本来はこの小説にピリカを出すつもりは有りませんでした。
しかし、ピリカの存在が無いと成り立たない話が出てくる為、ヒロキとクララのクラスメートという形でピリカを出す事にしました。
タイガ原作視聴者なら何故ピリカがいないといけないかが分かる筈です。
ヒロキは白い天井を見上げながら目を覚ました。ヒロキは左手が包帯で固定されている事に気付く。
「ここは何処?」
「病院だよ。GIRLSの管轄のね。」
「えっと・・・、さっきの怪獣娘の皆さん!!」
思わず呟いたヒロキの問いに答えたのはミコだった。その周りにはあの現場にいた怪獣娘が変身前の姿で揃っている。ミサオがヒロキに尋ねるもヒロキは答えに迷う。
「ヒロキさん、どうしてあそこにいたんですか?」
「それは・・・・・。」
「まあいいよ。怪獣が現れた現場にはあんまり近づいちゃ駄目。おジョーに怒られるよ。」
ミコはそう言った後、ヒロキはヨウとユカに話しかけた。
「そうだ!あの怪獣が現れた原因は分かったの⁉︎」
「いや、今の所は何も・・・。」
「私達もあの後現場を調べたんですが何も分かりませんでした・・・。」
「そうか・・・。」
「アタシ達もこの後、怪獣が現れた原因についての会議があるからここで・・・。」
ミサオがそう言って、4人は部屋を出て行く。
4人が完全に部屋を離れた頃を見計ってヒロキはタイガ達に話しかけた。
「あの怪獣は何?」
『悪い・・・。俺は何も・・・。』
『俺も知らねぇな。旦那は?』
『・・・・・一つだけ心当たりがある・・・・・。』
「本当⁉︎」
『恐らくだが、あの怪獣は・・・・』
「あの怪獣はセグメゲルだ。」
『うわああああああ⁉︎』
GIRLSの会議室で怪獣娘が集まり、先程の怪獣についての会議が開かれていた。その最中に1人の民族風の服を着た坊主頭の男が突然現れ、彼女達は驚く。
代表してトモミが男に話しかけた。
「あ、貴方は一体⁉︎」
「私はダマーラ星人。故郷をセゲル星人の操る怪獣セグメゲルによって滅ぼされ、この地球に亡命した宇宙人の1人だ。」
それを聞いたレイカは男の言葉を復唱し、ミコは先程街に現れた怪獣が男の言う『セグメゲル』だと気付く。
「ダマーラ・・・星人・・・。」
「セグメゲルって・・・さっきの怪獣だね!であの怪獣はさっき言ってた・・・。」
「セゲル星人が呼び出したものだ。奴らは自分達が生存可能な星を侵略して領土を拡大してる。今、奴らのターゲットになったのはこの星だ。」
ダマーラ星人の言葉にアキが質問し、ダマーラ星人が答える。
「どうやってあの怪獣を出したんですか?」
「奴らの召喚士がセグメゲルを召喚し、ターゲットとなった星を攻撃する。奴らの召喚士を何とかしない限りあいつはまた現れる。」
「すぐに探さないと!!何かセゲル星人の特徴はありませんか!?」
「姿は私や君達地球人と変わらない。召喚士は特殊な水晶を持ってセグメゲルを召喚している。」
今回の事件について情報提供するダマーラ星人。ここでクララが懐疑の声を挙げる。
「・・・・アナタもグルじゃないのデスカ?怪獣の情報を偶然とは思えないタイミングで教えるナンテ・・・。」
「違う!!私は地球を侵略したりしない。ただこの星で暮らしたいだけなんだ!!」
「本当の事を言いなサイ!!でないと、ただではすまさないデス!!」
掴みかからん勢いでダマーラ星人を問い詰めるクララ。思わずミクが割って入る。
「止めて下さい!!この人は嘘を付いていません!!」
「ミクラスちゃん!!もしかしたらその宇宙人はセゲル星人とグルかもしれないのデスヨ!!」
「この人の目は嘘を付いてません!!ヴォルクお兄ちゃんと同じです!!故郷の星を追われはるばるこの星へ流れ着いただけです!!信じてあげましょうよ!!」
ミクは必死にダマーラ星人の無実を訴える。彼女の必死な姿にクララは納得したわけではないが引き下がる。そこでトモミが全員に任務を伝える。
「皆さん、まずはセゲル星人の召喚士を追いましょう!!GIRLS出動です!!」
『了解!!』
その頃、病室でヒロキはタイタスからセグメゲルの話を聞いていた。話を聞いた後、ヒロキはセゲル星人を探すため、着替え始める。
「今の僕じゃ戦えない・・・・。奴らがセグメゲルを召喚する前にセゲル星人を見つけないと!!」
『おいおい、お前は俺達と一体化してるんだぜ。そんな怪我短時間で治るさ。』
「けど、怪我が治らない内に現れたら、太刀打ちできないよ!!だから今の内に見つけないと!!」
『確かに・・・・、あの怪獣の毒の炎は厄介だしよ。・・・・それにしてもヒロキ、ここを出て大丈夫か?』
「一応、今日退院できるから、今の僕に出来る事をしないと。」
『立派だな、君は。』
トライスクワッドと話しながら着替えを終えたヒロキは病室を後にしセゲル星人の捜索に向かっていった。
その頃、レイカはセグメゲルが現れた現場から少し離れた場所で調査をしていた。そんな中、彼女はとあるアニメショップを通りかかる。通り過ぎようとした時、彼女はあるものに目を取られた。
「こ、これはおまピトの公式アンソロジーコミックの単行本‼︎・・・・そういえば今日発売でしたね。」
おまピトとは週間少年ツブラヤで連載されているスポーツ漫画『お前にピットイン!』の略称である。この漫画は中高生のみならず多くの女性にも大人気な漫画でレイカだけでなくランも大ファンである。
今日はその公式アンソロジーコミックの単行本が発売される日であったが怪獣の出現でレイカはすっかりその事を忘れていたのである。
レイカは窓から店の中を見てもう残り3冊しかない事を知り悩み始める。
「ああ・・・・買いたいです‼︎でも、怪獣の出現した理由を調査しないと・・・・!・・・・でも、この時間から残り僅かなら仕事が終わった頃にはもう他の店でも・・・!」
レイカは真面目な性格なため仕事の最中に寄り道をしてはいけないと思っている。しかし、今日の仕事終わりには他の店でも買える保証がない為、それならいっそここで買った方がいいのではないかと悩み始めていた。そこにピリカが通りかかり、レイカに声を掛ける。
「ねえ。ここで何を悩んでるの?」
「わっひゃあ⁉︎」
「ご、御免!驚かせて・・・でも何か悩んでるようだったからさ。」
「い、いえこちらこそ驚かせてすみません。じ、実は・・・。」
レイカは窓から店の中の単行本のコーナーを見ていた。その視線を察したピリカはレイカの手を引いてアニメショップに入る。
「貴方もおまピトを買いに来たんだね!だったら一緒に入ろうよ!!」
「えっ⁉︎ええ⁉︎」
ピリカに手を引かれ単行本コーナーの前に来たレイカは覚悟を決め、ピリカと共に残り3冊の単行本を手に取ろうとする。すると同じタイミングで単行本を手に取った少女がいた。
「「「あっ・・・。」」」
その後、店を出たレイカとピリカは同時におまピトの単行本を買った少女と並んで通りを歩いていた。
「いやー、良かったね。丁度3冊でさー。」
「そっ、そうですね・・・。」
レイカは何処か浮かなそうな顔をしていた。ピリカはそんなレイカに話しかけるレイカの答えに3人目の少女が声を挙げる。
「どうしたの?何かやってしまったよ的な感じでさ。」
「じ、実は今仕事の最中だったんです・・・。それなのにこんなサボる形になってしまって・・・・。」
「仕事・・・・。わたしも初めて仕事をサボったんだよね・・・。」
「えっ、そうなんですか⁉︎私も初めてなんですよ!・・・罪悪感とか感じませんか?」
「うん・・・・結構感じてる。」
「大丈夫だよ!一回くらいはサボってもさ!あっ、あの観覧車乗ろうよ‼︎」
ピリカは目の前にあった観覧車を指差し、2人に声を掛ける。レイカ達は遠慮がちに答える。
「い、いえ流石にこれ以上は・・・。」
「わたしもちょっと・・・」
「いいじゃん!あたし達おまピトトリオ同盟の友情の証として乗ろうよ‼︎」
「おまピト同盟っていつからトリオ組んだんですか⁉︎」
「いいからいいから‼︎」
ピリカは2人の手を引いて観覧車に連れて行く。結局観覧車に乗った3人は自己紹介をしていた。
「そういえばまだ名乗っていなかったよね。あたし、旭川ピリカ。」
「私は白銀レイカです。」
「わたしは葵。」
「レイカちゃんに葵ちゃんか・・・。ねえ、2人は何の仕事をしてるのってレイカちゃんってGIRLSだよね?」
「ええ、私はGIRLSで情報や調査関係の仕事をしています。」
「わたしも調査みたいなものかな。それでこの辺りの調査を。」
「何か運命感じるね。同じ場所でおまピト買ってさ、しかもうち2人は仕事をサボっちゃってさ。」
「初めて仕事をサボってこういう事をする日が来るとは思いませんでした・・・。」
「ええ、でもこうやって仕事をサボれて良かったと思うわ。こんな楽しい時間は本当に初めてだから・・・。」
「そうなんですか?」
「ええ。」
その後、観覧車を降りた3人はタピオカミルクティーを飲みながら公共のテーブルで話をしていた。
「楽しい時間が初めてって言ってたけど、そんなに忙しいの?」
「ええ、休む時間や遊ぶ時間も取れないくらい忙しい仕事を取ってくるから。」
「ええ⁉︎そんなに⁉︎それは流石に酷いですよ‼︎抗議の声を挙げてもいいと思いますよ⁉︎GIRLSだって忙しいですけど、ちゃんと休みはくれますし‼︎」
「いっその事辞めちゃったら。」
「出来ないよ‼︎わたし、この仕事の責任者だし、この仕事が人生みたいなものだし・・・。」
「仕事とかそういうものに人の人生を決める権利なんてない‼︎」
ピリカが立ち上がって声を挙げる。やがてピリカは落ち着くと座って話し始める。
「あたしもちょっと自分の人生に悩んでいた頃があってさ。そんな中あたしにそう言ってくれた人がいるんだ。その人はこう言ってたよ。『自分の人生は自分で決めていい。何かやりたい事が出来たら自分で決めたそのやりたい事への道を進め』ってさ。葵ちゃんが本当にやりたい事が出来たら、その道に進んでいいんだよ。人には誰でも自分の未来を切り開く力があるんだからさ。」
「ピリカさん・・・。そうですね、自分の人生だからこそ自分で後悔しないように過ごす事だと私も思いますよ。」
「2人とも・・・。」
葵は持っていた鞄を掴みながら考え始める。
その横でレイカとピリカはタピオカミルクティーを飲みながら話していた。話題はキングジョーことクララについてだ。
「そういえばさ、レイカちゃんってさGIRLSだよね?」
「はい。GIRLSの怪獣娘です。」
「キングジョーの怪獣娘のクララ・ソーンって知ってる?」
「えっ、私の先輩ですけど・・・ピリカさんはキングジョーさんを知っているんですか?」
「勿論、中学生時代の同級生で親友だもん。最近、彼女大丈夫?今日も何か他の怪獣娘さんと揉めていたらしいから結構心配なんだよね。」
「ええ、最近はかなり荒れていて・・・。あんなに優しかったあのキングジョーさんが・・・。」
「絶対に彼女を見捨てないって約束してほしい。あのままだと何か嫌な予感がするからさ。」
「勿論です‼︎」
その時、レイカのソウルライザーに着信が鳴った。相手はピグモンからだった。レイカは電話に出る。
「御免なさい。ちょっと出ます。」
「勿論いいよ。ねぇねぇ葵ちゃん・・・。」
「はい、こちらウインダム。」
『ウインウイン、セゲル星人の召喚士を特定しました。写真を全ての怪獣娘に送っています。この人物の確保を急いで下さい。』
どうやらGIRLSでは街中の監視カメラの映像からセゲル星人の召喚士の特定が出来たようだ。やがてレイカのソウルライザーに写真が転送される。レイカはその写真を見て驚いた。写真に写っていたのは目の前でタピオカを飲みながらピリカとおしゃべりしている葵だったからだ。
レイカはそれを見て思わず声を上げてしまう。声に気付いたピリカと葵はレイカに話しかける。
「どうしたの?」
「いえ・・・、上司から聞きたい事があるからと・・・。」
どこかしどろもどろになるレイカに葵がソウルライザーを取り上げる。すると葵は突然無表情になった。
「・・・・GIRLSの怪獣娘って聞いて・・・まさかとは思ったけど・・、騙してたんだ。わたし達セゲル星人を追ってたなんて・・・仕事に戻るから。」
「違います!!葵さん!!待って下さい!!」
「えっ、何、どういう事・・・。セゲル星人って・・・葵ちゃん・・・まさか!!」
葵は鞄から水晶を取り出した。レイカと葵は止めようとするも水晶から放たれた衝撃波に吹っ飛ばされる。葵は水晶を右手に持ち空に掲げると呪文のような掛け声を唱える。
「セグメ、アクバル、エスサラハ!!」
水晶から一筋の光線が放たれ、空に黒い雲を形成する。その雲の中から怪獣『セグメゲル』が落ちてきた。セグメゲルは大きな地響きを立てて、近くの建物や道路を破壊しながら町に降り立った。
「グギャアアアアオオオオアアアア‼︎」
次のウルトラマンが始まるまでギャラファイを見る日々を送っています。
同じ気持ちの方はいませんか。