怪獣娘タイガ ~トライスクワッド参上計画~   作:特撮恐竜

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今回の話は原作でもあり得たかもしれない展開です。

それではどうぞ。


我らは一つ(前編)

タイガはとある街にいた。しかし、それは地球人の街ではない。辺りにエメラルド色の建物が建造された街がある。ここはタイガの故郷『M78星雲・光の国』である。タイガは目の前の自身に似た2つの角とプロテクターを付けた赤い戦士からブレスレットを授けられる。彼こそがタイガの父親にして伝説のウルトラ6兄弟の1人『ウルトラマンタロウ』である。タロウから授かったブレスレットはタイガの右腕でタイガスパークに変化した。タイガスパークに変化した時、タロウは口を開き始める。

 

『タイガスパークだ。かつて友と一緒に作った絆を繋ぐアイテムだ。私もかつて地球人と共に絆を高め合い強大な悪に立ち向かった。』

『地球人と・・・?俺にはそんな絆など必要ありません‼︎』

 

タイガは自身には必要ないものだと返した。その声を聞いたタロウはタイガの顔を見て力説した。

 

『タイガ‼︎広い宇宙をその目で見てこい‼︎強さとはなにか・・・仲間とはなにか・・・そしてお前が真の絆を見つけた時、大いなる力が発揮されるだろう‼︎』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は変わって現在、タイガはトレギアによってその心を闇に染められてしまった。トレギアはタイガの頬を撫でて悪魔の囁きを放つ。

 

『いい子だ・・・。』

『うう・・・!』

 

しかし、タイガの心はどうやらまだ完全に闇に染まった訳ではなく僅かに抵抗する力が残っていたようだ。タイガはかつて父であるタロウからタイガスパークを授かった時のことを思い出しながらトレギアを押し返した。

 

『どうだい・・・闇は気持ちいいだろう・・・。』

『トレギア・・・‼︎』

『おやぁ・・・あ〜らら、温室育ちはこれだから・・・。』

 

それを見ていたヒロキはタイガを助けるためにタイタスとフーマに呼びかける。しかし、2人からの返事は返ってくる事は無かった。

 

「タイガを助けないと‼︎タイタス‼︎・・・フーマ‼︎・・・どうしたんだよ、2人とも返事してくれよ‼︎」

 

それでも2人からの返事は返ってこない。そんな中、トレギアはタイガの体を軽く押す。するとタイガの体は大きくよろめいて近くのビルに向かって倒れた。ビルを破壊しながらタイガはそのまま座り込む。

 

『まぁいい・・・次に太陽が昇る頃には新しいタイガの誕生する・・・。』

 

そう言ってトレギアは消えていった。ヒロキはその様子を見上げていた。すると後ろに霧崎が何処からともなくヒロキの後ろに現れる。どうやら一瞬で人間の姿に擬態したようだ。ヒロキは思わず振り向くも霧崎はヒロキの右腕を掴んで匂いを嗅ぐ仕草を見せる。

 

「僅かに光の匂いがする・・・・。」

「はっ・・・?何言って・・・ぐっ⁉︎」

 

その時、ヒロキの頭に大きな痛みが走る。その痛みは激しくなっていき、やがてヒロキは意識を失ってしまう。ヒロキは薄れていく意識の中で霧崎がほくそ笑む姿を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくとヒロキは黒いオーラの中にいた。辺りを見渡すヒロキは自身の腰を見ると全てのウルトラアクセサリーが消えている事に気付く。

 

「なっ⁉︎」

 

辺りを見回してウルトラアクセサリーを探すヒロキは後ろに気配を感じた。ヒロキが振り向いた先には闇のオーラに包まれたタイガがいた。

 

「タイガ⁉︎」

『ここは最高だ‼︎力が体中に満ち溢れてくるぜ‼︎』

「こんなところにいちゃ駄目だ!一緒に帰ろう‼︎」

『煩ぇ、地球人‼︎誰だ、お前は⁉︎俺の邪魔をするな‼︎』

 

ヒロキはタイガに呼び掛けるがタイガは黒いオーラを放ってヒロキを阻んだ。自身の事を忘れているタイガにヒロキは必死に説得の言葉を放つ。

 

「どうしちゃったんだよ・・・僕だ‼︎白鳥ヒロキだよ‼︎これまで一緒に戦ってきただろ‼︎」

『白鳥・・・ヒロキ・・・知らねぇな‼︎俺の中から出て行け‼︎』

 

タイガはヒロキの言葉に耳を貸さずにヒロキを阻んだ。そこにトレギアがタイガの後ろに回り込んでくる。

 

『いやぁ・・・絆って美しくてはかないものだねぇ・・・反吐が出る‼︎』

「トレギア‼︎お前、タイガをどうするつもりだ‼︎」

『おやぁ・・・絆なんて大層な事を言っておきながら他の仲間はどうしたのかなぁ・・・・見捨てられちゃったのかい・・・。』

 

トレギアはヒロキの周りにタイタスとフーマがいない事をいい事にタイガに再び悪魔の囁きを呟く。その声を聞いたタイガは思わず力無く呟いた。

 

『俺は・・・見捨てられた・・・‼︎』

「‼︎・・・違う‼︎そんな事は無い‼︎タイタスとフーマがそんな事する筈が無い‼︎」

『けど・・・2人の姿が見えないのはなんでなのかなぁ・・・・。』

「それは・・・お前が何かしたんだろ‼︎そうでなければ」

 

ヒロキの言葉を無視してタイガに悪魔の囁きを呟き続けるトレギア。奴は更にとんでもない言葉を言い放つ。

 

『安っぽい仲間ごっこは終わりだ・・・!折角父親を超える力を手にしたんだ・・・。私と一緒に光の国に戻ろう・・・そして父親を超える力を見せつけてやるんだ・・・。』

「光の国に⁉︎そいつの言葉に耳を貸したら駄目だ‼︎後戻り出来なくなるぞ‼︎」

『折角手に入れた力を手放すかそれはお前次第だ・・・・タロウの息子よ・・・・いや・・・ウルトラマンタイガ・・・・・。フハハハハハハハ‼︎』

 

トレギアは姿を消した後、タイガの体から溢れる闇のオーラが強くなる。そしてそのオーラはヒロキを突き飛ばした。

 

『俺は父親を・・・タロウを超える‼︎』

「うわああああああああああぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、GIRLSではヒロキをクララ達が見守っていた。ヒロキの側にクララが駆け寄るもヒロキに反応はない。

 

「ヒロキさん、目覚めないね・・・。」

「ハイ・・・・。」

「ヒロヒロの脳波がだんだん弱くなっています・・・・このまま目を覚まさないとヒロヒロは・・・。」

「そんなの嫌デス‼︎ヒロキが2度と目を覚まさないなんテ‼︎」

 

クララがトモミの言葉を否定した時、ヒロキは目を覚ました。しかし、彼は目を覚ました途端、暴れ出した。その事に皆が驚くもアキが怪獣娘に変身してヒロキを抑えつける。

 

「ソウルライド、『アギラ』‼︎」

「ゔああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「ヒロキさん、どうしたの⁉︎」

「ゔあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

アギラがヒロキを傷付けないように手加減してヒロキを抑えるもヒロキの力はアギラの思った以上に強くて振り解かれそうになる。そんなヒロキを前から抑えつけようとミカヅキもソウルライザーを構える。そんな中、ヒロキの前に立ちはだかったのは意外な人物だった。

 

「アギラ、ヒロキ少年をそのまま抑えつけたまま目を閉じるんだ‼︎」

「え⁉︎」

「いいから早くしろ‼︎」

 

その人物はブラック指令だった。アギラはヒロキを抑えつけたまま、ヒロキを抑えつける。アギラが目を閉じた事を確認したブラック指令は5円玉を吊り下げた振り子をヒロキの前にかざして揺らし始める。

 

「お前はだんだん眠くな〜る、お前はだんだん眠くな〜る・・・お前は・・・。」

「って・・・典型的な催眠術じゃん‼︎そんなんでヒロキさんを抑えられる訳ないよ‼︎」

「大丈夫です‼︎ブラックさんの催眠術は絶対です‼︎」

 

その様子に抗議したミクに反論したのはサツキだ。その横にはシルバーブルーメ、ノーバの2人もいる。2人もサツキの言葉に頷いていた。するとヒロキがだんだん目を閉じ始める。アギラもヒロキの抵抗する力を感じなくなった事を不思議に思い目を開ける。するとヒロキは完全に意識を失って眠りについていた。

 

「嘘・・・効いちゃったよ・・・。」

「相当、強力な催眠術が使えるようね・・・。」

「それにしてもまたお前らに助けられるとは思わなかったぜ・・・しかも2度もな・・・。」

「ヒロキの姿が見えないから皆で探しに行こうと思ったら・・・・まさかアナタ達がヒロキを背負ってきまシタから・・・本当に驚きマシタ・・・。」

「私達はヒロキに2度救われた。一度はシルバーブルーメをアストロモンスの溶解液から・・・2度目はチブル星人のアジトから逃げるのに手を貸してくれた。その借りを返したかっただけだ。」

 

実は意識を失ったヒロキをGIRLSまで連れて来たのはブラック指令達である。彼女達は逃げる途中で倒れているヒロキを発見した。そこでヒロキにシルバーブルーメを助けてもらった時の恩とマブゼのアジトでの借りを返そうとブラック指令がヒロキを背負ってGIRLSまで足を踏み入れたのである。以前、ここに侵入してきた事を警戒していたもののヒロキを背負ってきた彼女達に感謝したクララ達は今の事態がかなりの緊急事態である事から彼女達もGIRLS東京支部に入れていたのである。

 

「でも・・・貴方達のお陰で助かった・・・ありがとう。」

「Zzzzzz・・・・。」

「寝てるし‼︎」

「あの・・・ブラックさんの催眠術は自分にもかかっちゃうんです・・・。」

「おいおい・・・自分まで催眠術に引っかかってどうすんだよ・・・・。」

「それじゃあ私達はここで失礼しますね・・・。シルバーさん、ノーバさん、ブラックさんを連れて行きましょうか。」

「そうだね・・・。」

 

シルバーブルーメとノーバはサツキに連れられて部屋を出ると何処か行ってしまった。

 

「それにしても・・・ヒロキさんの身に一体何が・・・⁉︎」

「分かりません・・・・・けど、かなりの異常事態が発生しているのは間違いありません‼︎何とかヒロヒロを正気に戻さないと‼︎」

「うう・・・・タイガ・・・・絶対に助けるぞ・・・!僕が・・・君を・・・ぐううう・・・・助ける・・・から・・・‼︎」

 

その時、ヒロキは呻きながらタイガの名を呟く。ヒロキの口から出た言葉を聞いて驚いた顔でヒロキを見つめるクララ達。その後もヒロキの口からは彼女達にとって信じられない言葉が聞こえてくる。

 

「タイタス・・・・・フーマ・・・・・何処に・・・・これまで僕達は・・・一緒に・・・・・戦ってきた・・・・だろ・・・タイガを助けないと・・・・‼︎」

「えっ⁉︎・・・・・どういう事・・・・?ヒロキさんがタイガと共に戦ってきた?」

「ちょっと‼︎ヒロ、何を言ってるの⁉︎」

「タイガ・・・・僕達の絆・・・・は・・・・こんな事で・・・・・・途切れ・・・るなんて・・・無いだろ・・・・!」

「ねぇ・・・・もしかしてなんだけど・・・・ヒロちゃんがウルトラマンだったんじゃ⁉︎」

『⁉︎』

 

ヒロキの言葉を聞いて憶測したミカヅキの言葉にクララ達が目を見開いて驚いた。目の前で呻いている少年が今までウルトラマンとして怪獣と戦いを繰り広げてきたという事が信じられなかったのだ。しかし、そこにゼットンが現れて決定的な一言を放つ。

 

「・・・・・皆も・・・知ってしまったのね・・・・。」

「ゼットンさん、それどういう事ですか⁉︎・・・・・じゃあヒロキさんは・・・・本当に・・・・・。」

「ええ・・・彼こそがウルトラマン・・・。今まで3人のウルトラマン・・・・タイガ、タイタス、フーマの3人と力を合わせて怪獣と戦ってきたわ・・・・・皆を守るために。」

「そんな・・・・そんな事、信じられる訳‼︎」

「ガッツ、よく思い出して・・・・ウルトラマンが現れた時、貴方はヒロキの姿を見た?」

 

ゼットンの言葉にミコは沈黙してしまう。魔王獣コンビ、ミカヅキ、ベニオ、アキ、ミサオがゼットンの言葉を聞いて今までの怪獣とタイガ達の戦いを思い出していた。

 

「そういえば・・・・確かにウルトラマンが現れた時はヒロキさんの姿が見えなかった‼︎」

「舞子ちゃんの時もマジャッパがウルトラマンと戦っていた時、ヒロキさん、姿が見えなくなってました‼︎」

「なぁ・・・ゴモラ、九頭竜村でウルトラマンがババルウ星人と戦った時、ヒロキの奴いつの間にか姿を消していたよな⁉︎」

「そういえば確かに姿が見えなくなってた‼︎もしかしてあの時も‼︎」

「それだけじゃないよ‼︎あのキングゲスラにキングジョーさんとヒロキさんが仕込んだ芸をタイガが知ってたのも理由がつくし、ヒロキさんがGIRLSに入る前から怪獣が現れる現場に来ていたのも納得がいくよ‼︎」

「まだ現れたばかりで名前も知らなかったタイタスとフーマの名前をヒロキが知ってたのも・・・・全部ヒロキがウルトラマンだったからなんだな・・・・。」

「タイガ・・・・タイガ・・・・助ける・・・・助けるからな・・・待っててくれ・・・・相棒・・・・・。」

 

ゼットンは目の前のヒロキを見ながら憶測を交えて話し始めた。

 

「恐らく・・・・タイガの心が闇に染められてしまった事で・・・ヒロキの心にも影響が出てるんだと思う・・・・シャドウミストを超える闇の力に・・・・・タイガの心が飲まれたから・・・・その影響で・・・・ヒロキの心も闇に・・・・。」

 

ゼットンの言葉を聞いたクララはヒロキの右手を両手で優しく握った。そして彼女はヒロキに呼びかけ始めた。

 

「ヒロキ‼︎目を覚まして下サイ‼︎アナタのお陰でワタシは自分自身を取り戻すことが出来まシタ‼︎今度はワタシがアナタを助けマス‼︎ヒロキ、戻ってきて下サイ‼︎」

「ちょっとおジョー、落ち着きなよ!おジョー1人がそんな闇雲に叫んでもヒロの意識が戻る保障はないでしょ‼︎」

 

闇雲にヒロキに叫ぶクララをミコが呼び止めた。トモミ、アキ、ベニオがクララに落ち着くように言い聞かせる。

 

「キンキン。ここにいるメンバーはヒロヒロの事を待っています。私達もキンキンと同じなんですよ。」

「キングジョーさん、ボク達を頼って下さい。ボク達は仲間じゃないですか。」

「俺達だってこいつに何度も助けられてきたんだ。今度は俺達の手でこいつの目を覚まさせないとな。」

 

3人の言葉を聞いたクララはその場にいる皆の顔を見渡すと心を落ち着かせる。そして皆に呼び掛けた。

 

「・・・皆、ヒロキを連れ戻す為に力を貸して下サイ‼︎」

「勿論ですよ‼︎わたし達だってノワール星人に改造されそうになったところをヒロキさんに助けてもらったんですから‼︎」

「今度はわたし達がヒロキさんを助けないと‼︎」

 

クララの声を聞いてヒロキに好意を抱くヨウとユカが1番に答えを返した。他の皆も2人の声に頷く。

 

「皆さん、何とかしてヒロヒロの意識に直接声を届けられればヒロヒロを目覚めさせられるかもしれません。どうにかしてヒロヒロに私達の声を・・・。」

「よく分からないがその少年に声を届けたいのなら私に任せろ‼︎」

 

トモミがヒロキの意識を取り戻すか考え始めるとそこに乱入する声があった。それはクララ達にとっても驚くべき人物だった。

 

「どうしてアナタ達が⁉︎」

「話は少しだけだが聞いた‼︎この少年の意識に直接声を届けたいならコレを使え‼︎」

 

そこに来たのは催眠術に掛かって眠った筈のブラック指令だった。ブラック指令はその後ろにシルバーブルーメ達を控えると懐から何かを取り出した。それは丸い水晶玉だった。




原作でヒロユキの呻き声次第ではここで正体がバレてた可能性もあると思ってこの話を書きました。

多分、原作でも社長辺りにはこの辺でバレてたかもしれませんが・・・・。
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