VAーヴァリアス・アビリティ   作:VA

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第六話です。ここから遂に事件が始まります!!
読んでくださる皆様に感謝です


第六話 事件の始まり

「あー、一組の諸君。聞いてくれ」

放課後、教卓の前に眼鏡をかけた男の先生が立っていた。

「私は鳳小弦(おおとりしょうげん)。寮などの特別建築物の顧問だ。何故ここに私がいるかと言うと寮の部屋割が決まった為お知らせに来た。諸君にはここを卒業するまでの間、寮に入ってもらう。おっと、心配しなくてもいい。男女は別だ」

それは当たり前だろって言うツッコミをぶちかましたかったが、中には男女一緒かな? と考えていた奴がいるかも知れないからやめておこう。

「あー、異論は無いようだな。それでは寮の部屋と名前を言う。二人で一つの部屋を使うので仲良くな」

鳳先生から寮の部屋と相部屋の生徒が発表される。

「えーと、紫乃原葵。Dの七七七号室」

俺はD七七七号室。何とトリプルセブンだった。ちなみにDというのは男子の頭文字を取ったもので女子の場合はJとなっている。

寮の構造は男女別々で西棟と東棟に分けられている。一年生が七階から八階。二年生が五階から六階。三年生が三階から四階。二階はトレーニングルームと会議室。一階は食堂となっている。

さて、気になるのは俺の相部屋の男子生徒。性格に難アリは勘弁だ。かと言ってBL系も勘弁だ。

(さぁ、俺の相方は誰だ?)

今、運命の瞬間が訪れる。

「あー、申し訳ないが人数の関係で紫乃原だけ一人になった」

え? 今何て。なんで俺だけ……一人?

寮なのに一人暮らし宣告をされた帰り道。俺は紅葉、霙、要と共に寮に向かっていた。

「まぁ、仕方ないですわ」

「そうそう、しょうがないよ」

 

「しゃあない、しゃあない」

励ましてくれる紅葉と霙。いいやつだなぁ。一人を除いて…。

「でも、葵と同居だったら何されるか分からんないから良かったんじゃないかな」

おい、紅葉それどういう意味だ。

「そうなんですか」

 

「えっ、やっぱり。こんな私だったらいいけど…」

 

変態を見るかのような眼差しを向ける霙。そして、色気を振りまく要。やめて、それ嘘だから。信じなくていいから。そしてさっきの言葉は撤回させていただきます。

 

寮に着いてから、俺と二人は別行動になった。男と女な訳で一緒に行動していたら色々まずいことが起きてしまうからだ。

俺は一人でD七七七号室へと向かう。どの部屋も広さ、家具など変わらないのだが、俺だけ一人と言うことからか部屋が大きく見える。

部屋にいてもすることの無い俺は今朝、出来なかったゲームを進めることにした。

「あと、もう少し…おっしゃあ」

長年クリア出来てないステージを今まさにこの瞬間クリアした。俺の頭の中で花畑が咲いた。向日葵(ひまわり)秋桜(コスモス)、タンポポ、チューリップなど、様々な花が咲いている。

メリメリ、ガシャン。

花畑が一瞬にして荒野になったかのような音がした。

「なんだ?」

俺の花畑を破壊した音の正体を探りに行く。

「ヤホー」

「こんにちわ」

 

「あちゃー、粉々だよ」

目の前には壊れた、破壊された玄関のドアっぽいものが無惨にも転がっていた。そしてドアを破壊したと思われる容疑者。紅葉(もみじ)(みぞれ)が立っていた。そして実況見分をする要。

「一人じゃ暇だと思ったから遊びに来たよ」

へへっと笑いながら手に持っていた袋を見せる。お菓子とジュースが入っていた。ここで宴会でもするつもりか。

「お邪魔します」

俺の許可なく部屋に侵入する三人。俺に拒否権はないらしい。

「まて、何でぶち破ったんだよ」

「だってそっちの方がかっこいいじゃん」

「かっこいいとかそう言う問題じゃねぇ」

後でどやされるの俺なんだから。

このやりとりを目を輝かせて見る霙。何でそんなに輝かせてるのと俺は言いたい。そして未だ壊れたドアを触りながらうんうん頷く要。

「中で事件は起こってねぇし、ドアは開くんだからぶち破る必要はない」

「ぶー」

紅葉が口を膨らませて不満そうな顔をする。かまってちゃんだ。と瞬時に判断した俺は霙にここに来れた理由を訊ねた。

「どうやって、男子寮に来たんだ。寮監とか入り口にいたろ?」

「えっと、入らせてくださいって言ったら入れてもらえました」

何だと!? そんなすんなりいれるとか何考えてるんだよ、あの寮監は。

あの寮監とは、鳳小弦のことだ。彼は特別建造物の顧問をしていることは先ほど述べたが、ここの寮の寮監もしているらしい。女子寮の方は千崎棗(せんざきなつめ)と言う我らが最強の担任が寮監をしているらしい。今まで数々の男子が女子寮に侵入を試みたらしいがいずれも棗先生に(ほふ)られている。女子寮に入れた者はレジェンドと呼ばれる。これは男子生徒の中で伝説になっている。

「おーい、葵。早く始めようよー」

勝手に部屋に入り込み、持ってきたものを机に広げあげた状態で紅葉が呼んでくる。あの、ここ俺の部屋なんだけど。

「すいません、ちょっとトイレに」

霙が立ち上がり俺の部屋から女子トイレへと向かった。

当たり前だがここは男子寮なわけで女子トイレなぞ設置されていない。

なら、男子トイレですればいいじゃないかと思う人も少なからずいるかも知れないが、もし、霙が男子と鉢合わせしたらとんでもないことが起こってしまう可能性が大だ。だからNGだ。霙がトイレに行ってから三十分が経った。

「霙、遅いな」

「うん」

俺と紅葉、要は三人でお菓子やジュースを飲んでいたが遂に両方とも無くなってしまった。

「すいません、今戻りました」

霙がハンカチで手を拭きながら戻ってきた。

「長かったなぁ、なんかあったのか?」

 

「いえ、特に何も」

 

「葵く~ん。女の子にそんなことを聞くのは野暮だと思わないのかい」

 

「そうよ、葵。女の子にそんなこと聞くのはねっ」

 

ゴン。バキャ。グギ。ベギ。

 

死傷者一名を残し宴会は幕を閉じた。

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