電王牙さん、本当にありがとうございました‼︎
培養合成獣『スカルゴモラ』登場
「お兄さん、こっちこっち‼︎」
「待って‼︎ちょっと待って‼︎カン太君‼︎」
ヒロキはモコの居場所を察知したカン太を必死に追い掛けていた。カン太は本当にモコの声が分かるのかどんどん走っていく。ヒロキは追いかけていくにつれて怪しげな廃工場に辿り着いた。
「何か・・・怪しげな場所だな・・・。」
すると目の前のドアが開く音が聞こえてきた。思わずヒロキはカン太を連れて隠れる。
「カン太君、誰か来る‼︎一緒に隠れるぞ‼︎」
「う、うん‼︎」
隠れた2人はサングラスを掛けた白衣の男がドアから出て行くのを目撃した。ヒロキはその雰囲気に益々胡散臭さを感じていた。
(あの研究員らしい人・・・いかにも怪しすぎる‼︎まさかここ・・・何かの実験場なのか⁉︎)
ヒロキは目の前の怪しい男がいなくなった事を確認するとカン太に向き合って話しかける。
「カン太君、君はここに残るんだ。」
頷いたカン太を背にヒロキは男を追っていく。そして男がドアを開けた時、男の背後から飛び蹴りを仕掛けた。
「⁉︎」
ヒロキの飛び蹴りが男に命中した。男は壁に頭をぶつけて気絶する。ヒロキは男が完全に気を失った事を確認するとドアの向こう側に足を踏み入れていく。そして奥のドアを開けた瞬間、目にしたのは見た事もない多くの生物達が檻に収容される異様な光景だった。
「何だここは・・・⁉︎」
ヒロキは足を進めながらその目に写る檻に入れられた生物達を見る。蜘蛛に似ているものの明らかに今まで確認された種類とは違う生物に小さい恐竜に似た青緑色の生物、そして脳みそを彷彿させる生物を見て絶句するヒロキ。そして1つの檻に収容された生物を見てヒロキは驚きの声を上げる。
「コレは・・・エレキング⁉︎」
そこに収容されていたのは身近の怪獣娘のカイジューソウルの怪獣『エレキング』の幼体だった。少し丸っこい姿ではあるものの2つのアンテナの役割を果たす角に黄色と黒が合わさった体色、そして目と顎のない顔は確かにエレキングの特徴を満たしていた。
「どうして子供のエレキングがこんなところに・・・まさかここは怪獣の実験場なのか・・・・・まさかモコは‼︎」
「モコ‼︎」
モコの正体が怪獣ではないかと疑問を抱くヒロキの横にカン太が入ってきた。カン太は真っ直ぐモコが収容された檻に駆け出していく。ヒロキはカン太に言い聞かせるように話しかける。
「カン太君⁉︎入ってきちゃ駄目じゃないか⁉︎」
「だって・・・モコが・・・『助けてくれ』って叫んでたんだ。」
「モコォ・・・。」
「待ってろモコ!今助け出してやるからな‼︎」
「静かに!騒いじゃ駄目だ‼︎」
するとその声を聞いた他の生物達が自分も助けて欲しいとばかりに鳴き始める。するとヒロキは頭に頭痛を感じ始める。そして周りの声が耳障りに聞こえたヒロキは呻いた後にカン太の肩を掴んで怒鳴りつける。
「騒ぐな・・・騒ぐなよ・・・騒ぐな・・・騒ぐなってんだろ‼︎煩い黙れ‼︎」
その声にモコが怯えた声を出す。そしてカン太も突然怒鳴り出したヒロキに怯えた表情を見せる。ヒロキは思わずカン太から離れて自分の手を見る。
「モコォ・・・。」
「お兄さん・・・怖い・・・。」
ヒロキはギガデロスとの戦いを思い出して戦慄する。するとカン太の口から驚くべき言葉が飛んできた。
(どうしたんだ、まるであの時のタイガと同じ・・・。)
「お兄さん‼︎あそこに怪獣娘のお姉さん達が捕まってる‼︎」
「えっ⁉︎」
カン太の指差す方向にいたのはブラック指令、シルバーブルーメ、ノーバの3人だった。彼女達はガラスケースの中で手足を光の鎖で繋がれながらこちらに何かを叫んでいる。しかし防音性のガラスで声が聞こえないため、ヒロキは彼女達に駆け寄った。
「ブラックスターズ⁉︎どうして貴方達が⁉︎」
やはり彼女達の声はヒロキとカン太には聞こえない。そこでヒロキは目の前にあった何かの機械を彼女達が収容されたガラスケースに思い切り投げつける。するとガラスケースが割れて彼女達の声が聞こえてきた。
「どうして貴方達が⁉︎」
「そんな事よりここから逃げろ‼︎早く助けを呼ぶんだ‼︎」
「どう言う事だ⁉︎」
「ここはチブル星人の怪獣工場だよ‼︎」
「チブル星人の・・・怪獣工場⁉︎」
「まずい‼︎奴が来た‼︎」
ノーバの声でヒロキ達の後ろに頭が大きく手足が3本しかない宇宙人が現れた。その宇宙人こそこの工場の主の頭脳宇宙人『チブル星人』である。チブル星人と共にヘルメットを被った兵士のようなアンドロイドが現れヒロキ達を取り囲む。
「地球人諸君、我が工場へようこそ‼︎私の名はチブル星人マブゼ!宇宙最高の頭脳の持ち主だ‼︎」
「本物のチブル星人⁉︎・・・ここは一体何なんだ⁉︎」
「ここは新たな生命を生み出す工場だ!遺伝子を組み替えてより強く、より賢く、より美しい怪獣を生み出すためのな‼︎」
マブゼの言葉にヒロキは目の前で捕まってるのはマブゼが怪獣を生み出すための材料に選んだ物だと断定した。マブゼの言葉に檻に入れられた生物達が喚き出す。するとマブゼは檻に電流を流して生物達を黙らせた。
「私は新たな生命の創造という神にしか成し遂げらなかった所業を・・・煩ーい‼︎今、格好いい事話してるんだ‼︎邪魔するな‼︎」
「モコォォォ⁉︎」
「ぐぎゃああああああ⁉︎」
「うわああああああ⁉︎」
「モコ‼︎」
「カン太君、触っちゃ駄目だ‼︎」
思わずモコが入れられた檻に近づくカン太を制止するヒロキ。カン太がモコに呼びかけている中、檻に電流を流して生物達だけでなくブラックスターズの面子も痛めつけたマブゼに対してヒロキは怒りの目を向ける。
「お前がやっている事は生命への冒涜だ‼︎」
「科学者の思想は倫理や道徳から離れて自由であるべきだ‼︎」
「く・・・狂ってる・・・・‼︎」
「うわぁ・・・ドン引きだよ・・・。」
ヒロキの言葉に対して開き直るマブゼ。その余りにも身勝手な思想にブラック指令とシルバーブルーメは絶句を隠せない。隣のノーバもマブゼに対して怒りの目を向けていた。
そしてマブゼはモニターにあるホログラムを写し出す。それはヒロキとも身近の怪獣娘のカイジューソウルの怪獣だった。
「コレは・・・ゴモラにレッドキング⁉︎」
「その通り!私がオークションで手に入れたゴモラとレッドキングの遺伝子だ!コレにベリアルの遺伝子を加えれば最強の合成怪獣が誕生するのだ!そしてこの実験は最終段階に突入している!今、邪魔をされては困るのだよ‼︎」
そしてヒロキ達を多くのチブロイドが取り囲んでいた。ナイフや銃で武装したチブロイドはヒロキとカン太の手を拘束する。そしてマブゼが命令を下した。
「チブロイド、連れて行け。」
「離せ‼︎離せよ‼︎」
「カン太君‼︎くっ・・・‼︎」
その時、一体のチブロイドが大きく後ろに吹っ飛んだ。思わずヒロキが吹っ飛んだ先を見つめる中、ヒロキはチブロイドが飛んできた方向を見る。そこにはキングジョーが拳を構えていた。後ろにはアギラ、ミクラス、ガッツ星人が控えていた。
「クララちゃん‼︎それに皆、どうしてここに⁉︎」
「GIRLSに宇宙生物の目撃情報があって・・・その宇宙生物の中にモコの姿がありまシタ‼︎」
「それで急いでヒロキさんのソウルライザーのGPSを追って飛んできたんだ‼︎」
「ブラックさん‼︎シルバーさん‼︎ノーバさん‼︎」
すると後ろからオレンジ色のベストを羽織った学生服の少女がブラック指令達に向かってきた。彼女の名は『平賀サツキ』、またの名を『ペガッサ星人』だ。彼女はブラック指令達を助けるため、キングジョー達と合流してこの工場に突入したようだ。彼女の姿を見てブラック指令達は歓喜の声を上げる。
「サツキ君、来てくれたのだな‼︎」
「御免なさい!助けに来るのが遅れてしまって‼︎」
「いいよ、そんな事‼︎こうしてきてくれたんだから‼︎」
「チブロイド‼︎そいつらを叩き出せ‼︎」
チブロイドが怪獣娘達に襲い掛かる。キングジョーに1人のチブロイドが発砲するも彼女の獣殻には通じない。彼女から放たれる光線がチブロイドを焼き尽くす。アギラも角の一撃でチブロイドを破壊する。
「うおりゃあ‼︎」
ヒロキもチブロイドにパンチを浴びせる。ミクラスとガッツ星人も同時に襲い掛かるチブロイドに拳による一撃を放つ。するとアラームが鳴り出した。
「おお‼︎反応が始まったぞ‼︎未だかつて誰も成し遂げた事のない奇跡の瞬間だ‼︎」
「ふざけんな‼︎そんな悪夢の実験なんか僕らの手で止めてやる‼︎」
しかし、マブゼはヒロキ達の前から姿を消してしまう。するとアラームが強くなり出した。ヒロキはチブロイドから銃を奪うとモコの檻に向かって撃つ。檻からモコを解放するとカン太に差し出した。そこにサツキの手で解放されたブラックスターズも合流した。
「ありがとう!お兄さん‼︎」
「クララちゃん、カン太君を連れて逃げて‼︎」
「分かりまシタ!皆、行きまショウ‼︎」
その声に頷いたアギラ達はカン太を連れてその場から脱出する。ブラックスターズも彼女達について行った。ヒロキは全ての檻に発砲してロックを壊すと大声で命令する。
「お前達も早く逃げろ‼︎」
「アレ、ヒロキさんは?」
「えっ・・・嘘でショウ・・・ヒロキ、何処に行ったのデスカ⁉︎」
「GIRLSの皆さん、アレを・・・アレを見て下さい‼︎」
工場から脱出した彼女達はヒロキの姿が見えない事に戸惑いを隠せなかった。キングジョー達が辺りを見渡している中、サツキが異変を感じて上に指を差す。すると黒、黄色、赤のオーラが集まって大きな光球が形成される。
「何アレ・・・何が起ころうとしてるの・・・⁉︎」
「あのマブゼとかいうチブル星人がゴモラとレッドキングの遺伝子を掛け合わせて作った怪獣が生まれようとしてるんだ・・・。」
「ゴモラとレッドキングの遺伝子で出来た怪獣⁉︎」
光球が地面に降り立つと大爆発が起こる。そして煙の中からレッドキングにゴモラの三日月状の角が生えたような培養合成獣『スカルゴモラ』が誕生の産声を上げた。
「ピギシャアアァァァァギャアオオオオォォォォォ‼︎」
「アレは・・・スカルゴモラ!!」
「あのチブル星人はこれを作ろうとしていたのか!!」
「行くぞ!タイガ‼︎」
『ああ‼︎』
ヒロキはタイガに呼び掛けるとタイガスパークのレバーを引く。
〈カモン!〉
「光の勇者、タイガ!!」
『はあーっ!ふっ!』
「バディィィゴーーーー!!!」
〈ウルトラマンタイガ!〉
タイガは角を光らせてスカル超震動波を放ちながら街を破壊するスカルゴモラの前に降り立った。スカルゴモラはタイガを敵と見て雄叫びを上げながら突進してきた。タイガは向かってくるスカルゴモラにいきなりクロスチョップを放ち地面に片膝を付いた状態からキックを放つ。
「シェアッ‼︎」
タイガは回し蹴りを二度放ってスカルゴモラを後退させる。スカルゴモラも負けじと突進を仕掛けてきた。
「ピギシャアアアアァァァギャアオオオォォ‼︎」
スカルゴモラはゴモラ由来の長い尻尾でタイガを叩きのめそうとするもタイガは逆にその尻尾を掴み何度も振り回して投げつけた。
『ウアアアアアァァァァァァ‼︎』
そして地面に倒れたスカルゴモラに飛び掛かるとスカルゴモラを何度も殴り付ける。するとヒロキの頭に頭痛が走り、黒いオーラが溢れる。フーマとタイタスがタイガを落ち着かせようと話しかけるもタイガは2人の声に耳を貸さない。
『おい、どうした?タイガ!』
『いつもの君らしく無いぞ!』
スカルゴモラが立ち上がった後もタイガは背中に張り付きながらスカルゴモラに拳を浴びせる。スカルゴモラはタイガを振り払うため背中の角を光らせてスカル超震動波を放った。ゼロ距離でスカル超震動波を受けたタイガは吹っ飛ばされてしまう。
『うわああああああ⁉︎』
「ピギシャアアァァァァギャアオオォォォ‼︎」
『もっとだ‼︎もっと力を寄越せ‼︎』
(あ・・・ああ・・・。)
タイガの言葉でタイガキーホルダーが変化した事を悟ったヒロキは不安を感じながらもタイガスパークのレバーを引いた。
〈カモン!〉
〈アース!〉〈シャイン!〉
「輝きの力を手に!!」
「バディィィィィゴーーー!!」
〈ウルトラマンタイガ フォトンアース!〉
フォトンアースになったタイガはスカルゴモラの角を掴むもスカルゴモラはスカル超震動波でタイガを吹き飛ばそうとする。するとタイガは右腕でスカルゴモラの角をへし折った。そして折った角でスカルゴモラを3度も殴る。そしてスカルゴモラを投げ飛ばした。そしてヒロキはタイガスパークのレバーを引く。
〈カモン!〉
左中指に意識を集中させてギガデロスの顔が刻まれた『ギガデロスリング』を具現化させる。そしてその力をタイガスパークに読み込んだ。
〈ギガデロスリング、エンゲージ‼︎〉
するとギガデロスの分身能力がタイガに発動してタイガは3人に増え、スカルゴモラを取り囲む。
『この指輪は分身能力か‼︎』
スカルゴモラを取り囲んだタイガはスワローバレットを放って三方向からスカルゴモラに光線を浴びせた。三方向から光線を受けたスカルゴモラは思わず地面に倒れる。
『『『スワローバレット‼︎』』』
分身が本体に戻るとスワローバレットを受けて倒れたスカルゴモラに向かっていく。そしてスカルゴモラの背中を踏み付けた。
『最高だぜ‼︎』
タイガはそのままスカルゴモラの頭を踏み付ける、その戦い方にキングジョー達も不安を感じていた。
「何だかタイガの戦い方がおかしいデス‼︎」
「タイガってあんな戦い方だったっけ⁉︎」
「絶対に違うと思う・・・!タイガ・・・どうしちゃったんだろう・・・。」
GIRLSに残った怪獣娘達もタイガの戦い方に不安を隠せない。
「ししょー、タイガの戦い方ってあんな暴力的な戦い方でしたっけ⁉︎」
「いや、そんな訳ねぇ‼︎あんな乱暴な戦い方じゃなかった筈だ‼︎」
「どんな時でも一生懸命戦ってたのに・・・・どうしてあんな・・・。」
モコもその戦い方に怯えた声を出す。そしてカン太も声を上げた。
「モコォ・・・。」
「泣いてるよ!怪獣が「痛い痛い」って泣いてる‼︎モコが怪獣を虐めないでって‼︎」
(止めろ‼︎タイガ、もう止めるんだ‼︎)
カン太の声を聞いたヒロキは思わずタイガに呼びかけた。しかし、タイガはスカルゴモラを投げ飛ばし、そのまま必殺技の構えに入る。
「ピギシャアアアァァギャアオオオォォォ⁉︎」
『オーラム・・・ストリウム‼︎』
そしてそのままオーラムストリウムを放つ。それを受けたスカルゴモラは大爆発を起こした。スカルゴモラが倒された後、タイガは我に帰り、さっきまでの自分のファイトスタイルに驚きを隠せずにいた。
『俺は・・・俺は・・・何をしてるんだ⁉︎』
そしてその光景を見て笑う男がいた。トレギアの仮の姿の霧崎だ。霧崎はトレギアアイをかざして本来の姿に変身する。
「ハッハッハッハッハッハッ‼︎」
そしてタイガの前にトレギアが黒いオーラを纏って現れた。
『トレギア・・・‼︎』
『お疲れ様でした・・・‼︎』
皆さん、今回はこの中編に過去のウルトラシリーズのサブタイを仕込みました。
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