夢の書留   作:夢がね

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普段なら8時に勝手に目が覚めるのに10時に起きた日


12/25① 疲れきって迎えたクリスマス


今回の俺は俯瞰者。


 

学校の校舎*1の中。

廊下を走っているのは黒髪に白のメッシュの入った少女*2だ。

彼女の玉肌も今は擦り傷で汚れている。

 

彼女が何故学校の廊下を走っているのか。

学校に定められたルールを守らないのか。

それは彼女の後ろを見ればすぐに分かる。

 

目玉の飛び出た、脳の剥き出しの人型の怪物が彼女を追いかけている。

肌は青色、口は裂けていた。

そんな怪物から彼女は逃げている。

 

足は縺れ、今にも転びそうなほど疲れている。

だがあの化け物はスピードを落とさない。

最初からスピードは劣っていた。

疲れた足じゃ一瞬で捕らえられる。

そう考えても解決策などないが、必死に廊下を走る。

 

外は見えるが、出られない。

学校の中だが、廊下は入り組んでいる。

疲れていなければ撒けたかもしれないが、後の祭りだ。

この場合祭り上げられるのは彼女だろう。

 

根性のない一般人なら、もう逃げるのを諦めてしまう状況だ。

だが彼女は諦めない。

思い人*3の存在。

それが彼女が足を止めない理由になっていた。

彼もこの学校の何処かにいるのは分かっているが出会うことが出来ない。

 

右に左に、階段を上り下りして逃げる。

本当に学校の中なのか分からなくなるような異次元空間を、疲れ切った足で縦横無尽に駆け回る。

 

それでも、辿り着いたのは行き止まりだった。

厳密に言えば、行き止まりではない。そこには謎の黒い渦*4が渦巻いている。

振り向けばそこに怪物が居た。

逃げ場はない。この渦以外には。

 

ゆっくりとこちらに近づいてくる怪物。

少しずつ、ジリジリと後退る。

もう追い詰められている。

意を決して飛び込む少女。

 

飛び込んだ先にはまた黒い渦がもう一つあった。

まだ引き返せる。後ろには入った渦がある。

引き返せばあの怪物が居る、そう思うと駄目だった。

いや、どちらにせよ来るかもしれない。あの怪物も渦に入って来るかもしれない。

そう考え、また渦へ飛び込む。

躊躇しながらも次へ、また次へ。

 

そうして必死に走って辿り着いたのは、綺麗なお花畑。

でも、目の前には真っ黒のどろどろとした海が、

墨汁で満たしたように広がっている。

 

少女は振り向く。

そこに入って来たはずの渦はなかった。

そこにはただ、お花が辺り一面に広がっているだけだ。

 

本当の意味での行き止まり。

この異次元空間の果てがここなのだろう。

 

少女は力なく地面に膝をつく。

目から涙を流す。

涙が頬を流れ、地面に吸い込まれる。

 

虚ろな目が黒い海の向こうを見つめる。

島も船も何も無い、途切れることない地平線。

 

「あ、あああ、あ"っ"、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ"!」

 

彼女は叫んだ。喉を削るような、痛々しい、心からの叫び声を上げた。

 

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……あ"……、ああっ。」

 

よろよろと立ち上がり、彼女は黒の海へ走り出す。

足元の花など気にせず、踏みつけ、花弁を散らさせる。

 

黒へと足を踏み入れる。

口から嗚咽を漏らしながら前へ進む。

彼女に絡みつく水はまるで泥だ。

海、というより沼のようだった。

 

沼の泥が纏わり付く。

沼から手が伸びるように泥が巻き付く。

徐々に、少しずつ沈んでいく。

彼女が見えなくなったところで、映像が切り替わる。

*1
俺の中学校に近いが、所々違う。教室は妙に綺麗だった。

*2
知っているキャラにどことなく似ていたが確実に別人

*3
次の少年

*4
俺は何処かへ繋がっていると確信した

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