怪獣娘の世界では野生のパゴスは出せないと考えた結果、あの怪獣を出す事にしました。
中編でその怪獣が明らかになると思います。
それと今回からボイスドラマのキャラであるホーとシャドウガッツことマコも参戦です。
ヒロキはサチコ、ミサオそしてもう1人の少女と一緒に街を歩いていた。サチコ達は怪獣娘だけのバンドを結成しており、ヒロキは彼女達のライブの手伝いを終えたばかりだった。
「お疲れ。本当に凄いな・・・、デビューしたばっかりとは思えない盛り上がりっぷりだったよ。」
「当然よ‼︎あたし達、この日の為にずっと練習してたんだから‼︎」
「何言ってんだよ!ヒロキだって、アタシ達のライブ会場の準備をしてくれたり、お客さんの誘導をしたりとアタシ達の手伝いしてくれただろ。アタシ達だけじゃライブは成り立たなかったよ。」
「2人とも・・・ありがとう。何というか、君達の歌に励まされたような気がするよ。」
ヒロキは小田の事を今でも少なからず引きずっていたが彼女達のライブで少し気持ちが晴れたようだ。そんな会話をしていると後ろからヒロキ達に話しかけてくる少女がいた。黒い髪に左側にサイドテールを作った黒いジャケットを着た少女の名は『葦原ルイ』。彼女は硫酸怪獣『ホー』の怪獣娘である。彼女はとある理由からサチコとミサオのバンドに入っている。
「あの・・・ヒロキさん・・・。ノイズラーさんにザンドリアスさんも・・・わたし・・・クッキー作って来たんです・・・。もし良かったら・・・食べてくれますか?」
「わーい、クッキーだーっ‼︎」
「おい、お前な・・・少しは遠慮しろよな・・・。」
「いえ、気にせず食べて下さい・・・!」
「じゃあ、頂くよ。ありがとね。」
浮かれるサチコをたしなめるミサオだが、ルイの言葉に甘える事にした3人。途中で見つけた公園のベンチに座り、ヒロキとミサオはクッキーを口にする。
「ノイズラーさん、ヒロキさん、どうですか?」
「美味しいぜ、ホー。」
「うん、美味しいよ。」
「2人とも・・・・ありがとうございます‼︎」
「ねぇ、今度、クッキー作り教えて‼︎あたし、お菓子作り下手だからさ・・・。」
「あっ、アタシも‼︎」
サチコとミサオがルイと楽しそうに話しているのを微笑ましく見守るヒロキ。そこにヒロキ専用のソウルライザーに電話が掛かってきた。
「もしもし。クララちゃん、どうしたの?」
『ヒロキ、前にもう1人のガッツの事は話しましたヨネ。』
「もう1人のガッツさん?ああ、マコさんの事だね。」
『実は先程、長期に渡る九州からの出張から帰ってきまシタ。ヒロキには彼女の事、まだ紹介していませんでしたから、GIRLSに戻って来てくれまセンカ?彼女、お土産の林檎のシブーストも用意してくれてマスカラ。』
「分かった。戻るよ。」
『では、待ってマース‼︎』
クララからの電話が切れる。サチコ達はヒロキに電話の内容を聞いていた。
「今のキングジョーさんからの電話?何て言ってたの?」
「ああ、もう1人のガッツさん、確かマコさんだったかな?彼女が帰って来たんだって。」
「ああ、もう1人のガッツさんかぁ・・・。あの人とも色々あったからなぁ・・・。」
「わたし、ちょっとあの人苦手です・・・。」
「大丈夫だよ。お土産に林檎のシブースト買って来てくれたらしいからそんな悪い人じゃないと思うよ。・・・・・にしても、林檎のシブーストって何か分かる?」
「えっ、ヒロキ、シブースト知らないの⁉︎」
「アンタ、アタシ達より年上だよな⁉︎」
林檎のシブーストを知らないヒロキに驚くサチコとミサオ。ルイはヒロキをフォローを入れて、ミサオが説明しようとする。
「まぁまぁ・・・・男の人には・・・・知らない人もいると思いますから・・・。」
「意外と抜けてるところあるなぁ・・・。林檎のシブーストってのは」
「林檎のケーキの事です。美味しいですよ。」
「そうそう、林檎のケーキ・・・・って、え?」
何処からともなく、ヒロキ達の会話に割り込む声があった。ヒロキ達は思わず声のした方向を振り向く。するとそこには大きなカバンを後ろに置いた少女が河原に座っていた。ヒロキ達は彼女のもとに駆け寄った。
最初に声を掛けたのはヒロキだ。
「今、君が声を掛けたの?」
「はい。
「えっと、貴方は?」
ミサオの問いに答えようとする少女。するとヒロキ達の隣から向こう岸までの橋に1人の小学1年生くらいの少女が被っていた帽子が飛んでいってしまった。サチコとミサオはそれを見てソウルライザーを構える。
「あっ、あの子、帽子を‼︎」
「アタシ達なら空を飛べるし、間に合うかも‼︎ソウルライド」
「ストマティスト!」
ミサオが怪獣娘に変身しようとすると少女は杖を掲げて呪文の様な言葉を唱える。すると落ちていく帽子が宙に浮いていたのだ。ヒロキ達は信じられないものを見た目で驚いていた。それはまるで魔法の様だったからだ。
「エラティスト!」
「ちょっ、ちょっと待って‼︎今の何⁉︎何したの⁉︎」
サチコの問いに答えず、再び少女は呪文の様なものを唱える。すると帽子は少女の方に引き寄せられた。その帽子を追いかけてきた少女はその少女に駆け寄る。
「はい。」
「ありがとう。」
「誰に買ってもらったの、その帽子?」
楽し気に話している2人の少女を見て4人は話し合っていた。目の前の光景が気になっていたからだ。
「彼女、怪獣娘なのかな・・・。」
「そうなんじゃないの!?あれは普通の人間に出来る事じゃないよ!!」
「い、いや・・・けど・・・あの人・・・どう見ても変身してないよな・・・。」
「怪獣娘でなければ・・・超能力者でしょうか・・・。」
幼い少女に帽子を返した少女はヒロキ達の前で信じがたい発言をした。
「でも良かった・・・。まだちょっとは魔法を使えるみたい。」
「魔法?」
「内緒だよ。」
「凄い!!」
「バイバイ!」
「・・・・・魔法って言ったよね・・・・。」
「えっ!?まさか・・・魔法なんて・・・・。」
「ま・・・まさか・・・。あり得ない・・・あり得ないよ、魔法なんて・・・。」
「でも・・・目の前で不思議な光景が・・・。」
思い切ってヒロキは彼女に話しかける事にした。
「今のって超能力ですか?」
「キセハーステ。」
「やっぱり‼︎魔法だ‼︎それは魔法の杖なんだ‼︎」
「はあ!?」
「お前、本当に年上か!?魔法使いなんているわけないだろ!!」
「け、けど・・・呪文のようなものを唱えていましたよ!!それにあの杖・・・絵本とかに出てくる魔法使いそのものじゃないですか!?」
「ホー、アンタまで⁉︎け、けどあの杖が本当に魔法の杖なら何で出来てるってのよ⁉︎」
「これの事?トネリコが一般的だけど、あたしのは白川の木でできてます。」
「「し、白川の木でできた魔法の杖ぇぇぇ・・・・。」」
彼女の言葉にサチコとミサオは疑いと戸惑いを隠せない。それはタイガも同様だった。
『おいおい、ヒロキ。魔法使いなんているわけ』
「けど、レオも昔、魔法を使える敵と戦ったそうじゃん。お爺ちゃんの手帳にあったよ。梅田トオルという友人から怪獣人プレッシャーという宇宙の魔法使いと戦ったって聞いたらしいけど・・・。」
『怪獣人プレッシャーか・・・。確かに悪名高い宇宙の魔法使いと言われているが・・・。』
『奴はあくまで様々な超能力が使えるだけで、その力から魔法使いと噂されただけだと思うぜ。・・・まぁ、あれ以来、奴の同族が現れたって話はあんまり聞かないから分かんないけどよ。』
タイガの言葉に祖父の手帳の記録を話したヒロキ。タイタスとフーマがそれぞれ反応を見せる中、魔法使いと言われた少女はヒロキに言葉を放つ。その言葉はヒロキを慌てさせるものだった。
「今、貴方の周りから複数の声が聞こえたよ。もしかして貴方の中には複数の人格が」
「わぁーわぁー‼︎(タイガ、タイタス、フーマ、皆の声が聞かれてる‼︎)」
『えっ、マジか⁉︎』
「あっ、答えなくていいです。キセハーステ。」
再び彼女は魔法の呪文らしきものを唱えるもヒロキには何も起こらない。彼女は手に持った魔法の杖らしい杖を何度か叩く。
「それって呪文か何か?」
「記憶消去の魔法は駄目か・・・。一体どうしてあたし・・・。」
「君、本当に魔法使いなの?」
「だからさ、ヒロキ〜、魔法使いなんているわけ・・・。」
「わ、私は信じます‼︎あれは昔絵本などで見た魔法使いの魔法そのものです‼︎」
信じられないサチコとミサオの横でルイは彼女が本物の魔法使いだと信じたらしい。そんなヒロキ達に魔法使いの少女は説明し始める。
「正確に言えば魔法使いでした。だって・・・現に今、魔法が使えてないし・・・でも、最後にあの子を笑顔に出来て良かった。」
「ほ、本物の魔法使いさんは・・・・ここで何をしていたんですか?」
戸惑いながらもルイは彼女に話しかける。すると彼女は目の前の桜の木を見ながら説明した。
「あそこがわたしの家だったんだけど・・・消えて桜の木に戻ったの・・・魔法で作った家だったから・・・。」
魔法使いの少女は笑いながらも暗い表情で話を続ける。
「参ったなぁ・・・わたし、宿無しの元魔法使いになっちゃった。」
ヒロキはその悲しそうな顔を見て、ある決意をした。
「これ、お土産の林檎のシブースト。」
「ありがとうございます、マコマコ。」
ヒロキ達が魔法使いの少女と接触するほんの数分前、GIRLSではミコに瓜二つの紺色の少女がトモミ達に土産袋を渡していた。彼女こそもう1人のガッツ星人の怪獣娘である『印南マコ』だ。彼女はミコがシャドウミストに取り憑かれた時に生まれた分身が自我を持って生まれた存在だ。今まで彼女は長期出張で九州に行っており、つい先程帰って来たのだ。
「マコ〜、久しぶり〜‼︎」
「ちょっとミコ、あんまりくっつかないでよ。」
「いいじゃん、本当に会うの久しぶりなんだから‼︎」
「その辺にしなよ、ガッツ。・・・でも、元気そうで良かったよ。こっちでは今まで大変だったからさ。」
「本物の怪獣や宇宙人が現れる事件が何度も起こってるんでしょ。全く、わたしがいない間に面倒な事件が起こっていたようね。」
「他にも、色々あったよ。キングジョーさんの幼馴染がGIRLSに入ったんだ。宇宙人相手にも勇敢に立ち向かうすごい人だよ。」
「ミコからのメールで話は聞いてるわよ。確か白鳥ヒロキだっけ?そいつ、どんな奴なのよ。」
マコに頬擦りするミコを止めてアキはマコにこれまで起こったことを話す。どうやらマコはミコからヒロキの話を聞いていたらしい。土産袋をトモミ達が受け取った事を確認するとマコは部屋を出て行こうとする。クララとミコはマコを引き止めた。
「やっぱいいわ。じゃあ、わたし今日は帰るから。」
「待って下サーイ!ワタシの幼馴染の事を紹介したいデス‼︎だから今日はまだ残って下サイ‼︎」
「そうだよ、今日はヒロの事を紹介しようと思ったのに‼︎」
「後ででもいいでしょ。こっちは九州まで行って疲れてるの。まだ後にしてくれる?じゃあ。」
マコはそのまま去っていってしまった。
「マコ、行っちゃったね・・・・。」
「まあ、あの子も疲れてたんだろうし・・・、しょうがないか・・・。」
「そうですね・・・マコマコの事を紹介するのは後日にしましょう。」
クララ、トモミ、ミコはマコのいたところから目を離した。するとそこにあったTVから奇妙なニュースが聞こえて来た。
『今朝、複数の男女が樹木の枝の様な物に絡まれた状態で発見され、こちらの病院に緊急搬送されました。幸い、命に別状はありませんでしたが、病院関係者によれば被害者の1人は『木が襲って来た』と話しているとの事です。』
そのニュースを見たクララ、アキ、ミコ、トモミは異常なことが起きていると感じ、お互いの顔を見合わせた。
とある公園でジョギングをしている男性がいた。その男性の後ろから何かが近づいていた。その何かは男性の首に突然飛び付いた。
「うわああああああ‼︎」
公園を散歩していたとある女性は突然悲鳴を聞いた。女性は悲鳴のした方に走っていく。するとそこにはジャージ姿の男性が木の根にも見え、触手のように見える何かに巻き付かれて苦しそうにしていた。
「あ・・・あ・・・・ああああ・・・・あああああ・・・・‼︎」
「大丈夫ですか⁉︎」
女性はその男性に駆け寄った。するとその女性の背後から男性を襲っている触手と同じ物が近付いていた。それは女性が後ろの気配に気付く前に女性の首に飛び付いた。その先端は吸盤状になっており女性の首に吸い付く。女性は触手に吸いつかれると苦しそうにしていた。
「きゃああああああああ‼︎」
マコはその光景に丁度出くわしていた。マコは目の前の光景に驚きを隠せない。
「ちょっ⁉︎一体どうなっているの⁉︎」
戸惑うマコの背後にも人を襲う触手が迫っていた。そしてその触手はマコに勢いよく飛びかかった。
「‼︎」
グリッドナイトが主役のグリッドナイトファイトなるものが発表されました。
一体、どんな作品になるのでしょうか。