怪獣娘タイガ ~トライスクワッド参上計画~   作:特撮恐竜

45 / 93
何度見てもギガデロスはウルトラマンにとって1番相性が悪いと思います。

セブンはアイスラッガー、レオやメビウスのように強力なキック技を持つウルトラマンは対抗できると思いますけど。


護る力と闘う力(後編)

その頃、ゼットンとイルトは目の前の男に疑問を投げかけていた。

 

「何故、ギガデロスをこの星に?」

「一体、何を企んでいるの・・・。」

 

霧崎は2人を見ずに背を向けながら話し始める。

 

「もうすぐ完成するんだよ・・・。」

「完成?」

「実にいいサンプルだった・・・君のギガデロスは素晴らしく従順でね・・・私の感情を埋め込むのに苦労はしなかったよ・・・。」

「お前の感情だと・・・まさか⁉︎」

「貴方が・・・ギガデロスを⁉︎」

 

思いもよらない守護神の暴走の理由に驚くゼットンとイルト。霧崎は相変わらず2人に視線を合わせずに話し続ける。

 

「守護神の力で1つの銀河が消えていくのはあっという間だった・・・。実に愉快だったよ。」

 

霧崎は体を反らしながらイルトを愉快そうに見る。イルトはギガデロスを暴走させた真の黒幕に怒りを込める。

 

「全部、お前の仕業だったのか‼︎」

「ハッハッハッハッハ、いい顔だ。平和のための力なんて甘い夢を見ていた奴が夢に裏切られた・・・。そして今は自分の夢の後始末に追われている・・・。実にいい・・・。」

「お前ぇ‼︎」

 

霧崎の嘲笑う声を聞いたイルトは思わず激情して霧崎に殴りかかる。しかし、霧崎は容易くその拳を受け止めてイルトの腕を捻りあげる。イルトは腕と肩の痛みに思わず肩を抑える。霧崎はその姿を嘲笑っていたが、その足下に火球が落ちて来た。それはゼットンが放った火球だった。

 

「おや、まだいたのかい・・・ゼットンのお嬢さん・・・。」

 

ゼットンは物静かながらも霧崎に対して怒りの瞳を見せる。霧崎はゼットンを嘲笑うかのように言葉を放つ。

 

「霧崎・・・私は・・・貴方を許さない!貴方が余計な事をしたせいでイルトさんは・・・。」

「私は自分の思いのままに行動しただけだよ・・・かつてこの星にヘルベロスを呼んだ時も・・・宇宙飛行士の九条レントに力を与えた時も・・・傷を負ったギマイラに力を与えた時もね。」

「⁉︎・・・・そう・・・・あれらも貴方の仕業だったのね・・・だったら尚更ここで逃す訳にはいかないわ。」

 

ゼットンは霧崎の言葉に一瞬目を見開くもすぐに冷静さを取り戻して頭にエネルギーを溜める。そして火球を放つも霧崎も手から電撃を放って相殺した。

 

「残念・・・。」

 

するとゼットンはテレポートで霧崎の後ろに回り込む。そして火球を再び放つが霧崎はあっさりとそれを避ける。

 

「残念だが・・・君に私を捕まえる事は出来ないよ。」

「・・・それでもついて来てもらう・・・黒こげにしてでもGIRLSに連れて行く‼︎」

 

睨み合うゼットンと霧崎。やがてゼットンが額にエネルギーを溜めて火球を放った。しかし、霧崎は電撃を放って火球を掻き消した。

 

「威力が強すぎる余り、周りに被害が出るのを避けて手加減してるだろう・・・そんなんじゃ私は捕まえられないよ、ゼットンのお嬢さん。」

「‼︎」

 

霧崎の言葉にゼットンは図星を見抜かれてテレポートし、霧崎の後ろに回り込む。そして拳を放つも霧崎はゼットンの動きを読んで拳を避けた。

 

「くっ⁉︎」

「ハッハッハッ‼︎残念だったねぇ・・・。」

 

 

 

 

 

 

ゼットンが霧崎を相手に戦闘を繰り広げている頃、フーマは自分に向かって突進してくるギガデロスを目に見えない速さで後ろに回り込んだ。するとギガデロスは振り向いて指から銃撃してきた。フーマは空中でバク転しながらこれをかわす、

 

『くっ、動きが読まれてる‼︎』

『何やってんだ、フーマ‼︎』

 

その時、フーマとヒロキにタイガの声が聞こえてきた。タイガはフーマとヒロキに交代するよう言ってきた。

 

(タイガ、何処に行ってたんだ⁉︎)

『いいから俺に変われ‼︎』

(分かった‼︎)

 

ヒロキはその言葉に従ってタイガスパークのレバーを引いた。

 

〈カモン!〉

 

「光の勇者、タイガ!!」

『はあーっ!ふっ!』

「バディィィゴーーーー!!!」

 

〈ウルトラマンタイガ!〉

 

ウルトラマンタイガが高く飛び上がり地面に着地する。タイガは横から迫ってきたギガデロスにキックを放つ。今度は後ろから迫ってきた2体目のギガデロスに拳を放ち、ドロップキックを放った。タイガのドロップキックが決め手となりギガデロスは地面に倒れる。

もう一体のギガデロスは起き上がり、タイガに戦闘態勢をとる。タイガは体を虹色に光らせてエネルギーをチャージして必殺光線の構えに入る。

 

『ストリウムブラスター‼︎』

 

タイガは必殺光線を放った。それは確かにギガデロスに命中する。しかし煙が晴れるとギガデロスは分身して2体に増えていた。タイガはそれを見て驚きの声を上げる。その時、イルトがヒロキにテレパシーを送ってきた。

 

『何⁉︎』

「駄目だ‼︎光線を撃ってはいけない‼︎ギガデロスは光線エネルギーを逆流して分身する!撃てば撃っただけアイツは増え続ける‼︎」

(そんな・・・それじゃあどうやって・・・。)

 

3体に増えたギガデロスはタイガを取り囲むと指から銃撃してきた。タイガは3方向からの銃撃をまともに受けてしまう。銃撃が決め手となったのかタイガのカラータイマーが鳴り始めた。

 

『ぐあっ⁉︎イラつかせやがって!ヒロキ、パワーアップだ‼︎』

 

タイガの言葉でヒロキはタイガスパークのレバーを引いた。

 

〈カモン!〉

 

〈アース!〉〈シャイン!〉

 

「輝きの力を手に!!」

「バディィィィィゴーーー!!」

 

〈ウルトラマンタイガ フォトンアース!〉

 

タイガはフォトンアースに変身するといきなり腕をギガデロスにぶつけようとする。ギガデロスは左腕で塞ぐもタイガはギガデロスの腹に拳を放ち横から頭を殴る。タイガに2体目のギガデロスが向かってくる。ギガデロスは剣となった右腕でタイガを斬りつけようとする。

 

「シェアッ‼︎」

 

タイガはギガデロスの剣を受け止めて胸に拳を打つ、そして蹴りを放つとギガデロスはその衝撃で後退する。ギガデロスが膝をついた時、3体目のギガデロスがタイガに向かってきた。タイガは3体目のギガデロスをタックルで迎え撃つ。タックルをまともに受けたギガデロスは後ろに下がった。しかし、3体のギガデロスは再び立ち上がった。その光景を見たタイガは苛立った口調でヒロキに指示を出した。

 

『ヒロキ、指輪だ‼︎怪獣の指輪を使え‼︎』

(タイガ、大丈夫なのか⁉︎)

『他に方法があるかよ⁉︎』

 

「そうだ‼︎私の指輪を使ってアイツの力を封じろ‼︎」

「怪獣の指輪?」

 

ゼットンと戦いを繰り広げていた霧崎はタイガに怪獣の指輪を使うよう促す。一方で霧崎の言葉の意図を理解できないゼットンは思わず止まってしまう。

 

〈カモン!〉

 

一方でヒロキはタイガスパークのレバーを引いて左中指に意識を集中する。するとナイトファングリングが具現化した。ヒロキはタイガスパークにナイトファングリングを読み込ませた。

 

〈ナイトファングリング、エンゲージ‼︎〉

 

空中に飛び上がったタイガはナイトファングの力を込めた超音波を3体のギガデロスに放った。

 

『ファングウェーブ‼︎』

 

タイガのファングウェーブを受けたギガデロスは動きが止まり、2体の分身が本体のギガデロスに戻っていく。

 

(そうか‼︎超音波がエネルギーを消したんだ‼︎)

 

タイガは着地する。するとタイガのカラータイマーから黒いオーラが浮かび上がった。それをゼットンと霧崎は見上げる。ゼットンはタイガを見上げ続け、霧崎は嬉しそうな声を上げる。

 

「それでいい・・・。」

「そうか‼︎お前の狙いはあのウルトラマン‼︎」

「じゃあ、後は頼んだよ・・・。」

 

イルトは霧崎の狙いに気付いた。しかし、霧崎はゼットンとイルトにその場を押し付けてその場から姿を消してしまった。ゼットンはタイガを見上げ続けて反応が遅くなり霧崎を逃してしまう。

 

「しまった‼︎」

 

 

 

 

分身が消えてもギガデロスはタイガに戦闘態勢をとる。タイガも構えてギガデロスに向かっていく。

 

『しぶとい野郎だ‼︎』

 

タイガはギガデロスに前蹴りを放つ。ギガデロスは持ち直すとタイガの右腕を抑えて脇腹を剣で斬りつける。ギガデロスはタイガの首を抑えると脇腹に銃撃を浴びせた。

 

『ぐあああっ‼︎』

 

タイガは地面に倒れると力を込めて起き上がる。そしてギガデロスの右腕を抑えて何度も殴りつけた。ギガデロスの銃撃で離れるとギガデロスに膝蹴りを放って態勢を崩したところに怒りを込めて殴り飛ばす。

 

「タイガ、駄目!怒りに身を任せた戦いは」

『煩ぇ‼︎怪獣娘が俺の戦いに口出しするんじゃねぇ‼︎』

 

ゼットンはタイガの戦いに見ていられなくなったのかタイガに声を掛ける。しかし、タイガはその声を一蹴してギガデロスにタックルを仕掛けた。

イルトは左腕の装置を操作してギガデロスの装置が表示されたホログラムを写しだす。そのホログラムを操作するとヒロキにテレパシーを送った。

 

「ヒロキ君、私がギガデロスと同期してシャットダウンをかけるからその間に破壊するんだ。」

(分かりました、イルトさん‼︎タイガ、ギガデロスから離れるんだ‼︎)

 

タイガはギガデロスを押し倒してマウントを取って何度も殴り付ける。感情のままにギガデロスを攻撃するタイガをヒロキは説得する。

 

(聞こえるか、タイガ‼︎攻撃を中止してギガデロスから離れるんだ‼︎)

 

しかし、ヒロキの声が聞こえないのかタイガは馬乗りになりながらギガデロスを殴り続ける。

 

(大丈夫、落ち着いていこう‼︎冷静になるんだ、タイガ‼︎)

『ヒロキ⁉︎・・・ハッ・・・俺は・・・。』

 

タイガはヒロキの声が漸く聞こえたのかギガデロスへの攻撃を中止する。タイガは自分が今まで何をしていたのか思い出して思わず後ずさる。

イルトは左腕の機械を赤く光らせて左腕を胸の位置で曲げる。するとギガデロスも同じ動きをした。そしてギガデロスの目から光が消えた。ギガデロスがシャットダウンをかけられた瞬間だ。

 

(御免ね・・・ギガデロス。)

 

ギガデロスが止まった事を確認したヒロキの言葉でタイガは必殺光線の構えに入る。

 

(今だ‼︎タイガ‼︎)

『オーラム・・・ストリウム‼︎』

 

タイガの放った必殺光線はギガデロスに命中した。完全に停止したギガデロスは光線エネルギーを利用する事も出来ずにあっという間に大爆発した。そして1つの光がタイガに向かっていく。それをタイガが掴んだと同時にヒロキもその光を掴む。それはヒロキの手のひらでギガデロスの顔が刻まれた指輪『ギガデロスリング』に変化した。

 

「タロウの息子よ。もう少しでお前はウルトラマンの歴史に名を刻む。」

 

ギガデロスとの決着を付けたタイガに対して霧崎は不気味な言葉を投げかけた。そして霧崎は日傘を広げて何処かへ去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからどうするんですか?」

「旅を続けるよ。ギガデロスを全て回収するまではね。」

 

戦いを終えたヒロキはイルトとゼットンと共に歩道橋の上から街を見ていた。イルトは2人に他人事では無い事を言い放つ。

 

「これまで多くの星が廃墟になるのを見てきた・・・君達が見ているこの景色が明日も続くとは限らない。」

 

その言葉にヒロキは相棒の事を思い出す。

 

「タイガも感情を制御出来なくなっていた。こんなのは初めてなんだ。もしかしたら僕達もギガデロスみたいに‼︎」

 

イルトはサングラスを外してヒロキの顔を見ながら激励の言葉を放つ。

 

「ヒロキ君、君の相棒に伝えて欲しい。仲間を信じろ、白鳥ヒロキを信じろってね。」

 

イルトがヒロキに言葉を放った後、ゼットンもイルトに励ましの言葉を送る。

 

「祈ってる・・・いつか貴方の旅が・・・終わる事を・・・。」

「ありがとう、ゼットン君。」

「ヒロキーー‼︎」

 

そこにキングジョー達がやって来た。ミクラス、ゴモラ、ガッツ星人もいる事からギガデロスが倒された後、彼女達と合流したようだ。レッドキングとアギラはヒロキに呼びかける。

 

「ヒロキさん、大丈夫⁉︎」

「ヒロキ、無事か⁉︎」

「レッドキングさん‼︎アギラさん‼︎」

「聞くまでも無いくらい無事そうデスネ‼︎良かったデス‼︎」

「お陰さまで‼︎そうだ、紹介します‼︎こちらはイルトさんと言って‼︎」

 

ヒロキがイルトの事をキングジョー達に紹介しようとするもイルトは既に姿を消していた。ゼットンはヒロキに話しかけた。

 

「ヒロキ、既に彼は旅立った・・・。」

「ゼットンさん・・・そうですか・・・。」

「ゼットン、アナタがヒロキを助けてくれたのデスネ‼︎」

「私は何もしてない・・・それよりも皆に伝えなければならない事がある・・・ヘルベロスの事件と・・・九条レントの・・事件にもあの男が・・・霧崎が関わっていた・・・。」

「ええっ⁉︎本当なんですか⁉︎」

「詳しい事は本部で話す・・・それじゃあ本部で・・・。」

 

ゼットンはテレポートで先にGIRLSに戻っていった。キングジョーはそれを見てその場にいた皆に促す。

 

「さて、ワタシ達も戻りまショウ‼︎ヒロキ、何があったのか聞かせてくだサイネ。」

「あ、ああ・・・。」

 

ヒロキは彼女達の後ろをついていきながらタイガ達に話しかける。

 

「ゼットンさん、本当に黙っててくれたね・・・。」

『ああ・・・そうだな・・・。』

 

 

 

 

 

 

 

少し前、ヒロキはゼットンにタイガ達の事を説明していた。

 

「成る程・・・・そんな事が・・・。」

「本当に御免なさい‼︎今まで隠してて‼︎」

「別にいい・・・お陰で多くの人達が助かったから・・・。でも・・・この事は」

「待って下さい‼︎僕達の事はクララちゃん達には内緒にして下さい‼︎」

「私にバレた以上・・・長くは隠し続けられない・・・早めに話した方が・・・。」

『ゼットンの姉ちゃん、俺からも頼む‼︎俺達がヒロキと一体化してる事は内緒にしてくれ‼︎』

『私からも頼む‼︎君達の身近な人達が狙われるリスクが高くなる‼︎』 

 

フーマとタイタスの必死な言葉にゼットンは考えた。そこにタイガも入ってきた。

 

『ゼットン‼︎さっきはあんな事言ってすまなかった‼︎俺がこんな事頼める立場じゃないのは分かってる‼︎・・・それでもヒロキの事は内緒にしてくれ‼︎』

 

タイガの必死な言葉にゼットンは結論を伝える。それはヒロキ達を安堵させる言葉だった。

 

「分かった・・・内緒にしておく。」

「ゼットンさん‼︎」

「ただし・・・もう隠しきれない時が来たらその時は話す・・・それだけは忘れないで・・・。」

 

 

 

 

先程のゼットンとのやりとりをヒロキは思い出していた。そこにゼットンが話しかけてくる。

 

「ヒロキ、一応検査を受けた方がいい。シャドウの中には人に取り憑くタイプもいる・・・タイガの異変と関係があるかもしれない・・・。」

「ゼットンさん・・・分かりました・・・。」

 

ヒロキは街を見上げながら心の中でタイガに呼び掛ける。

 

(僕達は大丈夫だよね・・・タイガ。)




次回予告(CV:ウルトラマンタイガ)
『チブル星人が作り上げた培養合成獣『スカルゴモラ』。あのベリアルの因子を植え付けられた凶悪な怪獣だ!コイツを倒すには力がいる!ヒロキ、俺にもっと力をよこせ‼︎次回‼︎

怪獣娘タイガ ~トライスクワッド参上計画~


キミの声が聞こえない


俺は何をしてるんだ⁉︎』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。