える。
「なら許可する。………それと」
『?』
相澤は真剣な表情で聞いた。
「猫はいるか?」
「居ませんよ?」
「…………そうか」
相澤はどこか残念そう。その様子でマホたちはわかった。
『(猫派か!!)』
相澤が猫派だということに驚きつつもマホとウルシは入寮することに決まった。
***
本日から生徒たちは学生寮“ハイツ・アライアンス”に入る。一人一部屋。エアコン、トイレ、冷蔵庫、クローゼット付き。本当に学生寮なのか?と思ってしまう程の贅沢空間だ。そのせい慎ましい生活をしていたお茶子は倒れた。今は生徒たちは自分の家から持ってきた家具などで思い思いに飾り付けたりする。
「それじゃあ私たちも家具を置こうね!」
「ワン!」
「ここに私のベッド置いて……ここに机を置いて…その隣にタンス。その上にヴァイオリンで…ここにウルシのベッド。この辺りにトイレっと」
「ワンワン!」
「ん?」
ウルシが何かを持ってくる。それはウルシ愛用のおもちゃだ。
「ん!それはベッドの傍のおもちゃ箱だね」
しばらくしてマホとウルシの部屋が出来上がった。
「それじゃあ私、皆と会って来るからお留守番お願い」
「ワン!」
マホはウルシにエサを与え、一旦皆に会いに行くことにした。エレベーターで降りる間に他の女子たちと合流する。話題はやっぱり部屋だった。
「私は可愛く出来たよー!」
「私もー!」
「ん!私も上手くできた」
「うーん。ウチはちょっとね」
「私も色々ありまして」
「私はホントに普通。」
すると芦戸は「お部屋披露大会やらない?」と聞く。
「いーね!せっかくだから男子も誘お!」
こうして男子も強引に誘うことにした。
ー1階共同エリアー
そこには男子たちが寛いでいた。芦戸はさっそく「お部屋披露大会しませんか!?」と誘う。その中で数人の男子が青ざめた。
「わあああダメダメちょっと待――!!!」
出久が大慌てで叫ぶが間に合わなかった。
「オールマイトだらけだ。オタク部屋だ!!」
出久らしいオールマイトグッズが満載の部屋だった。
「フン下らん」
常闇はいきなり始まった披露大会を下らんと一蹴したが葉隠と芦戸に押しのけられた。
「黒!!怖!」
中二病満載の部屋だった。一蹴した理由は確実に見せたくなかったのだ。(常闇哀れ)一方、青山はノリノリで見せてくれたのだが…
「まぶしい!!」
ミラーボールや鏡等々眩しいもの満載。思ってた通り。想定の範疇を出ないと評価された。峰田も見せる気マンマンだったが様子からして確実に怪しいの満載だろう。無視にすることになった。
「ワァー普通だァ!!」
女子たちに普通普通と連発された尾白はけっこう落ち込み気味。
「難しそうな本がズラッと」
「メガネクソある!」
飯田の部屋は大量の本とメガネがあった。
「チャラい!!」
上鳴は手当たり次第なチャラい部屋だった。女子たちの評価に上鳴、尾白、常闇、青山は釈然としない。すると無視された峰田が叫ぶ。
「誰がクラス一のインテリアセンスか全員で決めるべきなんじゃねえのかあ!!?」
こうしてクラス全員でお披露目大会をすることになった。皆の部屋を見るとその人らしい。何もない。ギャップがある等々面白い。男子で一番すごかったのは…
「和室だ!!Σ(・□・;)」
「造りが違くね!?Σ(・□・;)」
轟の部屋だった。本人曰く実家が日本家屋の為フローリングは落ち着かないそうだ。本当にどうやってリフォームしたのか…
「……がんばった」
………頑張ったそうだ。こうして女子たちも部屋をお披露目した。楽器だらけの部屋だったり、女の子らしい部屋だったりと個性的な部屋である。次は……
「マホちゃんの部屋だね」
「ん!私の部屋」
マホの部屋だ。
(俺と爆豪と同レベルの実力者で)
(座学はクラス2位!)
(ヴァイオリンの腕前はプロ級の札野さんの部屋)
(ほんま気になる!)
「ただいま」
『ただいま?』
その言葉に周りは疑問符を浮かべながら部屋を覗き込む。
「ワンワン♪」
『犬だ―――!!』
尻尾を振って駆け寄るウルシ。犬がいたことに周りは驚く
「マホちゃん犬飼ってんだ!!」
「ん!毛が漆黒だからウルシってつけたの!」
「ウルシ!?」
「ハスキーだハスキー!」
「ん!正確にはミニハスキー。ハスキー犬の小型版だよ!」
「…!…!」
すると口田が抱っこしたがっている。
「ん!良いよ!ウルシ」
「ワン!」
ウルシは口田のもとへ行く。口田は上手に抱っこし、優しく撫でる。すると
「くぅ~ん♪」
気持ちよさそうだった。そんなウルシの姿に周りは…
『かわい~~♡』
メロメロだった。
の後、他の女子の部屋のお披露目を終わらせ、やっと結果発表になった。
「砂藤―――力道―――!!!」
「はああ!!?」
和室にした轟の後だったため、かなり普通だった砂藤の部屋だった。ちなみに理由は…
「ケーキ美味しかっただそうです」
「味と食感完璧だったよ」
「部屋は!!」
その時、ふるまったシフォンケーキが理由だった。