夕方の橋の下、少年と少女がチョコレートを持ってやって来た。その2人が小学校時代のヒロキとクララである。
2人は最近出来たある友達に会いに来たのだ。
「チビスケ、今日も来たぞ。」
ヒロキ達の視線の先には段ボール箱に何かが入っていた。それは青い色のナマズの顔のような大きなトカゲのような生物だった。
この生物は今から2週間前に2人が学校の帰りに見つけたのだ。最初は猫が捨てられていると思い、見に行ったのだが、それが猫から余りにもかけ離れた姿だったため、最少は混乱したものの今では心を通い合わせ友達になったのだ。
「チビスケ、ほらいつものやるぞーっ。クン!クン!パッ!」
そう言って、ヒロキはチビスケと名付けた謎の生物に向かって、手を振りパッ!のところで手のひらを広げる。チビスケはヒロキの手の動きに合わせて、首を動かし、口を開いた。
「えらいデスねチビスケちゃん。ほら、ご褒美デスよ。」
クララがチビスケに手に持っていたチョコレートをあげる。するとチビスケは嬉しそうに食べ始まる。
「チビスケ、ホントにチョコレートが好きなんだね。」
2週間前に見つけて以来、2人はチビスケが何の生物なのか調べていた。学校や図書館で動物図鑑や爬虫類の本を片っ端から漁っても、チビスケが何の生物なのか分からなかった。
でも時間がたつにつれて、それも気にしなくなった。2人とも気にせず仲良くなっていったのだ。
そんな2人の前にサングラスを掛け、黒い服を身に纏う男が現れた。
「おじさん、誰?」
「・・・・・こんなところに逃げていたのか。」
男は一言呟くとチビスケを乱暴に掴んだ。当然、ヒロキとクララは抗議を挙げる。
「おい、何するんだよ!!」
「それは立派な動物虐待デスヨ‼︎」
「こいつは我々のものだ。返してもらう。」
「ふざけるな!!」
ヒロキは男に体当たりをするが、あっさりとかわされる。
「チビスケちゃんを放してくだサイ!」
クララが男に組み付くも、振り払われる。クララは頭を打って気絶してしまった。
「クララちゃん!お前何すんだよ!!」
再びヒロキは男に体当たりをするが、かわされてしまう。ヒロキが振り向くと、その男の顔が人間のモノではない異形の顔になっていた。目の位置がちぐはぐに付いた頭部が上に長いその姿はまさしく、
「う、宇宙人・・・?」
「確かに返してもらったぞ。」
第一次大怪獣時代以来姿を見せなかった宇宙人におびえるヒロキ。宇宙人は光に包まれ、上に浮かび上がっていく。
しかし「助けて」と叫んでいるように見えるチビスケを見て、ヒロキは宇宙人に飛びついた。
「やめろーっ!!チビスケが嫌がってるだろーっ!!」
「・・・っ!このガキ、宇宙人を怒らせるとどうなるか思い知らせてやる!!」
「うわーーーーーーっ!!」
宇宙人はヒロキを蹴りつける。ヒロキは思わず宇宙人から手を離してしまう。宇宙人は既に地表からかなり離れたところにいた。こんなところから落とされたら間違いなく命はない。ヒロキは叫びながら、自分の最期を覚悟した。その時、赤い光の粒子がヒロキを包んだ。
目を覚ました時はヒロキは地上にいた。あの橋の下に、クララの隣で。
『というわけだ。お前の勇士の証明を見て、お前を選んだんだ。』
「あの時、タイガが助けてくれてたのか。」
時代は流れ、ここはヒロキの家のヒロキの部屋である。ヒロキはいつからタイガが自分の中にいたのか説明されていたのだ。幼い頃、自分の命を助けてくれたタイガにお礼を言った。
「ありがとう、タイガ。あの時、タイガが来てなければ、僕は・・。」
『いいって事さ。』
「その頃から、僕の中にいたってことは怪獣娘のことも。」
『勿論知ってるぜ。驚いたぜ、まさか先輩達が戦った怪獣達の魂が、地球人の女の子に宿っているなんてさ。』
数々の星を旅してきたタイガにとっても怪獣娘は非常に珍しいらしい。そんなタイガもヒロキの次の質問には困った反応を見せながら答えた。
「それで、何であの怪獣は現れたの?」
『ああ・・・・それかぁ・・・、正直な話、俺にも分からないんだよなぁ・・・。』
「ええっ!?分からないの!?」
『ただ、あの現れ方を考えると、誰かに呼び出された可能性が高いな。』
「誰かって・・・・一体誰が・・・。」
『さあな、確実に地球人じゃないだろうけどな・・・。』
2人は部屋を出て、ベランダに出る。そこでも会話は続いた。
「まさかお爺ちゃんが昔よく会ったと言ってたウルトラマンとこんな形で関わる事になるなんてな~。」
『お前の爺ちゃんがウルトラマンと?』
「当時怪獣と戦っていた防衛チームのお兄さんが家に下宿していたんだって。」
『へ~。』
「しかも、そのお兄さんがウルトラマンだったらしいんだ。」
『へ~・・・ってマジ!? マジか、その話!?』
「本当らしいよ。確かそのウルトラマンの名前は・・・。」
ヒロキがウルトラマンの名前を言おうとした時、テレビから聞き逃せないニュースが流れてきた。
『本日、東京湾岸にて、謎の巨大生物が目撃されました。警察や政府は鯨と公言していますが、どう見ても鯨とは思えない姿に市民らは・・・』
TVにはアナウンサーの声と同時にトカゲを思わせる尻尾と背中が海面から姿を見せて泳いでいる映像だった。思わずヒロキはタイガに声を掛ける。
「タイガ!!これって、怪獣っぽくない?」
『その可能性は高いだろうな。』
「もし、この映像に写っているのが怪獣なら、この間怪獣が現れた原因の手掛かりになるかも」
『そうだな!行くぞ、ヒロキ!!』
ヒロキは家を飛び出していった。
場所は変わってGIRLSの講義室にヘルべロスが現れた時に現場にいた怪獣娘が集まっていた。
「皆さん、先日は大変お疲れさまでした。」
「驚いたよ。まさか本物の怪獣が現場にいきなり現れちゃうんだもん。」
「どうして怪獣が現れたんでしょうか?」
その言葉にピグモンが口を開き、ガッツ星人が下を巻きながら呟き、ウインダムがピグモンに質問する。
「実はあの怪獣コードネーム『ヘルベロス』が出現した理由については未だに詳しく分かっていません。今後、再び怪獣が現れる様な事があれば、GIRLSが対処する事になりました。」
「また、怪獣が現れたら私達が・・・・。」
「ピグモンさん、あのウルトラマンについて何か分かった事はありますか?」
「新しく現れたウルトラマンさんについても詳しいことは分かりません。ただ、あのウルトラマン『タイガ』が現れて、一部の怪獣娘達が心が騒ついたと言っていました。」
ピグモンの言葉にミクラスが驚き、キングジョーが友人の火山怪鳥『バードン』の怪獣娘である『火野ユリカ』の言葉を思い出す。
「一部の怪獣娘が⁉︎」
「そう言えば、ユリカがあのウルトラマンを見た時、心に何か騒つくものを感じたと言っていまシタ。何が心を騒つかせたのでショウカ?」
「現在、確かなのは再び地球に怪獣が出現した事と新しいウルトラマンが地球にやって来た事です。」
「現状、ウルトラマンに頼るしか無いのが辛いぜ・・・・。」
「まーでも本来は怪獣は地球からいなくなったわけだし、これからは出現しない可能性もあるし、大丈夫でしょ。」
「またゴモたんリゾート状態!?」
ピグモンの言葉にレッドキングが反応し、ゴモラがハンモックに寝転がっており、アギラが突っ込む。
そんな状況の中、一人の職員が講義室に入ってきた。
「失礼します。ピグモンさんにお客様が来ています。」
「ピグモンに・・・?後でいいですか?」
「はい、分かり「久しぶりだね、トモミちゃん。」
講義室に入ってきたのはスーツを着た40代~50代位の男だった。ピグモンから出た言葉に怪獣娘達は驚いた。
「シンゴ叔父さん!?」
「「「「「叔父さん!?」」」」」」
「やあ、怪獣娘諸君、姪がお世話になっているね。私は佐倉シンゴ。君達がピグモンと呼んでいる怪獣娘の実の叔父さ。職業は刑事。よろしくね。」
「「「「「よ、よろしくお願いします。」」」」」
「というかピグモンさんにお世話になっているのはむしろあたし達です!見習い時代からあたしとアギちゃんとウインちゃんの面倒を見てくれました。」
「そうか、そうか。これからも姪をよろしく頼むよ。」
「はい!」
「皆さん、いい加減にして下さ〜い!!」
佐倉と怪獣娘達がピグモンについて談笑しようとした時にピグモンが大きな声を出す。大事な話を中断されて、ご立腹なようだ。
「悪い悪い。大きくなったもんだなって思ってさ。あのトモミちゃんが人に指導する立場になったんだからさ。たまには、実家に帰って両親に顔を合わせてあげなよ。」
「もう、それを言うために来たんですか⁉︎私の事、子供扱いしないでください!これでも
(ピグモンさんって
「そうか。そうか。分かったよ。」
「用事はこれだけですか?」
「まさか、トモミちゃん達GIRLSに頼みがあってきたんだ。」
そう言って、シンゴはカバンから何かを取り出した。それは無残に破壊された監視カメラだった。
「東京湾岸沿いの倉庫に設置された監視カメラだ。」
「何ですか、この監視カメラ・・・!?」
「どうやったら、こんな壊れ方を?」
「記録媒体は無事だったから、その時の映像がある。これを見てくれ。」
マガバッサーとマガジャッパが唖然とする中、シンゴはモニターにカメラの映像を写した。するとそこには衝撃的な映像が写っていた。
3人のサングラスをかけた作業着の男達が見たことのない機械を操作していた。男たちがカメラに気付くと男の1人がサングラスを外した。すると、男の目が赤く光り、目から光線の様な物が放たれた。そこで映像は終わった。
「これを見てどう思う?こんな事が出来るのが人間だと思う?」
「確かに、怪獣娘の中には出来る者もいるかもしれませんが・・・。」
「でも、この映像に写っていたのはどう見ても男だよな!?」
「普通の人間には絶対に出来ないわね。」
「まさか、この3人は宇宙人⁉︎」
「断言は出来ないがその可能性が高い。確実なのは何らかの組織が動いているという事だ。しかもこの3人が写った近くで、こんな映像も記録されているんだよ。」
ピグモン、レッドキング、エレキングが映像の感想を言った後、モニターに別の映像が写し出される。それは先程ヒロキとタイガがニュースで見た巨大な黄色いヒレが付いた何かが泳いでいる映像だった。
「これってさっきのニュースでやってた・・・・・。」
「ああ、そうさ。政府は鯨だって言ったけど、こんな鯨いないし。一応聞くけど、これが鯨に見える?」
「私も気になっていました。どう見ても鯨とは思えません。」
「だろ。さっきの映像の3人が宇宙人だとするならば、この映像に写っているのは怪獣の可能性がある。集団で動いているから、組織化された宇宙人の集まりによる地球侵略かもしれん。」
「怪獣の可能性があるって・・・かなりヤバいじゃないですか‼︎それに宇宙人も現れた可能性があるんですよね‼︎」
「けど、宇宙人って、地球にはもういないんじゃ・・・。」
「だから、君達に頼むんだよ。」
ザンドリアスが反応し、シンゴの言葉にウインダムが頷いて答えた後、ノイズラーが叫ぶ。アギラがシンゴに宇宙人の有無を聞く。
そして、シンゴはピグモンに頭を下げて頼み込む。
「大変申し訳無いが、この3人の宇宙人と思われる男達を探してくれ。この間の怪獣事件といい、訳の分からない事件ばっかり起こって、警察も手一杯なんだ。頼む!」
「いいですよ。引き受けましょう。」
シンゴの頼みにピグモンが頷く。ウインダム、エレキング、アギラも後に続いて発言する。
「この事件は明らかにGIRLSの管轄ですからね。」
「それにこの3人が本当に宇宙人で、怪獣らしい生物の出現に関与しているなら・・・。」
「以前、銀座に現れた怪獣の手掛かりになるかもしれませんから。」
「ありがとう、怪獣娘諸君。よろしく頼むよ。今度、お礼に焼き肉奢ってあげよう。」
「本当ですか!わーい!わーい!」
「おいおい、この事件を解決してからだぞ。」
シンゴの焼き肉を奢るという言葉にはしゃぐザンドリアスをレッドキングが嗜める。そしてピグモンがその場にいた怪獣娘の皆に向き合う。
「それではGIRLS出動です。」
「「「「「了解!」」」」」
怪獣娘達による湾岸に現れた怪獣らしい生物と宇宙人らしき人物の捜査が始まろうとしていた。
早くギャラクシーファイトでアーリートレギアVSトライスクワッドが見たいです。
また来年のTVシリーズでノイズラーの活躍も見たい。