2日目、とうとう始まった授業。午前中は小・中と変わらない普通の授業。午後は全員が楽しみにしているヒーロー基礎学。そして教師は……
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」
アメリカン風のヒーロー・オールマイト! 人気No1のヒーローが教師なのだ。彼自身も楽しみにしていたのか銀時代のコスチュームを着ている。
「今日はコレ!! 戦闘訓練!!! そしてそいつに伴って……こちら!!!」
オールマイトがリモコンを押すと壁から人数分のケースが現れた。これは生徒の要望とサポート会社によって出来上がったコスチュームだ。自分専用のコスチュームに生徒たちは大盛り上がりである。
「着替えたら順次グランド・βに集まるんだ!!」
『はーい!!!』
ー女子更衣室ー
「わあ 梅雨ちゃんのコスチューム蛙だ!」
「ケロ。個性が蛙だからね。お茶子ちゃんのも素敵よ」
梅雨がお茶子のコスチュームを褒めるがお茶子は「私はお任せにしちゃったからぱっつんぱっつんだよー」という。
「うお! ヤオモモ大胆!!」
「は、発育の暴力」
ダンサーのような芦戸とパンク系の耳郎は胸元から臍まで露出するレオタード風のスーツを普通に着こなしている八百万に驚く。
「でも、これは手直しされたものですわ」
残念そうに言う八百万が描いたコスチュームイメージを見た制作会社が
「貴方のご要望されたデザインは”コスチュームの露出における規定法案”に触れてしまいますので手直しすることをお許しください」
と手直ししたのだ。
「でも似合ってるよー」
「え!? もしかしてあんたそのまんま!?」
葉隠は手袋とブーツだけだった。確かに透明人間なら当然の考えだが女子としてどうだろう。
「透ちゃん、風邪ひいちゃうよ?」
心配するマホ。マホのコスチュームはというとだ。
『ドレスアーマー!!』
「やば! カッコイイ!!」
「かわいいし!」
「おしゃれー!」
「素敵よマホちゃん」
「凛々しいですわ」
「ゲームのキャラだ!!」
マホのコスチュームは大好評であった。
グランド・β
男子たちと合流した女子たち。
「お──ミニスカ! パンチラ!」
そう叫んだのは葡萄頭の男子、峰田実。彼は変態。幼児と勘違いしてしまう程の身長と相まってマホのスカートの中が見れると興奮する。ただしだ。
「スパッツ履いているから大丈夫」
マホ本人はスパッツ履いているので気にしていない。なので
「がく」
峰田は膝をついてしまった。
***
今回の授業はビルの何処かにある核の回収。敵組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦をやるのだ。生徒たちはさっそくくじを引く。
「Cだれだー」
「私Iだよー」
「あ、俺もI」
「D! さっさと来やがれ!!」
「Dだがそれはないぞ!!」
くじを引いた後、生徒たちは同じチームの者と組むがマホだけ動かない。
「札野さんどうしたの?」
話しかけてきたのは出久だ。
「出久君。これの意味はわかる?」
そう言って見せるマホ。
「オ、オールマイトマーク!?」
オールマイトをデフォルメ調のマークにした奴だった。
「お、引いたのは札野少女か。今年のA組、B組は奇数だからね!! どうしても一人あまるから私が相手をすることになったのさ!!!」
『え────!!!』
相手がオールマイト。かなり恐ろしい。実力差があるため心配になってしまう。ただしマホはというと
「ん! がんばる!!」
ノリノリなのか目を輝かせていた。帰ったら確実に両親に自慢するだろう。
まずは一回戦。
「Aコンビがヒーロー!! Dコンビが敵だ!!」
ヒーローチームは出久・お茶子で敵が爆豪・飯田だった。
「なんか因縁対決になりそうだねー」
「ん。出久くんはかっちゃんって呼んでいたから……幼馴染かな?」
出久たち以外の者はモニターで様子を見る。始まった瞬間勝手に飛び出し、見つけた瞬間出久に攻撃を仕掛けたのだ。
(自分勝手な行動。勝己君の様子からして自尊心の塊。チームワークも全然ダメ。対して出久君とお茶子ちゃんは作戦をしっかり考えている)
出久が爆豪の相手をしている隙にお茶子を先に行かせていた。
(そして天哉君はお茶子ちゃん対策で掃除。あ、見つかった)
なぜかお茶子は噴き出しており、そのせいで見つかっていた。
「お茶子ちゃんなんで笑ったのかしら?」
「天哉君は真面目だから敵の演技をやったのかな。『俺は敵だ~』って言う風に」
「あー確かに」
マホの言葉に周りは納得する。ちなみに飯田が言ったセリフはというと
「これも飯田家の名に恥じぬ立派な人間となる為の試練! なりきれ! (ヒーローになる為悪に染まれ!!)俺はぁ……至極悪いぞぉお」
だった。すると爆豪は出久に手を向け、手榴弾型の籠手に手を当てる。
「爆豪少年ストップだ殺す気か」
オールマイトが叫んだ瞬間だ。
ドゴオオォォン!!
大爆発が起こった。個性把握テストで見せた以上の威力だ。
「本当は敵になりたいのか!! 爆豪はよ!!」
「うーん 一応ヒーロー科に来ているからならないとは思うけど……」
その様子に周りは悩む。ヒーローになりたいからヒーロー科に入った。でも今の爆豪はどう見ても敵。せめてその性格を直してほしい。
(あれは自分にも危険すぎる。個性を扱う技術は凄いのに)
爆豪の様子、余裕がないのだ。すると出久は攻撃を仕掛けに行く。爆豪はカウンターを決めようとしたが……
ドゴオオォォン!!
出久は爆豪じゃなく、天井に攻撃をしたのだ。その瓦礫は上の階にいるお茶子の武器になる。飯田が怯んだすきにお茶子は核を回収した。
「ヒーローチームWIIIIIIN!!」
勝ったのはボロボロになった出久と個性を使い過ぎて具合悪くしたお茶子だ。ただし
「今回のベストは飯田少年だけどな!!!」
爆豪の自分勝手な独断。愚策の大規模攻撃。出久も同じく大規模攻撃、そのせいで重傷がダメ。お茶子の場合は中盤の気のゆるみと最後の攻撃が乱暴すぎた。そのため、敵として考え、行動した飯田がベストだった。ちなみに飯田の注意すべき点は一つある。それはマホが説明することにした。
「戦闘中に一人で掃除はさすがにどうかと思う」
「そ、そうだった──―!!! (汗)」