ベル「勝負だ!」
アイズ「痛くしないでね?」
更新遅れた言い訳は後書きに
ベルは剣を構えながらアイズを見ていた。
アイズを観察していてその強さがよくわかった。
彼我の戦力差が相対しただけで、アイズが纏う闘志だけで理解してしまった。
これが、オラリオの冒険者。
これがLv.5。
これが【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。
おそらく【虚飾魔王】の権能をフルに使えば攻撃を当てることは難しくはないとベルは考える。
だけどこれは模擬戦。
スキルも魔法も用いず、己が研鑽してきた『技と駆け引き』で戦うのみ。
「来ないの?」
アイズは剣を構えながら静かにそう解いてきた。
冷や汗が流れる。
ラキアではある程度戦えたからこそわかる。
(そりゃ、ラキアじゃ勝てねえわ)
ラキアの全戦力をこの少女に向けても、返り討ちにあうだろうと予想する。
だけど、それでも。
ベルは前に進むために一歩踏み出す。
「シッ!」
踏み込みからの高速で切りかかる。
一年修行した成果を今ここでフルに使う。
だけど、【剣姫】はそれを上回る。
ベルが放った最高の斬撃を後ろに半歩下がるだけで回避する。
「ちっ!当たらねえか」
ある程度予想していたが、流石に軽々と避けられると思ってなかったベルの心が傷ついた。
「速い、ね」
軽々と避けたアイズはベルの斬撃を見てそう評する。
「………アンタに言われても皮肉にしか聞こえないな」
そう言って次は突き技を繰り出す。
だけどアイズは体の重心を軽く横にズラすだけでそれを回避する。
「フッ!」
そしてベルは回し蹴りを繰り出すが、アイズに片手で捕まえられてしまう。
「強いね、君は」
アイズはベルの戦いを見てそう評する。
それはアイズが素直に思ったこと。
斬撃の速度も突き技の速度も、今の回し蹴りの威力も『
「てか、お前もそろそろ剣使えよ」
ベルは負けるとわかっていながらアイズに向かってそう言う。
負けるとわかっていても、敵わないとわかっていても。
いつか追い付き、追い抜くためにベルはアイズとの闘争を望む。
「じゃあ、いくよ?」
そして【剣姫】が走り出した。
□■
その日もベート・ローガは【ロキ・ファミリア】のホームの屋根上で訓練をしていた。
いつも通りの訓練を終え、中庭を見てみるとアイズと
「何やってんだ?アイズは」
あのただひたすらに強さを追い求めた少女が新人の面倒を見るなんて珍しいと思いながらベートは二人の戦闘を見ていた。
ベルが攻撃を繰り出し、アイズが避けながら攻撃を繰り出す。
アイズが繰り出した攻撃を避けるか、受け流すか、又は受けて飛ばされるか。
どう考えても新人がついてこれるような訓練では無い。
だけどベルはついてきていた。
「はっ!ちょっとは骨のあるやつが来たみてえだな」
ベートはそう言いながら模擬戦が終わるまでその戦いを見ていた。
□■
「ふぁぁぁぁぁ」
欠伸をしながら山吹色の妖精が起き上がる。
まだ朝日が完全に昇っていない時間。
その時間にレフィーヤの意識は覚醒した。
何故レフィーヤがこの時間に起きたのかそれには理由がある。
それは
「この時間に起きれば流石にあの新人も起きてない筈ですし、あの新人との訓練が始まるまで私が先に訓練してもらいましょう!」
ということだった。
レフィーヤですらアイズと訓練した事ないのに、昨日入ったばっかりの新人がアイズと訓練するなんてズルい!という理由で気合と根性だけで起き上がったのがこの少女だ。
レフィーヤは早速訓練用に着替え、魔杖をもって中庭に向かって歩き出す。
すると途中から鈍い音が聞こえ始めた。
(なんの音でしょうか?)
そう思いながらレフィーヤは中庭に向かう。
この時間は基本的にアイズぐらいしか訓練していないからアイズがなにかやってるのだろうと思っていた。
だけどそれは半分正解で半分間違えだった。
中庭に到達したレフィーヤが見たのは、
レフィーヤですら視認するのも少し難しい速度で木剣を振るうアイズと、それを辛うじて捌いている新人の姿だった。
「は、はぁぁぁぁぁ!?」
意味がわからなかった。
何故昨日『
わけがわからなかった。
「なんなんですか、あの
だけどその声は誰の耳にも届かなかった。
二人の模擬戦を見て邪魔してやろうとも思った。
どうにかして中断させようと思った。
だけど戦ってる二人の表情が真剣で。
気づいたらレフィーヤは二人の模擬戦が終わるまでそれをみつめていた。
□■
(凄い、この子)
表情には出さなかったが、アイズは驚愕していた。
流石に手加減しているが、高ステイタスのLv.2の前衛ですらほぼ視認不可能な剣戟を目の前の少年は捌いていたのだから。
加減を間違えて直撃することもあるが、上手く受け流したりしている。
真正面から受けても気絶などせずにそのままぶつかってくる。
(どうして?)
アイズは知りたかった。
(どうしてそんなに強いの?)
アイズは知りたかった。
目の前の少年は『
以前にどこかのファミリアに所属していたこともない。
なのになんでだろう。
なんで自分についてこれるのだろう。
アイズの攻撃が激しさを増す。
ベルはそれに必死に対抗しようとする。
そこにはベルの強くなりたいという意思があった。
(ねえ?)
アイズは知りたかった。
(どうして、そんなに強くなりたいって願うの?)
少年の心の中に抱いている本音を知りたかった。
というわけで言い訳タイム!
言い訳させてください!
まず更新遅れた理由として、一番の理由は違う作品ずっと書いてたからなんですが、この作品の構成をもっと練ってたっていうのもあるんですよ!
オリキャラとかオリ設定とか原作キャラの強化部分とか、この後手に入れるベル君の新しい魔法やスキル、武器の設定など色々決める事があったんですよ!信じてくださいマジで!
でも結構(勝手に)休んだお陰でオリ展開とか設定も結構出来たのでそろそろ再開したいなと思って投稿しました。
原作がどのように進むのかまだわからないのでなんとも言えませんが、現在【ベル・クラネルの復讐記】という作品は十四章までのプロットが完成しました!
思ったよりも長くなったりしてますが、多分十四章までやるのにはやくても一年はかかると思うので気長に付き合ってくださると光栄です。
今日まで投稿を待ってくれたお礼として今日からは長くても週一投稿は出来るようにします。
なろうに投稿している作品が完結し次第投稿頻度を上げていきたいと思いますのでそれまでゆっくり更新ですが【ベル・クラネルの復讐記】をよろしくお願いします!
追伸
もしかしたらタイトル変わるかも(笑)