ベル君はメイドさんである   作:衛鈴若葉

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間違えて消してしまったので再投稿。
バックアップなんてとってないので一から書き直しですけどね。


プロローグ

メイドさんとは主を守るものである。

メイドさんとは主を助けるものである。

メイドさんとは奉仕の精神を極めるものである。

メイドさんとは常にメイド服を纏うものである。

メイドさんとは最強であるべし。

 

僕が考えたメイドさん五箇条だ。

似たような内容があるのは分かるが、そこは突っ込まないで欲しい。

メイドさんは全てを完璧にこなし、主の為ならばなんでもやる。

ただのメイド、とは隔絶された差があるのは何よりも明らかだで無力な彼女らを守る立場であるだろう。

それか彼女らを束ねる立場か、そんな感じだろうなぁ。

メイドさんとしてそんな場所まで登り詰められたら至高の一言である。

主に仕えられるだけでも至上だ。

 

メイドさんとは家政婦であろうか。

それもある、それもあるが否と答えておこう。

家政婦だけの存在ではないのだ。

メイドさんにもまた様々な属性がある。

オリジナルはやはりクラシックスタイルであろう。

個人宅に住み込みで働く使用人、やはり雇うのはお金持ちだけだった。

しかし、その体系も時代と共に変容する。

神様の文化、それに僕は風穴を開ける。

神々にとって萌えというものは種類様々にあるらしい。

祖父は男の娘は見ていると癒される、と言っていた。

いわゆる女装をしてどう見ても女の子にしか見えない男の人を男の娘と呼ぶらしい。

特殊性癖でもただの女装趣味でもそう呼ぶ。

僕はどちらかというと女装趣味なのだろうか。

ミニスカもロングスカートも履きなれてしまった。

 

師匠と祖父との暮らしはいつか僕が自立するまで続いた。

メイドさんの最終は主に仕え、尽くすこと。

祖父も師匠も僕にとっては主ではなかった。

真の主は僕自身で見つけるもの。

そうだと祖父も師匠も言ってくれて、修行に更に身が入った。

 

僕がメイドさんを志したきっかけは祖父の言葉であった。

ハーレム、覗き、男としてのロマンを追い求めることも大切だ。

しかし、と続いたのがメイドさん道であった。

男としてのロマンも無数にあるけれどその他にも無限にロマンは広がる。

それを追い求め、必要ならば道を外れることも大切だと祖父は熱弁し、翌日には男性と女性を連れてきた。

タンコブで顔を腫らした祖父が連れてきたのは白い髪に黒いドレスが特徴的な女性と常に黒いよろいを身に纏っている男性。

挨拶の時に僕がメイドさんについてのことを聞くと女性が祖父をぶん殴っていた。

男性の名前はザルド、女性の名前はアルフィアといった。

僕にとっては叔父と伯母にあたるらしい。

ザルドさんは料理が得意だそうだった。

アルフィアさんは、少し怖かった。

でも、懐くのは時間の問題で夜はアルフィアさんの胸で眠り、朝と昼にはザルドさんに料理を教えてもらったり農作業で汗を流した。

自然とアルフィアさんのことはお義母さんと、ザルドさんのことは師匠と呼ぶようになった。

 

黒髪に白髪が混じった男の人。

神様らしいその人はお義母さんと師匠を連れてオラリオ、という場所に行ったらしい。

悲観することはない。

メイドさんとしてまだ未熟な僕は行くべきじゃなかった。

死ぬとしても二人は覚悟の上なのだろう。

最期の夜にお義母さんは言った、最期の料理の時に師匠が言った。

自分の目指す道を行け、そう言ったんだ。

 

「行くのか」

 

「うん、行くよ」

 

七年、未熟ではあるけれどそれは都市で磨くべきだと旅立つことを決めた。

背中には祖父が神器だと言った大太刀が背負われている。

何故かあったものだ、いつの間にか。

折角なら持っておけと祖父が言ってくれた。

 

「荷物はまとめたか?」

 

「きっちりね。おじいちゃんは大丈夫?僕がいなくても」

 

「問題ないわい。いざとなったらワシもそっち行くからの」

 

「いいけど、がんばってね?」

 

祖父の軽口に微笑みながら返す。

僕の体くらいあるバックパックは問題なく持てる。

師匠と一緒にやった筋トレは無駄ではないことを物語っている。

中にはメイド服やこれまで作ったメイドさん道具が入っている。

メイド服は実に何十着、自作のものもあるし水着仕様のものもある。

なんで女性用のものなのかは近所のおばさんに聞いても教えてくれなかった。

まあ、着る時が来たら着るけど。

 

「馬車はもうお願いしてある。大丈夫だって、おじいちゃんじゃないんだから」

 

「‥‥‥むぅ、やっぱり複雑じゃのう」

 

「たまには帰ってくるからさ」

 

僕の部屋の入口近くで祖父は項垂れる。

いつも近所に儂の可愛い孫がな、と自慢している祖父だ。

心配なのは分かる。

たまには帰るからと慰めて落ち着いてもらう。

 

「死ぬなよ?」

 

「善処する」

 

「そこは約束‥‥‥、まあベルらしいか」

 

「ハハハ、じゃあ行くね。待たせちゃってる」

 

グィィッと荷物を何とか背負う。

意外と重い、そう思うが直ぐに慣れてくる。

 

「行ってらっしゃい、じゃ」

 

「行ってきます」

 

鞄を背負って、大太刀も背負って、家から僕は出ていく。

愛しの我が家、愛しの実家、思い出しかない農村。

 

「お、来たか!」

 

「お願いします!」

 

御者のおじさんに一度礼をすると馬車に乗り込む。

荷物を下ろして息をついた。

直ぐに馬車は走り出した。

舗装されていない道は走る馬車を揺らす。

後ろから見える景色はしばらく変わらない。

たまに小動物や珍しい植物が見えるくらいだ。

前から吹き抜ける風は心地よい。

こんな旅が二週間くらい続く。

野宿は慣れた、どんな場所でも眠れる。

 

昼間のうちは御者のおじさんと話したり、モンスターを倒したり、盗賊を退けたり。

夜は街か村に寄って眠った。

やがて【港街(メレン)】に着き、そしてオラリオに着いた。

メレンでは色々と見て回ったものである。

全てが見たことのないもので、娼館には行かなかった。

 

「着いた!」

 

「ここまででいいのか?」

 

「はい!ここからは僕だけで。ありがとうございましたっ!」

 

新しい土地には興奮するものだ。

男でなくとも誰でもそうだろう。

だから、オーバーテンションでおじさんにお礼を言って駆け出す。

多分、おじさんは生暖かい目で見守っていた。

 

「メイドさんとは主を守るものである」

 

メイドさん五箇条の復唱。

これは日課で、トレーニングの前に必ずやることだ。

今日は特例でやるのを忘れていたので走っている時に小声ですることにした。

 

僕のメイドさん道は始まったばかり。

ご主人様探しと洒落込むとしよう。

変態でもなんでも構いやしないが一目惚れする人がいいなぁ。




設定大幅変更のお知らせ。
真・女神転生要素が丸々消えました。
それ以外は元々通りです。
可愛く書ければそれで本望です。
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