怪獣娘タイガ ~トライスクワッド参上計画~   作:特撮恐竜

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今回はオリジナル回です。
バガンさんから設定を借りた怪獣娘が登場します。
今回のエピソードはタイガ原作では担当しなかった坂本監督が撮った話を意識しています。
『魔の山へ』はこのエピソードが終わってからやります。

誘拐宇宙人『レイビーク星人』登場


妹と姉(前編)

ある日の夜、酔ったサラリーマンが千鳥足で歩いていた。その横には彼の部下らしき男がサラリーマンを必死に支えている。

 

「うぃ〜、ヒック、あのヒステリック女部長め〜、いつも偉そうにしやがって〜。」

「ちょっと課長、飲み過ぎですって・・・。」

 

どうやら彼は女の上司を持っているらしいが、その上司に不満があるようだ。そんな上司を支えながら歩く男の前に1人の人影が現れた。

 

「誰だ〜、俺らの前に立っているそこの馬鹿は、ぶっ殺すぞ‼︎」

「ちょっと、いくら何でも目の前の見ず知らずの他人に迷惑をかけちゃ駄目ですよ‼︎すみません、気にしないで下さい。」

 

そんな彼等の前に現れた人影は彼等に近付いてくる。それもかなりフラフラした状態でだ。そんな人影が心配になったのか酔ったサラリーマンを抱えた男は声を掛ける。

 

「あ、あの、大丈夫ですか?」

 

目の前に人がいると気付いたその人影は2人のサラリーマンに急に近付いてきた。そして彼等に必死になって声を上げる。

 

「お・・・・・願・・・・・・い・・・・・・助・・・・・けて・・・・・。」

「どうしました⁉︎大丈夫ですか⁉︎ちょっと課長、いい加減にして下さい、緊急事態っぽいんですから‼︎」

「うぃ〜。」

「ああっ、もういい‼︎」

 

助けを求めている声を聞き男は呼びかけるもいつまでも酔っ払っている男に嫌気が差したのかすぐそばに酔っ払った男を下ろしてその人影の元に急ぐ。すると男はその人影がはっきりと見えた。その人影は女性だった。その女性は緑色の恐竜を思わせるパーカーのような格好に背中には戦車の砲台のようなものを背負っており、腰にはキャタピラを付けていた。しかし彼女はかなり苦しんでいるようだ。彼女は戦車怪獣『恐竜戦車』の怪獣娘だ。しかし彼女には片目に本来は無い機械のようなものが取り付けられていた。男は目の前の女性がどういう存在か確認した。

 

「怪獣・・・・・娘・・・・・?」

 

恐竜戦車の怪獣娘は目の前の男をしっかり確認して男の元に駆け寄った。そして目の機械を抑えながら助けを求める。

 

「おね・・・・・がい・・・・・。たす・・・・けて・・・・、私・・・・・、こんな・・・・・ところで・・・・。」

「大丈夫ですか⁉︎気をしっかり‼︎落ち着いて下さい‼︎」

「助けて・・・・・ぐばっ⁉︎」

「うわあああああ⁉︎」

 

男が彼女に呼びかけるも彼女は大量の血を吐いて地面に倒れる。そして彼女はそのまま動かなくなり生き絶えた。

 

 

 

 

 

 

その翌日、クララは不機嫌な顔で町を歩いていた。彼女は最近は荒れていた上、それまで予定されていたモデルとしての活動を止められた事に抗議を立てたのだ。しかし、ベニオやミカヅキからアベルとの戦いであった事を聞いていたのかトモミは彼女の抗議を聞き入れなかった。荒れていた上に全ての活動を止められた彼女は更に不機嫌になっていたのだ。

そこにフランス人形を思わせる顔立ちとクララより控えめなボディラインで彼女より少し小柄の少女が近付いてきた。彼女の名は『ラハナ・ソーン』。クララの妹であり、『キングジョーⅡ』の魂を継ぐ怪獣娘である。ラハナはクララに恐る恐る声を掛ける。

 

「姉さま・・・・・。」

「・・・・ラハナ?何の用デス?」

「そっちは・・・・・お家の方じゃ・・・・・。」

「ワタシが何処に行こうと勝手じゃないデスカ‼︎」

「ひっ、ご、御免なサイ・・・・・。」

 

クララはラハナを怒鳴りつけるとそのまま何処かへ去っていく。怯えながら姉の後ろ姿を見るラハナ。そこに偶然、ヒロキが通りかかった。

 

「クララちゃん?どうしたの、そんなに怒鳴って・・・・・って君は、確か・・・・・。」

「ヒロキ⁉︎ヒロキまでワタシの事ヲ・・・・。もうワタシに構わないで下サイ‼︎」

「姉さま‼︎」

「クララちゃん‼︎待って‼︎」

「ソウルライド、『キングジョー』‼︎」

 

クララはキングジョーに変身すると何処かは飛び去ってしまう。そんな彼女の後ろ姿を見ながらヒロキはラハナに話しかける。クララの幼馴染である彼はその妹のラハナともよく遊んでおり面識があったのだ。ラハナもヒロキの事をクララから聞いていたのか彼に話しかける。

 

「ラハナちゃん・・・・・だよね。僕のこと、覚えてる?」

「えっと・・・・・うん・・・・・ヒロキ兄さま・・・・デスヨネ?・・・・・はい・・・・久しぶりデス・・・・・。」

「久しぶりだね。えっと・・・・・立ち話もなんだから何処か座れる場所で話そうか。」

「えっ・・・・ワタシと⁉︎」

「嫌だった?・・・・・御免。じゃあまた会ったら・・・・・。」

「あっ・・・・・あの・・・・・大丈夫だから・・・・・。」

 

ヒロキとラハナは場所を移動してカフェにいた。ヒロキはアイスティーを、ラハナはオレンジジュースを飲みながら互いに向き合ってテーブルで話す。

 

「本当に久しぶりだね。クララちゃんから聞いたよ。君も怪獣娘になってGIRLSに所属してるって。」

「うん・・・・・・。」

「僕もさ、こっちに引っ越してきていきなりクララちゃんに再会したからびっくりしたよ。・・・・・最近どう?結構君の事も心配なんだよ・・・・。」

「ヒロキ兄さま・・・・・もしかしてワタシの事・・・・・。」

「うん、クララちゃんから聞いた。暴走した事があるって・・・。」

 

 

 

 

そう言ってヒロキはヘルベロスの事件の後のクララとの会話を思い出した。それはヘルベロスを倒してから数日後の学校の帰り道の事だった。帰り道の途中でクララがヒロキにラハナの話を持ち掛けて来たのだ。

 

「ヒロキ、ワタシの妹『ラハナ』の事は覚えていマスカ?」

「ラハナって・・・・・ラハナちゃんの事だよね。勿論‼︎」

「実はあの子・・・・・一度暴走してしまって・・・・・元々あの子はあまり積極的ではなかったのですが・・・・それ以来人と関わる事を恐れるようになってしまいマシタ。」

「大変だね・・・・・。」

「よければヒロキもあの子が人に慣れるよう協力してくれまセンカ?ヒロキもいればあの子も・・・・・きっと上手く他人と話せる様になると思うのデス。」

「勿論‼︎僕に出来る事があるなら何だってするよ‼︎」

「本当デスカ⁉︎サンキューデース‼︎」

 

ヒロキの答えを聞いて思わずヒロキに抱きつくクララ。ヒロキは顔を真っ赤にしてクララを引き離そうとするも人間の姿でも力が強い彼女を振りほどけずにいた。

 

「ちょっ⁉︎は、離れてよ、クララちゃん‼︎」

「いいじゃないデスカ‼︎」

 

 

 

 

「ワタシ、元々引っ込み思案で・・・・それに加えて・・・・・あの暴走のせいで人と接するのが怖くなってしまって・・・・、どうシタラ・・・・・。」

「でも僕とは話せてるじゃん。」

「多分・・・・・、それはヒロキ兄さまは顔見知りダカラ。」

「それでも、僕と話せてる事に変わりないじゃん。少しずつでいいから人に慣れて行こうよ。僕も協力するからさ。・・・・・これから僕と一緒に渋谷とか池袋辺りにでも行かない?そうすれば少しは・・・。」

「御免なサイ・・・・・今日は用事があるカラ・・・・・。でも誘ってくれてありがトウ。」

「そうか。」

 

2人は会計を済ませてカフェを出る。少し歩いて分かれ道で2人は分かれた。

 

「じゃあ、僕この辺で。」

「うん・・・・・ワタシはこっちダカラ・・・・・。」

 

2人は別の道を進み始める。やがてラハナが立ち止まった。怪獣娘としての感覚が何かを感じ取ったのだ。彼女は立ち止まったと同時に後ろを振り返る。

 

「?」

 

しかし、誰もいない事を確認するとラハナは再び歩き出した。その後ろでは怪しげに目を赤く光らせる2人の何者かがラハナをつけて歩み出す。

 

「ギギッ・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、GIRLS本部では昨日サラリーマンが遭遇した怪獣娘について会議していた。会議に参加していたのはトモミ、ミコ、ベニオ、ラン、ミカヅキにかぷせるがーるずの3人だった。

 

「昨日の夜、恐竜戦車の怪獣娘が突然急死する事件が発生しました・・・・。」

「急死⁉︎一体どうして⁉︎」

「はい・・・・・その原因なのですが・・・・・。」

 

ミコの質問に対してトモミは下を俯き、悲しそうな表情をしながらモニターに映像を写し、言葉を繋ぐ。

その映像には恐竜戦車を検死した結果をまとめたレポートだった。

 

「昨日急死した怪獣娘は全身に機械を埋め込まれ、いわばサイボーグにされていた事が分かりました。頭の機械も取り付けられたものでなく頭に直接埋め込まれたものです。死因はその機械の負担に耐えられず拒否反応を起こしたからと判明されました。」

「誰かに改造されたって事⁉︎・・・そんな・・・・・酷い・・・・。」

「ふざけやがって‼︎一体誰がこんな事を‼︎絶対に許せねぇ‼︎」

「尚、この機械は地球上の物質で作られてないと判明しました。」

「それじゃあ、改造した犯人は宇宙人⁉︎でも、何のために?」

「分かりません・・・・・。ですが、こんな事をする卑劣な犯人を野放しにするわけにはいきません‼︎わたし達が解決しないと‼︎皆さんも気を付けて下さい‼︎」

『了解‼︎』

 

 

 

その頃、ヨウとユカは雑談しながら道を歩いていた。彼女達はGIRLSの正式な隊員になって間もないため今回の会議に呼ばれていなかったのだ。話題はクララについてだった。

 

「聞いた?キングジョーさん、暫く活動停止だって・・・・・。」

「うん。」

「前はあんなに優しかったのにさ、あのキングゲスラの事件以来かなり怒りっぽくなっちゃったよね・・・・・。」

「子供の頃に友達になったあの怪獣が仮面のウルトラマンに殺されちゃったからその怒りが抜けないんじゃないかな。」

「キングジョーさん・・・・・・、いつか元に戻ってくれるのかな・・・・・。」

 

そんな会話をしていたところに1人の少女が通りすがる。それはラハナだった。ラハナは通りかかった先で姉の話題を聞く事になるとは思わず立ち止まって彼女達の会話を聞いていた。

 

「キングジョーさん、このままじゃGIRLSにいられなくなるかもしれないってエレキング先輩が言ってたよ。」

「そんな・・・・。そこまでなの?」

「何でも後輩の芸能課の怪獣娘や撮影のスタッフの人達に対して態度がかなりキツくなったらしいから・・・・・、わたし達も心配だよ・・・・・。」

 

ラハナは彼女達の会話を聞いて、暗い表情を立てながらその場を去る。

その時、彼女の後ろを誰かが通った。ラハナは振り返るがそこには誰もいない。再び前を向くラハナ。彼女は前を向いた途端、驚いた表情になった。

 

「‼︎」

 

そこには目が赤く光り頭がカラスのような人間が立っていたのだ。それはラハナの前でジャンプして1回転しながらラハナの後ろに着隊する。ラハナはソウルライザーを取り出して叫ぶ。

 

「ソウルライド、『キングジョーⅡ』‼︎」

 

彼女は姉の獣殻によく似た獣殻を纏い怪獣娘『キングジョーⅡ』に変身する。ラハナの前に立っているそれはラハナに飛びかかる。彼女は飛んでそれを避ける。その丁度後ろにもう1人のカラス頭が待ち伏せ彼女に大きな銃のようなものを向ける。カラス頭が銃の引き金を引いたと同時に銃から青い光線が放たれキングジョーⅡはその光線を浴びると銃の中に吸い込まれていった。

 

「きゃああああああ‼︎」

 

 

 

「えっ⁉︎今、悲鳴が⁉︎」

「行ってみよう‼︎」

 

その悲鳴はヨウとユカにも聞こえた。突然の悲鳴に驚いた彼女達は後ろを振り返り悲鳴が聞こえた場所に駆け出していく。彼女達が悲鳴が聞こえた場所にまで辿り着くとそこには誰もいなかった。念の為彼女達はソウルライザーを取り出して変身する。

 

「「ソウルライド‼︎」」

「『マガバッサー』‼︎」

「『マガジャッパ』‼︎」

 

彼女達は怪獣娘に変身して周りを見渡す。すると何かが飛びかかってきた。彼女達は間一髪で避ける。すると先程のカラス頭が現れた。

 

「こいつら、宇宙人か⁉︎」

「さっきの悲鳴と何か関係が⁉︎」

「ギギッ‼︎」

 

カラス頭の宇宙人が右ストレートをマガバッサーに放つ。マガバッサーは飛んでその拳を避ける。マガジャッパの元にももう1人のカラス頭が現れる。カラス頭の宇宙人は右フック、左フック、右フック・・・とフックを連続で放ってきた。マガジャッパは時にかわし、時に受け流しながら相手の攻撃をかわす。マガバッサーがサマーソルトキックを宇宙人に放ち宇宙人は一回転して吹っ飛んだ。マガジャッパも水流を放ち宇宙人を吹き飛ばす。水流を受けた宇宙人は壁に叩きつけられる。

 

「このまま追撃するよ‼︎」

「う、うん‼︎」

「お前らの目的は何だ‼︎さっきの悲鳴を出した人はどうしたんだ‼︎」

 

マガバッサーは時に飛び上がり、時に降下しながら蹴りを放つ。マガジャッパも相手の攻撃を一回転して避ける。

 

「ギギッ、こいつらは当たりだ。さっきの怪獣娘共々我々のために役立つな。」

「なっ⁉︎喋った⁉︎」

「さっきの怪獣娘って・・・・・一体どういう事ですか⁉︎」

「話は我々のアジトでな‼︎カーッカッカッカッカ‼︎」

「「なっ⁉︎」」

 

マガバッサーとマガジャッパの後ろに3人目のカラス頭の宇宙人が現れた。3人目は先程キングジョーⅡを吸い込んだあの銃を放つ。再び銃の引き金を引き、マガバッサーとマガジャッパを吸い込んでしまった。

 

「「きゃあああああああ‼︎」」

「よし、これで3人目だ。こいつらで今度こそ成功させるぞ。」

「ああ、我々『レイビーク星人』と『ノワール星人』の共同計画をこいつらで完成させてやる。」

 

そう言って3人の誘拐宇宙人『レイビーク星人』は去っていった。しかし彼らは自分達を見ている者がいる事に気付いていなかった。

 

「ど、ど、どうしよう⁉︎ノイ、マガバッサー達が捕まっちゃったよ‼︎」

「慌てんな‼︎まずは落ち着け、深呼吸だ‼︎」

 

サチコとミサオだ。彼女達は丁度バンドの練習の帰り道だった。そこで顔見知りであるマガバッサーとマガジャッパの悲鳴を聞いたミサオがここに到着していたのだ。しかし、時遅く彼女達が銃に吸い込まれるところで現場に到着したため間に合わず、ひとまず隠れて様子を伺う事にしたのだ。

 

「うん、スーハー、スーハー・・・・・。落ち着いた・・・・。」

「そうか、何とかしてあいつらを救出するぞ。お前は本部に連絡を頼む。アタシはあいつらを追うから。」

「1人で⁉︎無茶だよ、あいつら人を吸い込む銃を持っているんだよ‼︎ノイまで捕まっちゃうよ‼︎」

「大丈夫だ‼︎アタシは耳がいいし、周りの音を消せるから尾行には向いてる。仮に捕まったとしてもお前が残っていればこの危機を伝えられる。」

「で、でも‼︎」

「あいつらは計画と言ってた。その計画が何なのかこの耳で聞いてやるよ。本部に連絡を頼む。」

「・・・・、分かった。けど、無茶しないでね。」

「おう‼︎」

 

そう言ってミサオはソウルライザーで本部に連絡を取るサチコを後ろにしてレイビーク星人を追跡し始めた。




バガンさんから設定を借りたと言っても「オジョーさんの妹」「引っ込み思案な性格」以外バガンさんは決めていなかったので彼女の設定を肉付けしました。
バガンさんからは了承済みです。バガンさん、本当にありがとうございます。

ラハナ・ソーン
誕生日 12月5日
年齢 15歳
趣味 機械いじり
好きな事 姉と一緒にお茶をすること 
嫌いな事 人混み 見知らぬ顔と話す事 姉と比べられる事
キングジョーⅡの魂を継ぐ怪獣娘。中学3年生の女の子。姉と違って引っ込み思案な性格。姉であるクララの事を慕っている。ヒロキともよく遊んでいたためヒロキとも仲がいい。実は姉に比べられる発言を聞いてショックを受け暴走してしまい、人と接する事を恐れるようになってしまった。
名前の由来はキングジョーⅡが暴走するきっかけとなった『ラハ』カム・ストーン→ラハナ
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