レッドキング先輩は確実にホラー苦手だと思いますが。
とある山に巫女服の女がいた。その視線の先には巨大な何かがいた。その時、空に金色のオーロラが広がった。オーロラは巫女まで降りると黄金に輝く剣に変化した。巫女はその剣を受け取り、一振りすると彼女はその剣を何かに投げつける。剣は何かを貫き後ろにあった岩山に刺さると何かは絶叫を上げていた。
「ギアアアアアァァァァ⁉︎」
そして何かの後ろの岩山が二つに割れ、何かは岩山の中に封じ込められていった。それを見た巫女は振り返り、その場を後にした。
時は変わって現代、GIRLS本部では怪獣娘とヒロキが会議室に集まっていた。トモミが皆を集めた理由を話す。
「皆さ〜ん、今日は集まってもらってありがとうございます。実は3日後皆さんにある山の調査をしてもらいたくてここに集まって貰いました〜。」
「ある山の・・・調査ですか?一体どうして?」
レイカが疑問を口に出すとトモミはモニターに山の映像を写す。
「この山は今はもう村人がいない筈の村なのですが、この山を訪れた人が揃いも揃って『怪しい人影を見た』、『古い格好の生気のない村人がいた』などの証言があります。地元の人々も滅多に近づかない魔の山と言われているくらいです。しかし、地質調査などのやむを得ない理由で訪れた人達があの山を『もう近づきたくない』と口を揃えて言っています。」
「全員が⁉︎・・・確かに妙ですね・・・。」
「この山には何か秘密があるかもしれないと踏んだGIRLSは調査を決行しました。調査に辺りチームを2つに分けたいと思います。まずは山に登って直接調べるチーム。2つ目は麓に残り、山に登ったチームに万が一の事があった時に備えるチームです。」
「だったら、僕は山に登って直接調べます‼︎山に登るチームに加えて下さい‼︎」
「お、おいおい⁉︎山に何が待ち構えているのか分からねぇんだぞ‼︎それでも行くのかよ⁉︎」
トモミの案にヒロキは進んで山を登るチームに立候補し、それをベニオが制止する。ヒロキはレッドキングを見据えて発言する。
「大丈夫です‼︎行きます‼︎」
「ヒロキが行くならワタシも行きマス‼︎ヒロキの指導係はワタシデスカラ‼︎」
今、GIRLSに入って間もないヒロキの面倒を見る指導係はクララである。彼女自身の希望と新しくGIRLSに入った新人であるヒロキの指導係をするクララを見て他の人達からのクララの信頼を取り戻すというトモミの計画もあり、ヒロキの指導係はクララが当てられた。
「分かりました。希望が強いようですし、ヒロヒロとキンキンは山を登るメンバーに加えましょう〜。」
「ありがとうございます‼︎」
「出発は3日後です〜。それまでにメンバーを決めますので希望がある方は申し出て下さ〜い。」
それから3日後、その山にヒロキは怪獣娘と一緒に来ていた。山に登るメンバーはヒロキ、キングジョー、アギラ、エレキング、レッドキング、ゴモラに決まり、残りのメンバーは山の麓で待機する事になった。ヒロキは山に登る前に疑問に思った事をキングジョーに質問する。
「この山についてなんだけど・・・・本当にあると思う?地図から消された村なんてさ。」
「今は何とも言えまセン。けど、この山にはかつて村があったというのは本当の様デス。」
3日間の調査で目的地について調べた結果、かなり曰く付きの山だった事が発覚したのだ。アギラが村の伝説を話してレッドキングが震える。
「昔、空から舞い降りた赤目様という村の守り神の為に村に訪れた旅人を生贄にしていた・・・・。けど不審に思った旅人達はいつしか村を訪れなくなって・・・・やがて村人自身を生贄にする様になり、1人、また1人と村人が生贄にされ続け、生贄がいなくなった村は滅びた・・・。・・・・噂じゃ生贄になった村人の霊が・・・。」
「おい、アギラ‼︎それ以上はよせ‼︎」
「レッドキングさん、もしかして幽霊とか・・・」
「何言ってんだ‼︎俺は怪獣娘だぞ‼︎ゆ、ゆ、ゆ、幽霊なんか怖いわけねぇじゃねぇか‼︎」
アギラの指摘に声を震え上がらせるレッドキング。エレキングも表情からは分からないが、少し体が震えており、今の話を怖がっている事が伺える。そんなエレキングにマガバッサーが話しかける。
「先輩、少し震えてません?」
「何言ってるの‼︎幽霊なんて怖い訳ないわ‼︎そもそも現代において幽霊なんて馬鹿げてるわよ‼︎」
声を荒げるエレキングにヒロキは不安を感じていた。怪獣娘が2人も村の伝説を聞いて怖がっていたのだ。この先何があるか分からないと思ったヒロキはレッドキングとエレキングに提案する。
「レッドキングさん、エレキングさん、山の麓に残るメンバーの中の誰かと交代しますか?そうすれば」
「何言ってんだ‼︎行くに決まってんだろ‼︎今更後戻りは出来ねぇしな‼︎」
「そうよ、べ、別に怖い訳じゃないわ‼︎だから、余計な気遣いは無用よ‼︎」
ヒロキの提案をムキになりながら否定して却下する2人。そんな2人にガッツ星人が話しかける。
「レッド、エレ、無理しなくていいから、わたし山に登ってもいいよ。2人のどっちかわたしと交代しない?」
「・・・・・そうね。私は戦闘タイプじゃないし、村で何があるか分からないから言葉に甘えさせてもらうわ。」
「へっ、怖気ついたのかよ‼︎エレ‼︎」
「そういう貴方こそ、さっきから足が震えているわよ。怖気ついているのは貴方の方じゃないかしら。」
「てめえ‼︎もう一編言ってみろ‼︎」
「ストップ‼︎ストーップ‼︎2人とも喧嘩は止めて‼︎」
一触即発になりかけた2人に割って入り制止するゴモラ。ゴモラはレッドキングに向き合って話しかける。続いてマガバッサーもレッドキングに提案した。
「レッドちゃんもムキにならないで‼︎意地張らないで誰かに代わって貰えば!」
「わたしもガッツさん同様、山に登っても大丈夫ですよ‼︎」
「いや、いい‼︎待機してるなんて俺の性に合わねぇ‼︎だから登る‼︎」
レッドキングは意地を貼り続け登ると言い切った。ここまで頑固に意地を張ったらもう彼女は止められない。山に登るメンバーからエレキングが外れて代わりにガッツ星人が加わった。山に登るメンバーを変更して再び山に登ろうとした時、山菜狩りに出ていたのか鎌を持った籠を抱えた1人の初老の男性が焦りながら怪獣娘達に声を掛ける。
「この山に入ってはいかん‼︎山の中にある九頭流村には悪魔がおる‼︎いくら怪獣娘でも危険じゃ‼︎」
「大丈夫ですよ‼︎わたし達タフですから‼︎」
ゴモラが初老の男性に対して言葉を返したところで彼女達は山に登っていった。やがて登っている途中で黒い車を発見する。そのそばにはスーツを着た小太りの男性と黒いゴスロリで紫に髪を染めた右目に眼帯をつけた少女がいた。2人はヒロキ達に気づき声を掛ける。
「あれ、誰かいる?」
「おやおや、皆さんは?」
「国際怪獣救助指導組織通称『GIRLS』の怪獣娘です。この山に調査の為に訪れました。」
「ああ、GIRLSの皆さんですか。・・・おお、モデルのキングジョーさんじゃないですか‼︎TV見ましたよ、暫く活動を休止するそうで・・・少し残念です・・・。」
「Sorryデース・・・色々ありまして・・・。」
「そして、大怪獣ファイト初代チャンピオンのレッドキングさんに大人気ファイターのゴモラさんにあらゆる分野で活躍するガッツ星人さんも‼︎・・・・・ここでお会い出来て光栄です。」
「ど、どうも・・・。」
アギラが男の質問に答えた。男は世間でも大人気の怪獣娘に挨拶する中、ゴスロリの少女は嬉しそうに話す。
「やっぱりあたしの霊能力者としての直感は正しかったんだ‼︎GIRLSまで動くって事はここには確実に何かある‼︎」
「あの・・・彼女は?」
「電波系霊能力アイドル『天王寺藍』。私達は撮影の為に訪れました。私は彼女のプロデューサーですよ。」
プロデューサーと名乗った男は名刺を渡しながらガッツ星人の質問に答える。その一方で彼女の名前を聞いたキングジョーとヒロキはソウルライザーで目の前のアイドル『天王寺藍』の事を調べていた。
「あー、これか・・・。電波系霊能力アイドル『天王寺藍』。アクセス回数はかなり微妙で・・・・動画の内容は・・・・・ヤバいでしょこれ‼︎」
「何何、罰当たりシリーズ『廃病院で踊ってみた』、『呪いの人形の髪を染めてみた』、『墓場でキャンプをしてみた』・・・・本当に罰当たりデース‼︎」
「ええっ⁉︎本当にそんな動画撮っているんですか⁉︎」
「うん・・・これ・・・・。」
アギラの質問にヒロキはソウルライザーを見せる。他の怪獣娘も揃ってその動画を覗くと彼女達も沈黙した。その動画は夜の廃病院でダンスをしたり、明らかに怖い髪の長い人形の髪を緑に染めたり、夜の墓地にテントを張る藍の姿があったからだ。やがてガッツ星人が口を開く。
「罰当たりだし・・・・本当に不謹慎だよ・・・。」
「しかも『呪った直後にお祓いしちゃうぞ!』って一体何がしたいんだよ・・・。」
「あたしの決め台詞だよ。アイドルにはキャッチフレーズが必要でしょ!」
「まさかこの山に訪れたのもこんな感じの動画を撮る為⁉︎」
「そうだよ‼︎」
「止めておいた方がいいですよ‼︎この山に何があるか分からないんですから‼︎」
「何言ってるの⁉︎この先に行けばアクセス回数を増やせるんだから!」
「ゴモラさん、レッドキングさん、飛び入りゲストとして出てくれませんかね。」
「「ええっ⁉︎」」
レッドキングが彼女のアイドルとしてのキャッチフレーズに困惑する中、アギラが説得を試みるも彼女は聞く耳を持たず行くと言って聞かなかった。プロデューサーもレッドキングとゴモラに出演交渉を持ち掛け始めた中、ヒロキが提案する。
「クララちゃん、いっその事、一緒に行動した方がいいんじゃないかな?どっちにしろ、僕達と行き先は同じだと思うから。」
「・・・・仕方ないデスネ。プロデューサーさんもゴモラとレッドキングに出演交渉してマス。アギラちゃん、ガッツ、ピグモンに連絡して下サイ。」
「ちょっとオジョー、本気⁉︎」
「この際、やむを得ないでショウ・・・。」
「分かりました、連絡します。」
アギラがソウルライザーで麓にいるピグモン達に連絡する中、レッドキングとゴモラは折れた表情でプロデューサーに言葉を放つ。
「ああ、もう分かりましたよ‼︎・・・・けど、俺達は調査で来ている以上、何かあったらそっちに回りますから‼︎」
「それと緊急事態の時はわたし達に従って‼︎それが条件だよ‼︎」
「ありがとうございます。ではよろしくお願いしますよ。」
『はい、というわけで今回の配信にはあの大怪獣ファイト初代チャンピオンのレッドキングさんと人気ファイターのゴモラさんも来てるよー‼︎』
『『ど・・・どうも。』
『彼女達GIRLSもこの山の異変を察知していたみたい‼︎行き先も同じと分かったからには彼女達と一緒にこの山の先にある九頭流村まで行くからー‼︎』
「レッドン達も大変ですね・・・・。」
その頃、山の麓ではアギラからの報告を聞いたピグモンがソウルライザーを開いて画面を見つめていた。その横にはエレキング、ザンドリアス、ノイズラーの3人がいる。エレキングは藍の動画を見たのか彼女に対していい印象が無いようだ。それはザンドリアスとノイズラーの2人も同様だった。
「はあ・・・、まさかこんな事になるなんて・・・。」
「全く持って褒められたものじゃないわ、彼女の動画は。」
「ほんとそうですよねー。ししょー達も断ればいいのに・・・。」
「あたし達のように芸能活動やっている怪獣娘でもこれは流石に断ってもいいよなー。」
彼女達がソウルライザーで藍の生中継を見ているその横では山の方を見ながらマガバッサーとマガジャッパが何処か膨れた表情をしている。そんな2人にミクラスが話しかけた。
「ねぇねぇ、2人ともどうしたの?そんなに膨れちゃってさー。」
「ミクラスさん・・・。なんかヒロキさんとキングジョーさんが一緒にいるところを見るとどうもモヤモヤするんですよ・・・・。」
「わたしも・・・あの事件以来、ヒロキさんと一緒にいると胸がドキドキして・・・わたし達をレイビーク星人達から助けてくれた時以来、ヒロキさんと一緒にいたい気持ちが強くなってしまって・・・。」
「成る程ねぇ・・・。」
ミクラスは面白そうな表情をしながら2人の話を聞く。そんな中、ウインダムがソウルライザーを出しながら声を掛けてきた。
「3人とも例の配信を見ませんか?ゴモラさんとレッドキングさんも出ますし、映像を見ている私達だからこそ分かる事もあるかもしれませんよ。」
「見る‼︎」
ミクラスの返事と共に頷くマガバッサーとマガジャッパ。彼女達はウインダムのソウルライザーの画面に映る映像に釘付けになっていた。
その頃、ヒロキ達は広い村に辿り着いた。そこには何処か古い格好をした村人達がいた。
「本当に村がある・・・。」
「何だよ、普通の村じゃねぇか・・・。エレも言ったろ。幽霊なんていないって。」
村人達がヒロキ達に向かって軽く会釈する。ヒロキ達も思わず挨拶を返した。
「ど、どうも・・・。何だか村人達今日は外によく出てますね。」
「そりゃあそうですよ・・・。今日は村の守り神を祀る大事な日ですから。」
「今日が?」
「皆既日食の今日が村の守り神を祀る特別な日なんです。」
「そういえば今日、皆既日食がありマシタネ。」
『おい、ヒロキ。』
プロデューサーと怪獣娘達が話す中、フーマがヒロキに話しかける。ヒロキは皆と少し距離を取ってフーマと話す。
「どうしたの?フーマ。」
『今すぐこの山を降りた方がいい‼︎ここは危険だ‼︎撮影も止めさせろ‼︎』
「どうしてだ‼︎何があった⁉︎」
フーマの『降りろ』という言葉にその理由を聞くヒロキ。次のフーマの言葉はヒロキを驚かせるものだった。
『この山に生きている人間はお前らだけだ‼︎この村人達は人間じゃねぇ‼︎』
SSSS.DYNAZENONも見ました。
非常にワクワクしました。
今年の春は怪獣ものをアニメで2つも見れるいい年ですね。